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2023-09-28 31:11

85. 毒性学の父は酔狂錬金術師?パラケルススの生涯と医化学の誕生

「毒と薬は紙一重」って誰が言い始めた?錬金術の世界に一石を投じる酔狂な人「パラケルスス」さんについておしゃべりしました。


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・毒と薬は紙一重は誰が言い始めたか?

・錬金術の系譜

・ケルスス→パラケルスス

・偉い人を怒らせるのが好き?

・錬金術と医学の融合

・錬金術に終わりはあるのか?

・受験生からの熱いおたより

◆参考文献

偉大なる医師か?それとも魔術師か?パラケルススと治療する化学

Paracelsus German-Swiss physician

・この世界を知るための人類と科学の400万年史 レナード・ムロディナウ 著, 水谷淳 翻訳

・ケミストリー世界史 大宮 理 著

・世界史は化学でできている。 左巻健男 著

・元素に名前をつけるなら 江藤和弘 著

・「化学の歴史」が一冊でまるごとわかる 齋藤勝祐 著


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サマリー

錬金術のレベルを上げることで、今のケミストリーみたいな言葉が生まれるきっかけになったと言われるパラケルススの生涯と医化学の誕生について話されています。パラケルススは、錬金術を医学に応用し、実験による化学的なアプローチを重視した人物であり、化学の誕生に貢献しました。パラケルススは錬金術の父と称され、彼の生涯と医化学の誕生に関して話し合われています。

