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2022-10-09 24:58

議論・討論・談論を使い分けていますか?【第98号音声版】 #98

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パネルディスカッションに参加してモヤモヤしたことはありませんか?立教大学の中原淳先生が「パネルディスカッションのトホホ文法」として5種類の残念パターンを紹介されています.この号では残念パターンの原因と対策,そして気をつけたい議論・討論・談論の違いをご紹介します.

ニュースレターはこちらから👉 https://steam.theletter.jp/

(Cover Photo by Antenna on Unsplash)

00:00
♪~
いちです おはようございます
このPodcastは僕が毎週お送りしているニュースレター
SteamNewsの音声版です
SteamNewsでは
科学・技術・工学・アート数学に関する話題をお届けしています
SteamNewsはSteamBoatの組み合いのご協力でお送りしています
♪~
改めましていちです
このエピソードは2022年10月8日に収録しています
このエピソードをSteamNews第98号から
「議論・討論・談論を使い分けていますか?」
というタイトルでお送りいたします
♪~
このPodcastをお聞きの皆様の中には
パネルディスカッションをお聞きに行ったことがあるよ
という方いらっしゃるかもしれません
中にはパネルディスカッションを聞きに行ったことがあるんだけれども
何かモヤモヤだけが残ったという方も
おられるかもしれません
中にはね
これからパネルディスカッションのパネリストとして登壇するよ
という方
あるいはモデレーターとして登壇するよ
仕切りをするよという方も
リスナーの方の中にはいらっしゃるかもしれません
パネルディスカッションって割とよく開かれてはいると思うんですね
ただ聞くのも登壇するのもそれから回すのも
結構難しいと思うんです
僕自身非常に微力ながら
情報の建築ということを考え続けている
一人の研究者でもあるので
このエピソードでは
パネルディスカッションの回し方あるいは参加の仕方について
僕なりの話をさせていただければなと思います
またこのエピソードの後半では
以前僕がブログに書かせていただいた
空き地の内容から
大学1年生に知ってほしい
議論討論談論の違いという話題をお届けしたいと思います
立教大学経営学部の中原潤先生が
パネルディスカッションの5つの途方々文法
03:01
しりきれとんぼ
みんなちがってみんないい
おれおれしつぎ
かじょうプロレス
りんだこまっちゃうというブログ記事を書かれていたんですね
皆さんが最後に聞かれたパネルディスカッションはどんなものだったでしょうか
もし思い出せなかったりつまらなかったという思いだけが残っていたとすれば
そのパネルディスカッションは
この中原潤先生がおっしゃる文法にのっとっていたかもしれません
その文法をご紹介させていただきます
これからABCDEと5つの型をご紹介するのですが
このABCDEというラベルは僕自身がつけたもので
中原潤先生のブログにはないんですが
この音声のメディアでもあるので順番をわかりやすくするために
ABCDEと便宜字をつけさせていただきますね
A型
聞く聞く聞く時間がなくなってしりきれとんぼで帰る
B型
観点観点観点みんな違ってみんないい
C型
発表そしてあさってのしつぎ
また発表会場からおれおれしつぎ
D型
やらせやらせやらせ過剰プロレスでしらける
E型
発表発表会場へしつぎ
シーンもうどうにも止まらない音帯
これあの音声で説明するとちょっとわかりづらいかもしれないのですが
これから具体例をご紹介します
まあもしね文章で見たいという方あの無料で読めますので
僕のニュースレターをね公読していただければ
こちらはあの全部公開していますので
webで見ていただいても結構です
ではまず最初のA型
聞く聞く聞く時間がなくなってしりきれとんぼで帰るという方
これはですねあのパネルがですね
パネルとかパネリストとかあの言い方変えてるんですけれども
同じ意味で使っています
このパネリストの方が順番に自分の発表していたところで
時間切れというパターンですね
パネルディスカッションで
