Xの起源と使われ方
いちです。おはようございます。このポッドキャストは、僕が毎週メールでお送りしているニュースレター、STEAMニュースの音声版です。
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改めまして、いちです。このエピソードは、2023年7月28日に収録しています。
このエピソードでは、STEAMニュース第140号から、Xに関する話題をお届けしたいと思います。
なぜXなのかというと、今週ツイッターがXに改名したからですね。
ツイッター公式アカウントも、アットツイッターからアットXに変わりました。
Xのロゴは、こちらも数学記号でもあるブラックボードボールドXをそのまま使うようなんです。
この日本人には発音しにくいXがそのまま定着するのか、あるいはペケというふうに呼ばれるのか、
そんなことにも注目しながら、今日のエピソードをお届けしていきます。
アルファベットXの起源は、古代ギリシャ語の文字カイだと言われています。
このカイの文字なのですが、見た目はアルファベットのXとほぼ同じで、
日本語で言えばペケポンの形ですね。
このカイの文字なのですが、ギリシャ語の単語の中では空の音、
今の英語で言えばKやCHの音に想像するというか、そういう位置づけで使われていました。
古代ギリシャ語で技術値を意味するテクネの空の音ですね。
テクネは英語のテクノロジーの語源でもあります。
なおテクネのラテン語訳がアルスで、こちらが英語のアートの語源になっています。
つまり、テクノロジーとアートは語源をたどると、同じ概念から出発していたということになるわけですね。
さて、古代ギリシャ人はフェニキアから文字を輸入したのですが、
このカイの文字はギリシャ人の独自の発明のようです。
世界史の時間軸で考えると、わりと最近の発明というふうに言えるんじゃないでしょうか。
日本ではペケ印がネガティブな印象を持たれるためなのか、あるいは別の理由があったのか、
このペケ印Xの形をした文字は作られませんでした。
無理に探すとすれば、カタカナのめ、そしてしめきり記号のしめの文字が近いでしょうかね。
しめきりだったりしめさばだったりとかのしめの字ですね。
こちらは純漢字というふうにも分類されています。
このカタカナのめにしてもしめきりのしめにしても、
どちらも直線的なXにならないように、直線的なペケポンにならないようにデザインされています。
また漢字でも、今日のようにXの字形は悪い意味で使われています。
ハングルにもXのような形は現れませんので、
ひょっとしたら東アジア文化ではXはよろしくない記号なのかもしれません。
そう思ってですね、西ヨーロッパの文化も調べてみたんですが、
西ヨーロッパに起源を持つ国際信号機、船が旗をあげるんですが、
通信用の旗をあげるときにペケ印の旗をあげることがあります。
ペケ印は救助を求む、何かトラブルがあったときに使う旗なので、
ひょっとしたら西洋でもペケ印は何かトラブルを意味する記号なのかもしれないなと思った次第です。
試験を採点するときにも、西洋では間違いにはペケをつけるんですね。
◯は日本独自のアイコンなのですが、ペケは共通ということで、
ひょっとしたら西洋でもペケは悪い印なのかもしれません。
ここらへんは近いうちに西ヨーロッパの友人に聞いてみたいと思います。
さて、数学では未知の値を表すのによくXの文字を使います。
テリー・ムーアーというテッドスピーカーはですね、彼のテッドトーク、なぜ未知数をXで表すのかで、
なぜアルファベットXが数学の未知数に使われるようになったかを解説しています。
僕は皆さんの疑問に回答を持っています。
皆さんの疑問とは、なぜXが未知数を表すのかという疑問です。
エリーはここで未知数を扱う数学、大数学、
英語ではアルジェブラが実はアラビア語圏で発達して、それがヨーロッパに持ち込まれたという歴史を紹介しています。
アルジェブラ、これはアラビア語のアルジェブラから来ているそうなんですね。
Rというのはアラビア語の英語でいうとザーのような定観詞ですね。
11から12世紀にかけてアラビア語圏の数学の知識というものがスペインにまずもたらされました。
アラビア語のテキストからいくつもの概念がヨーロッパの言語、この場合はスペイン語です。
アラビア語のテキストからいくつもの概念がヨーロッパの言語、この場合はスペイン語に翻訳されていたのですが、いくつかの言葉というものが翻訳できなかったんですね。
