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始まりました。志賀十五の壺。みなさんいかがお過ごしでしょうか。志賀十五です。
みなさんは、アサヒ贅沢搾りっていう酎杯ご存知でしょうか。
これはアサヒビールから出ている酎杯で、
まあシリーズになっているみたいで、いくつか種類があるみたいなんですね。
お酒、お詳しい方であったらご存知かもしれません。
で、その中でも、アサヒ贅沢搾り期間限定ライチっていうのがあるんですね。
まあ期間限定っていうのは、これ発売日が4月27日だからもう売ってないかもわかりません。
ライチ丸ごと2個分に当たる果汁を贅沢に使った酎杯。
美味しそうですね。まあライチがそもそも美味しいですから、それを酎杯にしたっていうことだと思います。
ちなみに僕は飲んだことございません。飲んだことないっていうか、基本的にお酒は飲まないので、
飲むとしたら、よそで飲むっていうか、ひとんちで宅飲みする時か、あるいは居酒屋でしか飲まないので、
お酒を買うっていう経験は多分したことはないと思いますね。
まあお酒飲める方は是非、まあこれ期間限定終わっちゃってるかもしれませんけど、
こちら贅沢搾りのライチ飲んでみてほしいと思います。
今日のトークはですね、この酎杯の話をしようっていうわけではなくて、
ここに書かれてある、ここに書かれてるっていうのはこの、
贅沢搾りライチのカンカンに書かれてある文字がすごくね、興味深くて、
多分ね、その果汁なりなんなりが沈んじゃうので、
カンカンを逆さにしてから飲んでくださいっていうような指示が書いてあるんですね。
で、そのカンカンを逆さにするのをこう促すために、上下逆さまに書いてあります。
しかもそれがローマ字で書いてあるんですね。
どう書いているかというと、逆さにしてほしくて文字も逆さにしちゃいました。
ね、美味しくなったでしょっていうね、なかなか朝日ビールさんのね、遊び心あふれるところだと思います。
これを漢字とか仮名を使わずにローマ字を使うことで、
まあちょっと目を引くっていうかね、何て書いてあるんだろうってちょっと真面目に読んじゃうっていうような効果もあると思います。
多分同じような文句は他の贅沢搾りシリーズのカンカンにも書いているとは思うので、
ぜひチェックしてみてほしいと思います。
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なぜこれが興味深いかというと、
日本語をローマ字で表すとしたら、必ずどっかにスペースを入れなきゃいけませんよね。
で実際の画像は今回のトークのサムネイルにしておりますので、
まあそれ見ながらトークを聞いてほしいんですけど、
こういうふうに単語と単語の間にスペースを入れるのは、
普通日本語では考えなくていい問題ですよね。
漢字仮名交じりの文だったら、日本語はスペースを入れずにダーッと続けて書くことができます。
まあこれ日本語の大きな特徴だと思うんですけどね。
なぜなら、日本語の大まかな傾向として語彙的な意味は漢字で書いて、文法的な意味は仮名で書くっていうようなルールがあるので、
その単語のまとまりみたいなものは漢字で始まることが多いんですね。
漢字で始まって仮名が続くみたいなパターンが多いので、
スペースをわざわざ入れなくても、どこがどういうまとまりになっているかっていうのはなんとなくわかるということになっています。
ただ、この贅沢絞りのカンカンみたいにローマ字で書いた場合はそうはいかず、スペースを入れなきゃいけないということになるんですね。
さっき単語ごとにみたいな言い方をしましたけど、これは単語ごとに切っているわけではないですね。
例えば単語ごとで切るんだったら、文字もっていうのは文字ともでスペースを入れるはずなので、
これが文字もというふうに一つの塊として書かれているということは、単語ごとに切っているというよりは、おそらく文節ごとに切っているということだと思います。
文節を覚えていらっしゃいますか。文の節と書いて文節です。
これは中学で習った文節で、ねとかを入れるんですよね。
逆さにしてほしくてね。文字も逆さにしちゃいましたね。
まあねってなってしまいましたが、おいしくなったでしょう。
こういうふうに切れると。
つまり日本語には 単語よりも一回り大きい文節という単位があるということになります。
これは文法的に決められるものか音の面から決められるものかってちょっと難しいですけど、
少なくともアクセントの観点から言うと一つのまとまりを成していると言えるんですね。
ちょっと詳しい話は省きますけど、文字もっていうのは音の単位から一つのまとまりを成していると言えます。
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そういう文節っていう単位があるっていうのは、
日本語母語話者だったらねっていうのを入れることができたりとか、
あるいはこの朝日ビールの社員さんがですね、別に文節っていうものを意識しなくてもこういうふうに文を区切っているということからも確かめられます。
もし日本語に漢字が入ってこなくて、
アルファベットを使うような言語になっていたとしたら、
今回のトークのサムネイルみたいな初期法になっていたかもしれません。
ただ、この贅沢絞りのカンカンに書いているのが文節で区切っているかというとちょっと微妙なとこもあって、
それは一行目のして欲しくてのとこですね。
多分国語学とかだったら、してと欲しくてを分けると思います。
こういう補助動詞みたいなものは区切って、根を入れようと思えば入れることができるので、
してね、欲しくてねっていうふうに、
このての後に出てくる動詞は別個のものと、つまり別個の文節として扱うと思います。
ただ、朝日ビールの社員さんはして欲しくてで、一つの単位としてみんなしてます。
まあ確かに気持ちはわかりますね。
というのが、ここのして欲しいの欲しいは、
完全に文法化してしまっているというか、
具体的な意味を表しているというよりは、抽象的なものですよね。
そういう意味で、ちょっと独立性が高いとは言えないので、
むしろ前に出てくるしてっていう動詞にくっついているので、
して欲しくてでまとめていると言えると思います。
あるいは2行目のしちゃいましたっていうのも、これ一つになってますよね。
これは確かにねっていうのは間に入れないので、
一つの単位だと、つまり文節だと思うんですけど、
書き言葉だったら、してしまいましたですよね。
このしてしまいましたが、音変化を起こしてしちゃいましたになってます。
さっきも言ったように、してしまいましたの形だったら、
2つの文節からなっていると多分分析されると思いますね。
してしまいました。
ただしちゃいましたっていう風に音変化が起こっていると、
まあもうねっていうのは入れることができないので、
一つの文節ということになると思います。
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これもなかなか面白い問題ですね。
してしまいましたとしちゃいましたっていうのは、
単なる音のバリエーションなのか、
あるいは全く異なる単語として扱うのか、
結構ね、難しいとこですね。
いずれにせよ、このカンカンに書いてあるローマ字からですね、
日本語母語話者の中には、
単語よりもわずかに大きい単位、
まあ普通文節と言われるものですけど、
そういったものがあるっていうことがわかるという話でした。
もしかしたらどこで区切るかっていうのはね、
さっき言ったしてほしいとか、
こういったものは個人個人で揺れがあるかもしれません。
というわけで今回のトークはここまでということで、
最後まで聞いてくださってありがとうございました。
また次回のトークでお会いいたしましょう。
ごきげんよう。