鉄分不足の原因
東京チェンソーズと、やまとわの自然資本論。
海藻とか貝とかが育つには、鉄分が海に不足していると、
例えば貝とか海藻とかの成長にとって重要な物質が足りていない状態で、という話をされていて、
神戸、神戸精工あるじゃないですか。神戸精工が昔は鉄作ってたから、それが鉄分としてすごい豊かな海を作ってたんです、みたいに言ってて。
え?あ、そうなんだ。面白いですね。
なんか、それって工業と海の豊かさって、僕らピンとこないじゃないですか。
ピンとこないですね。
そう、え?そうなの?みたいな。それいいんだ、みたいな。思ってたんですね。
で、それが何年か前に鉄作るのやめて、火力発電所になっちゃって、
あー、なるほど。
そう、それで鉄分が不足、あ、より不足しているようになっているみたいな話とか。
えー、そう。めっちゃ面白いね。
海の湾の中で、本当は循環する潮の流れが人工の島によってせき止められちゃって、
うまく、よどんだ、よどみが出ちゃうから、そこがどうしてもダメな場所になっちゃうみたいな話とか聞いてて、面白いなと思って。
言いつつ、その神戸生光と鉄の話は、えー、そうなんだ、みたいな。なんかピンとこねーって思ったんですよ、実際。
まあまあそうだね。ピンとはこないけど、それも因果関係ちょっと分からないだろうけど、でも感じていることはきっとそれも影響がある可能性があると思う。
ピンとこなさは、やっぱり僕らがあまりにもイメージとして、人工的な活動と自然の営みの相性の悪さみたいなのを強く考え込んでいるじゃないですか。
そう、そうですね。なんか切り離したくなってる。
そうそう。だからやっぱ工業排水とか、生活排水っていうのはどうしても環境破壊だなっていうふうに思うし、
まあそういうふうに教えてもらってきたというか。実際その面はたくさんあると思うんですけど。
そうですね。
で、その話を聞いた後に、その翌々日に、今度は長野県品野町の田中正先生、森里未練科学っていうのをやってらっしゃる京都大学の名誉教授の方のところに遊びに行ったんですよね。
ちょっと話しませんかっていう。
気軽な感じで。
田中先生めちゃくちゃ素敵な、本当に素敵な先生で、まあもう80歳ぐらいなんですけど、すっごいお元気で。
でも、そのぐらいの年齢なんですね。
うん、だと思います。
結構。
そう、現役の時は海の研究者、その干潟とかの研究者で。
あ、そうなの。
そうで、体幹っていうかもう60歳過ぎてから森のことをやり始めたって言ってた気がします。
それで森里未練科学っていうのを立ち上げられて、まあ次世代の研究者と一緒にいろいろ、まあ自分はもう全然つなぎ役だからと言ってましたけど、やっぱりもう全然多分そんなことなくてバリバリやってらっしゃる感じはしたんですけど、
はい。
その中でも。
鉄が出てきたんですよ。
あ、そうなの。
そう。
その土壌のミネラルの話とか。
そうそう。
人工林と水の流れ
そういう物質循環的な話として言うんですか。
うんうん。
やっぱり、そう、それはしかも僕が鉄分とか、さっきの製鉄の話とか全然してなかったんですけど、やっぱり今森里未練科の森里海がつながっていく中で、森側が何をしていけばいいんだろうかみたいな話をしてます。
どうやったらそこがつながっていくのか、豊かさを取り戻されるんですかねみたいな話を聞いたら、今結構大事なのはやっぱり海の鉄分不足で、で鉄分っていうのは粒子状だからちょっと大きいと。
で、鉄のままだとやっぱりそういう生物が吸収するには少し大きいようなサイズ感なんだけど、それを豊かな土壌にある有機酸、不要土とかから有機酸が流れていくことで鉄と結合して、海にも鉄分を流し込んでいくんだみたいな話をしてて、
うわぁ鉄分、貧血やん海って思って。
いやーでもそうやってその田中先生ともおっしゃるってことは結構全国各地で同じ現象が起こってるってことだよねきっと。
あーだと思いますね。
そうそう。
えーそうなんだ。
