1. セミラジオ ~生き物とサブカル~
  2. 謎の一本足の霊獣と古代中国の..
2023-09-18 41:24

謎の一本足の霊獣と古代中国のポ〇モン図鑑・山海経

謎の一本足の霊獣「夔神(きのかみ)」と、そのルーツとなった古代中国の古書「山海経(せんがいきょう)」についてお話しました!


夔神(きのかみ)(wiki)

https://tinyurl.com/bdf3dj4j


工業高校農業部(ポッドキャスト番組)

https://open.spotify.com/show/1MhF3CYuGK9zAWUOC8e2CM


鳳凰(wiki)

https://tinyurl.com/2366v4ud


九尾の狐(wiki)

https://tinyurl.com/mtb6h47u


帝江(ピクシブ百科事典)

https://tinyurl.com/yrm5pyj8


并封(ピクシブ百科事典)

https://tinyurl.com/3fnbp5bx


聶耳人(wiki)

https://tinyurl.com/yc7yr9tn


山海経(wiki)

https://tinyurl.com/mw4zcz2d


山海経 中国古代の神話世界(書籍/amazon)

https://amzn.asia/d/3PBcIje


ムーミン 夜はこれから(LINEスタンプ)

https://store.line.me/stickershop/product/29472/ja


プルトニウムムーミン(無料ブラウザゲーム)

https://semiyama.com/plutonium-moomin-game/


Bright Bit Brothers/BBブロス(ポッドキャスト番組)

https://open.spotify.com/show/4D69RAC2Ga49dpAWUxcysb


Burning Hearts 炎のANGEL(YouTube)

https://www.youtube.com/watch?v=DDWsZh9qXsQ


奇談ラジオ(ポッドキャスト番組)

https://open.spotify.com/show/21sS1MyThectraipEGZYG8



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セミラジオのグッズ(ステッカー・Tシャツ)

