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経営者の志。こんにちは、こえラボの岡田です。
今回のゲストは、株式会社ZIKICO)代表取締役、山瀬光紀さんです。
ジルコニアというとても硬い物質で作ったというスプーンは、本当に美しいものでした。
このスプーンを開発した日はお話いただきました。では、山瀬さんのお話をお聞きください。
今回は株式会社ZIKICO)代表取締役の山瀬光紀さんをゲストにお迎えいたしました。
山瀬さん、よろしくお願いします。
山瀬さんとは交流会でお会いして、その時に実は山瀬さんが作成したスプーンを見せていただいたんですよね。
それがすごく綺麗で美しかったんですけど、それって実はグッドデザイン賞に選ばれたということなんですよね。
そうですね。去年末のグッドデザイン賞とミュージアムセレクション賞にも選ばれました。
その選出された会社名をいろいろ拝見させていただいたんですけど、
日産とかホンダとかシャープとかソニーとか、すごい大手の大企業が連なる中、山瀬さんの会社もそこに入って選ばれているということなんですよね。
そうですね。まさかこの賞を取れるとは思ってませんでした。
やっぱりそれだけデザイン的にも優れていて、すごく見た時に美しいなって思ったんですけど、
やっぱりそういったデザインのことはすごく考えて作られていたんですかね。
そうですね。これデザインしたのは私の妹なんですけど、妹はイタリアのベネチア大学の建築学部のインダストリアルデザイン学科というところを卒業して、
それで妹にこのデザインをしてもらったので、デザインにはちょっとこだわっているところがあります。
その使っている素材ですよね。先ほどお伺いしたんですけど、ジルポニアという物質を使われているんですけど、これってどういったものなんでしょうかね。
ジルポニアって言ってみれば陶磁器の磁器の一種です。
陶磁器って言うと陶器と磁器とあって焼き物なんですけど、焼き物って言うと土物と石物、土物が陶器、石物が磁器です。
その一種、磁器の一種ということになります。
これって物質の特徴としてはどういった特徴があるんですかね。
普通の磁器に比べればはるかに硬くて耐熱性が高いんですけど、言ってみれば、別の言い方をすれば工業用で言えばセラミックスという部位に入るんですよ。
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セラミックスの中では一番割れづらい。
それは硬いのに割りづらいという。
硬いのに割れづらいです。硬いのにちょっと粘りがあると。
そうなんですね。そういった特徴がある素材なんですか。
山本さん、やっぱりそこの社名にもジキコという社名なんですけど、やっぱりこのジルコニアから来た社名なんですかね。
そうですね。まずジキコのジキっていうのは陶磁器のジキ。
これ普通アルファベットで書きますとZではなくてJで書くんですけど、ZっていうのはジルコニアのZを取ってます。
元祖の前のZなんですね。
最後のコはカンパニーということで、会社ということで。
やっぱりジルコニアを扱ってるっていうところを前面に出してる感じですかね。
そうですね。ジルコニアという素材がまだあまり世の中に知れ渡っていないんで、
これを使って日用品を作ると、なかなか生活をちょっと豊かにできるというか、ちょっと何かプラスできるんじゃないかというところがありまして、
これをもうちょっと世の中に広めていきたいなというふうに思っています。
山本さんはジルコニアの魅力っていうのはどういうところにありますかね。
まず綺麗だというところですね。
一番最初見たときになんて綺麗なんだろうと。
やっぱりそれって先ほど紹介いただいた他の物質とは違うんですかね。
硬いセラミックとかもさっきおっしゃってましたけど、そこともやっぱり美しさは違うものなんですかね。
そうですね。まず一般的に使われているTカップとか見ていただけるとわかると思うんですけど、
これは磁器の典型的なもの。コーヒーカップとかもそうですけど、白くて。
これちょっと見ると艶があるんですけど、これは何で艶があるかというと上ぐすりを塗っているからなんですよ。
物質そのものではないということですね。
物質そのものではない。これ普通の磁器をいくら磨いてもその艶は出ないんですよ。
そうなんですね。
これ上ぐすりというのは一手目はガラスです。
だからそれがあるので表面がピカピカに見えるということですね。
