本当にまさにそうで、このアプローチって、実は一番注目を浴びたのは2013年の論文なんですけど、
アムステルダム大学というオランダのアムステルダム大学が出した論文で、
センセーショナル、ランドマーク的な論文なんですが、
抗生物質を長く使っていると発症してしまう腸炎というのがあるんですね。
これは抗生物質をずっとやっていると腸内細菌がものすごく乱れてしまって、
それである菌が毒素を酸性するようになって起こしてしまう腸炎があるんですよ。
これちょっとまず覚えておいてほしいんですけど、これってなかなか治療するのが難しくて、
それが出てきた抗生物質で起きてしまった腸炎に対して、また抗生物質で治療しようというのが今までの治療だったんですが、
今も実はこの治療はスタンダードで行われているんですけど、
2013年の論文は何をしたかというと、健康な人の腸内細菌をそのままその患者さんに移植するという方法で、
従来の治療の抗生物質と両方と比べてみたと。
この腸内細菌を移植するというのをFMT、フィーカルマイクロバイルドトランスプランテーションと言って、
便の中の腸内細菌層の移植という意味なんですけど、
平田区では便移植とか言われたりもするんですけど、
この方法がその腸炎に対していかに効くかというのを2013年に報告したんですが、
これがものすごく治療効果が高くて、9割以上FMTが治療効果があるにも関わらず、
抗生物質というのは20%台しか治療効果がなかったんですね。
全然違う。
そんな違うんですね。
しかもそれが一般的にそのガイドラインに乗っている治療法なわけです。
ですから9割と20%どっちを選ぶかって言ったらやはりFMTだなということで、
全てのCDIという抗生物質で起きてしまう腸炎に対してFMTが適用になるわけではないんですが、
その翌年からヨーロッパのイギリスとかオランダとかオーストリアとかカナダとか、
これがガイドラインに乗ってきていて、アメリカも。
結構始まってるってことですね。
それをきっかけに。
もうすでに10年前にはこのFMTという健康な人の腸内細菌層を利用して治療しようという試みは始まっていて、
すでに今回の病気ですけれども、
抗生物質で投与して起きてしまう腸炎、
しかもそれがなかなか反復して治療が難しい症例に関しては、
このFMTがもうガイドラインに乗ってきているというのが現状なんです。
確かに。戦争じゃなくて平和的解決みたいな感じしますよね。
特定のものを倒しに行くのではなくて、平和な環境をそのまま持ってきて移植する。
その戦争してた環境自体を沈めるみたいな方法で、
それが2013年に報告されて、2014年にはガイドラインに乗ってきたというのが、
我々医学領域だと、そういうことがすでに行われていたと。
そこから、これってすごい話だなと思っていただけたと思うんですけど、
これはみんなその時世界の人はそう思って、
どんどん社会を実装化していくんですけど、
ここら辺の赤原さんが詳細がとても詳しいので。
そうですね。
赤原さんが説明してくれたFMTの最初のデータが出た2000年代前半に、
第一世代のマイクロバイオンベンチャーがアメリカを中心にどんどん出てきたと。
それ以降、いろんなアプローチでマイクロバイオン創薬店は進んでいるんです。
いろんな説明があると思うんですけれども、
すごくざっくりした説明をすると、2つアプローチがあると。
1個がトップダウンで、もう1個がボトムアップ。
トップダウンはどんなのかというと、
FMTという究極の腸内細菌治療がありますと、
それを薬にしようという、
菌全体を使ったものを薬にしていこうという考え方で、
こういう人たちはドナー由来の精菌世代、
ドナーさんが出してくれた便から作るお薬を作っていきましたと。
一方でボトムアップのアプローチというのは、
FMTだとかいろんなことで分かった有効な菌だけを取り出して、
それを工業的に作っていくと。
複数菌がいるんだったらそれを組み合わせて、
ブロックを積み重ねるようにして、
必要なものが集まったそういう世代を作っていくというようなアプローチですね。
なるほどなるほど。
それぞれ良いところ悪いところがあって、
トップダウンの良いところはですね、
有効性FMTで観察できたら、
その有効性が出るっていうのは高い概念でわかっているっていう、
そういう前提で早く始められるということですね。
我々もですね、患者さんファーストでできるだけ早く、
有効な治療を届けたいなと思ってますんで、
