1. そろそろ美術の話を...
  2. Artist Live Talk Vol.2 ~吉..
2023-05-19 43:27

Artist Live Talk Vol.2 ~吉野祥太郎~

番組が推したい”旬なアーティスト”を紹介する新企画「Artist Live Talk」の第2回目です。

ゲストは、吉祥寺美術館で個展を開催中の吉野祥太郎さん。

2023年5月14日 午前9時頃に生配信した内容をお届けします。

番組の感想は、⁠#そろそろ美術の話を⁠ でお願いいたします。

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Guest Profile

吉野祥太郎(よしの しょうたろう)

  • 吉野祥太郎は 1979 年東京生まれ。
  • 「土地の記憶」を表現し、国内外の美術館やギャラリー、多くのオルタナティブスペースや野外で作品を発表している。

  • 彼の代表作となる「地面を持ち上げる作品」の意味する地面とは記憶の堆積であり、そこに堆積した歴史を優しく汲み上げ、表出させることにより「場」に対する影響、そこに関わる「人間」に与える影響、その場所と人間との関わりを考察させ、心の奥深くにある意識を揺さぶることにある。

はじめに
アートテラー・とにのそろそろ美術の話を。この番組は、私アートテラー・とにが、アートに関わる方をゲストにお迎えして、トークを繰り広げるポッドキャスト番組です。
本日は、新企画アーティストライブトークの第2弾を配信したいと思います。
さあ始まりました。番組が推したい旬のアーティストを紹介する新企画アーティストライブトークの第2回目です。
今は2023年5月14日午前9時1分になろうかというところです。
はい、今回は番組の公式ツイッターで生配信中です。途中機材や回線トラブルがあった場合はご容赦ください。
ポッドキャストでお聞きのリスナーさんは、生配信のアーカイブとしてお聞きください。
では早速ゲストを紹介したいと思います。ということで吉野翔太郎さんです。よろしくお願いします。
はい、よろしくお願いします。
おはようございます。
おはようございます。
さあ早いですね。
というのも開館前の美術館からということで。美術館は何時から開くんですか?
10時から。だからもう10時には終わらせなきゃいけないですよね。
そうです。お客さんが入ってきたらなかなかすごいことに。
でも今日これを聞いてこの後美術館に来るってこともできるわけですからね。
そうですね。
ぜひぜひこの後来ていただきたいなとも思いますが、僕は吉野さんとは全然初めましてではないと言いますか。
結構古い関係っちゃ古い関係なんですよね。
そうですね。
僕は建築ツアーって今ちょっとコロナで休んでるんですけど、建築ツアーってのをやった時の講師が3人いるんですけど、
そのうちの1人の、まあ僕のお兄さん的存在のテルウィスさんという建築家がいるんですけど、
テルウィスさんとアトリエが一緒というか。
そうですね。僕がアーティストランドスペースをずっとやってたんですけど、そこがテルウィス君が事務所をやってる建物と同じところ。
そうさんって下の名前でそうさん。そうさんどこ行くと吉野さんも漏れなくいるみたいな。
という感じだったんですけど、なかなか僕も事務所に行く機会もなくなって、あまり吉野さんとお会いする機会がなかったんですけど。
でもこの番組をよく聞いてくださって。
そうですね。車運転する時に、音楽とかだと眠くなっちゃうんですよ。
なんかないかなと思って、いろいろ見てたら、ポッドキャストとかいろいろ出てきて、
じゃあせっかくならアートの話聞こうって。アートって調べたら一発目で、そろそろっていう。
なんだこれ。トニーって書いてある。
あのトニーさんみたいな。
で、お話いただいたら、タイミング的に展覧会もやってるんで、じゃあ逆に出てくださいということで今至るということなので。
よろしくお願いします。
ただ、あんまり深く喋ったことがない。
そこにそうさんもいるから、なんかわちゃわちゃトークして、アートの話とかそんなにしてなかった気がするから。
今日はぜひその辺も踏まえていきたいなと思うんで。
簡単な自己紹介をというところから改めてお願いいたします。
どうもありがとうございます。吉野翔太郎です。
自己紹介、なんだろう。
79年東京生まれで、東京造形大学っていうところを卒業しました。
そこで卒業後研究生1年やって、その後修士に進んで、
それが終了したのは2007年とかかな。
今、肩書きがなんだかよくわかんないんですけど、自分では彫刻家って言い続けていたり。
でもアーティスト、現代アーティストって呼ばれたり。
だけど一応自分の中では彫刻家として。
野外彫刻展への参加
彫刻家になるんですね。
今やってることっていうのも結局、空間インスタレーションとかもいろいろやるけど、
そこの根本にあるのはやっぱり彫刻的な脳みそなんですよね。
それがやっぱり残ってるし、自分の何か表現の根本にあるのはやっぱり彫刻的な考え方、立体物であるし。
だから彫刻家って名乗ってますね。
そこ今初めて吉野さん知る方もいらっしゃって、この聞いてて。
彫刻家って言うと木を使ってるのかなとか、金属とかブロンズとかいろいろあると思うんですけど、
素材はって言われたら何?