パラケルススの人生
スピーカー 2
レンです。エマです。サイエントークは、研究者とOLが科学をエンタメっぽく語る、ポッドキャスト番組です。
スピーカー 1
毒と薬は紙一重って言葉聞いたことあります?
スピーカー 2
はい。
スピーカー 1
この紙一重って、どういう意味?
スピーカー 2
え?一緒って。近いよみたいな。
スピーカー 1
近い?
うん。
じゃあ何が大事?毒か薬かって決めるのは。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
同じ例えば化合物みたいなものだとして。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
毒か薬かって境目は何による?
スピーカー 2
飲む対象とか?
スピーカー 1
まあ、それも大事だけど。
スピーカー 2
量?
スピーカー 1
そう。一番大事なのは量じゃないですか。
うん。
量が例えば多すぎたら毒になるけど、ちょっとだったら薬になるよみたいなのって結構歴史上いっぱいあるわけじゃないですか。
スピーカー 2
そうですね。
スピーカー 1
これ最初に誰が言ったか知ってます?
スピーカー 2
知らないです。
この概念作ったの錬金術師なんですよね。
スピーカー 1
錬金術の話、まだまだ続きますね。
そう、まあでも今回で結構ひたまとまりって感じかな。
なんで今日は、そんな錬金術のレベルを引き上げて、今のケミストリーみたいな言葉が生まれるきっかけになったパラケルススという人を紹介します。
スピーカー 2
パラケルスス、はい。
スピーカー 1
で、最初にちょっと錬金術のおさらいしますけど、
錬金術はただ金を作りますっていうのだけじゃなくて、原素説みたいな理論と古代エジプトの実験の技術が融合して生まれましたよっていう話とか、
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
あとそれがイスラム王国に伝わって、アルケミアっていう錬金術になりました。
うん。
みたいな話をしてきたんですよ。
はい。
ただ金を作るだけじゃなくて、金を生み出す万能の道具、賢者の石みたいなのを探してるとか、
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
それ使ったら不老不死の薬できるんじゃないかっていう話も錬金術の目的ですよっていうお話だったんですよ。
スピーカー 2
はい。
スピーカー 1
このイスラム王国で発展した錬金術が今度ヨーロッパにまた伝わっていくんですけど、
うん。
この時にまたちょっと性質が変わるんですよね。
スピーカー 2
ほう、というのは?
スピーカー 1
で、さっきさ、不老不死の薬ができるかもとか言ってたような、
うん。
これってなんかね、結構哲学的なことで、
うんうん。
人の人格を金のような高貴なものにする、それが錬金術だみたいな。
スピーカー 2
めっちゃ哲学だね。
そう。
スピーカー 1
これがまたヨーロッパに行くと、今度はもう純粋に金を作る研究になっていくんですよね。
スピーカー 2
ちゃんと化学っぽくなってきましたね、また。
錬金術から医化学へ
スピーカー 1
そう。またちょっと化学っぽい感じに戻っていくんですけど、
うん。
結構実用的な研究になっていくっていうので、
うん。
それこそ職人とかがいろんな材料を加工したりして金を作ろうとする。
で、偽物の金を作る人とかもいっぱい出てくる。
スピーカー 2
うんうん。
スピーカー 1
パッと見金っぽいけど、中身金じゃないとか。
うんうんうん。
そういうのが横行したりして、貴族の家に潜り込んで金作りますっていう詐欺とかがめっちゃ流行ったらしい。
スピーカー 2
へー。
まあ、あるだろうね。
スピーカー 1
うん。
うん。
今だったらありえないよね、でも。
スピーカー 2
金作りますって言って、
うんうんうん。
それはないかもね。
でもこれ金ですって言って実はさ、
うん。
なんか表面だけ金で中は金じゃないみたいなのはあるかもしれないけどね。
スピーカー 1
うんうんうん。
スピーカー 2
作りますとは言わないよね。
スピーカー 1
そう。
でもなんか当時は、そういう設備とか与えるから錬金術で金を作るっていう研究を、
うん。
お金持ちの人が人雇ってさせたりして、
うんうんうん。
で、できたって言った金が偽物とか、
うん。
あとは全然できないとかね、ずっと。
うんうんうん。
それもなんか詐欺みたいな感じで。
うんうんうん。
一時期錬金術禁止令が出た地域とかもあったりするんだけど、
へー。
でもね、そういう時でも地下でこそこそやってる人とかもいっぱいいたらしいね。
スピーカー 2
うん。