でもお話しされて、その鉄分、なんかその今初めてもちろんその鉄分が不足してるっていう話も聞いたんですけど、森の土質循環で人工林とかに変わってって、豊かな土壌が少し減ってしまっているとかっていうことはもちろんあると思うんですけど、
なんかその鉄分だけがもちろん減っているわけじゃないけど、そこが影響が大きいその理由みたいなところってなんかお話しされてたりしたんですか。
えっと鉄分が減っている理由じゃなくて。
あまあそうそうそういうその理由もそうだね。鉄分が減っている理由も。
そうですね、あの今自信は全くないんですけど。
まあでもそういう。
理屈を覚えでも。
えっと腐葉土とかが、なんて言うんだろう、ミネラルを育てていくっていうことだと思うんですけど、育てていくとミネラルが吸着するような状態にして、水と一緒に育っていくっていうことの中で、腐葉土的なというかいろんな生物がたくさん住んでいるような土壌みたいなのが減ってしまっているっていうこととか、
それこそ川の流れが変わってしまっていることとかっていうのはあるのかもしれないんですけど、でも確かにその昔と今でなんだろう、何がそんなに違うのかっていうのは重要な問題ですよね。
で、鉄分がどこで越し取られているのかっていうことでしょ。
そうそうそうそう。
そう、なんか、なんかやっぱりそれ話だけ聞いてもめっちゃピンと聞きづらいじゃないですか。
はいはいはい。
単一の物質とか、なんかその豊かな人口林とかで確かにその下草とかも全くなくて、その拉致みたいになって、土壌が豊かじゃないっていうのは、あのまあ見れば感じられるし、
はい。
なんかその、例えばその鹿とか、生物自体はすごく増えてる印象だし、生物が増えてるってことは死んでる生物とかももちろんやっぱりたくさんいて、まあそれが多分土とかに変えたりとか、どこかではしている気はするんですよ。
うん。
だから多分それが結局ミネラルとかになって、あの、まあちゃんと流れていくっていう風なことなんだと思うんですけど、
はい。
まあでもそれがあれなのか、うまくちゃんと地下とか浸透して届かないっていうことなのかな。
うーん、なのか、もう一つはその、やっぱり水の流れ、水循環の速度が上がっているっていうのもあるんじゃないかなと思うんですよ。
あー。
そのゆっくり浸透しながら流れていくっていうことが結構豊かな森のテーマだったりするじゃないですか。
森と海のつながり
そうですね。
だから表層が荒れていたりとか、もしくはすぐに、まあ雨の量が増えてすぐに川に流れちゃうみたいなこともそうだけど、
うんうん。
いかにゆっくり流すかっていうことが結構テーマなのかもしれないですよね。
そうです、確かにそれはあるかもしれないですね。
結構差があるって言いますもんね、そのラチとちゃんとした不要度のあるところだと。
そうそうそう。やっぱり植生とかそういうのも含めて、下草ない人工林とかだと多分わりと早めにこう流れていきそうなところを、
いろんなキャッチがあって、何層持つ雨の雫が伝って、まあどんどん浸透していくみたいなのを、
でも確かにそれはそうなんだよね。
あの流域治水の話も最近結構聞いたりとか勉強したりするんですけど、流域治水でも同じでした。
そのいかに水をゆっくり流すかっていうことがテーマ。
だからその雨庭って言ってましたけど、水が一気に流れないように雨がちょっとたまるようなスポットを作ったりとか、
それ1個ではそんな効果ないと思われるけど、それは何個も何個もあることで実は、
例えば洪水リスクをすごく下げる可能性があるみたいなことを言ってて、
それなんじゃないかな。豊かな森の話って結構そこが起きそう。
確かに。なんか吸収できる水の量も全然違うっていうふうによく言ったりはしますもん、本当に。
そうですね。で、その流域治水とかの研究のやつちょっと見させてもらったりしてて、
やっぱり研究そのもののハードルっていうか難易度がすげえ高いなっていうか、
