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2023-05-19 22:54

951. ブラックホールの写真撮影が新たな局面を迎えた!【Nature】

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1日10分、宇宙時間をテーマに毎日お届けしております宇宙話。 今回は、ブラックホールの画像を撮る
5500万光年先で見つかった新たなブラックホールの理解を進める1ピースのお話をしていきたいと思います。
ブラックホールは実際に存在する天体である。 そしてその天体を理解するために必要な情報があと一つだけ欠けていた。
そんな中で、ブラックホールの画像化を成功させたあのチーム、あの実験装置が再び良い研究結果を出してくれました。
今回はこちらについて、世界中に大きなインパクトを与えている研究を紹介していきますので、ぜひ最後までお付き合いください。
そして最後にはちょっとしたお知らせあるので、そちらも楽しみにしておいてください。 それではどうぞ。
ささき寮の宇宙話
2023年5月19日始まりました。ささき寮の宇宙話。 このチャンネルでは1日10分宇宙時間をテーマに、天文学で博士号を取得した専門家の寮が、毎日最新の宇宙トピックをお届けしております。
本日でエピソードが951話目を迎えております。 基本的には1話完結でお話ししてますので、気になるタイトルとか気になる宇宙のトピックとか、そのあたりから楽しんでいただけたら嬉しいなと思っております。
まあね、そういったところから聞いていただく方が普通に宇宙楽しんでもらえるんじゃないかなっていう、まあそんな感じだと思ってるので、ぜひよろしくお願いします。
ということでね、まあ今日で951話目っていうところなんですけど、昨日はこれ面白かったですね。僕も結構いいなぁと思ったのが、宇宙に木材を持っていくっていう研究で、
まあそれによって木って宇宙空間で劣化しちゃうのかな、みたいな話をさせてもらったんですよ。 でまあそんな話しつつ、今回何の話しようかなと思ってたら
ブラックホール、これね宇宙話のリスナーみんな好きなんですよ。 ブラックホール。
これの画像化っていうのが新たにできたっていう、そういうお話をしていきたいなというふうに思っております。
ブラックホールを画像にするっていう話、これ なんとなく覚えないですか?皆さん。
これが一番最初に発表されたとき、本当に世界中に衝撃をもたらした研究結果だったんですよね。
2019年の4月に世界同時記者会見みたいな形で、 ブラックホールの写真を撮ることに成功したっていう、そういうニュースが流れたんですね。
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この時は、ポッドキャストまだやってないか、でも衝撃的にはやっぱすごかったです。 伝聞業界の中でも。
2019年の4月なので、僕理研にいたのかな、その時。 で、その話出て、なんとなく噂レベルの話はあったんですよ。
なんかこう、世界同時会見だからこれ、タイミング的にあれかね、みたいな話をしてたりはしたんですけど、
それで、次の日、理研の研究所で、同じ研究室のボスとかと喋ってたときに、あれってこういうことだよね、みたいな。
結構朝の時間、みんなで喋りながら、意外と解釈の仕方って難しいな、みたいな話をした思い出があるんですよ。
それが行われたのが、2019年4月に、地球からの距離で言うと、5500万光年っていうかなり離れた距離間にあるブラックホール。
ブラックホールなんてね、近くにあったら困るじゃないですか。 まあでも意外とあるんですけど、5500万光年先にあるブラックホールである、
ブラックホールというか、銀河ですね。M87って呼ばれる銀河の真ん中にあるブラックホールの写真を撮ることに成功したと。
これ、みんなブラックホールって銀河の中心にあるんだよっていう話、覚えてます? ブラックホール。
実はこれもう、宇宙話で繰り返し話しても、まだあるんだっていう人がいるぐらいだから、ブラックホールって一定層、一定数の人からまだないと思われてるんですよね。
架空のものみたいな。でも実際には、観測的にこういうものがブラックホールだっていう定義で、一応ものがあって、それが銀河の中心にあったりするんですよ。
僕たちが今、天の川銀河っていう銀河の中にいて、で、その中に太陽系があるんですよね。
で、銀河って円盤型になっていて、渦巻き状になってるみたいなあれですね。で、その渦巻き状になっているとこの、なんか縁みたいなとこに僕たちはいて、
で、その中心にもめちゃめちゃでかいブラックホールがあるという状況で、銀河とブラックホールって結構セットで語られることが多いかなっていうところなんですよ。
そんな中で、2019年にあの赤い輪っか、赤い輪っかが出て、これブラックホールの画像なんですって言ってみんなが、おーすげーみたいななってたあれですね。
あれが5500万光年先にある銀河の中心にあるブラックホールの写真なんですよ。で、重さが太陽の65億倍。
