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2021-03-01 39:36

固定種とF1-タネのハナシvol.2 #33

毎月1日は #農系Podcastの日 。

シリーズ「タネのハナシ」今回は育種の話の導入として植物の種子がどうやって成るかについて話しました。

固定種/F1/在来種/京野菜/F1の作り方/徐雄/自家不和合成/雄性不稔(次回詳しく)/雑種強勢/世界初のF1は日本のナス/松島で白菜採種/不和合性の親系統/自殖弱性

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00:02
おいしい野菜と勇気を君に
はい、おはようございます。
有機農業系ポッドキャスト、小農ラジオです。
毎月1日は農系ポッドキャストの日ということで、
今年から始まりましたこの取り組みなんですけども、
もうね、今や農系ポッドキャスト番組多すぎて、
ちょっと僕も聞ききれてないんですけども、
皆さん聞いてますか?
最近ですね、この農系ポッドキャストが、
かなりいろいろなメディアに取り上げられてるんですけども、
新聞とかニュースで見かける機会があるかと思います。
小農ラジオもですね、先日中日新聞と岐阜新聞の方に乗りまして、
それでですね、その新聞記事を見た東海ラジオという番組があるんですけど、
これは愛知、岐阜、三重、三軒ぐらいだと思うんですけども、
その東海ラジオのですね、小島和弘、モーニングッドというですね、
月曜から金曜まで、7時から9時までかな、やってる番組の中のですね、
モーニングッドフォーカスという、人にフォーカスするというコーナーがあるんですけども、
こちらのコーナーにですね、ちょうど今日から、3月1日からですね、
5日間連続で出ますので、もしその地域にお住まいの方がいたらぜひ聞いてください。
5分ぐらいのね、短いコーナーなんですけども、
この間電話で30分ぐらい取材を受けたんですけども、
それを細切れにして放送するみたいなので、もしよかったらぜひ聞いてください。
このノーケイポッドキャストの、ちょっと今ですね、すごい企画がありまして、
これも12月のノーケイポッドキャスト総会議で決まった話なんですけども、
4月のですね、ちょっといつになるかはっきり決まってないんですけども、
すごいですね、企画もしておりますので、
これがですね、詳しくはおそらく今日配信されているお味噌汁ラジオの方でですね、
お話が聞けるのかなと思います。
ぜひお楽しみしていてください。
はい、ということで、このノーケイポッドキャストの日に合わせて、
前回から始まった種の話というシリーズでやっております。
今日は第2回ということで、またこのコーナーやりたいと思うんですけども、
ちょっと前回の振り返りなんですけども、
03:00
前回はですね、種苗会社って何やっているのということで、
種苗会社はですね、育種するブリーダーがいて、生産、それから品質管理があって、
営業が種を売るというような仕事をしているんですけども、
今日はですね、この育種について少しお話をしたいと思います。
種苗会社においてですね、育種ってすごい花型なんですよね。
やっぱり何かこう、新しい品種を作り出すってすごいかっこいいしロマンがあるし、
すごい面白そうな仕事なんですけど、
やっていることはですね、非常に地味なことでですね、
もう本当に砂漠からダイヤモンドを拾うような本当に地道な作業なんですけども、
この育種をする人たちをですね、ブリーダーと言います。
ブリーダーというと犬とかのね、ブリーダーを思い浮かべると思う方も多いと思うんですけども、
それと同じですね、育種がブリーディングなんですけども、
種苗の方でもブリーダーというふうに言います。
でですね、この育種の話をこれからしようと思うんですけども、
そのお話をする前にですね、ちょっと基礎知識として植物がどうやって種を作っているのかっていうお話をしたいと思います。
これだけでもね、結構なボリュームになると思うので、
今日は多分この種がどうやってできるのかっていうお話だけになると思います。
メッセージもいただいたんですよ、前回の聞いた方から。
種の話ということで固定種とF1についても話してほしいというふうに来まして、
やはり来たかと。ここらへん興味ある人非常に多いと思うんですけども、
これね、誰からだったかちょっとごめんなさいね。送ってくれた人僕分かんなくなっちゃって。
いろんなプラットフォームでメッセージもらっているから、どれから来たのか分かんなくなっちゃったんですけども、
そういうメッセージもいただきました。
