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2020-11-24 11:19

46. 110億歳の銀河にデススターで穴が空いたハナシ【おまけ話付き】

今回は宇宙の初期に作られた110億歳の銀河のお話。

リングギャラクシー(輪っかの銀河)をご存知でしょうか?

スターウォーズのデススターにやられたかのような形のこの銀河。

これを私たちのいる90億歳の天の川銀河と比べたところ、面白い事実が発見されました。


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元論文

https://arxiv.org/abs/2005.11880


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始まりました、佐々木亮の宇宙話。
普段、国の研究機関で天文学の研究をしている私が、毎日最新の宇宙ニュースをお届けするこちらのポッドキャスト。
今日は、110億歳の銀河について紹介してみたいと思います。
私たちがいる銀河というのは、だいたい90億歳と言われているので、私たちがいる銀河の20億年先輩の銀河、そんなお話ですね。
なかなか宇宙っぽい数字が並んでていいんじゃないでしょうか。
ということで、本題に入る前に、緊急報告というか、今日どんなことをやっていたかというと、
今日は研究の打ち合わせが入っていて、研究室内の他のメンバーの研究の状況を知れる週に1回のイベントみたいなものがありますね。
あとは一応、昨日とか一昨日とかも、こちらのポッドキャストを紹介させていただいていたと思うんですけど、
3月にある天文学会に出るための申し込みの観測結果とかをまとめた資料というのをずっと作っていて、
昨日ポッドキャストを更新したのが12時ギリギリ前だったんですけど、そこからさらに明け方ぐらいまでやって、それでようやく終わったという感じですね。
個人的にはですね、あまり頭のいい方ではなくて、結構この博士課程を卒業するのに必死こいているというか、
これまでの修士課程を卒業するとか、あとはNASAで研究させてもらういい機会を得たりとかっていうのは、
正直言うと頭が悪い分、人1倍、2倍とか3倍とかですかね、作業時間とってとにかく手を動かしてやりまくるっていう方法でやってきていて、
今回の博士号を取得するための論文審査というのが、それの集大成になるわけですね。
なので、それに向けた一つの研究の使命というところで最後、気持ち的にもスパートがかかっているというところです。
結構こんなぶっ倒れそうになるまで朝までやるっていうのは久しぶりだったので、なんかちょっと逆に感動してます。
こんな感じですね。ということで、早速本題に入っていきましょうか。
では今回は最初に言った通り、110億歳の銀河について紹介してみたいと思います。
今回紹介する銀河っていうのがリングギャラクシーと呼ばれるものなんですね。
これどういうものかっていうと、まず私たちがいる銀河、いわゆる普通の銀河って渦を巻いている星の形っていうのを想像すると思うんですね、銀河といえば。
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しかし今回のリングギャラクシーと呼ばれるものは遠景にはなっているけど、その銀河の真ん中がすっぽりと星とかも何もない状況なんですよ。
これはなかなか珍しい形で、ぜひ興味ある方は一度調べていただきたいんですが、どうも銀河ができた初期の頃に銀河ができるときは
宇宙の初期って周りにも星とか銀河っていうのがたくさんあった状態なので、たまたまこの銀河に別の銀河が衝突して
真ん中にあった星とかを剥ぎ取っていった、ないし吹き飛ばしていったっていうようなシミュレーションの論文とかが出ています。
宇宙好きの方はスターウォーズが好きな方が多いんですが、銀河にデススターで真ん中に穴を開けたみたいな形になっていて、かなり面白い形をしているので、ぜひ検索してください。
リングギャラクシーですね。
本当に銀河と銀河がぶつかるなんて想像できない規模の交通事故みたいなものなんですよ。宇宙規模の。
そんな交通事故を経て何世、110億年も生きている銀河ですから、これはかなり宇宙初期からあるものなんですね。
というのも宇宙の年齢っていうのは現在おおむね138億年と言われていますから、宇宙ができてから20億年とか30億年の間にできた銀河というような感じですね。
一方で私たちが住んでいる山の川銀河っていうのは90億歳なので、私たちの銀河よりは20億年も先輩だと。
もうちょっとここら辺になってくると正直数字がいまいちわかりませんが。
今回の研究っていうのは何が主体かっていうと、そんな110億年前にできた銀河と私たちが住む90億年前に生まれた銀河。
