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おはようございます。
今朝もサン・キス・スカイをお聞き下さりありがとうございます。
ご案内のTommy Decemberです。
今収録しているのは、7月21日、金曜日。
北カリフォルニアのサンノゼは、朝5時45分になりました。
今朝の空の様子は、わりと明るくて、
太陽の光は見えないものの、外の景色がはっきり見えるくらいの明るさです。
今日のサンノゼの天気は晴れ、現在の気温は18度で、3時頃には33度まで上がりそうです。
ちなみに今日のサンライズは、6時1分、もうすぐですね。
そしてサンセットは、8時27分となっています。
日本は今、もう夜の10時を回ろうとしています。
皆さんの今日は終わりに近づいていますが、いかがだったでしょうか。
今朝もひとときの時間、お付き合いいただければと思っています。
どうぞ最後までよろしくお願いいたします。
今朝のサン・キス・スカイは、先週入ってきた悲しい出来事について話したいと思っているんですが、
この番組では、できるだけポジティブなお話をしたいと考えているので、
あんまり悲しいこととか、怒りっていう感情を話したくないと思っていつも収録しています。
でもこのことについては、自分の中で何か残しておきたいっていうことがあって、
それでもいろんな感情が自分の中で湧いてきて、落ち込んでいった時期がずっとあったんですけれども、
ようやくそういったものは一旦置いておいて、
仕事も一段落したということで、今日は話せるかなと思って録音しています。
何について話すかというと、
先週の7月12日、水曜日にタレントのリューチェルさんがご自身の事務所で亡くなったということを話そうと思っているんですが、
このことは実はツイッターでその日の晩御飯の時に知りました。
それでまさかと思ってニュースサイトで確認したら、どうやらそれが本当みたいだっていうことが分かって、
すごくショックを受けました。
そのニュースを探している時間も、りゅうちぇるさんのことを書いているツイートなんかが自然に目に入ってきて、
生前もいろんなことが言われていましたけれども、
亡くなってもなおひどいことを書いている人がいるんだなっていうことを見て、さらにすごく落ち込みました。
それからちょっとSNSとかニュースのサイトとかを見るのが辛くなって、しばらくSNSが見れなくなっていました。
今はもう割と平常に戻ってきている感じがします。
りゅうちぇるさんの話に戻りますと、ご存知のない方に少し説明した方がいいかなと思うんですが、
初めは原宿の店員さんだったみたいなんですね。
個性的なファッションとか仕草とか、話し方が面白いことで有名だったみたいです。
ある時、テレビ番組に取り上げられたことから、タレントとかモデルさんとか、そういう活動を始められました。
デビューされた時から相方さんはぺこさんという方だったんですが、後に二人はご結婚されます。
結婚されてからご自身は、自分の性自認をヘテロセクシャルと言っていましたが、格好とか動作がフェミニンなので、SNSとかでは偽装結婚じゃないかというバッシングがされていました。
その後、お二人に子供が生まれると、今度は父親としてどうなんだということでバッシングされていました。
そしてある時、りゅうちぇるさんが自分の性自認をトランスセクシャルだということを打ち明けて、夫として父親として、そして自分自身の性別との葛藤の末、ぺこさんと話し合って離婚されました。
その時も子供がかわいそうとか、ぺこさんが子供を押し付けられてかわいそうだとか、自分のセクシャリティを隠して仕事したり、結婚したり子供を作ったりするのはどうなんだっていうバッシングもされていました。
最近は髪も伸ばされて、お化粧も綺麗にされてテレビに出られていましたが、それでもなお何かにつけてバッシングはやみませんでした。
僕は海岸に住んでいるので彼女をテレビで見ることはできないんですが、りゅうちぇるさんのyoutube番組とか「ラブ・レインボー・トレイン」というラジオ番組を聞いたりとか、ご自身で始められた「眠れぬ大人の寝かしつけ」というポッドキャスト番組を聞いていました。