それがもともとは、僕も金属からスタートしてるんですね。
金属彫刻図って言って、そこに石だったりコンクリートだったりとかっていう素材が絡んできて。
その頃は確かにね、金属ですとか石ですとか言えたんですけど、
最近確かにその素材何ですかって言われたら、いろいろですとか、それぐらいしか言えないですよね。
でも僕が知り合った頃の吉野さんは、木を使ってます。
そうですね、それは今でもやっぱり続いてて、
僕彫刻家とかいろいろ呼ばれるけど、一番多いのが地面持ち上げる人ねって言えると思いますね。
で、僕はそのイメージが強いんですけど、
でもそれだけ聞くと、なんだそれですね。
地面持ち上げるってどういうことだって。
改めて具体的に地面持ち上げるって何ですかって。
これすごい根本的な話、僕の作品の根っこの部分になってくるかもしれないんだけど、
記憶っていうのがまずいきたいっていう。
金属の彫刻とかの時からずっと記憶っていうのがテーマの一つにあるんですよね。
記憶はそれは自分自身の記憶なんですか?
それはそうですね。
自分自身、それに限らずですけどね、自分自身に限らずだけど、
記憶力が恐ろしく僕は悪いんですよ。
そうなんですね。
すぐ忘れちゃうんですよ。
次のこと入ってくると、興味があることないことももちろんあるんですけど。
そうなんですね。
逆に覚えていっていただいてありがたいですね。
俺のこと。
そうそう。それで記憶が自分の中でおかしいな、
なんでなくなっちゃうんだろうなっていうところから。
韓国ドラマみたいなやつかな。
そこから記憶っていうものが自分の中でテーマになってて、
それで作品作ってるうちに、
その場所っていうのが恐らく記憶を内包してるんじゃないかっていうところに至ったんですよね。
ある時、野外彫刻展というか、野外で制作して発表する展覧会に呼んでもらって、
そこで何作ろうかなみたいな感じになった時に、
そこの場所が森というか林だったんですけど、
近所の製材屋さんが別によかれと思って、
余ったウッドチップをバーっとばらまいたらしいんですよ。
地層と記憶
そしたらそこに生えてた木が根っこっていうか、
もう外に出てる部分、根っこじゃない部分、
あそこでも呼吸してるらしくて、そこが埋まっちゃったもんで、
何本か木が倒れちゃったらしいんですよ。
奇側じゃないけども。
そんな話聞いて、地面の中ってなんかそんな感じなんだっていうところから、
そこにおじさんが巻いたウッドチップがあるっていうのは、
そこにストーリーが一個あるのに乗っかったわけですよね、一番上に。
レイヤーができたわけですよね。
っていう風に多分、人の何か何でもない歴史的な出来事とかももちろんあるけど、
それだけじゃない何でもない記憶がレイヤーになってどんどん積もっていくんだなって。
いわゆる地層的な話で何万年単位でなくてもあるってことですね、積み重なるものがっていう。
そういう地質学的なデータではないもの。
空気が積み重なるみたいなもんですよ。
そんなのがあるんじゃないかなっていうところで、その場所の記憶っていうのが地面の下にあって、
でもそれって何もしなければ僕ら見えない。
それってなんか今僕らが生きてる現実と一緒だなと。
表層だけ見てると中見て何も見えないじゃないですか。
じゃあ今自分たちが思っているものと一緒なものをガバッと引き上げてみようと。
内側を見せてみようと。
っていうので地面を持ち上げるようになったと。
でも具体的に持ち上げる時に地面ってだから要するに穴を掘ったら固まってないわけじゃないですか。
まず一回固めるってことでしょ。どうやったらカパッと持ち上げられるんですか?