ぜひまた何かを送ってもらえたら、ちょっとその話もしたいなと思っています。
ということで、固定種とF1という話を交えてですね、
この種の話、育種というか野菜の種がどうやってできるのかっていうお話をしたいと思うんですけども、
まずちょっと固定種の話が非常に単純で分かりやすいので、
ちょっと中学校の理科の教科書を思い出すような感じで聞いてほしいんですけども、
植物は花が咲くとですね、花の中に目しべが1本あって、その周りを囲むようにおしべがあります。
このおしべの先にはですね、薬という花粉の入った袋があるんですけども、
ここから出た花粉が目しべの先につくことでですね、
目しべから降りて、花粉が花粉管という中を通ってですね、
06:04
すると降りていって、目しべのこの下の方にちょっと膨らんだ部分があるんですけども、
ここに肺臭というのがあって、この肺臭にある肺細胞と花粉が受粉することで種ができます。
この肺臭の周りを囲んでいるのが脂肪と呼ばれる部分なんですけども、
トマトだったり茄子だったりりんご、梨とか、そういう花菜類、果実、中に種のある果実を食べるようなものはですね、
この脂肪の部分を食べていることになります。
この固定臭というのはですね、自分の花粉でその自分の中頭について、目しべについて受粉して種ができるということで、
自分とほとんど同じような形のものができるのが固定臭ですね。
なのでこの固定臭の固定というのは、そういう遺伝情報がある程度固定しているということになります。
ただこれもね、完璧に一緒ではないですよね。ある程度ちょっとばらつきがあると。
この固定臭の育種というかですね、固定臭の場合は選抜という言い方の方が正しいかと思うんですけども、
固定臭というのをどうやって作っていくかというと、まずこう何か固定臭の自分で種が取れる野菜の種を買ってきて自分の畑にまくと。
たくさんできる中で一番自分の気に入った形質のものを選ぶんですね。
この時に一つじゃなくて数株を選ぶのが一般的です。
種の量も少なくなっちゃうし、他にも理由があるんですけども。
その中で気に入ったやつをまたそこから種を取って翌年植えると。
またそうするとね、結構またばらつくと思うんですよね。
その中でまた気に入ったのを選ぶと。
これを何世代か繰り返していくと、だんだん自分のこの畑の条件だったり気候条件だったり、あと好みですよね。
小さいのがいいとか、味がいいのがいいとか、葉っぱの色が濃いのがいいとか、茎がしっかりしてるやつがいいとかね。
いろんな好みの特性があるんですけども。
そうやって自分の好きな形をですね、選抜して作っていくのがこの固定種の作り方になります。
だから固定種って究極は自分のものなんですよね。
自分の畑、自分の好みにすごいチューンアップされたものっていうのが究極のというか、本来の固定種の姿なのかなと思う。
在来種と呼ばれるものもありますけども。
キョウヤサイとかですね、ミブナとかマンガンジトウガラシとか有名なのがありますね。
ああいうのはその京都だったりそういう地方で、そこの地域の気候風土に合わせて代々ずっと引き継がれてきた品種。
それ固定種の中でもその地域に特化してずっととっているものを在来種というふうに言います。
09:03
なんでね、固定種の種を買ってきて撒いてできて、また来年も固定種の種を買って撒いてっていうのはね、やっぱ本来のこの固定種の楽しみ方とはちょっと違うんですよね。
だからやっぱ固定種で野菜を作るんだったら、大半皆さんそうしていると思うんですけど、自分の畑でですね、それを採取してどんどんその自分の畑に合わせていくっていうのが一番の醍醐味じゃないかなと。
思います。ただこの固定種はですね、やっぱ今だいぶ少なくなってきてるんですよね。
レタスとかね、ごぼうとか大豆とかああいうふうに固定種しかない野菜というのもありますので、F1ができない野菜についてはもちろんほぼ固定種なんですけれども、
野菜全体から見るとほとんどが今F1になってて固定種というのはだいぶ減ってきてます。
これは何でかというとですね、固定種はやっぱり超えられない壁があるんですよね。どうしても揃い、一斉に収穫できるようになるとか、そういう揃いっていう面でもばらつきはあるし、
親の形質を遥かに超えてものすごいものが出てくるっていうことはほとんどないんですよね。
突然変異的なものはあるかもしれないんですけども、例えば人参だとどうしても割れやすいとか、しり太り、しりの太りが悪いとかいうのはですね、少し徐々に良くなっていったりはするんですけども、
なかなか超えられない壁があるんですね。それを、そういった欠点をですね、解決しているのがこのF1種というものになるんですけどね。