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【効果音】

番組内で、Howling-indicator様の効果音を使用させていただいております。

⁠⁠https://howlingindicator.net

00:00
みなさん、こんにちは。自然を愛するウェブエンジニア、セミラジオです。
今日は、謎の一本足の霊獣、木の神と古代中国のポケモン図鑑こと山海経についてお話ししたいと思います。
本題に入る前にお便りを5つご紹介したいのと、9月の15日と16日にポッドキャストのイベントに2日連続で参加しまして、その話をしたいなと思っています。
まずはお便りなんですが、こちらはXでもやりとりをさせていただいているういろさんからいただきました。
読み上げますね。
セミ山さん、こんにちは。いつもセミラジオ楽しく聞かせていただいております。
ファーブル昆虫器からジンバブエドルまで守備範囲の広い内容で、一体その知識力はどこかなぁと毎回驚きです。
楽しくてお勉強にもなるセミラジオ、どうか長く続けていただけますように。
さて、今回お便りをお送りしたのは、セミ山さんにぜひ共有したいものを見つけたからなんです。
セミラジオで特に印象に残っているのがプルトニウムムーミンの回なのですが、先日LINEスタンプを見ていたところ、ムーミンの公式スタンプで
夜はこれからというシリーズを発見しました。
おなじみの可愛らしいキャラクターたちがスタンプになっているのですが、使われているセリフの中に
道連れだ、や、深淵を見たいか、などちょくちょくホラーなものがあるんです。
ムーミンってこんなにこわかわいい路線だったっけ?と少しびっくりするとともに、セミ山さんこのスタンプ好きそうと思い
お便りをお送りさせていただきました。
私自身はムーミンと聞くと可愛らしいほっこりした世界観のイメージがあったのですが、
このぐらい不気味な雰囲気も世界観に含まれているのかと意外な発見でした。
そう思うとプルトニウムムーミンも決して突飛な発想というわけではなく、
もしかしたらそういうパラレルワールドもあるのかもしれないなぁとなんだか空想がはかどりました。
長くなりましたがセミラジオのおかげで今まで知る機会のなかった事柄を楽しく知ることができ、本当にありがたく思っています。
これからも陰ながら応援しております。
セミラジオのオープニングの音楽、セミヤマさんの声の雰囲気と合っていて良いなぁと思っていたのですが、
奥様が作られていると知りびっくり、夫婦揃って多彩なお二人に思わず心の中で拍手をしました。
バクコさんの作る音楽、絵本の中に出てくるような優しい世界観でとても好きです。
是非奥様にもよろしくお伝えください。
という、はちゃめちゃにありがたいお便りをいただいてしまいました。
03:01
ういろさん、ありがとうございます。
いやぁ、本当に温かいお便りでめちゃくちゃ嬉しいですね。
お便りの中で僕が自作したムーミンの二次創作ゲーム、プルトニウムムーミンが印象的だったと書いてくださってるんですけども、
ういろさんとは以前セミラジオで取り上げたトキメキメモリアルの建林美春のフィフネルの宇宙服という曲についてもXでやり取りさせていただいてたんですけども、
ういろさんはセミラジオをきっかけにこの神曲フィフネルの宇宙服を知って、
建林さんもフィフネルの宇宙服にドハマりされているということで、
以前のエピソードでもお話しさせていただいたんですが、
フィフネルの宇宙服は本当に最高の歌でして、
最近も他の建林さんの歌と一緒によく聴いてますし、
ハマっていただけてめちゃくちゃ嬉しいですね。
そして今回ういろさんが教えてくださったムーミンの夜はこれからというラインスタンプなんですけども、
ういろさんこれ教えていただいてありがとうございます。
このスタンプ買いました。
お便りを読み終わって5分後くらいにはバクコとのLINEに送ってました。
あ、バクコ作曲の音楽にも触れてくださってありがとうございます。
バクコにもしっかり伝えさせていただきました。本当にありがとうございます。
で、このムーミンの夜はこれからラインスタンプなんですけど、
使用シーンとしてはスタンプ名の通り夜に使うことをイメージしたラインスタンプなんですよね。
なので、こんばんはから始まって眠れないとかそういう夜向きのセリフが収録されていて、
で、ういろさんが書いてくださったように深淵を見たいかとか道連れだという怖いセリフ、
あといっぱい食べたというセリフ付きのスタンプもあって、
これがお腹いっぱいでニコニコしてるムーミンの足元に何か種類はわからないけど大きな生き物の骨が転がっているというギョッとするような絵柄なんですよね。
何を食べたのか気になるし、ムーミンたちがニコニコしてるのが逆に怖いんですよ。