残念ながら、この2番組とも今年の初めに終わってしまったので、youtube番組を見ながら新たなシーズンが始まるのを待っていました。
ということで、今日はりゅうちぇるさんがどんなことを思っていたのか、このyoutube番組の配信の中で僕がすごく好きだった配信回があるので、僕の受け取った考えと同時に皆さんにご紹介できたらなと思っています。
りゅうちぇるさんのyoutube番組
これからご紹介する番組は2021年の4月の2日に配信されたもので、youtubeの動画のタイトルは、「自己肯定感なんて言うけどさ!」というタイトルの配信です。
初めはテイクアウトの唐揚げとかマカロニサラダとかお弁当を買って、それを食べながらバッチリメイクで話して、すごく飾らない自然体な話し方がりゅうちぇるさんだなと思って見ていました。
カジュアルな撮り方なんですけど、話の内容はすごく響きました。
まず、このタイトルにもある自己肯定感なんですが、自己肯定感というと、自分自身が他人より劣っているとか、人と比べずに自分は自分だということを、そして自分は存在していていいんだよっていうふうに自分自身を尊重して認めることですよね。
もし子供の頃から親や先生とかから自分を肯定しようって教育してくれればよかったんですが、本当にここ10年くらい最近になってそういう教育に変わっていったと思うんです。
それまではそんな教育じゃなかったし、どちらかというと人と比べて優れてるとか劣ってるとかっていう教育がされてきたと思うんです。
僕なんかは80年代から90年代を育ってきたので、まさしく学生時代からそんな感じでした。
だからここでりゅうちぇるは、僕らのように子供の頃から自分を肯定するマインドがない人たちにとって、自分を肯定することってすごく大変なことなんだって言ってました。
確かに育ってきた価値観を根本から変えないといけないっていうことですから、それは大変なことですよね。
学校とかでは、勉強も体育でも一番点数が高い人、成績がいい人とかそういう人を良しとされてきたんで、
中学校はまぁ良しとしても、中学校、高校って上がっていくと、全教科オール5なんてなかなかいませんよね。
5段階で言うと、5以下は何かしら自分には劣ってるっていう教育がされてきたと思うんですが、もちろん、だから5を取れるように頑張れっていう教育だったと思うんです。
でもずっとオール5だった人なんて、まぁ一握りだと思うし、それ以外の人は自分がパーフェクトだって自覚したこともないだろうし、
ずっと褒められて、自分はこのままでいいんだって育てられてきた人、そんな人はなかなか少ないと思うんですね。
逆に極端に言うと、自分に自信がないように教育されてきたと思うんです。
学生時代は、それでも部活とか中間テストとか期末テストが来て、そういうふうに慌ただしく時間は過ぎていきますが、
大人になって社会に出て働き出すと、学校では習わないことばっかりなんですよね。
まず最初は仕事の仕方はわからないし、スピードは遅いし、次に何をすればいいかわからないし、できないと怒られるんじゃないかって思ったりして、
自分は何ができるのかとか、何が向いてるのかとか、なんでこんなにあの人より劣っているのかとか、自分ってなんだろうっていう現実が大人になってから突きつけられるんですよね。
就職するときは行きたい会社に落ちたり、働き出しても仕事のやり方で突きつけられたり、同期とか後輩なんかの人間関係でも突きつけられますよね。
昔の同級生なんかとも比べたりして、もっと自分ができないことを突きつけられるんですよね。
それで学生の時よりもさらに自分に自信がなくなるんです。
だから自分のことを好きになるってものすごく難しいんですよね。
でもりゅうちぇるが言うには、僕たちはそうやってダメなところを突きつけられて、もっと頑張れっていうふうに育ってきているから、自分がダメな人間だって思っても仕方がないっていうことを言っていました。
りゅうちぇるさんが取材なんかを受けてこういう話をしても、記事になると全部取っ払って、自分を愛することから始めようっていうふうに書かれてしまうんですって。
そういった表面だけを取り上げられるから叩かれる原因にもなったんですよね。