このF1種、F1っていうとだいたいみんな車のF1の方を想像すると思うんですけども、
お父さんとお母さんになる系統を掛け合わせてできた子供、この種、これがF1の種になり、
一大雑種とも言いますけども、その一大限りで最大限に性能を発揮するような品種になります。
このFはですね、ファーストフィリアルジェネレーションのFになる。
ちょっと先を話すと、このF1種で種を取れないものもあるし取れるものもあるんですけども、種を取ってもですね、また同じようにそのF1の形質が発現しないんですね。
一大限りということで一大雑種というふうに呼ばれています。
F1の作り方なんですけども、大体3つぐらいあるんじゃないのかなと思うんですよね。
1つは女優、2つ目が自家不和合成、3つ目が郵政船っていうのなんですけども、
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郵政船というのについてはですね、ちょっとこれはかなり話すと長くなってしまうので、これは次回にお話ししようと思います。
今日話すのは非常にシンプルな方法なんですけども、女優と自家不和合成というのについて少しお話ししたいと思います。
その前にですね、なぜこのF1がそういった強かったり非常に良い形質を得られるのかというとですね、
これが雑種共生という考え方なんですね。雑種共生。
これはとんびが鷹を産むみたいな感じなんですけども、
例えば味が良くて形が非常に悪い大根と、味は悪いんだけど形は抜群に良い大根をかけ合わせると非常に味が良くて形の良い大根ができるみたいなんですね。
こんな単純な話ではないんですけども、良心の良いとこ取りで非常に素晴らしい形質を発現させるというようなのがこのF1になります。
F1の歴史と合わせて先ほどの女優と自家不和合成についてお話ししたいと思います。
世界で最初のF1というのはですね、日本なんですね。この大正時代にナスのF1ができました。
これはどうやってやっていたかというとですね、ナスの花というのは紫色の花が咲くんですけども、
基本的にはコテシの方でもお話ししたように、同じ花の中でオシベのから出る花粉とメシベが受粉をしてですね、
そこに種を作るんで、本来だったらその親と同じ形質を引き継ぐんですけども、
このF1のナスはですね、2つの種類のナスを植えて、片方のナスの花が咲く前にですね、花びらをペペペペッと落とすんですね、片方の品種の。
で、ピンセットとかを使ってこの花粉の出るこのオシベをね、全部外します。
そうするとオシベのない状態の花が咲きますので、花が咲くというかもう花多分ほとんど落としちゃってるんですけども、花が咲くので、
別な品種の花粉がですね、虫なのか当時どうやってやってたのかわからないです。もしかしたら手で交配してたのかもしれないですけども、
別な品種の花粉が中等につくことによって受粉して、こうF1ができると。非常に単純なやり方なんですけども、そういうのが最初のF1でした。
今もこの野菜の種の中で一部こう醤油を使って採取して、一部というか結構花菜類はね未だに多いんですよ。
なので日本じゃなくて結構タイとかベトナムとかね、海外での採取が多いんですけども、気候的に合っているというのがもちろん一番大きい理由ではあるんですけども、
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僕も何回か見に行ったことがあるんですけども、現地のですね、女性が結構朝早くからですね、この一個一個小さな花をね花火の手で剥いて、
薬をねピンセットで取るんですよ。で、そこに虫が飛んできて他の花粉がついちゃうとまずいので、それをね小っちゃな封筒みたいなので覆うんですね。
で、それを端っこをピンみたいなので留めとくんですけども、で翌朝ですね、その薬を取る段階ではまだ花の咲いてない段階で取るんで、
翌朝咲くだろう花をペペペペと薬を取って、翌日まあ花が咲いたタイミングでですね、メシベの方もその花粉の受け入れ体制ができている状態で、
他の花の花粉を持ってきてかけるっていう風な感じで、フワンを未だに作っているというやり方もあります。
次にですね、自家フワ合成というのを利用した、これはその女優とかじゃなくてこの植物の持っているその特性を利用したF1の作り方なんですけども、
自家フワ合成というのがあります。ラジオなのでちょっと字が伝わらないとあるので、自分の家のフは不可能のフですね。
和合は和の和に合うですね。自家フワ合成というのを利用した白菜がですね、京都の滝種苗が初めて開発しました。
