光も通さず、 光が抜け出すこともできないぐらい強い重力を持った天体というところで、
ブラックホールはもう真っ黒です。 なので
単独だと電磁波を放射することもできないし、 光学的に観測することができないというような状況になります。
で、じゃあどうやってブラックホールを発見していくかっていうと、 近くの物体が引き寄せられることで形成される、
ブラックホールの周りに作られる円盤だったりとか、 そこから放射される電磁波によってブラックホールを発見するっていうことができるようになるんですよね。
で、なのでそういった状況のブラックホールを探す方法はいくらでもあります。 あとはなぜ近くのブラックホールとか高性質量ブラックホールって言われるような
一般的な大きさのブラックホールを注目していきたいのかっていうと、 2015年に
重力波と呼ばれる現象が検出されました。 重力波っていうのはこれ何かっていうと
目に見えない放射線みたいな明るい眩しいなっていうような光じゃなくて、 アインシュタインが100年前に予測した
重力の持っているものは空間を歪めるであろう。 で、その歪めた空間の歪まり方を見て
天体の存在を明らかにできるっていう情報のことを重力波って呼んだりするんですよね。 グラビテーショナルウェーブとかいうかっこいい名前もついてたりするんですけど、
これが100年前に予想されて2015年に見つかり始め…2015年だったっけな? そんなもんか?
もうちょっと後だった気がするけど、2018年ぐらいだったような気がするけどな。 記事にも2015年って書いてますね。
それぐらいのタイミングでどんどん重力波の検出が見つかってきたと。 で、重力波っていうのはどうやって見つかるかっていうと、
いきなり重いものができたとか、そういった状態の時にできるんですよ。 空間が一気に歪められるってね。
ただ、いきなり何かこう何もない空間に重いものがバッって現れるって難しいじゃないですか。
ですか、できませんよね。 で、じゃあどういうところから重力波が出ていたのかっていうと、
ブラックホール同士が衝突するというか、合体するというか、 合体した瞬間に今まで別々のブラックホールだったものが一箇所にギュッと集積するから、
もともとなかった重い物質が一瞬で出来上がるみたいな、そういう状況が作られるんですよね。 そういった状態になるとブラックホール自体は見えないんだが、
ブラックホールが作り出した重力波は検出することができるということなんですよね。 こうやってブラックホールを見つける方法も実はあると。
まあこういう重力波っていうところからブラックホールが合体する、 そういった情報が欲しいなっていう状況でもあるし、
なおかつ近ければ近いほどブラックホールの 性質を解き明かすのに重要な情報が取りやすいっていうところの側面から、
研究者たちはじゃあどれだけ近いところでブラックホールが見つけられるのか、 そういった計算だったりっていうのを
精力的に行っていました。で、そんな中で今回、パドバ大学の研究チームは、この地球から、 地球というか太陽系から最も近い星団の一つであるこのヒアデス星団っていうところの中に、
大体2個から3個ぐらいブラックホールが存在するんじゃないかというようなところを 予想づけたんですよね。
もし、一つの星団と呼ばれる星が固まっている領域の中に、 ブラックホールが複数存在するのであれば、もしかしたらね、そいつらが合体する可能性もあるしとか。
あとは、仮にこれブラックホールがすごい昔にできていて、 星団からはもう離れていってしまっている。
そんな状況だったとしても、そのタイミングはだいたい1億5000万年前とか、 古くても、っていうところになっていて、
ヒアデス星団の周辺にブラックホールがあることは間違いないというような、そういう状況までこの 予測っていうところが立ち始めている、そんな状況ですね。
そうすると、これがあると何がいいのか。
これはだから、オウシザ方向にあるんですよね。ヒアデス星団っていうのは。
なので、オウシザ方向のだいたい150光年ぐらいの範囲に、ヒアデス星団にあって、 ブラックホールがありそうであるというような状況になってきたので、
じゃあ、ここら辺にブラックホールがあるのであれば、ずっと観測していけば、 例えば、ブラックホールが周りの星を動かす、重力によって動かす影響だったりとか、
そういうのが見つかっていって、それだけではなくて、 じゃあ、ブラックホールが地球の近くで、太陽系の近くでどういう働きをしているのか、
そういったところを解き明かしていける、 かなり面白い部分が見えてくるんじゃないかなというところになっておりますので、
これね、期待できると思いますね。 これまでに、観測史上最も近い場所にあるブラックホールっていうのは、実は地球から1560光年先なんですよ。
つまり、もし本当にヒアデス星団にブラックホールが存在するのであれば、 従来見つかっているブラックホールの距離で言うと110分の1になっているというところで、
これはかなり近いですね。 近い分、たくさんの情報量を得ることができる、そんな期待も込められている研究だったので、
これは面白いなと思って紹介させていただきました。 宇宙、広いけど、やっぱり近いところで色々解決、議論できる部分って面白いよなっていうところで、
150光年をそれこそ近いって言ってる僕はやばいのかもしれないですけど、 150ぐらいだったら、さすがに僕も近いなっていう感覚になりますかね。