どんぐらい水を吸収してるかってどうやって計算するのみたいな話じゃないですか。
確かに。なんか話は聞くけど、確かにそのファクトはどうやって取ってるのか全く分かんないです。
それのなんか比較実験みたいなやつ見せてもらったけど、
なんかすごい、なんだろう、Aは開発をして、Bは間髪をして、そこにバイオマスとか枝葉とかそういうのを置いた状態で、
実際どのくらい違うかみたいなのを測ってますみたいなのを見てたんですけど、見せてもらったんですけど、
ピンとこなかったですね。
ほーって言ってたんですけど、どういうこと?みたいな感じで。
それで分かるのか?みたいな。
でもまあそうやって多分結構、実験そのものも難しいし、同じ環境を作ったりするのも。
でも多分今結構大事な、特に日本は。
数年に1回洪水が起きるようになっちゃってるじゃないですか、全国で。
まあそうですね、降雨量も圧倒的に増えてきてるからね、物理的にも起こりやすくなってるんだろうけど、
それ以上にも森が整備されてればもしかしたら防げる可能性はあるかもしれない。
信じたいですよ、森派としては。
森派としては本当に。そのために働いてると言っても過言ではないよね。
いや本当そうですよね。僕らは海のために働いてる。
本当でもそうだよ。
そう、まあそういうのがあって、森と海のつながりみたいなことが、
学べば学ぶほど、少しずつ手繰り寄せるように見えてきそうな感じがするなというのがあるし、
もう一個話したかったのが、田中先生と話してて一番僕が謎にぐっときたポイントなんですけど、
田中先生の趣味がスキーとかやくなんですけど、今も夏になったらのじり子でかやくをして、
冬になったらスキーをするというすごい長人なんですけど。
長人ですね。
田中先生が、いくつぐらいだったか忘れましたけど、四国の海をかやくで巡るっていうのに誘われて、
旅というかかやく乗ってたら、昇波ブロックって言ったじゃないですか。
波をね。
そうそう。で、その地域は赤ウミガメの産卵地なんだけど、
昇波ブロックがどこまでも続いてて、やばいこれ着陸、なんていうんですか、陸に帰れないっていうのを、
田中先生がかやく漕ぎながら、すげえ感じてて、
赤ウミガメの産卵と海の流れ
その時に、これ赤ウミガメも大変だなって思ったっていう話があったんですけど。
それだからデトラポットのところを迂回しないといけないってことでしょ、要は。
そう。だからそれがずっと続いてるから、赤ウミガメが、
産卵しようと思って来たら、うわっ、なんだこれ、みたいな。
確かに、陸どこやねん。
陸どこ、降りれない、みたいなのがずっと続いてるっていうのを、
僕ら陸から見てたらわからんわなっていうのと、
それがすげえ感動したんですよ。
この肉体身体を使って、自分が海をたゆたってみたら、
赤ウミガメの気持ちがわかるっていうのは、
本当に環境ってそういうことだなみたいな。
いや、そうだね、確かにね。
どうしても自分たち側の視点で考えがちなところって、
都合よく考えてるわけじゃ決してないとは思うんだけど、
でもやっぱり反対側の景色って、反対側に行かないとわからないところだから、
デトラポットは確かに、僕も陸側からしかほぼ見たことないし、
海の遠くのほうからデトラポット眺めたら、
確かに陸は見えないのかもしれないなって思うもんね。
それがさ、もちろんまず自分が、
陸にたどり着けないかもしれないっていう不安が先に来ると思うんですけど、
これどこまで行ったら陸出てくるみたいな、かやこぎながら。
で、その時にふと、ここは赤ウミガメの産卵地だったけど、
そりゃあ産卵できなくなるよねみたいな、思った時に、
その理論と実践が結びついた瞬間を見た気がして、
うん、確かに。
めちゃめちゃいい、海に行かなあって、めっちゃ思って。
で、ちょっと2月なんですけど、
知人にサーフィン誘ってもらったんで、
森と海の関係性
おお、マジですか。