このパネリストの先生何人か並ばれますよね
まあ少なくとも4人は並ばれると思いますし
多いと8人とかいうこともありますよね
で皆さんそれぞれ最初に自己紹介してくださいとか
自分の研究を発表してくださいとかお伝えすると
あのまあ本来はね
06:00
1分以内で自己紹介っていうのをしていくべきところを
一人で10分とかね喋られるケースもあるんですね
そうすると4人が10分ずつ喋ったら
もうそれだけで40分ですからね
6人いたら60分でも
このパネルディスカッションの時間を使い切ってしまう
ということも実はよくあることなんですね
でこれあの主催者の視点で言わせてもらうと
僕自身もよく会議の主催とさせてもらうんですが
この午前中に
まあ1人30分とか先生方に発表をお願いしといて
で午後からパネルディスカッションしましょうという時に
午前中の枠に入れられなかった
先生方はパネルに詰め込んじゃうことがあるんですね
でそうするとその先生たちが
自分の発表の機会が回ってきたと思って
喋ってしまうと
だからパネルディスカッションと言いながら
ディスカッションがないというパターンですね
これ非常によく見かけます
でこれ運営者側の注意としては
もうこれはもうあのタイマーですね
タイマーしかないです
時間をちゃんと区切るしかないです
で運営者が腕時計とかそれから
壁の時計とかに目をやると
視聴者というか参加者ですね
会場に来られている
パネルディスカッションの会場に来られている参加者も
時間気にしてしまうので
これはもうステージに向かって
ステージ下にタイマーを置いておくに限ります
で聴講者ですね
たまたま自分が参加したパネルディスカッションで
大御所がなんかこう喋って喋って止まらないという時は
もうこれ諦めるしかないので
これはパネルじゃなくて討論聞きに来たんじゃなくて
まあそれぞれ個別の意見を聞きに来たんだと思って
諦めるしかないかなと思います
次のB型
観点観点観点
みんな違ってみんなE型
こちらはあの中原先生のブログから引用させていただきますね
彼はこういう風にまとめられています
パネルディスカッションと称して
異なる観点学問領域立場の登壇者の意見発表が続くが
その後でみんなで話し合うべき問題がないために
あるいは設定されていないために
最後はみんな違ってみんなEという
オチになってしまうというパターンです
これも主催者目線で言わせていただくと
とりあえずそのパネルに
今著名な先生方を集めたんだけれども
これについて話し合ってくださいという論点
09:01
あるいは問題をですね
この主催者あるいはモデレーターが定義しなかったために
みんな自説を主張し合うだけで
何一つ生み出さないという
これも非常にありがちな
パネルディスカッションの形態だと思います
最終的にモデレーターは
みんな違ってみんなEという結論を言わざるを得ないというか
これはあらかじめ分かっていたことではあると思うんですけれどもね
結局そのタマムシ色の見解を述べるとか
多様性が大事ですねみたいな
ふわっとした抽象的なこと述べて終わってしまうというケースですね
これもあまり生産的なパネルディスカッションということは
言えないんじゃないでしょうか
こちらもですね
もし自分が兆候してしまった場合に対策ほとんどないんですが
たまにいい子という先生いらっしゃるので
そこをメモしておくとかいいかもしれません
僕自身の個人的な体験を言わせていただくと
もう何年も前になるんですが
日本学術会議のシンポジウムで
とあるアート系の先生が
最後もう何言っていいか分からなくなってしまって
なんと猫号でですね
にゃんにゃんにゃんって言われたんですね
僕でもそれすごく心に残りました
そうかもうこの問題にゃんにゃんにゃんしかないんだとか
あの多分聞いてらっしゃる方に言ってるか分からないと思うんですけれども
その場にいた僕は妙に納得したことがあります
ただまぁ逆に言うと
パネルディスカッションの主催者
あるいはモデレーターも何度かさせていただくことがあるんですが
これは反省点として
あるいは踏んじゃいけない時代として記録に残しています
いやでも圧倒的にこのB型
特に日本でパネルディスカッションを得らせていただく場合には多いと思いますね
僕自身もそのパネルディスカッションという形式が
この会議の形態としてあまり良くないのではないかな
まあよほど参加者を選ぶ形態ではないかなというふうに疑ってはいます
では続いて次のC型をご紹介したいと思います
