1. 佐々木亮の宇宙ばなし
  2. 86. 自分自身の研究のハナシ
2021-01-03 12:04

86. 自分自身の研究のハナシ

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最近は博士論文ばっかりやっている報告が多いので、

実際にどんな研究をしているのかをお話させていただきます。

国際宇宙ステーションに搭載されている観測機を使って「恒星」を観察してます。


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始まりました、佐々木亮の宇宙話。
普段、国の研究機関で、天文学の研究をしている私が、毎日最新の宇宙ニュースをお届けいたします。
こちらのポッドキャスト。
本日はですね、最近毎日、白紙論文の作業をしているという話をばんばんしていると思うんですけど、
そもそも、こいつどんな研究をしているんだというところを、一度ちょっとおさらいさせていただこうかなと思っております。
なので、今日のテーマは、佐々木亮、私自身の研究内容について紹介してみたいと思います。
最近お聞きの方はわかると思いますが、
白紙論文を作成する真っ只中にいる、プラスして、
それの中に含める結果一つを、論文として投稿しているというような状況ですね。
その論文の内容に関しては、公開されるというか、掲載が決定したら、
こちらのポッドキャストでも紹介していきたいなと思っているんですが、
あとは白紙論文の内容ですね。
こういったところ、またちょっと論文化との兼ね合いもあるので、
全部をどこまで話せるかはわかりませんが、
研究内容の大雑把なところっていうのはお伝えできるかなと思うので、
ぜひ最後までお楽しみください。
といったところで、まず今日は恒例の活動報告ですね。
今日で参加日も終わりになりますが、
今日も丸一日、朝からがっつり研究をしておりました。
で、論文の中身を固める作業に入っていて、
なかなか進んでいるのかどうかみたいなところは、
若干手応えがあるようなないようなって感じなんですね。
で、論文って正直ページ数ではないことは十々承知しているんですね。
しっかりと結果があって、それについての考察みたいなのが一つ以上あれば、
基本的にはそれは論文として成り立つので、
長々だらだら書くといったようなところが重要性を持っていないことは
十々承知はしているんですが、
やっぱり毎日進んでいるのか進んでいないのかみたいなところを
ちょっとくよくよし始めた時にはですね、
丸一日作業した時にどれくらいページ数が増えているかみたいな
ちょっとした数字が増えているだけでも
心の支えになるなってすごく思っております。
なので、どんどん論文が長くなっていくことに
少し嬉しさを持ちつつ、
ただまぁ冗長な表現っていうんですかね、
なんか割りくどい表現とかをしていると
論文としてのクオリティも下がってしまうので、
バランスを見ながらしっかりとどんどん進めていければいいかなと思っております。
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まぁそんな感じで今日も一日ずっと研究をしておりました。
で、カフェとかでやってるんですけど、
カフェとかやっぱり受験生の方とかも多いんでね、
1月の末とか2月とかにあると思って、
そういう勉強をしている人がやっぱり横にいると
励みになるなと思いつつ、
自分もこの受験生もそうなんですが、
この後コロナウイルスで緊急事態宣言とかが
出てしまったときにはですね、都内とかで、
そうなるとこうイレギュラーが発生して
なかなか厳しい局面を迎えるんじゃないかなと
若干ソワソワしているところでございます。
なのでこれ以上なんか変な動きがないように
コロナウイルスこれ以上広まらないことを祈っております。
といった感じで3日にち皆さんどう過ごしていたでしょうかね。
ゆっくりできた方がいればいいかなと思っております。
そんな感じで今日は早速自分の研究内容っていうのを
お話ししていきたいと思います。
私の研究内容のメインはですね、
ポッドキャストでかなり何回も取り上げているような
太陽みたいに自ら光る光勢って呼ばれるものですね。
光勢の表面で起こる爆発現象のフレアというものを
研究しております。
これをたくさん見て、
たくさんフレアっていうものをサンプルみたいなのを
集めて宇宙全体から。
そいつらが統計的にどういう動きを見せるのか。
なので大きい光勢フレアから太陽の表面で起こるような
爆発みたいなところまでの共通の性質みたいなのを
見出してあげようっていうのが研究の大きいところですね。
そんな感じでたくさんのフレアっていうのを
見つけてあげたいと。
そいつらを扱っていきたいっていうのが
自分の研究になるんですが、
そうなった時にどうやってそういうフレアたちを
見つけていくのかっていうと、
それは国際宇宙ステーションに乗っている
ある天文観測器を使うんですね。