普通に何だろう、研究するために国とかに研究資金申し込んで与えられて、
だけど研究成果が出るとは限らないみたいなさ、
うんうんうん。
今の感じと一緒だね。
スピーカー 1
あー、まあ貴族を国だとしたらってこと?
スピーカー 2
まあ、うんうん、とかお金くれる機関みたいな。
スピーカー 1
まあ関係性で言ったら一緒かもしれないけど。
まあでもそもそも金を作るなんてできないからっていうところは違うかな。
そうね。
本物でできたぞっていう人いただろうけど、全部今考えたらね、違ったってことだもんね。
スピーカー 2
うんうんうん。
スピーカー 1
まあでもそれでも結構まっとうに研究してる人たちもいっぱいいたって感じで、
うん。
だからここまで古代からまあ2000年弱ぐらい錬金術ってもうずーっとやられていくんですよ。
うん。
人間の中で。
この錬金術の転換点になる人が、最初に言ったパラケルススっていう人かな。
スピーカー 2
パラケルスス。
スピーカー 1
パラケルスス。
スピーカー 2
パラケルスス。
スピーカー 1
これ本名じゃないんだけどね、実は。
スピーカー 2
あだ名?
スピーカー 1
ペンネームみたいなもんだけど。
うーん。
この人がね、結構ちょっとキテレツな人で面白いんで、
うん。
この人の人生を順を追って見ていきたいんですけど、
スピーカー 2
はい。
スピーカー 1
時代としては1500年代ぐらいの人。
まあニュートンとかコペルニクスの地道説とかよりもちょっと前ぐらいなんですけど、
日本だとね、もう戦国時代ど真ん中ぐらいですね。
スピーカー 2
うーん。
スピーカー 1
室町時代とか、安土桃山時代とか、その。
ほうほうほう。
まあ、織田信長のちょっと先輩ぐらいの年代です。
スピーカー 2
先輩ぐらいってことは、
うん。
同時代に生きてた。
スピーカー 1
かぶってると思うな、ちょっと。
で、まあ今のスイスにあった小さな村で生まれたんですけど、
うん。
本名がめちゃくちゃ長くて、
テオフラスツスボンバスツスフォンホウエンハイムっていう。
スピーカー 2
ツス多くね。
スピーカー 1
うん、ツス多い。
うん。
そういう名前なんだけどね、本名はね。
で、父親が学校の先生兼町医者みたいな感じの人なんですけど、
で、父親からこのパラケルススさんは、いろいろ哲学とか医学とか教わって幼少期は過ごしたと。
うん。
で、この時に鉱山学校ってあって、
うん。
父親も鉱物を教えるみたいなこともやってたの。
スピーカー 2
ほうほうほう。
スピーカー 1
山で採れる岩石こういうものがあるよとか。
うんうん。
なんで鉱物とかにも興味を持ってたらしいんだよね。
うん。
で、父親は医者で、で、そのまま勉強していって、医学の学位を取得したと主張して医者になったっていう。
スピーカー 2
主張、あ、取得してないの?
スピーカー 1
そう、これがね、わからないっていう、怪しいっていうのがあって。
うん。
パラケルススの特徴と功績
スピーカー 1
このパラケルススさんはね、大学の学問にね、なんか面白くないっていうのでね、失望しちゃって。
うん。
で、各地をいろいろ回って、その地方の民間伝承からいろんなことを学んだほうが有効だっていうふうに考えて。
うんうん。
だから、当時学位を取得したかは謎のまま、医者としてお金を稼ぐっていうことをやる。
スピーカー 2
へー、こんなのもありなんだ。
スピーカー 1
まあ、この時、
スピーカー 2
ライセンスみたいなのないんかな?
ないんじゃないかな。
スピーカー 1
うーん。
まあ、ただいろんな地方を旅して勉強しながら、
うん。
まあ、一生医者としてお金をもらうみたいなことをやっていくんだよね。
うーん。
で、まあ、いろいろ勉強するんだけど、この時代に昔の医学書とかがけっこうブームだったらしいんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、それがケルススっていう人が書いた本がけっこうブームだったの。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
パラケルススじゃなくてケルススっていう、これは1世紀ぐらいのローマの医者の人なんだけど、
うん。
で、パラケルススってケルススより偉大っていう意味なの。
スピーカー 2
おー。
スピーカー 1
だから、このパラケルススさんは当時流行ってためっちゃメジャーな本の著者よりも、
スピーカー 2
俺の方が偉大だっていう名前に改名するみたいなことを言ってる。
自分でつけたの?そのパラケルススって。
スピーカー 1
自分でつけてる。
スピーカー 2
だいぶ傲慢な人だな。
スピーカー 1
だいぶちょっと変な人だなって感じしてくれるじゃん。
スピーカー 2