これはどういうことかというとですね、油の中では結構多いんですけども、自分の花の中で発生した花粉を受け入れないという特性があるんですね。
これを自家フワ合成というんですよ。これに対して自分の花粉を受けるのは自家和合成になるんですけども、固定種で油の中でね、
例えば小松菜とかキャベツとか白菜とか油の中ってたくさんあるんですけども、固定種の中で自家採取できる品種っていうのはこの自家フワ合成ではなくてですね、
自家和合成のものなんですね。キャベツだから全部自家フワ合成とかいうわけではなくて、自家フワ合成のものもあれば自家和合成のものもあったりとか、品種によってその特性が違っています。
この自家フワ合成なんですけども、単純に言うと自分の花粉が自分の中等についても受粉しないということで、2列、違う品種を植えるとですね、
右の品種Aからは花粉が出た花粉はBの中等につくと受粉するんですけども、Bの自分の花粉が自分には受粉しないっていうような特性を利用して、
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これは非常に植物の特性をうまく利用したF1の作り方なんですけども、
この自家フワ合成という特性なんですけども、自分の花粉で受粉できれば非常にリスクないじゃないですか。
もしかしたら花粉が飛んでこないかもしれないし、他の花粉が飛んでこないかもしれないような場所で一人で花が咲いてしまった時に、
この自家フワ合成が強いと受粉しないので種が残せない、子孫を残せないということになってしまうので、植物にとってはリスクの高い戦略でもあるんですけども、
この自家フワ合成ではない、自家和合成であることによって遺伝的にですね、ある程度同じような特性をみんなが持ってしまっていると、
例えば病気が流行った時にですね、一斉に全部全個体死んでしまったりということがあり得るわけで、それはそれでリスクなんですね。
植物が進化の過程で決めてきたんだと思うんですよ。
日本の白菜の採取で結構有名なのがですね、宮城県にある渡辺採取場という会社があるんですけども、
ここで出している松島白菜というのがあるんですね。
これは松島ってあるじゃないですか。松尾芭蕉が松島屋、あー松島屋、松島屋と呼んだあの松島ですけども、離島で採取するということをやってたんですよ。
これはなんで松島でやってたかというとですね、結構家庭菜園とかでも白菜とかってそのままほったらかしで食べきれずに残ったりして、
それが春になるとパーッと中から茎が上がってきて、白菜の花が咲くじゃないですか。
あれが近くにあるとですね、例えばこのフワゴウセオがちゃんとできた親の種親になるものを植えていたとしてもですね、蜜バチが飛んできて、
そこら辺で野良で生えている家庭菜園の白菜の花粉をつけてしまうと、後輩ミスが起きてしまうんですね。
そういったことを避けるために隔離としてですね、松島で採取をしたと。
これがね松島白菜なんですね。
そんな風にジカフワゴウセイを利用した育種というのはだいぶ古くからされているんですけれども、
実はジカフワゴウセイとワゴウセイのというのは結構グラデーションがあって、
例えばジカフワゴウセイの品種であるはずのものをですね、これはできたぞと、この種親になる系統をまずAとして、
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花粉親になる系統をBとすると、このAとBの組み合わせをやってできたABは非常に良い品種だという風に、
このジカフワゴウセイを利用した育種ができたとしてもですね、採取地を海外に持っていくとかして、
この気温だったり湿度だったり、あとは日帳とかね、いろいろそこら辺の条件が変わったら、
もともとフワゴウセイだったはずの種親の方がワゴウセイが戻ってしまったというようなこともあってですね、
なかなかこのジカフワゴウセイというのは完璧ではないんですね。
これをどうするかというとですね、もっとジカフワゴウセイをきついものにしなければならない。
ジカフワゴウセイの中には自分の花粉はかからないんだけども、隣にある同じ親から生まれた別な種の、いわゆる兄弟ですね。
兄弟の花粉だったら受け入れるぐらいの軽いジカフワゴウセイもあるんですよね。
だけどもそれだと種親にしようと思っているその中で、隣に、本当はBから花粉をもらいたいのに、
Aの隣にある兄弟株から出た花粉で種が付いてしまうとABにはならないので、それではまずいということで、
もっとジカフワゴウセイをきついものにしなければならない、完璧なものにしなければならないということでですね、
このジカフワゴウセイを利用したF1採取の親は非常にジカフワゴウセイが高くなっています。