中原先生の言われる3番目の方C型
発表、あさって質疑、発表、おれおれ質疑なのですが
この質疑は会場からのものなんですね
パネルリストの発表があって
モデレーターが会場からご質問があればどうぞというふうにマイクを回すわけですね
そうすると会場に来ていた参加者、聴講者から
意味不明ななんちゃって質疑
12:01
そして自身の意見を解禁するだけの
おれおれ質疑が出されるパターンです
聴講者を絞っていない公開型のパネルディスカッションだと
このパネルディスカッションにですね
ここで一旗あげてやろうだとか
ひょっとしたら登壇者に人たち浴びせてやろうという方が
紛れ込んでくることは避けられないんですね
僕自身の体験でも僕はこれあの聴講者として参加していた
パネルディスカッションで毎回質問される方がいらっしゃって
その度に討論とは関係のない話題を
自説をですね、ドヤ顔で紹介される方がいらっしゃって
でもこればっかりは主催者としてもマイクを回さないとか
最悪途中でマイクのスイッチを切るとかしか手段がないので
モデレーターの方は音響さんとですね
合図を決めておいて、このジェスチャー出したら
音響さんマイクを絞ってくださいって
伝えておくとかしかないんじゃないかなと思います
で聴講者の中で出くわしてしまった場合
まあこれね、日本文化の中では難しいかもしれないんですが
もう矢印を飛ばすぐらいしか対策がないのかな
まあもう会場出て行くのが一番いいかなとは思います
続けてD型です
やらせやらせやらせやらせ
過剰プロレスでしらけるという風に中原先生がおっしゃっている方ですね
こちらこのやらせというのは事前にこの台本でね
仕込みをしているという意味ではなくて
悪ふざけに近い意味で使われています
これパネラー、パネリストの悪ふざけですね
他のパネリストにわざと喧嘩をかけるというものですね
でまあこれ関西出身の方は身に染みていると思うのですが
あのステージ上でのいじりですね
まあ今いじりってあの全国で通じますよね
いじり、このなんていうんですかね
わざと意地悪なツッコミをするという行為なんですけれども
これ愛情が必要だし相手への信頼も必要だし
そして本人自身に非常に高度なツッコミ能力が伴っていないと
いじりは完成しませんでないとただのいじめになってしまうし
見てる方は非常にね
つまらない感想を抱くことになります
15:01
で中には芸人にできるんだから俺にもできるだろう
という風に芸人を馬鹿にしている先生たちが
やることがあるんですけれども
もうこれ確実に事故になります
本当にやめていただきたいです
でただしなんですが
まあもしあのこれあのメールで送りしているニュースレターでは
こうリンクをあの貼らせていただいているんですけれども
中原先生のブログに
今この今回のエピソードのオリジナルの内容が書かれているんですが
そちらにちょっと書かれていなかったことなんですが
あの実はですねパネリスト同士が笑顔で話し合いながら
実は水面下で足を蹴り合っているということもあるので
まあもしもそんなあのシチュエーションにそんなシーンに出会ったら
儲け物と思って
是非ね参考にしていただきたいなと思うんですね
これねあのあるにはあるんですよ
例えばですね
こんな感じです
さすが貝原先生は世界をまた見かけてあるだけあって視点がユニークですなぁ
いや山岡先生こそ地に足をつけた研究しておられて視点の深さが違いますなぁ
まあ貝原先生と山岡先生はもちろんねホイシンボの登場人物から名前をお借りしたんですけれども
この世界をまたにかけているだけあって視点がユニークですねというのは
内心ですね
学内業務性やボケみたいな意味であったりとか
まあ地に足をつけた研究をしておられて何のかのっていうのはお前の中の川津屋っていうようなことをね遠回しに打てたりとかまあするわけなんですけれども
こういったものを見かけられたときはラッキーという風にね
学者先生というのはこんな風にしてマウント取り合うんやなというのを
楽しんでもらえたらいいかなと思います
最後に言い方
発表発表質疑シーン
そしてもうどうにも止まらない温帯という方ですね
こちらはまあパネリストからの発表がいくつかあってモデレーター会場へ
質問のある方はいらっしゃいませんかと言っても質問が出なかった場合にありがちなパターンなんです
こんな時モデレーターは結構焦ってるんですねで会場を見渡すとそこに大先生がいらっしゃる場合というのが