この2つを比較してあげて、どういう違いがあるのかっていうのを総合的に評価してあげようとしておりました。
人間でもそうなんですけど、この銀河2つ20億年も差がありますから、体型や体重なんていうものは違くていいわけですよね。
違くて当たり前だろうぐらいの感じでどれぐらい違うのかみたいなところを調査しようとしたところ、
なんと今回銀河自体の重さっていうのは銀河の重さだから、例えば真ん中に入っている物質とかを全て合計したような重さですね。
こちらが何と110億歳でも90億歳でも一緒ですと。
なのでここは結構びっくりなんですよね。
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なのでここの20億年にそういった重さの部分は全く関与しないっていうところが分かった一方で、
このリングギャラクシーと呼ばれる110億歳の銀河は、銀河自体が私たちがいる天の川銀河よりも2倍のスピードで広がっていて外側に。
なおかつ銀河っていうのは何回か前のポッドキャストでも紹介したと思うんですけど、
星を生成する領域、星を作り出す工場みたいな領域が何個もあるんですね。
星っていうのは宇宙の中にある塵とかガスとかが固まった領域で、その塵とかがお互い引き合ってくっついてできるものなんですが、
そういった星が生成されるっていう現象自体、星が生成されるスピードが何と私たちがいるこの銀河の50倍だそうです。
つまり私たちがいる銀河と重さとかは一緒なのにすごい速度で広がっているし、すごい速度でどんどん星を作っているっていうような感じなんですね。
こういった違いがあると、この20億年と一体この差ができるのはなんだっていうところは実はまだ謎のままで、
実際はこういう、そもそも今回初めてこの20億年の差があるにも関わらず重さがどうで、銀河の広がりがどうで、
みたいな話っていうのは初めてされた、ある意味新発見の研究なので、今回はこの発見をしたぞっていうところが論文になっています。
なので今後この銀河の広がり方であったりとか、星が作られるスピードだったりっていうところがフィーチャーされた論文がポンポンと出てくる可能性は
なきにしもあらずっていう感じですね。
といったところで今回は110億歳の銀河についてちょっと紹介してみました。
なかなか面白い研究対象だったと思いますね。
最初に紹介したんですけど、この論文、実はネイチャー系列の雑誌に載っていて、実際はネイチャーではなくてネイチャーアストロノミーっていう雑誌なんですね。
ここでわからない方のために補足をしておくと、ネイチャーっていうのは科学系の雑誌では一番世間に与えるインパクトが大きい論文の一つとして知られていて、
これに乗るともう漏れなくテレビの取材であったりとか世界中から公演の依頼が殺到するみたいな、それだけ名の高い雑誌になるんですね。
しかし最近それのネイチャーっていう大元の雑誌以外にも各分野で、例えば宇宙であればネイチャー、アストロノミーみたいな子会社みたいな雑誌ができたんですね。
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これ結構賛否両論がありまして、結局ネイチャーっていうのはそれだけ新鮮な結果を残さなければいけないので、
掲載してもらうための敷居がめちゃめちゃ高いんですよ。
基本的にはそこに掲載したいと言っても断られるというのが常なんですね。
そうするとネイチャーに断られたものだから、少しまたレベルの低いところに出してみたりとか雑誌を変えてみたりっていうようなところをするんですけど、
ネイチャー側も気づいたんでしょうね。
このネイチャーに載せようと思った論文って基本的にはもう世間的なインパクトはもう莫大なわけですよ。
ただちょっとネイチャーのこのインパクトには欠けるなっていうのはすべて落とされてしまう。
そのギリギリのところを他の雑誌に持っていかれるなんてもったいないじゃないですか。
というところで今回新しくそういう子会社みたいな雑誌ができたという噂を偉い方から聞きました。
本当かどうかわからないんですけど、こういうちょっと歪んだ目で見てもいいんじゃないでしょうかね。
ちょっと面白いなと思って紹介してみました。
こんな感じで取り上げられる媒体によって研究のインパクト、世界中の研究者からすごいと思われるかどうかっていう差が出てくるっていうところは
ちょっと頭の片隅に残しておいていただけると面白いかなと思います。
今回の話もですね、これで一応今日は以上になります。
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それではですね、また明日お会いしましょう。キレが悪くてすみません。さよなら。
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