そいつの名前は前天X線監視装置、
マキシと呼ばれるものです。
このマキシと呼ばれるものは
結構世界中を見ても珍しい検出器で、
どういうふうになっているかっていうと、
180度視野があるカメラを持っているんですね。
ただ狭く、狭くというか、
180度をバーっときれいに見えるカメラを持っていて、
それが国際宇宙ステーションに乗っているんですよ。
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国際宇宙ステーション、
野口宇宙飛行士とかが今いる、
宇宙飛行士の方が滞在しているあれですね。
あれの先っちょにポンと搭載されているのが、
このマキシってやつです。
国際宇宙ステーションが地球の周りを
90分で一周するんですよ。
めちゃめちゃ早いですよね。
この90分で一周するのに合わせて、
その180度の視野を持っているカメラっていうのが、
宇宙全体をバーっと舐めるように見ていくと。
そうすると90分に一回、
宇宙全体の写真を撮ることができるっていうのが、
こいつの特徴なんですよ。
私が研究したい光性フレアと呼ばれる現象っていうのは、
基本的に予測が難しいんですね。
発生の予測が難しいので、
1個の星をじっと見ていても、
その見ている期間に爆発が起こるかどうかって、
結構定かではないわけなんですよ。
なので、このマキシってやつみたいに、
宇宙全体を舐めるように、
軽くずっと見続けるみたいなことをしてあげると、
じゃあ知っている星のところがいきなり明るくなった、
みたいな現象が起こるんですね。
これが、フレアが見つかったぞっていうようなことになって、
一つ一つサンプルが増えていくと。
このマキシっていうのが、
稼働10年以上、11年を迎えるところなんですよね。
なので11年間の宇宙全体の画像が、
90分に1枚のやつが、
11年間分溜まっていくんですよ。
なのでこの中からいきなり明るくなった星っていうのを探してあげると、
統計的な研究ができるっていうのが、
私の博士論文の中心になるようなものなわけなんですよ。
普段、国の研究機関で研究をしているっていうのは、
国立研究開発法人理科学研究所っていうところに、
この国家プロジェクトであるマキシの運用チームがあって、
その運用チームの中で研究員をしながら、
博士課程の研究を進めさせていただいているといったような感じですね。
なので大学の学部生の頃から、
そのチームの中で研究をさせてもらっていて、
博士課程に上がるタイミングで、
研究員としてお給料をもらいながらやらせてもらえているというような、
非常に恵まれた環境でやっております。
ただ例えば、
自分みたいな立場になると、
夜9時から朝9時までの運用当番みたいなのもあったりして、
ブラックっちゃブラックみたいな部分もありますが、
そこに関しては自分の研究の中の一つのタスクとしてですね、
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特に研究と並行して進められるので、
そこまで正直ブラックだとは思っておりません。
言葉のアヤってやつですね。
こんな感じで、
宇宙全体から物を引っ張るという非常にユニークな観測器を使って、
研究を進めているといった感じですね。
私が使うこの光性フレアというのは、
実は太陽で見つかるようなフレアに比べて最大で1000万倍も大きいんですよ。
1000万倍ですよ。ピンときますかね。
100万倍だと0が6個なので、
1000万倍なら0が7個つくという感じです。
もう何かわけわかんないですよね。
これがいわゆる天文学的数字ってやつですね。
こんな感じで0が何個もつくようなものを毎日毎日見させられていると、
細かい数字の差なんて気にならなくなって、
少しは性格が大らかになっているのかなと思ったりもします。
そんな感じで太陽フレアが非常に危険だというお話、
何度かさせていただいていると思うんですけど、
私が使うのはそれよりも1000万倍大きいフレアなので、
もう危険とかそういうレベルではない、
人類滅亡レベルの爆発を毎日研究しているといった感じですね。
そんな感じのものが私の研究のメインになります。
今回は日本でのこの研究内容についてお話ししたんですが、
もう一つ博士論文の中に含めるであろう内容というか、
私がずっと博士に入ってから参加させていただいている
NASAが打ち上げた新しい検出器での研究についても、
また近いうちにお話しできればいいかなと思っております。
そんな感じで、日本も結構天文学リードしてますよというところと、
国際宇宙ステーション、宇宙飛行士が滞在しているだけじゃなくて、
いろんな実験器具が載っているというところも覚えていただければ嬉しいと思います。
そんな感じで、本日は今日は自分の佐々木自身の研究内容というのを紹介させていただきました。
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