うん。やばそう。
スピーカー 1
まあ、でもそれも昔のケルススさんが書いた本は、もっとさらに昔のヒポクラテスっていう人が紀元前4世紀ぐらいにいたんだけど、
その人の焼き直しばっかりだみたいな。
っていうのを見抜いてたらしくて、これを見抜いたら俺の方が優れてるっていうので改名したらしいんだけど。
見た目は女性っぽい見た目。これ男性なんだけど。
女性っぽい見た目をしてて。
スピーカー 2
髪長いってことかな。
スピーカー 1
髪でも普通だったかな。そんなにイラストしかわかんないけどね。
なんかね、調べて出てくるのはそんな女性っぽくないような気もするんだけど、
言われてるのとしては女性っぽくて、性に全く興味がない。
で、年中酒を飲み続けている。
で、趣味は、権威がある人を怒らせることっていう。
スピーカー 2
これ結構やばい人じゃん。
スピーカー 1
やばいな。面白い人だな。
スピーカー 2
まあ、さっきのケルススさんをちょっとこき下ろしてたのもあるんだけど。
それ趣味なの?自分でそれ言ってんの?
スピーカー 1
いろいろ趣味のエピソードがあるんだけど。
例えば、各地回って大学教授にはなるんだよね。
実力はあるんだよ。変な人だけど。
で、その大学に入って教授になったときに、これまでの医学を転換させるっつって、
その宣言みたいなやつを大学中に張り紙を貼り付けて回って、
で、その時に流行ってた医学本とかを全部火の中に放り込んで燃やすっていう謎行動をやるんだけど。
スピーカー 2
だいぶやばい人だね。
で、どんな年寄りとかの才能を足しても俺のケツにも及ばんという過激な発言を繰り返してたらしい。
どこからその自信来るんだって感じだけど。
でも、頭良かった。
偉大な功績があるんだよね。ここで取り上げられてるってことは。
スピーカー 1
あとは大学の講師になって一番最初の授業に、当時の大学って結構きっちりしたスーツみたいな格式高い服みたいなのをちゃんと着るっていうルールがあったらしいんだけど、
パラケレスさんは破天荒なんで、実験用の前掛けみたいなやつをつけて最初の授業行って、
医学最大の謎を教えようって言って、容器にパンパンに詰めたうんこを見せたって言われてる。
スピーカー 2
汚ねー。
スピーカー 1
もう意味わかんない。悪ふざけだったらしいけど。
スピーカー 2
そうなんだ。
スピーカー 1
ふざけまくってるじゃん。
スピーカー 2
茶目っ気がある人なのかな。
スピーカー 1
だけど、言ったら学長みたいな人とかはブチギレるわけよ。ふざけんなみたいな。
スピーカー 2
確かに。
スピーカー 1
だから、名上の人にはめちゃくちゃ嫌われるんだけど、大学生から大人気を得るっていう。
ちょっと今もありそうだなっていう。
スピーカー 2
ありそうだね。そんな人いたらちょっと普通に授業受けたいわ。
スピーカー 1
そうそうそう。で、もうこのパラケレスさんの漕ぎ、大盛況なんだよね。毎回。
めっちゃ学生集まったらしいんだけど。
だけど、やりすぎて、大学側は追放するみたいな。で、また旅出るみたいな。そんな感じなんだけど。
なんでこんなに、それまでの医学書とかバカにしたりとか、偉い人をこけおろすことをしてたのか。
これは、この時代の医学、おかしくねっていうのをめっちゃやってた。
で、この時は、体の病気とかって、よくわかんないけど、体の中の体液のバランスが崩れて病気が起こりますっていう。
スピーカー 2
そういう考え方が主流だったよね。
体液のバランスってそもそもなんやって感じだっけね。
スピーカー 1
なんか、体の中の体液の種類みたいなのがあって。
スピーカー 2
その量のバランスってこと?
スピーカー 1
そうそう。でも、これは別に実験で何か確かめられてるとか全くないわけ。
で、当時さ、血を抜く。射血みたいなのをよくやられてたって、多分有名だと思うんだけど。
その体の、それこそ体液のバランスおかしいんで、血を抜いて体の中の有害なものを抜くんだみたいな。
パラケルススの考え方と錬金術の融合
スピーカー 1
それで健康にするっていう、その医学的な療法として、この時はずっとやられてたわけよね。
ただ、パラケルスは、それは違うだろうって言って。
そういう体の中の体液化とかじゃなくて、外部的な要因で病気が起こるんだって。
それは適切な薬を外から入れれば、原因を解消できると思ってた。
これ当たってますよね。
スピーカー 2
当たってますね。
逆にそういう考え方じゃなかったんだっていうのがびっくりだけどね。
スピーカー 1
そうそう。
スピーカー 2
じゃあ、全部の病気は、その人の内側から起こるって思われてたのかな、本当に。
スピーカー 1
うんうん、っていうことだと思う。
スピーカー 2
でもさ、感染症とかあったよね、多分その当時も。
スピーカー 1