これガラスをかけてピカピカにするということは、上にガラスの膜を作らなきゃいけないので、その分分厚くなるんですよ。ボテッとしてしまう。
そうですよね。だから本体の物質の上に被せているわけだから、どうしてもその厚みが出てきてしまうということなんですね。
そうするとお皿とかカップを作るには良いですけど、これでカトラリー、スプーンとかフォークとかナイフとか作ろうとするとボテッとしちゃって食べづらい。
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厚みのあるスプーンになってしまうということですね。
あとはこうやって被せるわけですから、デザイン性を持たせて作ってもやっぱりエッジが立たない。どうしてもボテッとしちゃう。
どうしてもボテッとしちゃうということですよね。やっぱり厚みをどうしても作ってしまうので、そのあたりのデザイン性は犠牲にせざるを得ないところがあるんですね。
そこら辺がジルコニアならば綺麗なデザインを作ることはできる。スッキリしたデザインができる。
だから薄くすることが可能になるということなんですかね。
そうですね。我々のスープスプーンを作っているんですけど、このスープスプーンは普通のステンレスのスプーンの半分の厚みで作っています。
ステンレスよりもさらに薄いんですね。
この薄さでステンレスで作ったら歯でかじったら曲がっちゃいます。
それだけ強度が弱くなってしまうということなんですね。
そうですね。
それがジルコニアは硬いので形を保っていられるということなんですか。
はい。世界で一番硬いものがダイヤモンド。その次に硬いのはサファイア。その次に硬いですから。
さまめに硬い。相当硬いですよね。
硬いですね。
じゃあやっぱり加工も結構大変なんじゃないですかね。
大変ですね。
それを綺麗に磨き上げてピカピカのスプーンを作られているんですね。
そうですね。ダイヤモンドでしか磨くことができないんですよ。
じゃあやっぱり作るのも結構大変なことなんですね。
でもそれを日常的に使えるような製品をいろいろ作っていきたいということなんですね。
そうですね。
やっぱり今の世の中はどんどん新しい技術が発展していると思うので、
そうすると今のこのスプーンが作れるようになったのもやっぱりそういった技術の革新があったからなんですかね。
そうですね。やっぱり材料そのもの、素材そのものというのは30年くらい前に開発されたそうなんですけど、
それが加工できるようになるというのは結構最近で、
30年くらい前からも簡単な作り方ではあったんですけど、
ここまで細かい精密なものを作れるようになったのは本当にここ10年くらいになってきてから。
だいたい10年くらい前にシャネルが時計に使い始めたのが最初なんですけど。
そうなんですね。そこで結構細かい加工とかがやっとできるようになったということですか。
そうですね。
じゃあそこからその技術を使いながら何か製品にできないかというところでいろいろ開発されているんですね。
そうですね。
今回もグッドゼア印象とか選ばれていたと思うんですけど、
それのやっぱりどういったところが特徴的で選ばれたポイントになったんですかね。
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実はこれジルコニアを使ったことが原因で選ばれたわけじゃないんですよ。
絵の部分とヘッドの部分、これ組み合わせて使ってまして。
色も違いますよね。
ヘッドの部分はジルコニア。ジルコニアにすると美味しいからなんですけど、絵の部分はちょっと違うレジンを使ってまして、
これをくさびの形で組み合わせてるんですよ。そこを隙間なく組み合わせると。
ここの技術がすごいということと隙間なくできるということですね。
それからくさび形になっているのでシャープな印象があって美しいと。
そうですよね。絵の部分のところもすごく綺麗なデザインでされていて、
ぴったりと本当に隙間ないので、全然その境目が触ってもわからないような感じですよね。
そうですね。全く隙間ないはずです。
そうですよね。やっぱりそのあたりが技術的にも素晴らしいということなんですね。
そうですね。これもジルコニア、やっぱりその時期焼き物ですんで、やっぱり割れやすいところっていうのが若干あるわけですよ。
特にきっかけがあったりするとそこを起点に割れやすい。
きっかけをなるべく作らないようなデザインということで、あのくさび形になったんですよ。
どこかその弱い部分があるとそこを起点にどうしても割れやすくなるんだけど、デザインとしてそれがないような形になってるんですね。