ういろさんが書かれている通りで、僕もムーミンの公式でこういうブラックなスタンプあるんだなぁって結構びっくりしましたね。
そういう面白いスタンプなんですけど、一つだけ惜しいなぁと思ったところがありまして、
残念ながらこのスタンプ、体が熱いっていうセリフが入ってないんですよね。
06:06
体が熱いというのはプルトニウムムーミンでゲーム開始直後にムーミンが言うセリフなんですけど、
個人的には体が熱いっていうセリフが入っているとさらに完成度が上がったんじゃないかなぁと思うんですよね。
まあでもこのスタンプを制作された方は多分プルトニウムムーミンは遊んでないと思いますし、
遊んでいたとしても唐突すぎるのでどっちにしろ収録できなかったんだろうなと思います。
でも本当に面白いスタンプを教えてくださってありがとうございました。
このムーミンの夜はこれからスタンプ、概要欄にリンクを貼っておきますのでぜひチェックしてみてください。
ういろさんはXの方でイラストをアップされてるんですけども、すごくセンスのいい絵を描かれる方なんですよね。
個人的にめちゃくちゃツボだったのが、松島発音さんというタレントさんを題材に描かれたイラストで本当に素敵なんですよ。
というところでういろさんお便りありがとうございました。
今後もマイペースにセミラジオ続けていきますのでよかったら聞いていただけると嬉しいです。
続いてはフリートークということで、9月15日と16日に参加したポッドキャストのイベントについてお話ししたいと思います。
こちら完全に別番組のイベントで、たまたま1日違いで開催されていたんですけども、
まず9月15日のイベントの方なんですが、
こちらはセミラジオでもよくご紹介させていただいているレトロゲームを題材にしたポッドキャスト番組、
ブライト・ビット・ブラザーズ、通称BBブロスのオンラインイベントに参加させていただきました。
こちらのイベントはDiscordでパーソナリティの1P川崎さん、2P長谷川さん、そしてリスナーさんがつながって、
リスナーさんがリクエストしたイチオシのゲーム音楽を聞きながら、パーソナリティのお二人のお話を聞いたり、
リスナーさんはテキストチャットで感想を書いて交流したり、というイベントでした。
僕もリスナーとしてリクエストさせていただいたゲーム音楽を流していただいてすごく嬉しかったんですけども、
このイベントは僕は今回で2回目の参加なんですが、パーソナリティのお二人はもちろん、
参加されているリスナーさんもめちゃくちゃゲームに詳しい方ばかりなので、
毎回いろんなお話が聞けて本当に楽しいんですよね。
今回イベントで聞くことができたお話の中で、すごく印象に残ったエピソードがあるので、
09:03
ちょっとご紹介したいんですけども、印象的だったのが、
セガの社員にめちゃくちゃ歌が上手い方がいるというお話なんですけども、
セガが以前発売したセガサターのバーニングレンジャーというゲームがあるんですが、
このゲーム主題歌がありまして、バーニングハーツ、炎のエンジェルというすごくかっこいい曲なんですけど、
これを歌っているのが、本職の歌手でもなければ声優でもなく、
セガの社員の三吉武信さんという方なんだそうです。
この方はなんとドラゴンボールの主題歌を歌った影山博信さんと共演したこともあるそうで、
影山さんに日本一歌の上手いサラリーマンと絶賛されたという逸話も残っているそうです。
この曲、理屈抜きにめちゃくちゃかっこいいので、概要欄に貼っておきますので、ぜひ聴いてみてください。
他にもファミコンの内蔵音源ではありえないほど豊かな厚みのあるゲーム音楽を、
その卓越したプログラミングスキルによって鳴らしていたファミコン時代の天才プログラマー、
ティム・フォリンさんという方の逸話などを教えていただきまして、すごく印象的でした。
ということでBBブロスのオンラインイベント、他にも面白い話がたくさん聞けましたし、
流れた曲もどれも本当に素晴らしい曲ばかりで、本当に楽しかったです。
川崎さん、長谷川さん、楽しいイベント、本当にありがとうございました。
続いては9月16日日曜日に都内のライブハウスで開催された、
キダンラジオというポッドキャスト番組のイベントについてお話ししたいと思います。
キダンラジオは漫画原作者・怪談師のちくひめさんと相方のえいさんが、
主に実話系の奇妙だったり怖かったり興味深かったりする題材についてお話ししているポッドキャスト番組です。
キダンラジオのキダンは、奇妙の奇に談話の談ですね。
このキダンラジオ、もともとはうちの奥さんのバク子に教えてもらって聞き始めまして、
今回のイベントも2人で見に行きました。
いろんな面白いお話が聞けたんですけど、特に印象的だったのは、
江戸時代に薩摩藩の女性が、