うん、あったと思うけど、それもだって原因わかってないわけじゃん、ずっと。
スピーカー 2
でもさ、風邪とかもさ、普通にあんじゃん。風邪とかってさ、やっぱり外から回ってくるもんじゃん。
スピーカー 1
いやでも、当時は違うって考えてたらしいよ。
スピーカー 2
そうなんだ、不思議だね。
不思議だよね。
スピーカー 1
一応その薬的な、植物由来で薬草みたいな概念は一応あったらしいんだけど、
そこに錬金術を融合させたっていうのがこのパラケルスさんで。
植物じゃなくて、もっといろんな鉱物っぽいものとか、そういうのも取り入れて薬にしたら、
外的な要因で病気が起こるんだから、それも全部薬で治せるっていうふうに言ってた。
だからいろんなものを試すの。
だからね、これまた水銀も出てくるんだけどさ、水銀もちょびっとだったら薬になるんじゃないっていうのとか、
だから最初に言った、毒と薬が神人へって最初に言ったのがこの人っていうのなんだけど、
それはまさにその量が毒になるかならないかを決めるっていうのを、一番最初に言った人がこの人だね。
これもその通りなんだよね。
スピーカー 2
そうだね。
スピーカー 1
すごいんだけど。
ただ当時は知見とかもないんで、基本的に全部自分の体か弟子で実験するっていう。
スピーカー 2
弟子なんだ。
スピーカー 1
弟子もね。
例えばケシの実から抽出できるものっていうのは、すごいアルコールに溶けるっていうのも発見してて、
それを使うと死にかけの患者がめちゃくちゃ元気になるっていうのがわかったらしいんだよね。
それローダナムっていう薬なんだけど、
これパラケルススさんが発見してる薬なんだけど、実際はこれ麻薬のアヘンが入ってて、
それによって患者が元気になってたっていうだけみたいな。
スピーカー 2
じゃあ根本原因を治療してるわけではない。
スピーカー 1
こういう薬を作るみたいなこともやってたんだけど、
ここの時に使ってる技術とかは基本的に錬金術とかでこれまでに使われてた方法、上流するとか、
そういうのを使ってたって感じだね。
なるほどね。
薬剤師としての成功と薬学の誕生
スピーカー 1
だからある意味錬金術としても知られてたっていう人ではある。
スピーカー 2
だって錬金術って一応菌を作るのとか不死身の薬を作るのを目標にしてるかもしれないけど、
実験機器とかあったらその他の用途にもいっぱい使えるよね。
スピーカー 1
ただこれって今までの錬金術とちょっと違うんだよね。
スピーカー 2
何が?
スピーカー 1
ただ賢者の石を探すぞとか、菌作るぞとかじゃなくて、
本当に薬を作って特定の病気を治すようなことをするというか。
スピーカー 2
それまでの薬は逆にどういうふうに作られてた?薬自体なかったんだっけ?
スピーカー 1
こういう薬は基本的にあんまりない。本当に薬草とかがメイン。
なるほどね。
スピーカー 2
漢方っぽい感じなのかな?
化学合成した物質をあげるみたいな、そういう薬はなかった?
スピーカー 1
そうそうそう。
スピーカー 2
なるほどね。
スピーカー 1
多分ね、言ったら当時薬っぽい感じではなかったんじゃないかな、そういうものは。
スピーカー 2
ただの別の分野の錬金術によって作られたものみたいな感じであって、
薬としてそういうものを投与するみたいな考えはあんまりなかったんだ。
スピーカー 1
鉛とか銅とかも薬の成分として使ってたりするからね、この人。
だから、これは今までの錬金術と違うもんだっていうのを言うために単語を作る。新しい。
結構ね、こういう宣伝も上手かった人らしいんだけど、それまでアルケミアって呼ばれてたけどね、錬金術。
だけどアルケミアのアルはアラビア語の窃盗語、英語のザみたいなもんだって言ってた。
もともとはキメイヤってやつから来ましたっていう、エジプトの話も前回したんですけど、
それをギリシャ語で医学を表すイヤトロっていうのに変えて、イヤトロケミアっていう言葉を作った。
で、これを復位させようと。今まで言う医科学っていう、化学の方の化学、医科学っていうのの始まりって言われてるんだけど、
でもイヤトロケミアって長いから略してケミアになってる。
で、最終的にそれが英語のケミストリーのもとになったって言われてる。
スピーカー 2
そうなの?じゃあアルケミではないんだ。アルケミのケミではない。
でも結局アルケミのアルをイヤなんちゃらに変えて、そのイヤなんちゃらが取れて、
で、その残ったケミがケミストリーのもとになってるから、一緒っちゃ一緒か。
スピーカー 1
一緒一緒。でもなんか不思議な変遷をしてるね。
なるほどね。イヤトロ。
スピーカー 2
イヤトロ。これ医学化学、医学化学みたいな言葉ですね。
スピーカー 1
今で言う薬学みたいなものかな。
そうだね。薬学にすごい近いかなと思う。