ドライスーツを着て行ってみようと思ってるんですけど、
なんかそれも超心境の変化なんですけど、僕的には。
あ、そうなんだ。
そうそうそうそう。
サーフィン、まあ海怖いっていうのはあるんですけど、
サーフィンに行く人生だと思ってなかったからさ、
なるほど。
そんで誰に言っても似合わねえって言われるじゃないですか。
そうよね。
山側の人間だもんね。
それ、海に出没してるイメージはあんまりない。
ないない、自分でも思います。
似合わねえと思うけど、
だけど森もそうだし、海もそうだし、
体験を通さないとわからんこといっぱいあるやんっていうのが、
その火薬の話を聞いてめっちゃ思って、
あ、これは行かないなっていう。
確かにね。
海のこと知りたいとは思いつつ、
でも海になかなか行かないもん。
ね。
行ったほうがいいっすよね。
確かに行ったほうがいい。
と言ってさ、やっぱそこをつなぎかりながら、
漁師同士、やっぱ僕らはあれか、
まず山でハンターになって、
漁師同士のつながりを作っていくのが大事なのかもしれないけど、
そういう感じで最近は森、
でもちょっと多分いろいろ抜け落ちちゃってるんですけど、
森、里、海の話の中で森と海の話だけじゃなくて、
実際は里の存在がめっちゃ重要で、
人間の行動とか、
人間が出す有機物っていうのが、
海のプランクトンを生み出すものを作っていくっていうことだから、
そこはネガティブな部分と超ポジティブな部分と共存してるなっていうところがあるんですけど、
そのあたりをしっかり見据えたい気持ち。
本当、もうちょっと実践的、
会社でやってることは実践的なんだけど、
そうじゃなくて、どうやったら人がもっと森に関われるのかみたいなことを、
なんかやっぱ気軽じゃない気が募ってるんですよね。
なんか僕、こっち側の方に入っては来てるものの、
なんか関わりたいって思ってる人は結構いる気はしてても、
意外と関わりしろの作り方、商品を買うとか、
そういうところで貢献してくれてる人すごくたくさんいるし、
それはものすごくありがたいと思ってるんですけど、
なんかそうじゃなくて、やっぱりフィジカルで関わりたいって思ってる人たくさんいると思ってるんですけど、
やっぱその日本の森って結構、まだまだクローズだよなって、
こう思うところがあるんですよね。
うん。
だからなんかそれがこう、結局その海に帰っていくのも、
今みんなが、昔はきっと新田林とかで生活圏にすごく近いところが多かったりしてたから、
その里山なんかも守られるっていうか、
守ってる意識とかそんな当時は多分なかったと思うんですけど、
自分たちがちゃんと生活をする上で必要だったから、
その森から恵みをいただいて、みたいな感覚で普通に皆さん山と関わってたと思うんですけど、
なんかやっぱそれがね、所有する人が確定していって、
で、基本的には立ち入り禁止じゃないけど、
自分たちの土地じゃもちろんないから勝手に入るのはいけなくなって、
っていうところも含めて、
なんか気軽に関われるところって、
その登山とかそのハイキングをするとか、
そういうちょっとしたアクティビティーのところ以外がやっぱないなってめちゃくちゃ思うんですよね。
それをこう、なんだろうね、
みんなで森作るようなそのフィールドみたいなところがあったら、
それはそれでなんかやってみたいと思う。
それはいつもどういうふうに運営してるか全くわかんないけど、
なんかそういうやりたいことを森の中でやってみたりとか、
っていうことができる場所がちょっとでも増えていくと、
なんかより良くなっていきそうな気はするんですよね。
そうね。
森関わりづらいもんだ、やっぱ。
むずいけど。
めちゃむずいななんですよ。
それこそなんか最近、
コモンズ的なものとかシェアする森みたいなの出てきているけど、
そういういろんな挑戦をいろんな人がやって、
事例重ねるしかない。
やっぱ考えてても実際の社会とは違う。