あれ何て言ったらいいのかな?
すごい言葉だけで説明するの、ジェスチャーがないとなかなか難しいですけど。
コンクリートによる地層の保存
そうですね。頑張って続けていきます。
掘るじゃないですか。
一回まず掘ります。
で、掘るとそこに地層があれば地層見えますよね。
見えますね。はいはいはい。
で、理屈だけで言うとそこにコンクリートをベチャッとくっつけて地層のとこに。
はいはいはい。地層のとこに。
で、固まったらコンクリートを裏返してみると、そこにおそらく地層の地面、土がくっついてくるわけですよね。
コンクリート側にってことですね。
そうそうそうそう。
それの塊なんです、あれ。
結構でっかくコンクリートを塗り込むってことですか?
そう。穴を掘ってオワン状に貼り付けるようにコンクリートを作っていくんですよね。
ぺたぺたぺたと。
そうすると、そのコンクリートの塊を裏返したときに、その土の地層の表面がコピーされてくる。
その穴の大きさ、作品の大きさとしては直径どれくらいと考えたらいいですか?
割と多い形が船型なんですけど、船型にもちょっと意味があるんですけど、最大で20m。
そんなに掘るんですか?
長さで20m。
高さという厚みはどれくらい?
深くて70cmくらいですかね。1mも掘らないかな。
そこで掘ったところにコンクリートを埋め込むという。
貼り付けて、そこにまた土を戻して、一旦何もなかったような状態にするんですね。
一回また埋めて。
寝かしておくんですよ、しばらく。
できればそこで何年か寝かしたいんですけど。
寝かしたものをみんなで引き上げるっていう。
当然重さとかがすごくなるんですか?
そのもの自体の重さっていうのはもちろん計算できるんですけど、貼り付くわけですよ。
この貼り付きの力っていうのも計算できないんで、
いつも計算した重さよりも最初の引き上げる、剥がれる瞬間の力がいる。
剥がすのは発射的なものを使ってワイヤーでやるんですか?
チェーンブロックっていう植木屋さんが木を移設するやつを使ったりとか。
でも最近20mとか、どんどん作品がでかくなっていった時には、
2トンユニックとか、後ろにクレーンの付いたトラックですね。
2トンとかそういうのを使ったりとかしてて、それが2トン、4トンになり、
フジドヤマビエナリっていうのがあったんですけど、
その時はラフターって呼ばれる、要は何十トンっていうものを剥ぎ上げるっていう。
そんな献金を使ってやるレベルなんですか、今。
作品の大きさと形の変化
ちなみに一番最初はどれくらいのサイズから始まったんですか?
一番最初は7m。
でも最初から結構攻めてるんですね。
そうですね。
とにかく最初の時っていうのは野外の初めてだったんで、
これただ何かやってもダメだと、自然に負けちゃうと思ったんで、
やっぱりでかさは必要だったんですよね。
あとでかさプラス、片方付いた状態で船の先端が持ち上がるようになるんですよね。
2枚貝みたいなことですね。
コンパクトを開けるみたいな感じになる。
で、先端の方をさらにでかくしたんですよ。
そうするとバッと開いた時にパースがつくじゃないですか。
目立つってことですね、そっちの方。
目立つし、でかく見える。
下の土じゃないものをまた別のところから持ってきて。
要は下の穴の形を先端の方が広い状態にしてやったんだ。
その時のリアクションとかどうでした?一般の方とか、美術関係者も見たと思いますけど。
どうだったんだろうな。
吉野さん自身はどうだったんですか?土持ち上げた瞬間の、第一回目の時の。
そうね、形が難しいなっていうのはすごくありましたよね。
要は地面を掘ってそこに型を作っていくわけで。
しかもその表面ってあんまりいじれないわけじゃないですか。地層があるから。
そこにまた土をペタペタやったりとかしたら狂っちゃうから。
掘った状態で維持しながら形を作るっていうのはすごく難しくて。
最初の時はやっぱりすごくいびつな形になっちゃったんですよね。
持ち上げた時に。
だから最初の時は持ち上げた、下が見えたっていうところの喜びはあったけど、形は最終的にはやっぱり気に入ってなくて。
その後、何回かやる間にどんどん変なテクニックがつくというか。
慣れていく?
そうそう、穴の掘り方が上手くなっていくわけですよ。
歴としては何年くらいやったんですか?そのシリーズは。
展覧会のコンセプトとリサーチ
初めてやったのが2006年。
20m級のでっかいやつは?