65億個太陽集めて、一箇所にギューってやると、あのブラックホールができるみたいな。そんな感じですね。結局は重力がものすごく強すぎて、もうあの全然穴のように見えるっていうだけで、本当に穴かどうかっていうのはまた別問題の話なんですよね。
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そんな感じでブラックホールの写真が撮れた。穴で光すらも脱出できないようなものを視覚的な証拠として示すことができたっていうのは、このブラックホールの研究においてものすごく重要なワンステップであったというところで、だからこそ世界中みんなで協力して、
で、しかも発表もしっかり一緒にやってみたいな。あの時のきっとプレスとかの観光レートがすごかったんだろうな。あのなんかプレス、その科学研究のめちゃめちゃすごいやつのプレスリリースって大きく2種類あるらしくて、事前にある程度こう記者の人たちに内容が伝えられているパターンで、この日までニュースにしないでくださいっていう出し方と、
もういきなりサプライズ発表みたいなパターンの2つで、当時のやつは確か後者のサプライズ発表だったのかな。まあだから前のその前者みたいな話になると、あのどっかがすっぱ抜くみたいなね、こととかをやられてしまったりするので結構多分センシティブな内容だったんじゃないかなと思うわけですよ。
そんな2019年4月にリリースされたブラックホールの映像、赤い丸っていうのは結構みんな記憶に新しいというか、なんとなくブラックホールって言って想像するのがあの画像になってる人って多いと思うんですよ。
そんな中で、あれの続報的な研究っていうのが出てきたっていう感じですね。 今回どういう研究だったのかっていうと、なんかブラックホールって単純に物を吸い込むだけの存在だと皆さん思っていませんか?
まあ嘘ではないんですけど、けどブラックホールって吸い込むだけじゃなくて、めちゃめちゃ吐き出すっていう側面もあるんですよ。 これ多分みんなピンとこないかなと思うので、ブラックホールの状態をなるべく声だけでお伝えできればいいなと思ってるんですけど、
まずブラックホールから外に向かってものすごい勢いで物が噴射しているジェットと呼ばれる現象があります。ジェット。 なんか言葉として馴染みありますよね。何かがものすごい勢いで噴出していることをジェット噴射とかって言うじゃないですか。ああいうイメージの本当にジェットです。
スペルも一緒。JET。これブラックホールとかだと結構よくあることで、超巨大なブラックホールとかだと周囲のものを引き寄せる過程ですごいエネルギーを生み出すんですよ。そのエネルギーを生み出して、このM87っていうブラックホールも比較的明るく輝いていると。
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そのエネルギーの一部っていうのが中に取り込めなくて外にガーって噴射していってるみたいな、車とかの排気ガスとかに近いのかな。中でエンジンでガーってエネルギー作って、そのエネルギーで車を動かして、でもそのエネルギーを一部外に噴出していかないとうまく機関が回らないぐらいの感覚で捉えていただければよくて。
ジェットっていうのは車でいうところの排気ガスみたいな、そんなイメージ。身近なもので例えるとわかりやすいですよね。
このジェットっていうのは結構いろんな観測で、これまでも見えてるんですよ。
なんならブラックホールを見ていってたときに、ジェットっていうのは比較的確認されやすいものだったっていうところなんですよ。
このジェットを吹き出すためには、さっき言ったみたいに周りからものをブラックホールが吸い込むっていう様子。これが一応一つ重要な要素としてあるんですよね。
で、それどんどん引き込んでいっている、ものを吸い込んでいっている過程で見えるのが、これ硬着円盤と呼ばれるもの。これが二つ目の要素ですね。
今日のポイントはこのジェットっていうものと硬着円盤っていうもの。硬着円盤って言葉むずいんですよ。こんな硬着なんて絶対使わないじゃないですか。
硬っていうのは雨が降るとかの降るですね。降下するとか、下に降りる。硬着の着は着物とかの着るですね。
降って積もるみたいなイメージ。で、円盤。なのでブラックホールの周りには実は円盤みたいなものができていると。
で、これ何かっていうとブラックホール自体も昔は星だったんですよね。ブラックホールって太陽よりもものすごく重い星が一生の進化を経て、最後大爆発を起こして残る星の核みたいなものがブラックホールになっているっていうイメージなんですよ。
で、そう考えると星、それこそ地球とかもそうだし太陽とかもそうなんだけど、自転してるんですよね。ぐるぐる自分で回ってるんですよ。
だからきっとそのブラックホールの中心にあるというか、その穴みたいなのを作ってる元であろう星っていうのもぐるぐるぐるぐる回ってるんだろうなっていうのがなんとなくは想像がつくと。
で、そのぐるぐる回ってる勢いでブラックホールに吸い込まれる天体たちも穴にまっすぐ落ちていくんじゃなくて、なんかこうぐるぐる回りながら回転しながら吸い込まれていくみたいな、そういう形になるんですよね。