ではここで問題ですけども、このジカフワゴウセイの親を一体どうやって維持するんでしょうか。
そうなんですよね。ジカフワゴウセイがきついということは、そのまんまそこから種が取れないということなんですよ。
だから親の育種ができない、親の採取ができない。これだと続かないですよね。
ということで、どうするかというとですね、このジカフワゴウにもジカフワゴウの特性として、
まだつぼみの時にはですね、このジカフワゴウが発現されていないという特徴があるんですね。
なんで昔はですね、この一個一個花びらを手で剥いて、
まだ開花前のこのジカフワゴウセイが発現していない時に受粉をさせるというようなことをしてですね、
菜の花って一斉に咲かないじゃないですか。下から咲いていって上が後で咲くので、
花びらを剥いて中等を剥き出しにして、同じ花の下の方で咲いている花の花粉をですね、ちょんちょんとつけることで
親系の維持をしてたんですね。ただこれはもう本当に膨大な量がやっぱり必要なので、
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手で交配するというのは非常に大変で、本当に原種とかね、
親のさらに親になるような非常に厳しい選抜かかっているやつについては、そうやって手交配するのもありなんですけども、
なかなかね、こんな何ヘクタール分の最主要の親の種が欲しいって言った時に全部手交配ではやってられないですね。
花菜類だったらやるけども、さすがにこのキャベツとかではね、それは難しいので。で、どうしてたかというと、
今はですね、二酸化炭素ガスを利用してやってるんですね。
ビニールハウスをピチッと閉じて、二酸化炭素ガスが漏れないようにしてですね、二酸化炭素濃度を上げると植物は
危機を察知してですね、自家不和合成がキャンセルされるんですね。
で、親の効率的な採取ができるというようなやり方で、今この自家不和合成を利用した
F1の採取の親の種取りをしています。
ただね、近年もやっぱりこの自家不和合成って最初の方でもちょっと話したように、ちょっと不安定要素を持っているんですよね。
つぼみの状態でも不和合成はキャンセルされちゃうし、花が老化してきて後半の方になってくると、また自家不和合成がキャンセルされちゃうというのがあるんですよ。
これはどういうことかというと、例えばAが種親でBが花粉親の品種で二系統を植えてて、両方一緒に咲いたと。
ただ違う品種なので、Bは早々と花が終わってしまったけども、Aはまだ咲いているというときに、Aはもう花粉が来ないってなって花が老化してくるとですね、しょうがないから自分の花粉を受け入れるんですね。
そうすると本当はBだけが欲しいのに、Bの種の中にAも混じってしまうということで、この自家不和合成の不安定性によって順度がちょっと問題があるという組み合わせもあります。
まあ全部じゃないですよ。理想はやっぱりあれですよね。Bの方が長く咲いているとか、もしくはBを2回撒いて花の開花期を少しずらしてですね、2段階でその花粉の供給をできるようにするとか、
そういった工夫をして自家不和合成の種の採取をしています。
今回調べてちょっと知ったんですけども、植物の中でも自食、つまり自分の花粉で種を付けるものっていうのは15%ぐらいらしいんですよ。
これを自食って言うんですけど、自食性は15%ぐらいで、40%ぐらいは多孔肺って言って多食ですね。他から花粉をもらって付くということで結構自食って少ないんですよね。
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ただこの多食にはさっき話したように、兄弟の花粉を受け入れるものもあるので、例えば集団で採取しているとですね、キャベツの種取りしようと思った時に、
1株だけで採取はやっぱりしないと思うんですよ。何株か植えていれば、その他の兄弟株から花粉がくれば、交配したりもします。
なので固定種でやろうと思っても、それが不和合性だともちろんダメなんですけども、植える本数とかにも注意が必要だなというふうに知りました。
あとね、この自家不和合の話で言うとですね、リンゴとかナシとかサクランボって必ず樹粉木って言って、
僕果樹やってないのでちょっとよくわからないんですけど、リンゴ畑の中に1本こう別な品種を植えるんですよね。
これは何でかというと、リンゴとかナシとかサクランボっていうのは自家不和合性なんですよね。
だから多果樹粉しないと、種が欲しいわけじゃなくてね、種ができることによってこの脂肪が膨らんでリンゴの食べる部分とかになるんですけども、
多果樹粉の必要があるので、他の品種を果樹園の中に植えるっていう必要があるそうなんですね。