20m級のやつは2015年かな。
結構やってるんですよ。
一番最近が、さっき言った藤野山ピエンナで。
これはどんどんでっかくしていきたいんですか?
いやいやいや、そんなことはないですよ。
今度はでっかいプレーンを使い出すとかそういう話じゃないです。
あれ自体はインパクトあるんですよね。
よく展覧会のディレクターに、一番でっかいのやった。
もうそれしか見なくなってない。
記録を更新してって。
そこじゃねえんだけどなって思いながら。
好きの人じゃないでしょ。
デカさじゃないんですよ。
確かに確かに。
って思いながらも、分かりました。
やるからね。
やりますかって。
引くに引けなくなっちゃってるじゃないですか。
でもその話もいっぱい聞きたいんですけど。
今せっかくここに来させてもらってね。
今何も知らない人が言うと、どんだけデカい土が持ち上がってんだろうと思うけど。
そんなことはないですもんね。
7階でね。
せっかくだから展覧会の話に行くと思うんですけど。
今回展覧会はどういうコンセプトというか、測りを。
今回展覧会は吉祥寺という場所なんですけど。
両親が結婚前にちょっと住んでたりとかして。
ちっちゃい時からよく遊びに来てたんですよね。
中学・高校を上がって。
僕は小平なんですけど、学校が府中で。
国分寺あたりで大体遊んでたんですけど。
国分寺もそんなにいろいろないので飽きてくるわけです。
国分寺の方が聞いてたらごめんなさい。
国分寺好きです。大好きです。
そうすると吉祥寺あたりがだんだん遊ぶ場所になってきて。
だから中高とかはよく学校終わって吉祥寺に来て。
そういう縁で今回オファーがあったんですか?
そこで終わっちゃったんですよね。
でもそういう縁っちゃ縁ですね。
僕自身がいろんな場所に行って、いろんな場所の土地の記憶とかをリサーチしながら作品を作っていくわけです。
今回はストーリー、展示の話というのは水澤さんからいただいたんですけど。
神奈川近郊ですね。
お話ししてて、筆筆、ちょっとテキストをお願いしてたんですけど。
テキストを書くにあたって、ちょっと新しく一本作ろうやって、やってみようって。
君はいろんなところに行ってリサーチして、土地の記憶っていうのをやってるから、
それを今度自分の身近なところをリサーチしてみたらどう?っていうので。
国分寺だけど、国分寺美術館ないし。
吉祥寺美術館っていうのはどう?って。
やりたい!って。
ちょうどその直前ぐらいかな。
知り合いでもあるアーティストの千田さん、千田康博っていうの。
彼の展覧会でここに来てたりとかしてて。
なんかいいなーって思ってたんですね。
そんな話で、そんなタイミングで皆さんから話をいただいたんで、
やりたい!って言って。
じゃあ、よし、やったことない自分の身近な土地のストーリーをちょっと
いろいろリサーチしてみようと。
ということで始まった。
準備期間どれくらいだったんですか?
吉祥寺の特徴と住みやすさ
準備期間は一応3年ありましたね。
結構10年。
リサーチしてみた結果、吉祥寺はどんなマッチってイメージだったんですか?
リサーチがまず難しかったですね、最初。
リサーチ自体が難しいっていうか、僕が感じるものっていうのは、
今までって、僕が知らない地域にいて、
作品のタイトルでもあるけど、よそ者なんですよ、完全に。
完全によそ者が入ってって、
馬鹿者のように振る舞い、いろいろ話を聞くわけですけど。
言ってもリサーチ行く場所行く場所もそうだし、会う人会う人も、
みんな当たり前の状況なんですよね、自分が普段いる環境。
だからそこで受けるものっていうのが、
あ、そうなんだっていうものではなく、そうだよね、みたいな。
自分も吉祥寺の人たちとそんなに離れてないから、見つけづらいってことなんですね。
そう、特徴が見つけづらいっていうのはありましたね。
その中でどんな特徴が出てきました?
