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おはようございます。今朝もサン・キス・スカイをお聞きくださりありがとうございます。
ご案内のTommy Decemberです。
今朝、録音しているのは、6月27日火曜日。
北カリフォルニアのサンノゼは、朝6時を回りました。
今の空の様子は、少し夜明けの薄明るい感じで、
吹く風がひんやりとしています。
今日のサンノゼの天気は、午前中は曇り、午後から晴れる見込みです。
現在の気温は15度で、25度まで上がりそうです。
ちなみに今日のサンライズは、5時49分、そしてサンセットは、8時32分となっています。
日本は今、もう夜の10時を回っていますね。
皆さんの今日は、終わりに近づいていますが、いかがだったでしょうか。
東京の明日の天気は、まだ梅雨ということで、雨ですね。
でも気温を見てみると、最低気温が24度で、最高気温が33度になっています。
雨でもこの暑さだと、本当にジトジトと肌に湿気がくっついて嫌な感じですね。
早く梅雨明けになってほしいと願っています。
そういえば、沖縄に住んでいる方がツイッターで、沖縄はもう梅雨が明けたということをおっしゃっていました。
本州の梅雨明けももうすぐですから、もうちょっと我慢してくださいね。
さて、最近聞き出した好きな番組に、聞くお惣菜さんというポッドキャスト番組があるんです。
なっちさんともちこさんという夫婦でされていて、いつもお昼ご飯を食べながら録音されています。
音質がめちゃくちゃいいのも聞きやすい点なんですが、
ゆったりと日常のお昼ご飯の会話をされているような話し方で、
たまにボリボリと何かを食べている音が入ったりするから、すごく癒されるんです。
でも、癒されるだけでなく、お二人の考えている視点がハッとさせられることも毎回あって、
自分はどう思っているんだろうって考えさせられるのが聞いていてとても面白いんですよね。
ラベルとマイノリティ
この聞くお惣菜さんが、以前この番組でも話していた三十日間の新聞という企画に参加されていて、
ラベルとマイノリティというタイトルで配信されていました。
まず、マイノリティって何だろうっていう疑問から入られたんですが、
マイノリティってマジョリティに対しての少数派だから、
土俵が違えば、あるいは比べる対象が違えば、誰でもマジョリティになったりマイノリティになったりするよねということから、
二人の会話が始まったと思います。
例えば、LGBTQっていうのも、性的指向や性同一性においてマイノリティです。
僕の例で言うと、生物学的な性別は男性で、人口の割合ではマジョリティです。
でも、中学校の頃に入っていたブラスバンド部では、9割が女子生徒だったので、僕は男性でもマイノリティでした。
僕が日本に住んでいたときは、日本人としてマジョリティでしたが、
アメリカに留学してからは、アジア人としても日本人としてもずっと今もマイノリティです。
こういうふうに場所とか所属が変わると、自分がマジョリティなのかマイノリティなのかという属性も変わるという話ですよね。
だってゲイバーに行けば、性的少数者の僕でもマジョリティですからね。
最近はそのマイノリティというラベルがあるから、差別や偏見があるんじゃないかということで、そのラベルがない世界が理想なんじゃないかという話も聞きますね。
これを聞いて思ったのは、最近よく聞くようになったラベリングという言葉です。
これはたぶんレッテルを貼るという言葉と同じように使われていると思うんですが、
勝手にその人のことを自分の価値観で分別して枠に入れて、その枠の人だからそうに違いないというふうに決めつけるような時に使われると思います。
でももしかしたら実際には、僕がその人のことを知らないだけでそうレッテルを貼ったり、あるいはそのレッテル自体の意味を知らずに使っていたりして、
本人からしたら、あるいは違いを知っている人からすれば、自分は見当違いなレッテルを貼っているかもしれません。
それは自分の一方的な偏見でその人を見ることなので、そうしたレッテル貼りはやめた方がいいと僕も思います。
個性とアイデンティティー
でもなっちさんは、このいわゆるラベリングではなくて、ラベルがないと多数の中にいる特定の個人の見分けがつかなくなるし、そうすると個性もなくなるんじゃないかって言われているんだと思ったんです。
僕もこの話をどこかのポッドキャスターの方が言っているのを聞いたことがあって、考えたことがあるんですが、結局は他人との違いっていうのが個性だし、自分を表すものだと思ったんですね。
これで僕が思い出したのは、自己紹介なんです。
僕はアメリカに留学するまで、自己紹介が苦手だったんです。
