1. 佐々木亮の宇宙ばなし
  2. 1117. 地球の超絶近所にブラッ..
2023-10-30 20:10

1117. 地球の超絶近所にブラックホールがありそうって研究キタ

sorae「地球に最も近いブラックホールが「ヒアデス星団」に存在するかも?」はこちら!

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ソース


Credit : ESO/Dss2, Giuseppe Donatiello

サマリー

今回の研究結果によると、地球から最も近いブラックホールがヒアデス星団に存在する可能性が明らかになりました。ヒアデス星団の中には2〜3個のブラックホールが存在し、その近くでの観測を通じてブラックホールの性質が解明されることが期待されています。もし実際にヒアデス星団にブラックホールが存在すれば、従来のブラックホールと比べて距離が110分の1になりますので、非常に近い位置にあると言えるでしょう。

ブラックホールの存在場所
1日10分、宇宙時間をテーマに毎日お届けしております宇宙話。 今回は、地球から一番近いブラックホール、ここにあるんじゃないか。
なんとそれがめちゃめちゃ近かったっていうお話をしていきたいと思います。 今まで見つかっているブラックホールの距離は、
太陽系地球から1500光年先。 しかし、今回の研究で見積もられた新たなブラックホールの方法場所は、そのなんと10分の1の距離。
150光年先に新しいブラックホール見つかるんじゃないか。 そんな研究結果出てまいりましたので、こちら紹介していきたいと思います。
ぜひ最後までお付き合いください。
ささき寮の宇宙話。
2023年10月30日、始まりましたささき寮の宇宙話。 このチャンネルでは1日10分宇宙時間をテーマに天文学で博士号を取得した専門家の寮が、毎日最新の宇宙トピックをお届けしております。
本日でエピソードが1117話目を迎えております。 基本的には1話完結でお話ししておりますので、気になるトピック、気になるタイトルからぜひ聞いていただけたら嬉しいです。
前回から新企画というところで、毎日宇宙話更新しているので、聞き逃す人多いんじゃないかなぁと思ってですね、
1週間の振り返りを日曜日にしていこうかなと思いました。 ということで、大事なイベント出演とか広報のいろんなお話ありましたけど、新企画楽しんでいただけたらいいかなと思っております。
ぜひですね、前回の話聞いてみて面白そうなのあるなぁと思ったら、先週のエピソードいくつか聞いていただけたらと思います。
ということで、本題に入っていくんですが、まぁ今回も例に漏れず、ブラックホール特集ガンガンやっていきたいと思います。
今回は大人気宇宙ポータルサイト、ソラエとのコラボ企画というところになっておりまして、文字でも音声でも宇宙が楽しめるように、そんな縦付けで作っておりますので、ぜひ概要欄からソラエの記事も読んでみてください。
でですね、今回紹介するのは、地球から最も近いブラックホールって一体どこにあるんだろう、そんなお話をしていこうと思っております。
ブラックホールが一番近くだとどこにあるのか問題。 これね、結構重要なポイントだと思うんですよね。
なぜかっていうと、これおとといとか、このブラックホール特集始まってから紹介したけど、1114話とかだったかな。
で、天文学者の距離感バグってないかみたいな話したんですよ。覚えてますか。何かっていうと、国立天文台の
プレスリリースを引用してお話しさせていただいたんですが、5000万光年を近いと表現してたんですよね。
まあ学者っていうのは基本的にはそういう定性的な、小さいって言われても何が小さいの、近いって言っても何が近いの。
100メートルが近いと感じる人もいるし、遠くに感じる人もいるしっていうので、あんまり定性的なそういう言葉は使わないんですけど、
ブラックホールの観測手法
まあなんか一般的な天文学者の宇宙業界の感覚としての距離感を普通とした時に、一体どれぐらいまで近いのかっていう、
まあそこらへんの感覚がすごいわかる表現だったと思うんですよね。 5000万光年が近いと