パラケルススの人気と最期
スピーカー 1
で、これがすごい流行ったらしいんだよね、当時だから。
錬金術から医学的な要素のものを作ろうっていうので、
すごい実力もあったらしいんで、パラケルスさんは。
すごいこのブームが起きて薬剤師の収入とか社会的地位が上がるレベルだったらしい。
そういうのを重合する人がすごい人気になったらしい。
で、その分野で錬金術の教科書とか、今まであったやつがどんどん書き換わったりしてって、
今で言うケミストリーに近い言葉とか、あと授業がいっぱい生まれたりとか。
だから錬金術から化け学に橋渡ししていくみたいなのがこの人がやったことだね。
スピーカー 2
すごいね。
スピーカー 1
すごいよね。錬金術を最終的には結構否定してるというか、
これまでの錬金術じゃなくて、もっと実験的に確からしいことをやろうよみたいな。
スピーカー 2
じゃあ、菌を作るとかそういうことを否定してたってこと?
スピーカー 1
菌を作るというか、不老不死を目指すというよりかは病気を治すとか。
もっとちゃんと結果が見えるやつをやろうぜみたいな。
スピーカー 2
確かに。
スピーカー 1
のを言ってたらしい。
でもこのパラケルスさんも一応、一回は不老不死の薬できたぞって言って飲んで、
俺は死なねえって言ったらしいんだけど。
スピーカー 2
そしたら今も生きてるはずなのに。
スピーカー 1
そうなんだよね。
ただ、これちょっとすごい悲しい最後を迎えるんだけど、
これなんかね、パラケルスさんの最後ってめちゃくちゃいろんな説があって、
今でもわかってないんだけど、一個の説が夜道を歩いてたら、
すごい敵に回しちゃった地元の医者の人に悪党と一緒に襲撃されて、
ぶん殴られて死んじゃったみたいな説。
スピーカー 2
医者が人殺す。
スピーカー 1
47歳なんだけど。
スピーカー 2
若いんだね。
スピーカー 1
そうそう。結構若いうちに命を落としててっていう説とか、
あとは酒を飲みすぎて転んで死んだとか。
スピーカー 2
ありそうありそう。
スピーカー 1
なんかね、あと普通に夜更かし生活をしまくっていて、
あと酒も飲みすぎてて、47歳にしてはめちゃくちゃ老けてたらしいんだけど、
普通にそれで死んだみたいな説とか、いろいろあるんだけど、
すごい若くしてね、死んでしまったっていう人なんですよね。
だから偉い人はみんな敵に回してたからさ、
死んだ後そんなに評価されなかったよね。
なんなら悪魔使いだとか言われたり、変なことばっかりしたから。
あとタロットカワードの魔術師のモデルなんじゃないかみたいな説とかもあるんだけど、
あんまり不評なんだけど、そっから数百年経って、
今見たらパラケルスさんがやってたことって、
その錬金術を医学とか化学に応用した人だよねっていうので、
すごいサイブームみたいなのが後から起きて、
今ではだから指示されてるというか、
ちゃんとあってたよねみたいなのが後からわかったっていう人。
スピーカー 2
そういう人いっぱいそうだな。
スピーカー 1
でもちょっとぶっ飛びすぎてるから、それは敵作るわなっていう気がするんだけど。
スピーカー 2
やっぱり敵作ったら評価されにくい。
でも正しいことをしてたら数百年後にちゃんと評価されるかもしんないんだね。
スピーカー 1
ていうか新しすぎたんだと思うよ、多分やってることが。
スピーカー 2
結局他に全然そういうのやってる人いなかったから。
スピーカー 1
まとめると、このパラケルスさんがぶっ飛んでるところは結構ありつつも、
錬金術の技術とかを医学に応用したりして、
いろんな実験する化学っていうのを重視してた人なんで、
化学が誕生する起点になったみたいな人っていう話でしたね。
スピーカー 2
キャラ濃い人でしたね。
スピーカー 1
キャラ濃いよね、だいぶ。
ちょっとどこまで本当なのかわかんないけどね。
スピーカー 2
そういうエピソード残ってるっていうことは、そういうキャラだったんだろうなっていうのは確かだよね。
スピーカー 1
そうね。
でも大学中に張り紙しまくったとか、そういうのはいろんな本に書かれてたから、
これ結構たしからしいんじゃないかな、やってたんじゃないかな。
スピーカー 2
普通に今の感覚からすると、そもそもの錬金術っておかしいじゃん。
金じゃないものから金作るとかさ、不死身の薬作るとか、
そういうところから今の化学になっていくんだから、
誰かしらが化学とか薬学と錬金術の間に立って変えてきた人いそうだなと思ってたから、
まあ、いたなみたいな、自然な流れかなみたいな感じはするけど、
当時の人からしたら、いたんじだったんだね。
まあ、なんか結構、ちょっと余計にいたんじ感はあるけど、
スピーカー 1