話を戻しますと、りゅうちぇるさんは、だから自己肯定感を上げるというよりも、無理やり自分自身を好きになろうとせずに、自分を甘やかすことから始めればいいっていうことを言っていました。
例えば、自分がサボったこととか、性格が悪いこと、自分ができないことなんかを、それも含めて自分なんだっていうことを認めてあげる、そして許してあげるってことが大事なんだって言ってました。
自分を責めても何も始まらないし、責めたからって成長はできないですもんね。
自分にもともとないものっていうのはないし、できないものはできないし、たとえ慣れたり勉強したり練習して上手くなっていくものだって、どうやったって今すぐにそれを解決することはできないですよね。
だから現状を見つめて、今はそれでいいんだっていうことを認めてあげる。
今やれること、できることができているんだから、それはそれでいいんじゃないか、悩んでもいいし、次に行こうと前向きに、できない自分を認めてあげて許してあげるっていうことがいいんじゃないかっていうことを言ってました。
あとおっしゃっていたのは、共感力を高めるっていう方法で、他人が言っていることに共感することがいいんだよっていうことを言ってました。
でも絶対共感しろっていうことじゃなくて、りゅうちぇるさん自身も、は?って思うこともあるから、共感じゃなくても反対意見を聞いたときに、
例えば何言ってんだろうって思っても、こういう考えもあるんだ、こういう角度で物事を考える人もいるんだっていうふうに、自分の考え以外にもこういう意見があるんだって。
怒ってもいいから、そういう意見の存在を認識するっていうことを言ってました。
もちろんね、感情的になることもあるけど、そんな人がいるんだとか、こういうこともあるんだねとか、こういう意見もあるんだねみたいな感じで、自分の考え以外にも意見があるんだって。
怒ってもいいから、そういう意見が存在するっていうことを認識するっていうことを言ってました。
りゅうちぇるさんの考え方と個性的な生き方
そうすると、次そんな意見の人に会ったときに、またこの考えの人かとか、この人はこっちのパターンねみたいなことで、違う意見に慣れてくるというか、いちいちカッとなったり、感情的にならずに対処できるようになるんだと思います。
それから、りゅうちぇるさんはなんでそんなに個性的なんですかって聞かれたときに、りゅうちぇるさん自身は好きな服を着て好きな生き方しかしてないので、自分が個性的だとも目立ちたいとか、そういうことを思って生きてるわけじゃないっていうことを言ってました。
ただ、自分が好きなことをして、結果的に個性的だとか人と違うっていうことを言われるけど、自分がしたいことやできることをしてるだけで、自分はこの生き方しか知らない、逆に自分以外の人の生き方っていうのが羨ましいっていうこともおっしゃっていました。
それにりゅうちぇるさんは、自分自身のことも全然わかってないし、自分を愛せてるかもわかってない。25歳になってもそう思うことがいっぱいあるっておっしゃっていました。
このとき、2年前ですから25歳っていうことで、でも25歳でこんなこと考えられるってすごいですよね。僕の25歳って何してたんやろって今から考えてもこんなことは考えてなかったんじゃないかな。少なくともここまでしゃべれるだけまとまった考えはしなかったなあということを思います。
それから5年後10年後どうなるかわからないから、5年後10年後幸せになるために今りゅうちぇるさんは必死で生きているし、必死に働いてるってその時おっしゃっていました。
それから他人のことを見ると余裕があったり幸せだったり愛に満ちているように見えて羨ましいけれど、そうやって見えることってほんの一角だけで、必死に生きているのは自分だけじゃないし他の人もみんなそうなんだっていうことを言ってました。
だから人のせいにしても周りのせいにしてもいいけど自分を鍛えたほうが一番楽なんじゃないかって。
だって5年後10年後地球の人類みんなが全員優しくなるわけじゃないし、5年後10年後も20年後も悪い人は周りにいっぱいいます。
だから自分自身を許して認めてあげる方がいちいち怒ったり傷ついたりするよりもよっぽど楽なんだっていうことを言ってます。
残念ながら世間は優しい人だけじゃないし、それを受け入れる、割り切る、受け止めるっていうことが大事なんです。