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これが硬着円盤と呼ばれるものの現象の一つ。ブラックホールは光すらも飲み込むっていうぐらい強い重力を持ってるから、周りにある天体とかもどんどんどんどん吸い込めちゃうんですよね。
この吸い込める状態の、吸い込まれてる過程が硬着円盤。ディスクって呼ばれたりしますね。アクリーションディスクっていうのかな。むずいっすよね。いいっすよ、いいっすよ、覚えなくて。
で、それを吸い込んだときのエネルギーの一部がジェットとして出ているみたいな、そんな感じです。今回、画像として捉えられた、ブラックホールの画像が新しく出てきました。
面白い点っていうのは、この硬着円盤とジェットっていうのを両方とも一緒に撮影することができた。っていうところが今回の新しいポイントって感じですね。
しかも、その硬着円盤は吸い込むもの、ジェットは吐き出すものっていうのが両方一緒に撮れてるぐらいの解像度になったからこそ、これ、噴出するジェットの根元までしっかり撮影できたっていうのが今回の研究のものすごく面白いポイントになってます。
これがわかると何がいいかっていうと、そもそもこのM87って呼ばれるようなブラックホールっていうのは銀河なんですよ、結局は。銀河でその中心にものすごくエネルギッシュなものがあって、電波とかで輝いているもののことを活動銀河核って呼んだりするんですよね。
今日ちょっと難しいワード多いですけど、なんかふわっと認識してくれればよくて、そういう活動銀河核って呼ばれる、いわゆるブラックホール、銀河の中心にあるエネルギッシュなブラックホールですね。
これの理解を深めるために必要な3種の神儀と呼ばれるもののうちの2つが今回分析されたと。これどういうことか。ブラックホールを示すための活動銀河核の3種の神儀、3種類っていうのが、
ブラックホール自体を捉えるっていうこと、そしてブラックホールに吸い込まれているものを捉えるということ、つまりこれが鉱着円盤、そしてそこから吹き出すジェットっていうところを捉えるっていう現象、この3つで3種の神儀って呼ばれてるんですね。
そんな中で今回、鉱着円盤の写真っていうところを直接捉えることができたっていうのがものすごく重要なポイント。それにプラスして鉱着円盤と一緒に3種の神儀のもう一つであるジェットも足元までしっかりと捉えることができているというところになって、
これブラックホールの研究に新しい歴史の1ページが刻まれたと言っても過言ではないぐらいの、そういう研究成果になってます。だからこそインパクトのめちゃめちゃ強い論文雑誌Natureっていうところに掲載されたわけなんですよね、今回の研究も。
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なので、今からの時代はブラックホールっていうものがどんどんどんどん解明されていく、めっちゃ面白い時代に突入しているというところなので、ぜひですね、まあ宇宙話だとどうしてもこの音声だけで届けるっていうので、ブラックホール、画像化できた、嬉しいって言ってるものを画像の情報一切なくしゃべるみたいな感じになってるわけですよ。
これ結構チャレンジングなのか、もともともないというのか、どっちかっていうのはお任せしますけどね、捉え方次第は次第なんで。
でもまあ、こういう最新の研究っていうのがどんどん出てきていて、僕が研究を始めた頃ですら全然わかってなかったことだったり、今大人になった人たちがちっちゃい頃思い描いてた宇宙の姿っていうのが、より具体化されてどんどん表に出てきてるっていうのは、本当に面白い時代になってるかなというふうに思ってます。
ただまあ今回あくまで、ブラックホールのいろんなブラックホールが宇宙空間にある中の一つが画像化することに成功したっていう話になっているので、ここからどんどんどんどんいろんなので画像を作っていくことで、
ブラックホールの硬着円盤ってこういう性質だろうみたいな、ブラックホールの硬着円盤がこうだから、このブラックホールはこういうふうに解釈ができるかもみたいな、いろんな材料が揃ってくるフェーズに入って、最終的にブラックホール全体が理解されるみたいな、そういうステップになってくるかなと思うんですよ。
なので、これからもこういう画像化してくるものがあったら、ポッドキャストでも紹介していきたいなと思っております。
で、これ、僕、ちゃんと科学研究としてこういう研究を見たいなっていう目線のうちの一つで、ブラックホールの写真が撮れたっていう研究に反する、意見するような論文っていうのを紹介してるんですよ。
で、これがブラックホールの画像を撮れたっていう、あのデータの処理、間違ってませんかっていうのが、ちゃんと論文として出ている。
で、論文として両方とも出てるってすごい面白いことで、画像化できたっていう論文と、あの画像は間違えているっていう論文と2種類あって、これ両方とも国立天文台から出てるっていう面白い状態なんですけど、