あとね、キーワードとしてちょっとお話ししておきたいのがですね、自食弱性という言葉なんですけども、
最初の方でそのF1は雑種共生というのを利用しているというふうなお話をしましたけども、
かけ離れた遺伝子のものをかけ合わせることで非常に強くて、いい形質を表現することができるんですけども、
自食弱性というのはですね、ずっとその同じ遺伝子だけで続けていくとだんだん弱っていくっていうのを自食弱性というふうに言います。
菌心相関が禁止されているというのはこれなんですけども、どんどんどんどんその血を濃くしていくとですね、だんだん弱くなっていくんですね。
ですからこれが固定種と、固定種はじゃあなぜ自食弱性していかないのかというとですね、固定種とはいえね、ある程度幅を実は持っているんですよね。
人間の見た目にはある程度揃っているような感じがするんですけども、やっぱりそのある程度バラつきがあると。
収穫のタイミングがバラつくのはそのバラつきのせいではあるんですけども、これを厳密に、例えば1本の株から取って、
どんどんどんどんそれを毎年1本だけで考察、考察じゃないや、その選抜を繰り返して種を取っていくとですね、どんどんどんどん弱っていって、
でも、背は小さくなるし、実はあまりならなくなるし、種は少ない、種の発芽も悪い、という風になってしまうんですね。
これを自食弱性という風に呼びます。
30:00
だからあのF1、ジカフワ合成を利用したF1採取の場合はですね、親になる品種は非常にピュアなものにしていってるんですよ。
それはつまり、形質として別に、その親が弱くなっていっても、F1になった時にどんどん強くなればいいので、
かなりそのジカフワ合成を強めるとか、そういう最終上の問題の方に重点を置いてやっていくと、どんどん弱性が出ていくんですね。
だから親をずっと取り続けていくと、その親の種が取れなくなってしまうということも実はあるんですよ。
だからこれはちょっと諸刃の剣だと思うんですけども、固定種もあんまり突き詰めすぎない方がいい。
ある程度バラつきを持って採取するっていうことが大事だと思うんですね。
だから固定種の在来種の採取組合みたいなのをやっているところでは、その地域でみんながお互いにベストの母本となる、親となるね。
例えばネギだったり人参とかを持ち寄って、その中である程度これがそのものであると。
この品種の特性を兼ね備えているものを選んでまた植えるっていうようなやり方で、微妙な触れ幅を持った中で固定種を維持していくっていうのが非常に大事だというふうに聞いたことがあります。
固定種のいい系統を作ろうと思うと、本当に5株6株だとなかなか難しいと思うんですよね。
ある程度数が必要で、手術業会社にやっているF1の育児等に膨大な数の組み合わせをやっているんですね。
膨大な数の組み合わせにはその倍の数の親があり、運もかなりあると思うんです。
やっぱり運とかセンスみたいなところが。
ブリーダーの人ってどっちかというと、農家とはまた違いますよね。
アーティストというか、めちゃくちゃセンスのある人、そして運のある人が成功しているのかなーって。
もちろんね、すごい勉強しているし、やっぱりみんな知識量はすごいんですけども。
これでも本当に遺伝子組み換えみたいにね、遺伝子組み換えも簡単ではないんですけども、
シンプルな話じゃなくて、本当にとんびがたかをむので、全然これとこれを組み合わせてどうなるかってやってみないとわからない。
世代をその後でとったけども、親が維持できるできないとかね、いろんな要因が絡むんですよ。
ちょっとね、話があっち行ったりこっち行ったりしちゃったんで、わかりづらいところもあるかと思うんですけども、申し訳ありません。
あともう一つちょっとだけお話をしておきたかったのがですね、お米の話ですね。
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お米の育種はどうやってやってるの。
ちなみにお米ってF1じゃないですよね、固定種。
自分で種取れますね。
もともとお米っていうのは絶対的に自食性の植物なんですよ。
自分の花粉で種をつけて、僕らその種を食べているわけですけども、もともとそういうものなんですけども、今ね、コシヒカリにしてもササニシヒにしても農林48号とか各県からもいろんな品種が出てますけども、
あれはどうやって作っているのかというとですね、
たぶん今はまだどうなのかな。
昔からよくやられているやり方が温湯蒸油というやり方なんですけども、
母親になる、主子系となる株をですね、お湯につけることで、お湯に45度ぐらいを7分だったかな。