りゅうちぇるさんが辛い思いまでして芸能界の仕事を続けてきた理由についておっしゃっていたんですが、
生きづらいって感じる人とか、この世の中に希望が持てない人が自分を見て、もう少し頑張ろうかなとか生きてみようかなとか、
こういう男がいていいんだ、パパがいていいんだ、しかも幸せで愛してくれる人もいるんだ、みたいなことを思ってもらいたいっていう願いからずっと仕事を続けられていたみたいです。
息子を育てるのも家族を幸せにするのも仕事は他にあるし、
でもメディアに出たいって考える理由は世の中を変えたいわけじゃないし、変えられないと思っているけど、
でも生き方が変わったり幸せになるきっかけを作ることは手伝えるんじゃないかなって思ってずっとお仕事されたみたいです。
この映像は2年前のYouTubeの配信でおっしゃっていたことなんですが、
この後離婚されてだんだんと容姿が女性化してきて綺麗になってくると、ますます誹謗中傷がひどくなります。
今年の4月、突然ですか占ってもいいですかっていうテレビ番組に出られた時、好きな人は超少なくて嫌いな人は8万人ぐらいいますっていうことを言って、
笑いを誘ってたんですけど、でもツイッターとかインスタとか誹謗中傷の数を見ると、
本当にそれぐらい彼女をバッシングしている人っているんじゃないかって思うぐらい、そのアカウントはあるかもしれません。
匿名だし、一人で何個アカウントを作ってもいいし、そんな自分とは関係ない世界に生きている人なら、どんなことを言っても自分には被害を及ばない。
だからボクシングのサンドバックのように、何を言っても何を叩いても自分にはやり返ってこないっていうことをわかってきっとバッシングしてるんだと思います。
でも、その相手っていうのはサンドバックじゃないし、芸能人といえども、トランセクシャルだといえども、心があって、考えて、傷ついて、そうやって自分と同じように毎日を生きている人間なんですよね。
その番組でちょっと心配になったのは、夜になると明るい曲でもバラードに聞こえたり、夜は暗いから病んでしまうっておっしゃってたり、やっぱり毅然としていても一人になって辛かったんだろうなーって思いました。
ただ、その番組を見ていて救いだったのは、本当の自分を隠していても、その頃よりも今の方が幸せだっていうことを言ってたので、それは本当だったんだろうなーって思います。
すごく強いし、自分よりも20くらい?あ、まあ20はいいすぎか。15くらい離れているのに尊敬できる人だなって思っていました。
多分、多くの人にはりゅうちぇるさんの存在はそれほど大きくなかったかもしれませんが、同じように性別で悩んでいる人とか、自分に自信がない人には、
その人たちの先頭に立って世間の注目を浴びてくれて、いろんな勝手な想像で噂されて、事実でもないことでバッシングを受けてくれて、本当に感謝している人や悲しんでいる人は絶対に何人もいると思います。
この悲しいニュースを聞いて、落ち込んでいる人は必ずいると思うし、嫌な言葉を見た後に、追悼の言葉もSNSに書き込めないかもしれませんが、きっと彼女はそうすることよりも、彼女の言ってたことや生き方を見て、自分の生きる参考にすることを望んでいるように思います。
彼女が言ってたように、世の中はいい人ばかりじゃないけれど、8万人ぐらい嫌な人がいるかもしれないけれど、それでもいい人も、自分のことをわかってくれる人も必ずいます。
何よりも、自分が自分のことをわかってあげて、最終的には自分を幸せにして、自分が幸せになるように周りも幸せにすることが、彼女の言ってたことを実現させることなんじゃないかなって思っています。
ご冥福を心からお祈りすると同時に、今までありがとうっていう感謝を伝えたいです。
ということで、お送りしました、今朝のサン・キス・スカイ、いかがだったでしょうか。
ちょっといつもとは違う感じになりましたけれども、聞いてくださった方がいらっしゃいましたら、ありがとうございました。
それでは、今日もポジティブに、自分をいたわりながら一日をお過ごしください。
Please take care and be nice to yourself.
ご案内はトミー・ディセンバーでした。
それではまた。