静野小玉樹という男性同士の恋愛をテーマにした今で言うBL小説を書いていたというお話ですね。
写真もプロジェクターで見ることができたんですけど、なかなか端微な世界が展開されてました。
12:08
あとはちくひめさんが車で自損事故を起こした時の話がなかなかすごくて、
幸いご本人は無事で何よりだったんですけど、畑で車が3バウンドして正面を向いていた車軸が真横に曲がった状態で運転して帰ってきたそうで、
BMWだったから助かったというフレーズがすごく印象的でした。
ちくひめさん、かなりファンキーな方なんですよね。
ということで鬼談ラジオ、他では聞けないすさまじいお話がたくさん聞ける面白いポッドキャストですので、
概要欄に貼っておきますので、こちらもご興味があれば是非チェックしてみてください。
それではそろそろ本編に行きたいと思います。
今回は僕の地元である山梨県の山梨丘神社という神社に祀られている謎の霊獣についてのお話なんですけども、
こちらがですね、実はお便りで送っていただいたエピソードテーマのリクエストが元になっております。
送ってくださったのはセミラジオでもおなじみの先日ドラえもんコラボを一緒に配信させていただいた
ポッドキャスト番組工業高校農業部の牛若さんです。
牛若さんからいただいたエピソードテーマのリクエストのお便り、読み上げさせていただきますね。
こんにちは、牛若と申します。いつも楽しみに聞かせていただいております。
この度、狭山山の地元山梨県のとある神社の記事を見てビビッときたので、テーマリクエストのお便りをさせていただきます。
神社の名前は山梨丘神社。そこに祀られている像がなかなかに得意なのです。
その名も木。木の神として祀られている何やらわからない動物の顔、そして一本足の鬼獣です。
そこ外にもあった虚ろ舟のような不思議さ、不気味さもあり、これは狭山さんにリサーチしていただきたいと思ってのリクエストです。
もし時間、余裕がありましたらで大丈夫ですので、ぜひよろしくお願いします。
今後の更新も大変楽しみにしております。
とのリクエストのお便りをいただきました。
牛若さん、ありがとうございます。
山梨県のとある神社の記事を見てビビッときて送っていただいたということで、
これはネットニュースか、もしくは新聞の記事でご覧になったんですかね。
15:04
いやーこういうのって嬉しいですよね。
で、今回リクエストいただいたテーマの内容が送っていただいた時点では全然知らない内容だったんですよ。
なので今回セミラジオのエピソードとして取り上げるにあたって色々と調べたんですけど、
前知識がなかった分調べる過程も新鮮でとても楽しかったです。
それでは早速ご紹介していきたいんですけども、
山梨与華神社は山梨県の笛吹神というところにある神社で、
以前ご紹介した山梨県唯一のレトロゲーム専門店とも割と近いエリアにあります。
笛吹神は桃やぶどうの栽培が盛んなところでして、
大きな道沿いには桃刈りやぶどう刈りができる農園がいくつもあったりします。
そんな割とのどかな場所にある山梨与華神社なんですが、
ここに祀られている木または木の神という霊獣の像がありまして、
どんな像なのかというと、
素材としては木彫りで作られた像で、
顔は霊獣の獅子または狛犬もしくは猿にも似ています。
牛若さんもお便りで書いてくださってますが、
不思議な雰囲気のある像ですし、
見ようによってはどことなく不気味な感じもあります。
そして特徴的なのがこの像、一本足なんですよね。
この一本足であるというのが霊獣木の神の特徴なんです。
木の神の木という漢字は口頭だと伝えられないくらい複雑な漢字なので、
概要欄でチェックしていただければと思います。
この霊獣木の神なんですが、
全国でも祀っているのがこの山梨岡神社だけということで、
とても貴重かつ得意な存在になっています。
この山梨岡神社の木の神の像は、
7年に1回、4月4日の霊祭の時に一般公開されています。
ちょうど今年2023年の4月がその7年に1度の公開日だったので、
次に山梨岡神社で公開されるのは、
2030年の4月4日ということになります。
一本足の霊獣や生き物ということで言うと、
妖怪なんかでは一本足のものって結構いるんですよね。
妖怪といえばの水木しげる先生も、
18:03
カラカサ小僧という一本足の傘のお化けを描いてますし、
江戸時代の浮世絵作家の宇多川義一という人も、
水木先生のカラカサ小僧によく似た一本足の傘のお化けを描いています。
順番としては水木しげる先生が江戸時代の作家を参考にして描いたということだと思うんですけども、
西洋の言い伝えにも一本足の種族は登場してまして、
ローマの博物学者プリニウスは、
自身の著書である博物誌で、
インドにいたとされるスキアポデスという一本足の種族について記述しています。
このスキアポデスなんですが、