言っているぐらい、とにかくブラックホールっていうのは遠くの宇宙にたくさんあるな、みたいな、そういうイメージなんですよ。
まあその時、見ていたブラックホールとかっていうのも実は、
銀河の中心にあるスーパーマッシブブラックホール、超巨大な、
超、なんだっけ、スーパーマッシブ、超大質量ブラックホールかなっていうことになってますね。 スーパーマッシブブラックホールなので。
まあそんなものはだいたい5000万光年だったら近いかなっていうところになっているんですが、 恒星サイズ、
まあだいたいこう僕たちの身近にあるような、太陽の何倍とかっていうような、何百万倍何十万倍っていうのではなくて、
太陽の何倍何十倍っていうような大きさのブラックホールっていうのが、 まあどのぐらい近いところにありうるのか、
そんな研究をした研究結果が今回出ていたので、こちらを紹介していくというところになりますね。
で、今回、 これどれぐらい近いところにあるかっていうのを先に研究で言いますと、
これですね、なんと150光年先が、もしかしたら僕らにとって最も近いブラックホールがありそうな場所の一つなんじゃないかというふうに今回研究で明らかになりました。
ブラックホールの研究をどんどん進めていくためには、やっぱり近ければ近いほどいいんですよね。 理由は簡単で、僕たちもそうじゃないですか。
近いものの方がよく観察できるし、遠くのものはなんとなくぼやっとした情報しか見えないし、
まあなんか双眼鏡とか望遠鏡使っても、なんだかんだやっぱ近い方が何かと観測がしやすいし、
近い方が何かと理解を進めるのも早いというような状況になりますね。 だから近い方がいいんですよ。
で、なので研究のモチベーションとしては、一体どこに近くにブラックホールがあるのかと。 ただまあブラックホールっていうのはその名前の通り真っ黒なんですよね。
期待される成果
光も通さず、 光が抜け出すこともできないぐらい強い重力を持った天体というところで、
ブラックホールはもう真っ黒です。 なので
単独だと電磁波を放射することもできないし、 光学的に観測することができないというような状況になります。
で、じゃあどうやってブラックホールを発見していくかっていうと、 近くの物体が引き寄せられることで形成される、
ブラックホールの周りに作られる円盤だったりとか、 そこから放射される電磁波によってブラックホールを発見するっていうことができるようになるんですよね。
で、なのでそういった状況のブラックホールを探す方法はいくらでもあります。 あとはなぜ近くのブラックホールとか高性質量ブラックホールって言われるような
一般的な大きさのブラックホールを注目していきたいのかっていうと、 2015年に
重力波と呼ばれる現象が検出されました。 重力波っていうのはこれ何かっていうと
目に見えない放射線みたいな明るい眩しいなっていうような光じゃなくて、 アインシュタインが100年前に予測した
重力の持っているものは空間を歪めるであろう。 で、その歪めた空間の歪まり方を見て
天体の存在を明らかにできるっていう情報のことを重力波って呼んだりするんですよね。 グラビテーショナルウェーブとかいうかっこいい名前もついてたりするんですけど、
これが100年前に予想されて2015年に見つかり始め…2015年だったっけな? そんなもんか?
もうちょっと後だった気がするけど、2018年ぐらいだったような気がするけどな。 記事にも2015年って書いてますね。
それぐらいのタイミングでどんどん重力波の検出が見つかってきたと。 で、重力波っていうのはどうやって見つかるかっていうと、
いきなり重いものができたとか、そういった状態の時にできるんですよ。 空間が一気に歪められるってね。
ただ、いきなり何かこう何もない空間に重いものがバッって現れるって難しいじゃないですか。
ですか、できませんよね。 で、じゃあどういうところから重力波が出ていたのかっていうと、
ブラックホール同士が衝突するというか、合体するというか、 合体した瞬間に今まで別々のブラックホールだったものが一箇所にギュッと集積するから、
もともとなかった重い物質が一瞬で出来上がるみたいな、そういう状況が作られるんですよね。 そういった状態になるとブラックホール自体は見えないんだが、