また、その言葉はヨーロッパの言語であるキャラクターの代表としてはありません。
この文字の一つがシーンです。
シーンという言葉は、SHという意味の言葉を持っています。
シーンという言葉は、SHという意味の言葉を持っています。
シーンという意味の言葉は、SHという意味の言葉を持っています。
シーンという意味の言葉は、SHという意味の言葉を持っています。
特に未知のものを表すアラビア語、あるシェイワン、英語で言えばThe Somethingの頭文字にあたるシーンという文字、これが当時のスペイン語で表現することができなかったんですね。
この後、テリーは、そのためにスペイン語にない文字として、古代ギリシャ語からカイの文字、現代の英語のXの文字を借りたのだというふうにトークを続けています。
なぜXが未知数の記号なのか、それはスペイン語でSHあるいはシーンの発音ができないからだったんです。
というふうにテリーは締めくくっています。
この説は実は異論もあるのですが、一つの有力な説として考えられています。
とにもかくにもヨーロッパでは未知数をXで表すことになりました。
Xが数学の未知数になった経緯
未知数が複数ある場合は、2つ目をY、3つ目をZというふうにします。
例えば、2019年の吉野家の牛丼の価格をひも解くと、
波盛りが380円、頭の大盛りが480円なんですね。
この未知の値として、ご飯の価格をX、具の価格をYとしましょう。
頭の大盛りの具の量が1.5倍とすると、XプラスYイコール380円、
Xプラス1.5Yイコール480円という方程式を立てることができます。
この方程式を解くと、Xイコール180円、Yイコール200円、
つまり波のご飯のお値段が180円で、波の具が200円だということがわかります。
未知だったものがわかるということなんですね。これが未知数の力です。
なお、固定比なども推測するより精緻な吉野家方程式にご興味のある方は、
僕が担当している長崎大学情報データ科学部の数学の補修授業をぜひ受けてください。
めちゃくちゃ精緻に吉野家方程式を解いています。
そうこうするうちに、このXという文字が日のを意味する形容詞にもなっていたわけですね。
代表的な例を2つご紹介します。
一つ目はX線ですね。レントゲン写真を撮るための光線です。
X線の発見者ビルヘルム・レントゲンがなんだかよくわからない未知の光線ということで、X線と名付けたんです。
Xの他の意味や使われ方
この物理学者レントゲンと、そしてツイッターをXに改名した色マスク、ひょっとしたら気が合うかもしれません。
もう一つの例はマルコムX。
彼は自身の性をかつての奴隷所有者が勝手につけた名前にすぎないとして、未知を意味するXを名乗ることにしました。
1960年代後半から1970年代後半までに生まれた世代を表すジェネレーションX、X世代はこれは定義されたくない人たち、つまりマルコムXの後継者たちとして定義されました。
Xにはこんな歴史もあったわけですね。
ちなみにイーロンマスクもX世代、そして各有極もX世代なんです。
古代ギリシャ人から多くのことを学んだ古代ローマ人ですが、数字の書き方は自分たちで発明しました。
それがローマ数字で、今でも時計の文字盤なんかで見かけることのある書き方です。
そのローマ数字では数字の10をXで表します。
10を表す記号がXになった理由はよくわかっていないのですが、おそらくは数を数えるときに使われた記号が由来ではないかと考えられています。
数を数えると言っても指折り数えた数ではなくて、壁に印を書いていった時の記号なんですね。
日本語ではよく正の字を書いていって、一画ずつ書いていって、正の字ができると5ということになりますよね。
ローマの人たちは1、2、3、4と縦棒を書いていって、5番目にVという記号を書いたそうです。
6番目、7番目とまた縦棒を書いていって、10番目にはペケと書いたそうなんですね。
これでXという文字を10という意味に使い始めたのではないかと言われています。
このXを10として使う例として有名なのは、Apple社のiPhoneXやMac OS X。
Mac OS Xも10をXと書きますから、これがおそらく英語圏で現在では最も有名なXが10の意味を持つという例になるんじゃないかなと思います。
最後にですね、アルファベットXが単位の記号になりかけた例をご紹介したいと思います。
正確に言うと単位ではなく接頭語になりかけたんですね。
接頭語というのはキロメートルのキロ、Kですね。