でもね、協力的?話を聞きに。
もちろん学園の茂野さんとかそういう方たちが事前にアポ取ってくれたりとかいろいろあるんですけど、
話をしっかりしてくれるっていうのはあるし、協力的で。
あとはやっぱり吉祥寺の町自体っていうのが、昔からいろんな人たちが入ってきてる場所。
いわゆる住みたい町ランキングで、すごい人気の場所ってイメージありますね。
1位がずっと続いてて。
そうなんだから、僕さっきよそ者じゃないって言ったけど、
そういうふうにして何か話を聞きに来たりする人たちを、
しっかり受け入れて話を聞いてくれるんですね。
その印象はありましたね。
それとあとは、住みたい町ランキング1位っていうところから、
これは僕の意見ではなくて、住んでる人たちの話とかだと、
実際住むと、長く住んでると、
いやー、住みにくいよ。
自分身にとっては。
住みにくい感じはしないですけど。
僕も最初そう思ってたんですけど、確かにそうなんです。
休みの日、平日とか来て、展示始まってからかな。
休日に来たらものすごい人なわけですよ。
地元民じゃなくて、観光というか遊びに。
それこそ昔の吉野さんのように、遊びに来る人がいっぱい来るってことですよね。
そうすると住んでる人からしたら、土日休んでるわけですよね。
外見たら人がワーッといって、電車でちょっと出かけようとして、
買い物に行こうにしても、外に出たくない。
そうですね、確かに。
住宅街ってどの辺にあるんですか?
だいたい駅前で遊びますから、僕らも。
駅の近く、あと騎士場、公園の方行ってみたりとか。
どこが一番住んでるエリア?
山町、本町。
山町が住んでたら、いらっしゃるんですね。
いらっしゃいますね。
美術館のインスタレーションについて
この辺も路地に入っていったら、住宅街があったりとかするし、
でもその辺住んでたら、コンビニ一つ行くのにも。
住宅街だからその辺、その辺りにはないわけじゃないですか。
結局駅の方にちょっと行かなきゃいけなくて。
嫌ですね。
自分もだから、土日とかコンビニちょっと行こうという時は、
コンビニに行く格好で行くじゃないですか。
日本の人はそのコンビニの格好で行ったら、
おしゃれな人たちがその駅の土日に。
すげえ安いね、それは確かに。
そうか。
あとなんかやっぱ土地が高くなっちゃって、
その中で、そこ買っとけばよかったな、
あの時いくらだったんだよとかいう話ももちろん聞くんですけど。
土地代。
すごい馬鹿高くなってるんですけど。
だけど、その分家賃が上がっちゃってて、
店が割り合わなくなっていくわけですよ。
どんどんいなくなっちゃう。
入れ替わりがすごい激しいらしくて。
地元の人なんかは、
例えば気に入ったケーキ屋さんが、
でも気づいたかないみたいな。
あそこの喫茶店よかったのよねとかね。
そんな話聞きましたね。
吉祥寺のイメージだけが今下がりつつあります。
何のための話なの。
土地代の土地が高くなったってことは、
いよいよ土も持ち上げづらいですし、
じゃあ何を作るんだって話になりますよね。
でも今回最初から別に土を持ち上げるっていうわけじゃなくて、
じゃあこの美術館、リサーチしましたってなって、
これをどうアウトプットされたんですか?
それでリサーチしてるうちに、
何を感じたかっていうと、
結局僕自身がそこにいるっていうことを強く感じたんですよ。
外から見たわけではなくて、
自分自身がそこに立つっていう。
立ってるなって。
その場所にいるんだな、立ってるんだなって。
しかも話してる人、話してる人、
インスタレーションの素材や環境について
割とやっぱり外から入ってきた人が多いんですけど、
その人たちもしっかり吉祥寺の街に立ってるんですよ。
足つけて立ってる感じがすごいイメージとしてだんだん広がっていって、
入ってきて。
じゃあそこに立つって何だろうっていうところを、
それを展示のメインに持ってこようと。
ということで、自分がそこに立っていてそれを感じれるような作品を、
今の自分の作品の展開から起こしていこうかなと。
そっちに立つのは物理的にというか、
本当に根付くというか生活する意味の立つって感じですか?
それも本当に物理的に立ってる感じ?
生活までいかなくても、
そこの場所に自分がしっかりいるっていう、
存在してるっていうことですかね。
意識、確かにそんなしたことないかもしれないですね。
立つってどういうことなんだろうみたいな。
フィットネス的なのが朝毎日あるんで。
スクワットするときに立ってとか言われて立つとかあるじゃないですか、
コージング的な。
ただ、普段の日常で意識的に立つってことはないですもんね、あんまり。
立つって言っても、
こうと立ってるみたいな。
そうそう、存在してるっていう感じですかね、そこに。
それを今回インスタレーションで表現してみようということで。
そうですね、インスタレーションって空間じゃないですか。
その中に自分が内包されて、そこと向き合ったときに、
作品の一部に自分がなるというか、
そこにまさに存在するっていうことを感じれるような作品。
それは言うのは簡単だけど、実際難しいですよね、それを作るとなるとなったときに。
今回ちょうどその場所から今会ってて、
説明はしちゃっていいんですか?