ブラックホールが作り出した重力波は検出することができるということなんですよね。 こうやってブラックホールを見つける方法も実はあると。
まあこういう重力波っていうところからブラックホールが合体する、 そういった情報が欲しいなっていう状況でもあるし、
なおかつ近ければ近いほどブラックホールの 性質を解き明かすのに重要な情報が取りやすいっていうところの側面から、
研究者たちはじゃあどれだけ近いところでブラックホールが見つけられるのか、 そういった計算だったりっていうのを
精力的に行っていました。で、そんな中で今回、パドバ大学の研究チームは、この地球から、 地球というか太陽系から最も近い星団の一つであるこのヒアデス星団っていうところの中に、
大体2個から3個ぐらいブラックホールが存在するんじゃないかというようなところを 予想づけたんですよね。
もし、一つの星団と呼ばれる星が固まっている領域の中に、 ブラックホールが複数存在するのであれば、もしかしたらね、そいつらが合体する可能性もあるしとか。
あとは、仮にこれブラックホールがすごい昔にできていて、 星団からはもう離れていってしまっている。
そんな状況だったとしても、そのタイミングはだいたい1億5000万年前とか、 古くても、っていうところになっていて、
ヒアデス星団の周辺にブラックホールがあることは間違いないというような、そういう状況までこの 予測っていうところが立ち始めている、そんな状況ですね。
そうすると、これがあると何がいいのか。
これはだから、オウシザ方向にあるんですよね。ヒアデス星団っていうのは。
なので、オウシザ方向のだいたい150光年ぐらいの範囲に、ヒアデス星団にあって、 ブラックホールがありそうであるというような状況になってきたので、
じゃあ、ここら辺にブラックホールがあるのであれば、ずっと観測していけば、 例えば、ブラックホールが周りの星を動かす、重力によって動かす影響だったりとか、
そういうのが見つかっていって、それだけではなくて、 じゃあ、ブラックホールが地球の近くで、太陽系の近くでどういう働きをしているのか、
そういったところを解き明かしていける、 かなり面白い部分が見えてくるんじゃないかなというところになっておりますので、
これね、期待できると思いますね。 これまでに、観測史上最も近い場所にあるブラックホールっていうのは、実は地球から1560光年先なんですよ。
研究の面白さ
つまり、もし本当にヒアデス星団にブラックホールが存在するのであれば、 従来見つかっているブラックホールの距離で言うと110分の1になっているというところで、
これはかなり近いですね。 近い分、たくさんの情報量を得ることができる、そんな期待も込められている研究だったので、
これは面白いなと思って紹介させていただきました。 宇宙、広いけど、やっぱり近いところで色々解決、議論できる部分って面白いよなっていうところで、
150光年をそれこそ近いって言ってる僕はやばいのかもしれないですけど、 150ぐらいだったら、さすがに僕も近いなっていう感覚になりますかね。
150光年、近い。 僕がずっと研究やってた天体でもMAXでも2000光年だし、普段見てた天体とかは意外とそれぐらいかな。
なんならこのヒアデス星団が150光年で、大静方向だから、 大静方向にある200光年ぐらいの天体を確か見ていたはずなので、ここ近所ですね。
いやーこれ面白いですね。そこにブラックホールがあったのかと。 僕の観測を邪魔していた、まだ見つかってないブラックホールがあるのかもなぁと思うと、
ちょっとだけワクワクするなというそんな研究結果でした。 いや面白いですね。冒頭にも話しましたけど、今回は大人気宇宙ポータルサイト、
ソラエとのコラボ企画になっておりますので、 ぜひですね概要欄の記事から文字と音声両方で楽しんでいただけたら嬉しいです。
ということで本題は以上になるんですけど、 実は今回のエピソードに関連しそうなというか、
直接つながっていそうだなって思う質問が1個来ていたので紹介させていただきます。 質問いただいたリスナーネームルーボさんからいただきました。