お湯につけるとですね、花粉の能力が死ぬんですよ。
メシベは生きていると。これは60度だったらね、メシベも死んじゃうんだけども。
花粉だけが失活する温度で温めてやると、メシベだけが有効になると。
そこに自分が掛け合わせたい品種を持ってきて、その花粉をかけてあげると。
ということで、これがですね、これF1なんですよ。F1、第一世代。
でもお米の場合は、毎回来年売るお米を全部お湯につけて種を取るわけにはいかないので、
これをですね、もう一回植えるんですね、このF1を。そうすると見事にバラつきます。
これが単純ではないところなんですね。
その中からいいものがもしあればラッキーですけども、あったらそれを拾うと。
で翌年それをまくと。でそれをまた拾って、その中からいいのをやるっていう風にして、
5年ぐらい繰り返していくと、だんだんそれが固定していくんですね。
で、これはもうあの、持食性が高いので、遺伝子がある程度固定した状態になって、
今、いろんな品種が出てますけど、その品種になっていくんですけども、野菜とはね、またこれはちょっと違うやり方になります。
ということで、やっぱり難しかったな。かなりシミュレーションしてたんですけども、
ちょっと話があっち行ったりこっち行ったりしてますが、
えっとですね、今日のこの固定種とF1ということについては、とりあえず1回これで終わりたいと思う。
で次回ですね、F1の作り方の3つ目で言ってた、優勢不念というものについてお話ししたいと思います。
何かとね、物議を一部かもしているこのF1、優勢不念なんですけども、
僕が思うにというかですね、科学的にですね、このF1食べたからって体に害があるということはないので、全くそういうことはありません。
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ちなみに僕の農園ではですね、ほぼF1ですね。
そこら辺が採算性もあって揃いも良くて、本当に合わない固定種をここに持ってきて種をまいて作るっていうことがね、最初の年やったんですけどやっぱりね、本当に出来が悪い。
やっぱり埼玉の固定種を岐阜に持ってきて作ってもね、うまくいかないんですよ。土質も違うし気候も違うし。
そこで頑張ってその固定種の種を選抜してですね、繰り返しやっていくことでこの岐阜の土地に合わせていくということが固定種の醍醐味であり、一番のポイントだと思うんですけども、
僕はちょっとそれはできなかったですね。ということで有機農家だったらみんな固定種だろうっていうふうに思っている方もいると思うんですけども、
やっぱ美味しくて品質の良い茄子を作りたいですから、そうしたらF1の方が僕にとっては良かったということですね。固定種が悪い、F1が良いとか正しいとかそういうことではなくて、
やっぱり良い野菜を作ろうと思った時にここではF1の方が良かったということで、今僕はF1を使っています。
もうちょっとだけ話すと、固定種の中で選抜していったらもしかしたらね、いつかは岐阜の土地にあった茄子が作り出せるというか、選抜の結果選び出される可能性もあるんですけども、
茄子も全ての条件に合った形質を持っていてそれを拾えるわけではないと思うんですよ。ただもう何世代繰り返しても多分うまくいかないものっていうのもあると思うんですよ。
だから固定種に対してこだわるということも非常に面白いとは思うんですけども、あんまりにもですね、出来が悪いというか全然ここに合ってないなっていうものを、
執念を持ってやるんじゃなくて、基本はその土地の材料種があれば一番良いと思うんですけども、
いろんな品種試してみて、その中で一番ここの畑に合ってるなっていう固定種を見つけて、それをだんだん自分の畑にフィットさせていくっていうのが固定種でも長く続けて楽しめるんじゃないのかなというふうに思います。
はい、ちょっと最後は自分の考えも入ってしまいましたが、とりあえずですね、この前育種というものについて話す前段階としての野菜の種がどうやってできているか。
不安種と固定種というのを通して今日はお話ししてみました。
ちょっと分かりづらい部分も多かったかと思うんですけども、質問等ありましたらTwitterのDMが一番分かりやすいかな。
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あとはメールの方もありますので概要欄の方からリンク一覧の方に飛べますので、何かあればメッセージ送ってください。
それではどうもありがとうございました。さようなら。
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