今回一応写真撮影はできないってあれですもんね。
だからSNS禁止というわけではない?
全然そういうわけではないです。
もう感じたものは伝えていい?
写真がダメっていうのは、
フラッシュ焚いちゃったりとかっていうのが事故的にもあるじゃないですか、
わざとじゃなくても。
他、シャッターオンで、
写真撮影禁止について
やっぱり一緒に見てる人とか、
環境でかなりこれ変わるんですよね。
例えば僕の娘だったりとかが、
一緒に入ってくると、
全然やっぱり違う見え方をするわけです。
別にそれが悪いわけではないです。
同じ空間だけど。
そういうのがあるので、シャッターとかガシャガシャやってたら、
やっぱり全然見え方が違うし、
集中できないしっていうのがあって、
そういった意味でも美術館の方と相談して、
じゃあそうしようかっていう。
まず地面が銀のシートみたいなのがあって、
全体的には暗い展示室なんですよね。
光がフォワッと。
今ちょうど収録中なんで光がずっとついてます。
これが明滅する感じですよね。
で、どう説明したらいいのか。
フワフワしたシートみたいなのに風が舞ってみたいな。
どう説明しましょうか。
僕は入った時に地面にいるイメージは、
別に吉野さんイコール土だからってわけじゃなくて、
土の根っこの方が見えてるような印象だったんですよ。
だから土の中みたいな印象は僕は受けたんですけど、
イメージとしては吉野さんはどういうインスタレーション、
空間のイメージっていうのはどういう意味で作ったんですか?
これ自体が何だっていうイメージは別にないんですよね。
ただ見方によって、水面のようにも見えるし、
あとは水の下が見えてるようにも見えるだろうし。
あの素材は何なんですか?
漬布ですね。
マスクもそうですね。
農業で蝶々に食べられないように掛ける。
すごいでっかいシートみたいなのがあって、
空間の一部を覆っている状態ですね。
で、上から照明が当たるので、
下の鏡張りのようなミラーシートみたいなのにバウンドして、
その光が結構壁にも当たってみたいな。
それは僕は妖脈のように見えたというか。
インスタレーションのデザイン・制作
これ今見てもらうとわかると思うんですけど、
結局この空間の中で人が動くと、
このメラメラがよりメラメラするというか。
だから下も若干変わってるとは言わないですけど、
動くようにしてあるんですよ。
ってことは人が動くと、それに合わせて空間が変わっていく。
なるほど、なるほど。
このスタイルはいつからやってるんですか?
これはですね、2000年。
そう、こうやって僕、
この間の三沢さんとのトークの時もそうなんですけど、
年号がまず出てこないですよね。
記憶があれだと聞いたので大丈夫です。
大丈夫ですよ。
2017年とか18年とするくらいかな。
こんだけでもでかい空間でやるの初めてですか?
このインスタレーションサイズとしては。
このミラーの作品に関してはもっとでかいところでやってて、
ミラーは別にこんなところで話すことじゃないんだけど、
ミラー張り職人がいるんですよ、僕の友達で。
職人じゃない、石鳥作家なんですけど。
彼がこう張ってくれて、
その時からこの仕事は彼にしか頼めないって。
専属の方がやったんですね。
前回は多分面積的にはこれの倍くらいあったのかな。
それを全部一人で張ってくれて。
そうなんですね。
僕は手伝わないっていう。
吉野さんは何をしてるんですか?
僕は別のことやってるんですけど、
手出せないんですよ、これやってる時に。
これ大変なんですね。
ミラーも手触ると指紋ついちゃうんですね。
そうですね。
これは毎日掃除とかするんですか?
してますね。
あら、大変。
美術館は今回大変だと思います。
今回、吉祥寺美術館でのインサレーションで、
新たに試みたことってあるんですか?