テレビゲームのぷよぷよシリーズのキャラとしても登場してまして、
割とコミカルな絵柄で描かれています。
あとこれはちょっと脱線気味なんですが、
ファミコンで出たスーパーマリオブラザーズ3では、
マリオが靴マリオという形態に変身することができます。
これは変身というよりは、巨大な靴にマリオが全身ではまるというか、
巨大な靴を履くというか、
巨大な靴を着ているに近いんですけども、
とにかく巨大な靴からマリオが顔だけ出して、
ぴょんぴょんジャンプしているという感じの状態です。
この靴マリオに変身すると、
普段は踏むことができないトゲトゲの敵なんかも踏んで倒すことができて、
とても爽快感があるんですよね。
そして、自然界に目を向けてみたとき、
カタツムリやナメクジ、ウミウシなどの複足類は、
複足と呼ばれる大きな足で、張って移動をするため、
一本足の生き物と定義されているようです。
カタツムリやナメクジが一本足と言われると、
ちょっと意外な感じもするんですが、
言われてみると一本足ということになるのかなと思いますね。
ということで調べてみると、一本足の存在や生き物というのは、
想像上の世界でも自然界にも意外といるんですね。
で、そんな一本足の霊獣、キノカミなんですが、
そもそものルーツをたどると、
古代中国の地理や神話について書かれた書物である戦外経に行き着きます。
戦外経の中でキノカミはこんな風に紹介されています。
21:09
必ず風雨を伴い、その光は火、月のごとく。
その声は雷のよう、その名は木。
皇帝はこれを捉えて、その川で太鼓を作り、雷獣の骨で叩いた。
するとその声は五百里の彼方まで聞こえて、天下を驚かせたという。
キノカミは海から七千里ほど突き出た山の頂上にいるということなんですが、
一千里が約3930kmなので、
キノカミがいる山は海抜27510kmもの巨大な山ということになります。
エベレストの海抜の3倍以上ということで、かなりの高さですよね。
この頂上にキノカミがいて、その姿は牛に似ていて、
体は青くて角がなく一本足であるということで、
牛っぽいけど角がなくて青くて一本足というのはかなり特徴的な見た目ですよね。
これが中国の古書である戦外経に書かれているキノカミについての描写なんですね。
山梨岡神社にあるキノカミの像なんですが、
実はこの像が戦外経に登場するキノカミであるとされるようになったのは、
比較的近代に入ってからなんですよね。
江戸時代にあたる法英3年、西暦で言うと1706年に、
山梨岡神社を訪れた小牛祖来という江戸時代の思想家、文献学者の人がいまして、
この人が山梨岡神社に伝えられていた一本足の像を見て、
これは戦外経に書かれている木の像であるとしたことから、
この像は木、もしくはキノカミと呼ばれ、信仰されることになったわけです。
つまりその一本足の像は、もともとは戦外経に出てくる木の神として制作されたものではないんじゃないかと考えられているんですよね。
もともとは一本足ではなかった狛犬の像が破損して一本足になり、
それを見た小牛祖来さんが、これは木の神の像に違いない。
なぜなら一本足だからと考えたことから、それが既成事実化して木の神信仰として広まったと考えられています。
まあそれも仮説なので実際のところはわからないんですが、
24:02
そういうふうに考えると木の神を祀る神社が全国で山梨岡神社しかないということの説明もすんなりできるのかなと思います。
つまりもともとは山梨岡神社の木の神の像は狛犬として作られたもので破損して一本足になったのをそのまま保管していたところ、
知識人である小牛祖来さんがたまたま訪れて、これは戦外経に由来する木の神像であると言い出して、
神社の人も学者さんが言うならそうなんでしょうねと納得してこの像は木の神であるというふうになっていったというのが現在の定説になっています。
それはそれとして改めて山梨岡神社の木の神の像を見るとすごくユニークで味わい深い見た目をしてるんですよね。
ちなみに実は山梨岡神社は山梨県の山梨という言葉の由来になったという話もありまして、山梨岡神社の背後には三室山という山があるんですが、
山梨岡神社が三室山から現在の位置に移された時、山に生えている梨の木、つまり山梨の木を切って建てられたことが名前の由来になっているそうです。
この三室山には古墳もありますし、古代の山梨県における重要な拠点だったんだと思います。
そして今度、木の神の像が山梨岡神社で公開されるのは2030年4月4日の霊体祭ということになってるんですが、実は今年この山梨岡神社に所蔵されている木の神の像の実物を見ることができました。
と言っても今年の4月4日から行われた霊体祭で見たわけではなくて、どういうことかというと山梨岡神社から4キロほど離れたところに山梨県立博物館という施設があるんですが、