それからメガトンのメガ、Mですね。
こんなふうにXという文字が使われかけたことがあるんです。
10の27乗、1の後に0が27個。
まともなく大きな数字ですね。
これ漢字文化圏では千乗という数になりますが、
この数値を表す単位としてXと書いてゼナと呼ぶ文字がありました。
キロというのは1の後に0が3つ、つまり千ですね。
メガというのは1の後に0が6つ、つまり百万の意味です。
このずっと先、0の後に10が27個並ぶものをXと書いてゼナと呼ぼうという運動がありました。
これは1の後に0が24個並ぶ数字をヨタと呼ぶことが国際単位形で決められていたんですね。
ヨタはYと書くので、Yの次ということではYに続く、
1つ前のアルファベットXの文字を割り当てるといいんじゃないかというふうに考えたわけですね。
ヨタの1つ前がゼタなので、ZYXと並べば美しいんじゃないかと考えたわけですね。
もし実現していたら、ゼナメートルとかゼナトンとか、
ひょっとしたらゼナバイトが一番最初に使われたかもしれないのですが、
残念ながらなのかよくわかりませんが、ゼナは採用されませんでした。
その代わりにゼナが目指した10の27乗、1の後に0が27個ある数字はローダーというふうに呼ばれることが正式に決定されました。
1の後に0が27個並ぶ長さは1ロナメートルと呼ぶことになります。
途方もなく長い距離なのでメートルでは使わないかもしれません。
最初に使うのはメモリーの容量で1ロナバイトなんていうのが使われるかもしれませんね。
今週はTwitterがXにリフランドしたことを記念して、Xに関する話題をお届けしました。
メールでお送りしているニュースレター、スティームニュースでは、今週の書籍、そして今週のテッドトークなんかもお届けをしています。
本週の書籍ではニュースレター執筆に参考にした文献をご紹介することもあるのですが、テーマに沿った面白い書籍を紹介することも多いんですね。
Xに関する書籍の紹介
今週の書籍はですね、このXにちなんでラリークイーンのXの悲劇という推理小説をご紹介させていただきました。
タイトルにXが入っている本というと、あるいはドラマというと、容疑者Xの検診だったりとか、ドクターXであったりとか、Xファイルであったりとか、面白い作品多いような気がするのですが、やはり僕の一押しはラリークイーンのXの悲劇です。
これはですね、ドルビーレーンシリーズ、俳優ドルビーレーンという人物が主人公になるドルビーレーンシリーズ4部作の第1作にあたるんですが、おそらくですね、4部作の中で一番面白い作品なんじゃないかなと思います。
ミステリーの完成度としては、おそらく2作目のYの悲劇の方が高いと思いますし、最も印象に残る作品としては、4作目連最後の事件というものになると思うんですが、やはりですね、トータルの小説の完成度としては、このXの悲劇が一番いいんじゃないかなと思います。
4部作全部読むのは大変だよという方も、Xの悲劇だけは読んでも損はないんじゃないかなと思ってご紹介をさせていただきました。
今週はですね、コペンハーゲンで開催されている国際会議にバーチャル参加していまして、バーチャル参加なので、体は日本というか、出島にいるままなんですが、ただ実際だけはですね、克服できなくて、日本時間で日本の業務をして、コペンハーゲン時間で、
学会に参加してということで、通常の1.5倍、もうちょっとかもしれません。ちょっと稼働時間が長くて、その分睡眠時間が短くてという生活を行っています。
ニュースレター、スティームニュースでは、こういった大学教員の日常についてもお届けをしております。ご興味があればですね、ぜひ無料登録をしてみてください。
今週も最後まで聴いてくださってありがとうございました。皆様も素敵な週末をお過ごしください。
Steam.fmの市でした。ではまた次週お目にかかれることを。
So electric. We're moving like a tidal wave.
Nothing stands a chance if we turn our way. We're going on a breakaway.
My heart is on fire. We're going higher.
We're going higher.
We're going higher.
You and I, we were made to shine like this.
Stars shooting in the sky.