自分を何と表現するのが正しいのかわからなくて、何が得意かとか、例えば自分が好きだとしても他にもっと好きな人がいたりとか、自分が得意なことも他にももっと得意な人がいたりとかするかもしれないので、ずっとそういうことを人前で言うのも躊躇して、
自分は何て言えばいいんだろうっていう正解がわからなくて、ずっと自己紹介が苦手だったんです。
でも留学すると、自己紹介が嫌でも増えるわけですよ。
その時に先生とか友達に言われた言葉でハッとした言葉があって、それは、Who are you? とか、What are you? というのはもちろんなんですが、What's your difference between others? とか、What makes you special? とかっていう言葉だったんですね。
その違いこそが自分のアイデンティティーなんだって気づいたんです。
確かに、アイデンティファイするって、身分けるっていう意味ですもんね。
違っていることが個性なんだ、自分なんだって腑に落ちた瞬間でした。
そしてその時に、自分がゲイでもいいっていうことに、それも個性なんだっていうことに気がついたんです。
それから少し生きるのも楽になった気がします。
今の日本では、個性を大事にする教育が広まっていると思うんですが、僕が育ってきた日本では、個性よりも画一的な調和が尊ばれた環境だったんで、価値観が違ったんですね。
自分が何であるかっていうラベルって、自分を認識するのにとっても大切なものなんだって思いました。
自分が好きな人のことを語る時も、どこが好きっていうのも、何で好きかっていうのも、他人との違いだし、個性だし、ラベルですもんね。
でもラベルとかレッテルっていうのは、一つの枠っていうかカテゴリーでしかないので、このラベルからだと、この人はこうっていうことはもちろんないですよね。
例えば鳥っていうカテゴリーの中には、空を飛べる鳥もいれば、鶏のように飛べない鳥もいるし、ペンギンのように海を泳ぐ鳥もいますよね。
そのペンギンの中にも、体の大きな体長120センチの皇帝ペンギンもいれば、体長30センチの小さなフェアリーペンギンもいますし、それぞれ生態も違うんですよね。
そしてまた、その中にも違いがあって、というふうに遠くから見たら同じでも、だんだん近づいていって解像度が上がってきて、ここで見てみるとまた違いが見えてくるんですよね。
それからラベルっていうのは、もちろん一つの目安でしかなくて、そのラベルに対する価値観も日々変わっていくものだと思うんですね。
ラベルの変化とフレクシブルな思考
例えば、今可愛いっていうラベルが、半年後には古いとかダサいっていうラベルに変わってたり、あえて言うとLGBTQだと、僕らが小学校、中学校の頃は変態としてくくられていたけど、
今ではちゃんと自分からは変えようのない性質だっていうこともマジョリティの人たちにも知られてきたということで、LGBTQのラベルも年々時代とともに変わってきたじゃないですか。
なので常識とか価値観とかは常に変わるんですよね。
世界情勢も変われば、物価も、貨幣価値も変わるじゃないですか。
だから僕たちも大人だからということで知った気になっていると、自分の20代の頃の価値観だとそうだったと思ってたこととかラベルが20年経った今では、もう実は黒ずんだり擦り切れたりして、時代にそぐわないラベルになっていたりする可能性があるんですよね。
例えば20年前の感覚ではネガティブなことも、今の若い子からしたらポジティブなこともあるんじゃないですか。
だからこそフレキシブルにアップデートしてラベルは常に書き換えていかないと、20年前は最新のラベルでも現代じゃ偏見になっちゃって、他人に対して失礼になっちゃうってこともあるんですよね。
正解って問題の問い方によっても変わりますけど、歴史とか科学とかの正解は普通に時代によって変わりますからね。
だからラベルを正しく貼れるようにフレキシブルに常にアップデートして、情報を目の前だけじゃなく右からも左からも取り入れていかないといけないなって、そういう意味でも改めて感じました。
もちろんきっかけはラベルでも、最終的にはそれぞれの個性を見られたらいいなって思いますし、自分がマイノリティだからこそ人と違って嫌だなって思うこともあるだろうし、もちろんコンプレックスとかもあると思います。
でもそれって逆に言うと自分にしかない個性ですよね。
そういうふうに自分のマイノリティ性も見られたらいいですよね。
さあ、今回ご紹介した聞くお惣菜さんは、毎週水曜日に配信されています。
もしお聞きでない方は、よかったら本編も聞いてみてください。
ということでお送りしました。今朝のサン・キス・スカイ、お楽しみいただけたでしょうか。
今日も素敵な一日をお過ごしください。Wish you'll have a wonderful day!
ご案内はトミー・ディッセンバーでした。
それではまた。