ブラックホールの近くを通ったらすべて吸収されると思っていたので、距離や質量なので剥ぎ取られる。
剥ぎ取られはするけど通り過ぎる天体もあるんですね。 これ2回か3回前のエピソードですね。
ふと思ったのですが、同じくらいの質量を持つブラックホールが衝突することはあるのでしょうか。
以前、大きいブラックホールの周りを小さいブラックホールが回っているのは聞いたことあるのですが、
衝突はどうなのかなと思いました。 以前にもお話しされていたらすみませんというコメントをいただきました。
ありがとうございます。 もうね、過去に喋ってるかどうかは一切気にしないでみんなコメントジャンジャンお寄せくださいね。
でですね、今回話した通りでブラックホールの衝突はあります。 ブラックホール同士は衝突しますね。
そして目に見えないもの同士なんだけど、 衝突して何が起きるかっていうと、
ブラックホール同士が合体してより大きいブラックホールを作るみたいな、そんな状況を作り出す。
そしてその結果として、ノーベル賞を取ってた研究だと思うんですけど、重力波をガツンと起こして、
僕たちのワクワクさせてくれる情報を届けてくれるという感じですね。 なのでブラックホールは衝突します。
ぜひですね、こういう衝突の話とかもいくつか紹介していこうと思うので、 ぜひですね注目していただけたらと思いますね。
重力波の研究懐かしいなぁと思って、 ブラックホール同士が合体しても、なんかみんな想像する通りで光とか全く出てこないんですよ。
ただブラックホールになりきれなかった中性子星って呼ばれる、これもまた重力のものすごい強い天体があるんですよね。
太陽ぐらいの重さをギューッとして山手線とかに収めたような、東京以外の人伝わらないって言われたからな。
関西版とかも用意しとかないとですね。
ぐらいの天体があって中性子星っていう。
でそれ同士がくっつくと、放射線もバーって出すんですよ。
で最初重力波検出したみたいな話になった時、最初か2番目か3番目かとかで、その中性子星同士が合体するみたいなのが検出されたと思われていて、
僕が運用に携わっていた国際宇宙ステーションに搭載されている人工X線観測装置、マキシっていうので、
その光を捉えようという研究をやられて、でしかもそれ世界中の研究者が参加してたんですよね。
いろんな観測装置で。
それこそこの間出たスイフトとかもそうですね。
でその研究を全てまとめた合同論文みたいなのがあって、
著者数が6000人だったかな。
重力波のそのメインの重力波検出の論文ではなくて、
でえっとなんて言うんでしょうね。
それの付随論文みたいな感じで出されたので、
一応ノーベル賞が出たタイミングでドワーってなってるときに注目されてた論文の一つに名前載ってるんですよ。
まあただ6000人ですからね。
で名前順なんですよ。
これやっぱ世界中どこでもそうなんだなと思ってびっくりしたんですけど、
僕は佐々木亮で、
亮佐々木で羅列されたときに、
何番目?3000番目ぐらいだったかな。
でしたね。
いやまあ面白い経験でした。
ちなみに名前順で最強なのはその時知ったんですけど、
アボットさんですね。
A,B,O,Tでアボットさん。
強そうですね。
日本語で言うところなんだろうな。
あいださんみたいな。
そんな感じですよね。
あいうちさんか。
とかそういうぐらいの名前の人ってやっぱ世界中どこにでもいるんだなと思って感心した。
そんなエピソードでした。
ということで今回のお話は以上ということにさせていただきたいと思います。
ぜひですね、毎週日曜日、
昨日のエピソードとか聞いてみて、
コメントとかありましたら、
普通に宇宙の話してほしいなとか、
こういう振り返り面白いなとか、
なんでも構いませんので、
ぜひそういったお話もコメントでお寄せいただけたら嬉しいです。
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それではまた明日お会いしましょう。
一週間。
今週は祝日があって日本は休みがちょっと多いですね。
頑張っていきましょう。
さよなら。
おやすみなさい。
20:10

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