つまり、まだどっちかわかんないっていうのが正確だと思うんですよ。論文になってるってことは、論理の飛躍っていうのは基本どっちもないと言われてるんですよね。
誰でも再現できるような状態になっているってことになっていて、そうなると、こっちのロジックでいくと、確かにブラックホールの画像って青はならない。
つまり、赤い丸っぽくならないっていうところがあって、それに反して、いや、ブラックホールの画像はこれだっていうのもロジックとしては間違ってないっていうところになるので、これからそこについて決着がついていくと、もしかしたら、今世界中がワクワクしているこの状況っていうのが、
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寂しいけどガラッと一変してしまうかもしれないっていうところだけ、宇宙話のリスナーのみんなには知っておいてもらいたいなっていうところですかね。
いやでも結構面白いですよね、こういう研究。
あと一個、僕、前にリスナーの人に質問されてびっくりしたというか、これちゃんと伝えなきゃって思ったのがあって、ブラックホールってなんで赤い輪っかなんですかって言われたんですよ。
確かに、赤い輪っかでみんなもうブラックホールを認識しちゃってるじゃないですか。
でもあれ別に赤くないんですよね。
あの赤は研究者がそれっぽく見せるためにつけた色なんで、別にブラックホールの周りが赤く輝いているわけではないですね。
そこは結構ポイントとしてあって、研究者、天文の研究とかで出てくる情報って、基本的にはただの色の濃淡というかだけなんですよ。
だから、色がついて見えたときに、あ、宇宙ってこんな綺麗に見えるんですね、みたいな。
になってくると、それは結構、人間が一種、恣意的に、この色にしていこう、みたいな。
この色でコントラストつけた方が見栄えいいよね、みたいな。そんな感じでつけてたりするんですよ。
だから、この赤色っていうのも、ブラックホールの研究上、赤が浸透してきたから、たぶんこれからブラックホールが画像化されるときは、赤っぽい輪っかで表現されると思うんですけど、
ブラックホールは赤だっていうのだけ、妄信するというか信じちゃうのは、みんなにはやめてもらいたいなと思ってます。
僕もそういうのの画像化のときに、結構色の調整するのうまかったので、これが一番見栄えいい、みたいな。
そうすると、みんなおおおおってなるんですよ。
そのおおおおを作り出すための色の調整だと思っていただければいいので、そういうところはね、ちょくちょく喋っていきたいなと思ってますので、引き続きよろしくお願いいたします。
ということで、今回は以上にしていこうというところなんですけど、
実は、明日、久しぶりのポッドキャストコラボになっております。
しかもこれ、昨日収録ホヤホヤなんですよ。
5月18日に東京に来るということで、ポッドキャストチャンネルワインの輪とのコラボエピソードを公開させていただきます。
この放送の前日に収録して、952話からコラボエピソードを公開していくというところで、
前にワインの輪って、3月にあった大阪で登壇させてもらったイベントのポッドキャストフリークスで、
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ちゃんと、存在はしてたんですけど、ちゃんと喋って仲良くなって、すげー嬉しいなってなっていて、
今回収録しましょうってなったんですよ。
で、何の話するかっていうと、前に宇宙にワイン持って行ったみたいな話とかをしたじゃないですか。
あれ結構評判良くて、ああいう話とか、どっちの番組でも宇宙とワインの話してるんですけど、
宇宙でワインの香りってどういう風に香るんだろうとか、宇宙持って行った時のワインの味の変わり方ってソムリエ目線でどうなんだろうとか、
そういう僕だけじゃ絶対に喋れないような内容っていうのを、専門家というかワイン大好きなワイン超詳しい2人にね、
いろいろ喋ってもらうっていう回になってます。
なので、宇宙じゃないんだって思わないでほしくて、基本的には宇宙かけワインの話を常にしまくるっていう感じので、
止まんなかったんで、これぜひですね、皆さん楽しんでいただきたいなと思っております。
これから公開でやっていきたいと思っております。
で、向こうの番組にも僕も出させていただいてる、そんな感じになってるので、ぜひそちらも楽しんでください。
今回の話も面白いなと思ったら、お手元のSpotifyアプリでフォロー、フォローボタンの下にある星マーク、こちらからレビューいただけたら嬉しいです。
番組の感想や宇宙に関する質問については、Twitterのハッシュタグ宇宙話、宇宙が漢字で話がひらがなになってますので、
じゃんじゃんお寄せいただけたら嬉しいです。
それでは明日からのワインの話コラボ、Spotifyネクストクリエイター賞を一緒に受賞した2番組で楽しく喋っております。
ぜひ楽しみにしてください。さよなら。
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