今年の7月から9月にかけて水木しげる魂の漫画展という漫画家の水木しげるさんの作品展がここで開催されてたんですよ。
そしてこの水木しげるさんの展示の会場になんと山梨岡神社の木の神も展示されてたんですよね。
これは以前水木さんが木の神の絵を描かれたことがあって、その木の神の原画と合わせて山梨岡神社の木の神を展示するという趣向だったんです。
27:10
山梨岡神社の霊体祭でしか木の神の像は見ることができないと思ってたので、たまたま知ることができてすごくラッキーでしたね。
会場で見た木の神像の実物はやはり狛犬に似ていて、物としてのその像の起源はやはり破損した狛犬だったのかなというふうに思いました。
でももともとはそういう破損した狛犬として保管されていたものが木の神として別の意味付けをされていったという現象そのものが面白いなぁと思いましたね。
ということでここまでが山梨岡神社と木、もしくは木の神の像についてのお話になります。
ここからはそもそもの木の神の由来である中国の古文書、仙外経とはどんな本なのか。
そしてそこに登場するいろんな面白い霊獣についてご紹介したいと思います。
仙外経は紀元前まで遡ると考えられている古代中国の地理や神話、無数の霊獣、玄獣について書かれた書物です。
すでにお話ししてきた木の神や日本のお寺の装飾にも使われる法王、その他無数の霊獣、玄獣が挿絵付きで収録されていて、
読むと古代中国の人たちのダイナミックな想像力に本当に驚かされます。
仙外経に登場する霊獣は海を越えて日本にも伝わり、木の神や法王、そして多摩門前伝説で知られる九尾の狐もこの仙外経に登場しています。
中国から伝わってきて日本でも親しまれている霊獣のルーツをたどると、この仙外経に行き着くものが結構あるんですよね。
ちなみに法王は京都の平等院法王堂の装飾にも使われています。
平等院法王堂の法王は一万円札の裏面にもプリントされているので、ぜひ改めてチェックしてみてください。
平等院法王堂の法王ってよく見ると戸坂がついていて割と鶏っぽいデザインで面白いんですよね。
続いてご紹介したい仙外経の霊獣は九尾の狐ですね。
九尾の狐は仙外経の中でこういうふうに描写されています。
30:06
獣がいる。その姿は狐のごとくで九つの尾。
その声は英字のよう。よく人を食う。これを食った者は邪気に襲われぬ。
ということで九つの尾を持った狐の化け物がいると。
その声は人間の赤ん坊のようで人間を襲って食べてしまう人食いの化け物である。
さらに九尾の狐の肉を食べると邪気を払う効果があるということなんですけども。
英字つまり人間の赤ちゃんのようになく人食いの化け物ということは
おぎゃーとかバブーとか言いながら襲ってくるんですかね。
結構怖いですよね。
おぎゃーという声が聞こえたかと思うと
巨大な九尾の狐に頭から丸の実にされてるとかそういうことなんでしょうか。
あと九尾の狐を食べると邪気に襲われないということなんですが
この戦外挙の霊獣こういうふうに食べるとどういう効果があるみたいなことが
結構どの霊獣にも書いてあるんですよ。
それが天ぷれみたいになっていて
何々を食べると体が浮いて溺れなくなるとか病気が治るとか
いろんな効果があるとされていて
風雷の試練というゲームでモンスターの肉を食べるといろんな効果を得ることができたんですが
それを思い出しましたね。
ただ戦外挙の霊獣って驚ろ驚ろしいデザインのやつが多くて
あまり食べたくなるような生き物がいないのが難点なんですけども。
で九尾の狐なんですけど
この中国から渡ってきた霊獣は日本の玉物舞伝説という伝説にも登場していて
そちらの方は結構知られているんじゃないかなと思います。
この玉物舞伝説は室町時代以前に成立したと考えられています。
どんなお話かざっくりご紹介すると
鳥羽城口の長愛を受けていた玉物舞という美しく知性的な女性がいたんですが
玉物舞が現れてから鳥羽城口は山に伏せるようになってしまったんですね。
朝廷の意思にも原因がわからなかったんですが
御名字である安倍の安成が神言を唱えたところ
玉物舞は正体を表し本来の姿である九尾の狐に戻ったんだそうです。
33:03
ちなみにこの安成さんは有名な御名字である安倍の生命の子孫とされています。
玉物舞に化けていた九尾の狐は宮廷から逃亡して今でいう栃木県の那須まで逃げたんですが
そこで討伐されました。
そこでおしまいかと思いきや九尾の狐は死してなお
この石は摂生石という毒を放つ石となって今も周囲に毒を撒き散らしているんだそうです。
この摂生石と言われている石というのは実際にありまして
栃木県の那須湯本温泉一帯には溶岩地帯があるんですが
ここにある大きな岩が摂生石と呼ばれています。
この摂生石のあるあたりは硫化水素や亜硫酸ガスなどの有毒の火山性ガスが噴出していて
その毒性は近づいてしまった動物の命を奪うほどのものなんだそうです。