それこそさ、2000年弱ぐらいさ、錬金術みたいな、そんな年数やられてたもんだからさ。
スピーカー 2
確かに2000年の歴史を変えちゃったよ、すごいね。
だいたい1500年代まで錬金術そんな感じだったんだったら、ちょっとびっくりだけどね。
スピーカー 1
そんな感じっていうのは、今の化学とは全然違うみたいな。
スピーカー 2
その人が現れる前まではさ、まだ金作るだの、不死身の薬作るだの、まだやってたんだっていう。
スピーカー 1
この人が現れてからもなお結構やられてる。
スピーカー 2
逆にいつ終わるんだ、その錬金術は。
スピーカー 1
終わりはね、まださらに100年以上経った後とか、17世紀くらいまで錬金術ってずっと進んでるんで。
今、今回の話は16世紀の話なんで。
スピーカー 2
逆にさ、そんな2000年もあった錬金術がどういうふうに終わるのかっていうのは気になるよね。
スピーカー 1
確かにね。
スピーカー 2
やっぱ何かしらの大きな進展、錬金術じゃないなっていうのが化学的に明らかになったから、錬金術は正しくないっていう風潮になって一気に下火になったのかな。
スピーカー 1
それこそ途中でも出てきたけど、一回すごい哲学的な意味まで錬金術が広がった後に、結局実験していくみたいなのだけが結構残っていったというか。
ヨーロッパとかだと。
どんどんそぎ落とされていってる感じはね、もうすでにしてる?
確かに。どんどん近代的な化学に近づいてるなっていう感じはあるけど、最終的にさ、木金属を作るみたいな、そういうところはいつになったら終わるんだろうね。
でもこれ考え方によっては今でもまだ終わってない説あるけどね。
スピーカー 2
どうやって作るんだっけ?それはもう原始から変えるみたいな?
スピーカー 1
そう、変えるっていう研究は割とやられてる。
スピーカー 2
でもさ、錬金術っていうものはさ、多分もう終わってるわけじゃん。
スピーカー 1
錬金術っていう名前ではないね、確かに。
というかこれもさ、結局金を増やすみたいなことって達成はされてないから終わってないというか、クリアできる可能性ゼロではないと思うんだよな。
だから終わりっていう終わりはあまりないのかもしれないよね。
当時のでっかい流れの中の終わりはあるかもしれないけど、学問が終わるってなんだ?
スピーカー 2
確かにね。金を増やすっていう意味ではまだあるのかもしれないけど、風潮的にさ、錬金術万歳ってみんなが信じてたっていうのはもうないわけじゃん。
今は化学なわけじゃん。
スピーカー 1
それが違うっていうのが証明できるようになったというか、そういう感じじゃない?
パラケルススの生涯と医化学の誕生
スピーカー 2
やっぱ違うっていうのが証明されたからなくなったの?錬金術って。
スピーカー 1
そうじゃない?例えばもっと原子の構造とかがわかった時代になったら、いかにその原子の構造を変えるのが難しいかっていうのもわかるわけじゃない?一緒に。
っていうのがなって初めて、金を作るの難しいってわかるんじゃない?
だからここから原子の構造を明らかにしていくみたいな方向に進むわけだけど。
スピーカー 2
てかそもそもさ、元祖説だったのがまず原子説になるんだけど。
スピーカー 1
そうそう、まずそこもまだなってない。
金っていうものが何なのかっていうのを正直まだあんまりわかってないと思うんだよね、当時。
目に見えるものでしかないというか。
その成分的なものを理解して、あ、これ無理だわってなったみたいな、そういう流れじゃないかな。
スピーカー 2
じゃあなんか原子説に行くところがちょっと気になるね。
スピーカー 1
でも出てきますよ。
スピーカー 2
そうですか。
スピーカー 1
今まで話してきたやつ、ずっと原子っていう素部みたいな考え方も忘れ去られてるからね、ほとんど。
スピーカー 2
逆にどうやって見つけたり、実際に分析してその存在を確かめたりしたんだろうね。
スピーカー 1
うん、それは引き続きサイトを聞いてください。
そうですね。
まあそんなに時間かかんない、もうすぐ出てきますよ、そういう。
スピーカー 2
そうですか。
スピーカー 1
っていう感じですか。
はい。
最後にお便り紹介しております。
はい。
リスナーのお便りと告知
スピーカー 1
これはLINEかな、LINEでいただきました。
はるみんちょさん。
スピーカー 2
はるみんちょさん。
スピーカー 1
初めまして、141年の伝統を持つ岩手県のとある高校の理数科に在籍している玄海受験生です。
スピーカー 2
受験生なんだ。
うん。
久しぶりに受験生、受験生というか高校生。
スピーカー 1
そうね。
一緒に峠校をしてた友達が、れんさんとえまさんみたいな熱々なカップルになってしまったので、寂しくなって峠校中にポッドキャストを聞くようになりました。
