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始まりました。志賀十五の壺。皆さんいかがお過ごしでしょうか。冷えた発泡剤です。
今回は文字と宗教というテーマでお話ししていきます。
言語っていうのは人間が使っているものである以上、人間の様々な文化的社会的側面と密接に関わっていますよね。
硬い言い方するとそのようなことが言えると思います。
宗教っていうのもそういったものに含まれると思います。
今回言語と宗教とせずに文字と宗教としたのは、よりそっちの方が正しい言い方だと思ったんですよね。
まず、言語と文字っていうのはいつでもイコールで結びつけられるものではありません。
全く関係のない言語で同じ文字が使われているってことはよくあることです。
インドネシアやフィリピンの言語でダテンアルファベット、いわゆるローマ字が使われてますけど、発祥は当然ヨーロッパですよね。
日本語もまさにそういった状況で、中国語と日本語っていうのは全く関係ないですけど、同じ漢字という文字を用いています。
この文字と宗教の関係を考えると、
まず先に思い浮かぶのはおそらくアラビア文字とイスラム教だと思います。
この2つは切っても切れないものですね。
まずイスラム教の教典コーランはアラビア語で書かれているもので、翻訳してはならないものなので、その教典を理解するためにはアラビア語の知識っていうのが必要なんですよね。
もしコーランが翻訳されていたとしたら、それはコーランそのものではなくて解説書みたいな扱いになっています。
そういった状況なので、イスラム教とアラビア文字っていうのは非常に密接に関わっています。
で、これがイスラム教とアラビア語が密接に関わっているというと、ちょっと不正確になって、
というのが、マルタっていう国が地中海にあるんですよね。
イタリアのすぐ近くにある島国なんですけど、このマルタで話されているマルタ語はヨーロッパにありながらアラビア語なんですね。
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アラビア語の編集です。
しかしマルタの人々が信仰している宗教はカトリックが主で、マルタ語っていうのがアラビア文字で書かれることもありません。
なのでやはりイスラム教とアラビア語というよりはイスラム教とアラビア文字っていうのが密接に関わっているんですね。
ヨーロッパで用いられている文字の状況を見てみても、やはり文字と宗教っていうのは密接に関わっていることがわかります。
非常に大雑把に言って、ヨーロッパでは2つの文字が用いられています。
一つはラテン文字、いわゆるローマ字、もう一つはキリル文字です。
キリル文字っていうのは代表的にはロシア語で用いられているもので、形としては非常にラテン文字と似ているものも多いんですけど、ただ発音が全然違ったりするんですよね。
例えばPに見える音はRの音に相当したりとか、形が似ているだけにやや混乱してしまうところもありますけど、一回学んでしまえばそんなに大したことではありません。
ラテン文字もキリル文字も同じアルファベットです。
そもそもラテン文字もキリル文字もギリシャ文字、さらにはフェニキア文字っていう文字から派生していったものなので、先祖が一緒なんですよね。
だから形が似ているものも当然ございます。
この2つの文字、ラテン文字とキリル文字がヨーロッパでどこで使われているかっていうのを見ると、これも非常に大まかに言って、ヨーロッパの西の方はラテン文字、東の方がキリル文字となっています。
このラテン文字とキリル文字、西と東の対立はそのまま宗教の対立になってるんですね。
ラテン文字を使う方はカトリックあるいはプロテスタントの文化圏で、キリル文字を使う方は聖教会の文化圏ということになっています。
なので先ほどお話ししたマルタ語はカトリックの文化圏なので、アラビア語の編集ですけどローマ字が用いられています。
ただこの文字と宗教の対応っていうのが、言語のグループとも対応しているかというと必ずしもそうは言えなくって、どういうことかというと、ヨーロッパの言語でスラブ諸語と言われる言語があります。
これはロシア語とかウクライナ語とか、こういった言語が東の方では代表的なんですよね。
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こういった言語はキリル文字を使っています。
一方、同じスラブ諸語であるチェコ語やポーランド語はカトリック文化圏なのでラテン文字を使うんですね。
こういったことからも言語と宗教が密接に対応しているというよりは、やはり文字と宗教が対応してるんですね。
さらに言うと、実質同じ言語だけど一方はラテン文字、他方はキリル文字を使うということで別の言語ということになっているものもあります。
これはバルカン半島のクロアチア語とセルビア語で、クロアチアはカトリック文化圏、セルビアは聖教会文化圏ということで、
やはりクロアチアではラテン文字を使って、セルビアではキリル文字を使うっていう風になっているんですね。
実質同じ言語なんですけど、宗教上の違いからそれぞれ別の言語と和謝は認識しているみたいなんですね。
キリル文字っていうのは聖教会という文化圏をある意味飛び越えて、社会主義、共産主義的な思想とも結びついています。
旧ソ連のウズベキスタンとかトルクメニスタンとかアゼルバイジャンとか、こういった国ではかつてキリル文字が使われていました。
ただソ連崩壊後はラテン文字に切り替えてるんですね。で同じようにモンゴルもソ連の影響を強く受けてキリル文字を使っています。
モンゴルはモンゴルで縦書きの文字があるんですけど伝統的な、ただ現在でもキリル文字が使われてるんですね。
なのでこういう旧ソ連の影響を強く受けていた国では、それを払拭しようみたいな意識がおそらくあってですね、先ほど言ったウズベキスタン、トルクメニスタン、アゼルバイジャンなんかはキリル文字からラテン文字に切り替えたんですよね。
こういうふうに文字っていうのは宗教とかあるいはイデオロギーっていうのを非常に反映しやすくって、言語の系統としては全く関係のない言語であったとしても、同じ文字を使うことでそういった文化圏に属してるっていうことを表しているということができると思います。
まあこういった感じで文字と宗教、あるいはイデオロギーっていうのは密接に関わってるんですね。これは言語と宗教というより文字と宗教といった方が、まあより正確だというお話でございました。
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というわけで最後まで聞いてくださってありがとうございました。また次回お会いいたしましょう。番組フォローも忘れずよろしくお願いします。
お相手はしがじゅうごでした。またねー。