大にしてあるわけですね そしてこうモデレーターがおや会場に何々大先生がおられるではありませんかぜひお一言という風に
18:09
振りをしてしまうんですねこの振りが地獄への階段なんですね 無茶振りされた大先生の方もまあ内心悪い気はしてないんですねこの場は俺の出番じゃんみたいなこと
内緒を持ってるわけですね ただまあ遠慮あるので一瞬迷惑な振りをするんですがここぞとばかりに自説を語り始めます
でモデレータも自分から振った以上止められないし無茶振りされた大先生もこの発言が出てこないというね
この鍛冶場を俺が救ってやるんだというまあ妙な正義感からどうにも止まらないというね 状況になってしまうわけです
でだいたい偉い先生という話が長いんですよ まあ偉くない先生も話が長いかもしれないんですけれども僕個人的な体験ここでもお話をさせていただくと
をですねまぁ京都で バングラディッシュ文化祭というのを開催させていただいた時にもこういうとも誰のことかね
特定しちゃうような話ではあるんですがまぁ20年以上経ってるのでもう事故ということでお許しください 在日バングラティッシュ大使をお招きしたところ
3時間にわたってスピーチをされてしまったんですねもちろんベンガル語ですで僕ベンガル語全くわからないので何を言ってるのかわからない話
まあこれ大先生の話と一緒ですよね何言ってるかわからない 日本語で話されていても結局はわからないという意味では一緒だと思いますが3時間これニュースデータで3時間
て書かせていただいたんですけれども今思い出すと4時間半とかあったような気がします 絶対これ日記読んでるだろうと思っていたら本当に日記を読んでいたんですね辛かったですもう
トイレに立つわけにもいかず あの非常にね
何のためにこの苦痛を耐えているんだと思いながら時間を過ごしましたまぁそこまでの長さというのは パネルの場合ないかもしれないですが
そんなことも 世の中ねあるにはあるわけです中原先生はこの
途方文法パネルディスカッションの5つの途方文法というブログの中でこのように締めくくられています この背景には柿のような問題がありそうです
1番タイムマネジメントの難しさ 2番1周問題設定をきちんと行うことの準備不足
3番場をオープンにした時の統制不能さ 4番演技を行うことの難しさ
21:02
5番静止することの難しさなどからパネルディスカッションという形式はなかなか場全体としてうまく理解を促進することが難しいのだと思います
ということですね
最後に皆さんにぜひ知っておいていただきたい議論討論 談論の違いをご紹介します議論というのは意見 a を持つものと意見 b を持つ
ものが話し合って議決を決めることです 議決は意見 a かもしれませんし意見 b かもしれませんし
第三の意見 c かもしれません 議決は何らかの形で未来へ残します話し合いに参加したものは議決に従うことを期待されています
討論とは意見 a を持つものと意見 b を持つものが話し合う様子を第3者が観察し そのどちらの意見に同意するかまるいはいずれにも同意しないかを判断するものです
市場討論テレビ討論などはこの範疇に入ります ディベートは討論の一種で意見の内容ではなく説得力の強弱でどちらが優れているか判定するものです
弾論とは議決を出さない議論のことです 例えば問題 x がありその解決方法として a を指示するものと b を指示するものがあり
両者とも解決には相手の協力が必要なときは議論すなわち議決が必要です 弾論している場合ではありません
一方でその問題はないんだけれども話題提供として皆さんに知ってほしいあるいはこの 弾論参加者に知ってほしいという場合にはこういった結論を出さない弾論というものが大事になってくるわけですね
パネルディスカッションも議決を求める議論なのか第三者に判定してもらう討論なのか ターナルは第一提供の弾論なのか決めて運用すれば少しは
右のあるものになるのではないかなとまあ僕は思っています というわけでこのエピソードも最後まで聞いてくださってありがとうございました
実は僕自身ですね 論ドンでパネルディスカッションのモデレーターをしてきたところなんですね今帰国してすぐにこの収録をさせていただいていました
また詳しくはニュースレターで見ていただければなぁと思いますというわけでまた次回皆様とお会いしましょう市でした
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