このミラーシリーズで。
ミラーを、要は光の当て方かな、これに関しては。
常にメラメラが出ていないっていうのと、
今回ベンチがあって、
座って作品を鑑賞してもらうっていうのがベースになるので、
さっき言ったように、人があまり動き回らないんですよね。
動き回らなくても、これが光によって、
人が動くことによって変わるんだなっていうのを分かってもらうために、
そもそもの光が動くようになって、そこで気づいてもらえる。
さっき言った、人が形を動かすっていうところプラス、
光が当たる角度が変わって、見え方が変わってくるので、
そこで人が、あれ?こっちが光った、こっちが光ったみたいな感じで、
こんなふうに反射してるなっていうところに気づきやすくしてるというか。
そういうところがありますね、このミラーに関しては。
来場者の反応と空間の印象
ベンチっていうのはこれまであんまりなかった?
そうですね、このミラーの作品に関しては、
本当に人が動いてなんぼっていう感じだったので。
会議も折り返しになりましたけれども、
どうですか?リアクションとか聞きました?
お客様の反応とか。
まず、割と皆さん良かったよとは言ってくださいますね。
あとはさっきトニーさんもおっしゃってたように、
こいつは土じゃんみたいなところから入ってきて、
チラシなんかも土の作品が載ってたりするわけですよ。
で、美術館に入ってきて、
ちっちゃい焼き人形って呼ばれてる粘土のやつがあって、
その次に土をまとった若者、若者、よそ者がいるわけですよ。
っていう作品があります。
土、土で来るわけですよ。土なんだと思って。
で、展示室どこみたいな感じで閉まってるじゃないですか。
暗黒で。
で、こう入ると真っ暗で、なんだこれってなるらしいですよ。
いい意味で機体を裏切られる。
土Yみたいな感じですよ。
土Yじゃん。
でもリサーチした岸上寺の方とかも来らっしゃったりはしてる?
話しました?
いや、そういえば話してないな。
僕自身が今ちょっと月曜から金曜まで大学の方行ってて来れないですよね。
土日なるべく来るようにするんですけど、
とはいえなかなか見に来た人たちとお会いすることってなくて。
岸上寺の方は土日に出ないんですもんね。
それは出られないですよね。
もしこれ今聞いてる岸上寺の方が来たら。
今日はこの後も岸上さんいらっしゃるんですもんね。
しばらくはいるんです。
ちゃんと来てほしいですよね。呼びかけといたほうがいい。
これでもちっちゃい子から年配の方までいらっしゃってますもんね。
そうですね。
やっぱ面白いのが、美術をあんまり普段見てない人とか、
年配の方で絵画とか彫刻とかっていうものばかり見てる方でも、
ポケネットも30分くらいいてくれたりする時もあるんですよね。
それが面白いなと思いますね。
確かに。僕も平日にこの前目指してました。
土曜日だったかな。
先客がいらっしゃって。
ベンチも埋まってたんで、僕は隅っこの方で見てたんですけど。
しばらくするとベンチが開いて入って、
サウナ入ってる感じですか?
イメージとして。
みんなでぼーっとこの空間にいる感じがすごく心地よいし面白いし。
子供がはしゃいでる子が入ってきたけど、入ってきたら急に大人しくなってじっくり見てたりとか。
それこそ今僕らが収録はアグラ描きながらやってますけど。
アグラ描いてる人もいましたもんね。ベンチじゃなくてっていう。
だからいろんな過ごし方されてるのがすごく印象的な空間で。
立つってあれだったはずなのにみんな座るんだなって思いましたけどね。
でもさっき言ったように立つっていうのが表現的な立つ、立てる。
立つという表現について
立てるって言ってるんですけど、立てるっていうのは自動詞多動詞の両方の意味があって。
だから物理的にそこに二本足で立ってるっていうよりは、
本当にそこに存在してるっていう。
そっちの意味だからいいのかなと思ってます。
さあ、ということでいろいろと聞いてきましたけど、
最後に今回の展示で観衆さんに感じてもらいたいこともいろいろと聞きましたけども、
今後制作したいもの、表現したいものはどのようなものですか?
今回久しぶりに人体らしき彫刻を作ったんですよね。
入口のところ。
あれやってみて、久しぶりに。
もともと僕は彫刻の大学なんだけど、
すごく人体をやるところで、あんまり僕真面目にはやってなかったんですけど。
だけど久しぶりにすごい人体作りたくなって。
それが入口にある、あの馬鹿者予想も。
あれなんだけど、ちょっとまたさらに人体を今度やろうかなとは思ったりとか。
でも今更ですが、あの入口のやつ3体あるじゃないですか。
その下がラジ?何でしょう?