150光年、近い。 僕がずっと研究やってた天体でもMAXでも2000光年だし、普段見てた天体とかは意外とそれぐらいかな。
なんならこのヒアデス星団が150光年で、大静方向だから、 大静方向にある200光年ぐらいの天体を確か見ていたはずなので、ここ近所ですね。
いやーこれ面白いですね。そこにブラックホールがあったのかと。 僕の観測を邪魔していた、まだ見つかってないブラックホールがあるのかもなぁと思うと、
ちょっとだけワクワクするなというそんな研究結果でした。 いや面白いですね。冒頭にも話しましたけど、今回は大人気宇宙ポータルサイト、
ソラエとのコラボ企画になっておりますので、 ぜひですね概要欄の記事から文字と音声両方で楽しんでいただけたら嬉しいです。
ということで本題は以上になるんですけど、 実は今回のエピソードに関連しそうなというか、
直接つながっていそうだなって思う質問が1個来ていたので紹介させていただきます。 質問いただいたリスナーネームルーボさんからいただきました。
ブラックホールの近くを通ったらすべて吸収されると思っていたので、距離や質量なので剥ぎ取られる。
剥ぎ取られはするけど通り過ぎる天体もあるんですね。 これ2回か3回前のエピソードですね。
ふと思ったのですが、同じくらいの質量を持つブラックホールが衝突することはあるのでしょうか。
以前、大きいブラックホールの周りを小さいブラックホールが回っているのは聞いたことあるのですが、
衝突はどうなのかなと思いました。 以前にもお話しされていたらすみませんというコメントをいただきました。
ありがとうございます。 もうね、過去に喋ってるかどうかは一切気にしないでみんなコメントジャンジャンお寄せくださいね。
でですね、今回話した通りでブラックホールの衝突はあります。 ブラックホール同士は衝突しますね。
そして目に見えないもの同士なんだけど、 衝突して何が起きるかっていうと、
ブラックホール同士が合体してより大きいブラックホールを作るみたいな、そんな状況を作り出す。
そしてその結果として、ノーベル賞を取ってた研究だと思うんですけど、重力波をガツンと起こして、
僕たちのワクワクさせてくれる情報を届けてくれるという感じですね。 なのでブラックホールは衝突します。
ぜひですね、こういう衝突の話とかもいくつか紹介していこうと思うので、 ぜひですね注目していただけたらと思いますね。
重力波の研究懐かしいなぁと思って、 ブラックホール同士が合体しても、なんかみんな想像する通りで光とか全く出てこないんですよ。
ただブラックホールになりきれなかった中性子星って呼ばれる、これもまた重力のものすごい強い天体があるんですよね。
太陽ぐらいの重さをギューッとして山手線とかに収めたような、東京以外の人伝わらないって言われたからな。
関西版とかも用意しとかないとですね。
ぐらいの天体があって中性子星っていう。
でそれ同士がくっつくと、放射線もバーって出すんですよ。
で最初重力波検出したみたいな話になった時、最初か2番目か3番目かとかで、その中性子星同士が合体するみたいなのが検出されたと思われていて、
僕が運用に携わっていた国際宇宙ステーションに搭載されている人工X線観測装置、マキシっていうので、
その光を捉えようという研究をやられて、でしかもそれ世界中の研究者が参加してたんですよね。
いろんな観測装置で。
それこそこの間出たスイフトとかもそうですね。
でその研究を全てまとめた合同論文みたいなのがあって、
著者数が6000人だったかな。
重力波のそのメインの重力波検出の論文ではなくて、
でえっとなんて言うんでしょうね。
それの付随論文みたいな感じで出されたので、
一応ノーベル賞が出たタイミングでドワーってなってるときに注目されてた論文の一つに名前載ってるんですよ。
まあただ6000人ですからね。
で名前順なんですよ。
これやっぱ世界中どこでもそうなんだなと思ってびっくりしたんですけど、
僕は佐々木亮で、
亮佐々木で羅列されたときに、
何番目?3000番目ぐらいだったかな。
でしたね。
いやまあ面白い経験でした。
ちなみに名前順で最強なのはその時知ったんですけど、
アボットさんですね。
A,B,O,Tでアボットさん。
強そうですね。
日本語で言うところなんだろうな。
あいださんみたいな。
そんな感じですよね。
あいうちさんか。
とかそういうぐらいの名前の人ってやっぱ世界中どこにでもいるんだなと思って感心した。
そんなエピソードでした。
ということで今回のお話は以上ということにさせていただきたいと思います。
ぜひですね、毎週日曜日、
昨日のエピソードとか聞いてみて、
コメントとかありましたら、
普通に宇宙の話してほしいなとか、
こういう振り返り面白いなとか、
なんでも構いませんので、
ぜひそういったお話もコメントでお寄せいただけたら嬉しいです。
今回の話も面白いなと思ったら、
お手元のポッドキャストアプリでフォロー。
フォローボタンの近くにある星マーク、
こちらからレビューいただけたら嬉しいです。
番組の感想や宇宙に関する質問については、
Twitterのハッシュタグ宇宙話し、
またはSpotifyのQ&Aコーナーだったり、
概要欄のお便りフォームからじゃんじゃんお寄せください。
それではまた明日お会いしましょう。
一週間。
今週は祝日があって日本は休みがちょっと多いですね。
頑張っていきましょう。
さよなら。
おやすみなさい。