今このトップダウンのアプローチで進めていますと。
ただ悪いところももちろんあって、
一個は企画化できないこと。
やっぱり毎回同じうんこって同じ人からも出ないので。
確かにもう安定して同じうんこ出せないですもんね。
全然どうしたらいいのか思いつかないですけど。
難しいですよねというのが。
もう一個問題としては安全性の問題があって、
やっぱりこのベンっていう極めて感染性も高いようなものを、
その薬に使うっていうことですね。
特に2019年ですかね、アメリカでFMTをですね、
免疫をかなり抑制して弱ってしまっている患者さんにやったがゆえに、
死亡例も出ていて、きちんと安全性を担保してやればよかったんですけど、
そういった問題もあるので、
安全性っていうのは極めて大きなつきまとってくる問題として、
このトップダウンアプローチにありますと。
一方でボトムダウンのいいところはですね、
工業的に作るんでちゃんと企画化ができると。
スケールアップもしやすいというのがいいところですね。
なのでもう9年ぐらい経ってるんですけど、
もう初めこの治療するっていうのも、
ドナーをどう選ぶんだとかですね、
ドナーをどんな弁を持ってきたら患者さんは嫌じゃないのか、
しかも突然弁を移植とかって話になった時にも、
何の治療だろうっていうところからまず説明しなければならなかったですし。
難しいですよね。本当にそれで治療なの?みたいな感じに思う方ももちろんいそうですし。
本当に今日こういうふうに前半を通して今ここで話をするので、
前半部分が理解されてるから、
なるほど腸内細菌を移植したらうまくいくかもしれないっていう納得感あると思うんですけど、
それがない状態で9年前っていうと、
まず何なんですか腸内細菌とはっていう話から始めなきゃいけない。
それは大変ですよね。
これはまず患者さんに説明する以前に、
この研究を始めるっていう意義みたいなものを多くの方に知ってもらって、
研究を開始するっていうこの倫理委員会とかがあるんですけど、
この研究の意義とか本当に患者さんのために役立つことなのかっていうことを
分かっていただくっていうのも結構大変な作業だったんですよね。
なんかビジュアル…
手術とかして入れるのかなとか思ったんですけど。
確かに移植するって言ってもどうやるのって話だと思うんですけど、
手術するなんて難しい方法ではなくてですね、
本当に僕ら内視鏡って、大腸の内視鏡って
お尻の穴から入れて腸の中を見てくるっていう検査があるんですけど、
その内視鏡を使って腸の一番奥に行った時に、
そのドナーからの腸内細菌創用液を注入すると。
内視鏡を使って一番奥に入れるっていう方法なんです。
だいたい量で言うと200ccぐらい。
200ccはまあまあありますね。
ああいうものをそこの中には生きた腸内細菌がいっぱい入っていて、
それをパッと中に入れてくるっていう方法なんです。
今内視鏡でって言いましたけれど、
お尻から中腸って肝腸みたいにして入れる方法とか、
あと海外ではカプセルで凍結乾燥した腸内細菌層を内服するっていう方法も
一般的に行われていて。
それで腸に届く?
そうですね。胃の中では溶けないようにしてあって、
腸に届いたら割れるというか溶けて出てくるようにしてあって、
そうやってとりあえず大腸に腸内細菌層がしっかり届けば、
効果は出るということが分かっているので、
我々はまずは内視鏡で投与するっていう方法から始めたんですけども、
結構シンプルな方法っちゃシンプルなんですけど。
シンプルな物理的な感じですね。
ただ、これがいろいろ意見が分かれるところだったのが、
ただ入れただけで定着するのかっていう問題です。
定着とか定着っていうことが、
要は本当にちゃんと今日構えて生きてくれるかっていうところが問題なわけで、
そもそも自分のお腹の中にはたくさんの腸内細菌が住んでるわけじゃないですか。
そうするとそこに入れ込んでも、
そうそう簡単に定着することはできないんじゃないかなというふうに考えて。
外来種みたいなことですもんね、いきなり来る。
そう、その通りです。
我々とすると、それ住むとこがないんじゃ意味がないので、
まずそのFMT、弁食する前に、
抗生物質を3週2週間飲んでもらうってことを、
全患者さんにやってもらったんですね。
抗生物質。
そうです。
腸の中の腸内細菌がいっぱい住んでるのを、
とりあえず抗菌薬3種類を使って全部減らすんです。
無差別で1回減らせる?