スピーカー 2
そんなに私たち熱々かな。
スピーカー 1
いや、そんな熱々じゃないと思うけど。
サイエントークはオウムアムアの時から聞き始めました。
サイエントークと出会う前は、科学系ポッドキャストって専門家が難しい用語を使いまくって、理解しにくいし続かなそうって思ってました。
そんな時、科学をエンタメっぽくっていう見出しに惹かれたのがきっかけになりました。
実際、えまさんの痒いとこに手が届くような素朴な質問だったり、れんさんの噛み砕いた解説がとても好きです。
僕の在籍する理数科は、毎年2年生がバスで半日かけて筑波に行き、KEKやJAXAを見学する研修旅行があります。
いいね。
僕は学校で原子分野を学ぶことなく行ってしまって、よくわからないまま帰ってきました。
そんな後悔もあり、KEKとのコラボ会が、後輩が筑波に行く1週間前に配信されたので、何人かにサイエントークを進めました。
大好評でした。
ありがてぇ。
ありがたい。
話は変わりますが、この間の英語の模試でアリストテレスが出てきました。
たまたまサイエントークで解説していただいた内容とほぼ一致しており、英語はコーナー1位でした。
すごい。
ありがとうございます。
すげぇな、これ。
受験が近づいてきて、もしラッシュになるので、次いつ送れるかわかんないので、長くなってしまいましたが、
いろんな分野のスペシャリストであるリスナー全員で作っていく感じが面白くて好きです。
これからも頑張ってください。
スピーカー 2
ってことで、いただきましたよ。
すごい高校生ですね。
スピーカー 1
ありがたいっすね。
スピーカー 2
ありがたい。
スピーカー 1
広めてくれてる。
スピーカー 2
ちょっとしみくんを思い出したけどね。
つくばっていう単語とかで。
スピーカー 1
いろんな人が聞いてくれてていいね。
あと、KEKの見学の研修旅行があるってね。
僕らも行きましたけど、これが出るときに、あがってるかもしれない動画があって。
スピーカー 2
KEK行ってきたときの動画。
スピーカー 1
何今の髪型。
KEKに行ってきたんですよ、僕たちも。
出演してもらった中山さんに個人でツアーしてもらってね。
それを20分ぐらいのYouTubeの動画にまとめたんで、頑張って編集してあげます。
スピーカー 2
ぜひぜひそれも見てみてください。
スピーカー 1
結構面白いと思うよ。
スピーカー 2
私もまだ見てないんですけどね。
スピーカー 1
自画自賛。
本当にゼロ距離ぐらいまで近くまで、検出機とか見せてもらって、一般公開してないところまで行けたんで、僕たち。
スピーカー 2
エアロゲルももらったしね。
スピーカー 1
エアロゲルももらいましたね。
みたいなのも動画見てもらえたらわかると思うんで、ちょっとリンク貼れてるかわかんないけど、
サイエントークのYouTubeチャンネルを見てもらえれば、チャンネル登録してもらえたらわかると思います。
ぜひ見てほしい。
スピーカー 2
お願いします。
スピーカー 1
って感じですね。
アリストテレス出てきて点数が伸びたってことでね。
スピーカー 2
アリストテレスの話さ、結構いろいろしたじゃん。
どんな話だろうね。元祖説の話が出てきたのかな。
スピーカー 1
じゃないかな、たぶん。
たぶん、英語の長文できっと出てきたんだよね。
スピーカー 2
背景知ってるのと知らないのじゃ、全然読解力違ってくるよね。
スピーカー 1
そうね。てか、よかったこれ。だって、間違ったこと言ってたらさ、失点しちゃうぐらい。
大筋しかしてないけど、大筋あってたってことね。
ありがとうございます。受験生から嬉しい。
スピーカー 2
そうですね。
スピーカー 1
はるみんちょさんね。ありがとうございます。
スピーカー 2
なんかしっかりしてるね。
スピーカー 1
ね、ほんとに。またお便り待ってます。
スピーカー 2
ぜひ、受験頑張ってください。
スピーカー 1
頑張ってください。
てことで、サイエントークはこんな感じの毎週科学のおしゃべりをしてます。
フォローやポッドキャストの評価、エピソードの感想を書いてもらえると嬉しいです。
なんだろう、パラケルススぶっ飛んでんなって思った人はコメントしてください。
スピーカー 2
はい、お願いします。
スピーカー 1
あと、サイエントークラボっていうサポーターコミュニティがあったり、関連番組があったり、いろいろしますんで、
サイエントークの公式ホームページをぜひ見てみてください。
スピーカー 2
お願いします。
スピーカー 1
ありがとうございました。
スピーカー 2
ありがとうございました。
31:11

コメント

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