やっぱりそこのあたりも評価されての自称ということなんですね。
そうですね。
山下さんはいろいろこれから開発されると思うんですけど、どういったことを大切にして、
こんな製品を新たに作っていって世に出していくという思いとかありますかね。
ジルコニアを世間に広めていきたい、一般的なところで使えるように身近なところに広めていきたいということが目的ですんで、
ジルコニアの良さが出るような製品にしていきたい。
ジルコニアって同時期ですからアレルギーが一切ないんですよね。
やっぱり金属だと触るとアレルギーになる方もいらっしゃいますよね。
そうですね。金属アレルギーの方増えてるようですね。
そういうアレルギーが一切ないっていうところなんで、そういうものを活かしたところ。
あとはやっぱり金属臭さ、鉄臭さが全然ないというところを活かしたもので作っていきたいなと。
やっぱりスプーンで使われたのもそういった口に触れる部分なので、
そうするとそれが金属とやっぱり味にも影響されたりするんですよね。
そうですね。なんでスプーンにしたかというと、
昔ちょっと4年間ドイツに住んでたことがあったんですけど、
日本人なんだから日本料理作れよっていう話にされまして、
実は私ドイツに行くまで料理を一度もしたことがなかったんです。
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じゃあそこのドイツの行った先で作ることになったんですね。
作ることになった。しょうがないから日本から蕎麦と鰹節を取り寄せまして、
蕎麦だったら茹でるだけだったんです。
鰹節も水にお湯を沸かしてそこに放り込んで沸騰したところで揚げれば出汁が来る。
これだったら誰でもできるよと思ってやったんですけど、
鰹節の出汁の味が全然しないんですよ。
そうなんですか。
理由が2つあったんですけど、1つ目は水が香水だったから。
日本と違うんですね。
出汁が出にくい。
ただそれにしても香りも味も何にもない。
スプーンで作って味見するわけです。
本当に塩味しかしない。
入れた醤油の塩味しかしない。
何だこれはと思ってスプーンで作るのやめて器ごと飲んでみたら、
あれ、それなりに味があるじゃないかと。
そうなんですね。
あれ、じゃあ何が原因だったのっていうことになりますよね。
このスプーンから。
じゃあそこでそういった発見があったんですね。
それだけやっぱり金属って影響を良くしてるんですね。
そうですね。普段気づかないです。
特に我々、お椀と箸で味噌汁を食べたりするんで。
確かに金属じゃないですね。
金属じゃないです。
そうか、そうすると、今の日本でいうとそれほど金属使ってないので。
味にも影響ないんですけど。
味見とかするときにスプーンで金属のスプーンでやると全然違ったっていうことなんですね。
洋食はみんなスプーン使いますし。
あとチャーハンとかカレーなんかでも絶対スプーンですね。
チャーハンはレンゲ使いますよね。
そうですね。
あれ陶器なんで、
ぼてっとしててやっぱり食べにくい。
そうかそうか。やっぱりそれ確かに言われてみるとそうですね。
普通にオムライスとかチャーハンみたいな庶民的なものがすごく美味しくなるんですよ。
あの薄いスプーンで食べるとやっぱり味にも影響するんですね。
そうですね。
やっぱりそういったところで日常の品を買うと、
皆さんの生活を豊かにするために今後もいろんな製品を開発しながら、
世に新しいものを出していくっていうことなんですね。
そうですね。
今回は株式会社JIKIKOの山崎さんにお話を伺いました。
どうもありがとうございました。
ありがとうございます。
いかがだったでしょうか。
グッドデザインショーとJIDA、
デザインミュージアムセレクションに選出されたジルコニアのスプーンは本当に美しいです。
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ジルコニアの美しさは固いのに粘りがある。
そういった特徴があるからだそうです。
そのために磨けば輝きが出て、しかも薄く作れるというところに特徴があるようです。
そして美しい物質であるジルコニアを使って今後も様々な製品を開発したいとのことでした。
金属だとアレルギーを持っている方がいらっしゃったり、
食品にすごく影響を与えるということなので、
金属にはない特徴のある製品を作っていきたいということでした。
製造過程にも特徴があるので、
あなたの心には何が残りましたか?
ではまた次回。