地元では有毒のエリアに近づいてしまった狸や狐猪の意外が発見されることがあるそうです。
魂物前伝説では物語と実際の自然現象がリンクしているんですね。
ちなみに漫画の牛王と虎に出てくる白面のものという化け物がいるんですが
この白面のものも九尾の狐をモデルにしていると考えられています。
続いてご紹介したい霊獣は帝公と言います。
字は皇帝の帝に江の島の公ですね。
この霊獣は顔のない大きな袋みたいな姿をしていて
その袋に6本の足と4つの翼が生えています。
戦外教の記述ではこういう風に描写されています。
神がいる。その姿は黄色い袋のごとく。赤いことは二の火のよう。
6つの足4つの翼。混沌として顔も目もないが
この神は下部に詳しい。誠これぞ帝公であるということなんですけども
黄色い袋のごとく赤いことは二の火のようと書かれていて
黄色いのか赤いのかよくわからないんですが
冊子絵のイメージ的には黄色かなという気がします。
そして顔もなく目もないが下部。つまり歌や踊りに詳しいという風に書かれているんですが
36:00
歌や踊りに詳しいというのはどこまでが守備範囲なんでしょうね。
TikTokで最近流行っている曲とか洋楽ヒットチャートとかを教えてもらえるなら
かなり重宝されそうな霊獣ですね。
個人的には90年代のアニソンやゲーム音楽で
おすすめの曲があったら教えてほしいんですけども
その辺はいけるんですかね。
ということで続いてはヘイホーという霊獣をご紹介したいと思います。
漢字の表記はちょっと言葉でご説明するのが難しいので
ご興味があれば概要欄のリンクからチェックしていただければと思います。
ヘイホーは四つ足のイノシシのような姿をしている霊獣なんですが
普通のイノシシと違うのは体の前と後ろに一つずつ頭がついているのが特徴です。
どうしてこいつを紹介したかなんですが
僕が小学生の頃に好きだったドリトル先生という童話のシリーズに
オシツオサレツという架空の生き物が出てくるんですけど
このオシツオサレツは戦外狂のヘイホーと同じように
体の前後に頭が一つずつついているという生き物なんです。
見た目はアフリカの霊獣みたいな雰囲気で頭が二つあるんですよね。
僕はこのオシツオサレツが出てくる下りが好きで
戦外狂のヘイホーを見て
あ、オシツオサレツに似てると思って嬉しくなったのでご紹介させていただきました。
洋の東西で近いデザインの架空の生き物が生まれた
一つのケースとしても興味深いなぁと思いました。
今回最後にご紹介したいのは
戦外狂に出てくるジョウオジジンという民族です。
ジョウオジのジョウは耳を3つ書いた文字ですね。
森という字は木という字を3つ書いてありますけど
森という字の木が耳になった漢字なんですね。
ジョウオジのジは耳という字です。
この民族は戦外狂の中で短いんですが
こういう風に描写されています。
ジョウオジの国は無頂の国の東にあり
二匹のあやある虎を鳴らし使う
人となり両手でその長い耳を持ち
海中に群居するという風に書いてあるんですが
ジョウオジジンはものすごく長い耳を持った民族なんですよね。
39:00
耳の縦の長さが顔の長さの2倍以上あるんですよ。
耳がブラーンと垂れ下がっている感じです。
この耳がブラーンと垂れ下がっていることで
どんなメリットがあるのかは特に書いてなくて
ただ垂れ下がっているんですよね。
あとは写真を見ると全体的に毛深くて
髭も髪の毛もかなりボリューム感があるのが特徴ですね。
で、海中に群居すると書いてあるんですが
どうやら集団で海の中に住んでるみたいなんですよね。
2匹の虎を連れてるし
泳ぐのに邪魔そうな耳も垂れ下がってるし
水中生活に適応できそうな要素がほぼないんですけど
なぜか海の中に住んでいるみたいです。
このセミラジオの初期のエピソードで
マン・アフターマンという本をご紹介したんですけども
そこに出てくる水中人間をちょっと連想しました。
そちらの方は流線型で
水中生活に適応している体のデザインだったんですけども
ということでまだまだご紹介したい面白い礼儀
民族が満載の戦外経なんですが
全ては紹介しきれないので
今回はここまでとさせていただきます。
今回参考にさせていただいた
平凡社ライブラリーから出ている
戦外経中国古代の神話世界という本は
豊富な差し得付きで戦外経の礼儀
民族について知ることができますので
よかったらチェックしてみてください。
セミラジオではお便りを募集しています。
概要欄のフォームやXのハッシュタグセミラジオで
ご感想いただけると嬉しいです。
今回は全国で唯一謎の霊獣木の神を祀っている
山梨県の神社と古代中国のポケモン図鑑
戦外経についてお話しさせていただきました。
ご視聴ありがとうございました。
41:24

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