熱交換器?要は暖房のあれにお湯を流して熱に変えるとか。
その上にテラコ、土製の人体が3体あるじゃないですか。
なんで下はそれなんですか?
あれが要は熱交換器なんで、エネルギーを熱に変えるわけですよ。
エネルギーを熱に変えるわけですよね。
それっていうのが要は、若者、馬鹿者、よそ者がある地域に入ってきたときに、何かを返してエネルギーに変えていくわけですよね。
変換する。
それのベースになってるもの。
それが繋いでるみたいな。
でもあれは新作で、今回と。
今後そういうのを展開させていきたいなっていう。
っていうのが一つ。
新しく芽生えてきた感情というか。
戻ったというか、わかんないですけど。
もう少し彫刻をやりたい感じっていうのは少しあるのかな。
でもわかんないですね。
結局こういうインスタレーションもそうだし、地面持ち上げるのもそうだし、
さっき最初に冒頭に言ったように、結局僕の中では彫刻的な考え方でやってるから、
あんまり変わりはないのかもしれないですけど。
芯はブレてないというか。
そうなのかな。
あとインスタレーションも、このシリーズだけじゃなくて、いろんな何個かシリーズがあるんですけど、
どんどん発表していきたいなっていう感じはありますね。
これ言い方よくないですけど、ギャラリーじゃないのかなって。
向いてる場所が。
美術館とか芸術祭的な。
つくづく。もともとそれはあったんですけど、最近ちょっとつくづくね。
ついに革新に変わったみたいな。
ギャラリーはギャラリーでもちろんいいんですけどね。
ギャラリーの方でもオファーもお待ちしておりますね。
このままだとオファーが。
あとだから土を持ち上げる以外のオファーも。
土を持ち上げてるだけじゃないんですよ。
これをぜひみんなに聞いていただきたいなと思います。
改めて告知をお願いいたします。
七王子美術館で今月末まで。
5月28日まで。
土ではないインスタレーションを展開しています。
会場は暗くなってて入りにくいと思うんですけど、
入ってじっくり見てもらうと多分いろんなものが見えてくるようになっていて、
そこでいろんなことを考えるような展示になっています。
見て何かをその作品から感じるというよりは、
さっき言ったようにインスタレーションの中に自分が内包されて、
そこで何かを感じていくような作りになっています。
入って戸惑う人もいるかもしれないですけど、
展示に関する情報と感想
ちょっとしばらくそれを思っても待っていただくというか。
なんだこれ暗いな、出てきちゃわないで。
少し長めに滞在していただけたらと思いますし、
土日は吉野さんがいらっしゃる可能性も高いと。
なるべく量にしています。
もしいらっしゃった時に、
僕は常にインスタレーションのところにいるわけではないので、
バックヤードにいたりとかもするので、
もし必要があれば声かけていただければと思います。
バックヤードに声かけていいんですね。
大丈夫ですよね。
学生さんからOKが出ましたので、声かけていただけたらと思います。
今後の活動は吉野さんの公式ホームページやSNSもありますので、
フォローしていただけたらなというふうに思います。
最後にどうでしたか?
直前まで結構緊張するなと思って。
生放送じゃないですか。
さっき言ったように僕はいろいろ忘れるから、
年表とかを準備して待っていたわけですけど、
案外緊張しないで喋れたんですよ。
そうですよね。
事前の打ち合わせの時も緊張するなって言ってたけど、全然だったですよね。
まだまだいける感じはしますね。
こんな朝早くから聞いてくださっている方も多かったので、
皆さんありがとうございます。
今日わざわざ閉館後じゃなくて、
視野にあったんですけど、開館前にしたのは、
ぜひ今日朝運んでいただけたら嬉しいですからね。
この後予定がまだ決まっていないという方は、
ぜひこの後吉祥寺美術館の方に
吉祥寺散策ガテラを着ていただけたら嬉しいなというふうに思います。
ということで、本日のアーティストライブトークはここまでにしましょうかね。
皆さんご協力いただきありがとうございました。
吉祥寺さんもどうもありがとうございました。
ありがとうございます。
本日のアーティストライブトークはいかがだったでしょうか。
この回の感想や、こんなアーティストを取り上げてほしいなどありましたら、
番組にお便りください。
また今後も生配信をしていきますので、
番組公式アカウントをフォローしていただければと思います。
チャンネル登録をお願いいたします。
by H.
43:27

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