そう。
これはですね、もし次回、福田先生や山田先生の腸内細菌層の次回続けていいかもしれないんですけど、
本当にやはりそこらへんって、多くの食品であるとか、
そういう素材であるとか、そういう研究を多くしているところだといろいろ見えてくるところだと思うんですけど、
僕の場合はどうしても、そろそろ乱れてしまった人を治すための最終的手段みたいな話、
から始めてしまったので、ちょっときちんと答えられなくて申し訳ないんですけども、
ただ健康な人に参加してもらって患者さんを治すって、
ここにおいてはやはり健康な方っていうのがどういう方なのかっていうのは、
このドナーの組成を調べることでだんだんわかってきてますけど、
その人をさらに良くするっていう方法っていうのは、なかなかちょっと今パッと思いつかないっていうのがありますね。
ありがとうございます。
でもそういうところの理解を深めるというか、データをいろいろ出していくと、
もしかしたらわかることが見えてくるかもしれないですよね。
いろんな人の腸内細菌を調べることで、どうしたらいいのかというか、
そもそもどんな種類がいいのか、どういうバランスがいいのかみたいなのを掴むきっかけにもなるかもしれないですね。
腸内細菌バンクが。
いろんな人が参加していただくと、それでもわかってくるっていうのもありますし、
今、日本でも多く進んでますよね。
進んでますけども、例えば京タン越しで100人者を超える多くの方が住んでる場所が日本にあったりするんですよね。
沖縄もものすごく長寿だったりすると。
で、ここの中にヒントが入ってるかもしれない。
どういうものをその人たちは食して、どういう生活習慣があったんだということを知ることで、
もしかしたら日本人の原点みたいな、どういうものが我々にうまく合っているのかみたいなものが、
ちょっと逆算的ではあるんだけれども、
それが京都フリーズの先生が、内藤先生がおやりになってますけれども、
そういうような研究結果がフィードバックされて、実は後ろ向きにわかってきたときに、
我々がこういう生活習慣を取り入れた方がいいのかみたいな答えが、
こういう研究が今かなり並行していろいろ進んでますけど、
こういうものがいい情報となって患者さんにも披露できればなというふうに考えてます。
面白いですね。だから東京のある地区の人だけ調べるとかじゃなくて、
日本全国のいろんな人が参加したらそれだけ幅広い情報を得られそうですもんね。
データが今求められてるんですね。
みんなのうんちが求められてる。
本当にそういうことですよね。
さっきの実際に最近治療が始まったっていうところで、
このメタジェンセラピューティクスでも今後もっといろんな疾患ですとか、
使い方とかこれから広がっていくんだと思いますけど、
最後に会社としてこれからどんなことを進めていくのかとか、
その思いみたいなところがあれば最後に聞いてもいいでしょうか。
ちょっと前回との繰り返しにもなっちゃうんですけれども、
この我々メタジェンセラピューティクスはマイクロバイオサイエンスで患者さんの願いを叶え続けるという
こういうパーパスを掲げて起業した大学初のバイオベンチャーですと。
この去年最近のアカデミックなサイエンスの力を活用して、
医療と創薬、この2つのアプローチで患者さんに貢献するということを目指しています。
一つ注力して進めているのがFMTの社会実装で、
今、潤天堂が代表機関となった先進医療Bというのを我々も協力して進めていると。
今後、この潤天堂の先進医療Bに限らず、
様々な疾患に対してこの腸内細菌で創薬という医療を届けるために、
健康な方の腸内細菌はたくさん必要なんですね。
こういった方の腸内細菌を集める仕組みを腸内細菌総バンクと呼んでいるのですが、
赤十字というか献血の弁バージョンみたいな感じでご理解いただけるといいかなと思っていて、
これは我々がいくら頑張っても皆さんの協力がないとできない。
多くの健康なドナーさんに協力していただかなくちゃいけないという性質のものです。
そこで我々、まずは研究目的なんですが、
腸内細菌総バンクを作ってみようということで、
クラウドファンディングを始めることにしました。
4月20日からLady4さんのプラットフォームで始まっています。
このクラファンはお金を集めたいというよりは、
ドナーになりたい、ドナーで貢献したいという方、
ドナーになって貢献したいという方、
もしくは自分はお腹があまり自信がなくてドナーにはなれないんだけれども、