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スピーカー 1
ミイラづくりって、ある意味人類が、 科学物質を使いこなしてる、結構走りみたいなところがあるんですよね。
スピーカー 2
走り。
スピーカー 1
最初のほうの例というか。
なので、化学誕生編の一番最初の話でもあると、いうことなんですね。
はい。
そして、8月の科学系ポッドキャストの日。
うん。
今回、ホストは、青春アルデヒドという番組なんですけども、
スピーカー 2
うんうん。
スピーカー 1
テーマが、階段。
スピーカー 2
おー。
スピーカー 1
夏にぴったりですね。
スピーカー 2
ぴったりですね。
じゃあ、それぞれの科学系ポッドキャストが、階段と科学を絡めて話しする。
スピーカー 1
そうです。
へー。
なので、サイエントックは、階段っぽいミイラの科学ということで、
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
このエピソードを聞くと、ミイラの作り方、そして、最新の研究で見えてきたミイラの成分、
スピーカー 2
おー。
スピーカー 1
あとは、さっきの体に塗るっていうのはどういうことなのか、
うん。
などなど、
うんうん。
無駄にミイラに苦わしくなれるエピソードになってます。
スピーカー 2
そうだね。
いや、なんかさ、人間をミイラにするのは、ちょっと嫌だけどさ、
うん。
なんか、ハムスターとか飼っててさ、死んじゃったらさ、その方法でミイラにできそうだよね。
スピーカー 1
ま、白精みたいな?
スピーカー 2
いや、白精ってミイラじゃなくない?
スピーカー 1
いや、ま、性格には違うんだけど、
うん。
君、ちょっと今、怖いこと言ってますね。
スピーカー 2
ははは。
まあまあまあ。
スピーカー 1
大丈夫ですか、この発言。
スピーカー 2
今回、だめかな。
スピーカー 1
うん。
ハムスター飼ってる人が聞いたら、ちょっと怒るんじゃない?
スピーカー 2
あ、すいません。
スピーカー 1
まあまあ、でも、これからミイラが出てくる階段とかで、
よくあるじゃないですか、ミイラが出てくる、ミイラトリーがミイラになるという言葉もありますけど、
怖がらせてくる人がいたら、
でも私、ミイラの作り方知ってるよと、マウントを取って、
スピーカー 2
そうだね、お前は知ってるんかって、マウント取ればいいですね。
スピーカー 1
逆にお前をミイラにする方法を知っているぞと言って、相手をびびらせましょう。
はい。
じゃあ最初に、ちょっと時代をさかのぼりまして、
ミイラ自体の誕生の話。
スピーカー 2
はいはい。
あ、それは起源があるんですね、じゃあ。
スピーカー 1
最初に、来世に行くために肉体が必要、
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
みたいな考えがそもそも生まれたのって、
うん。
なんででしょう?
スピーカー 2
それは、なんか、輪廻転生みたいなさ、話が信じられてて、そこから来たのかな。
スピーカー 1
うん。じゃあ、そういう話を人間が考えたのはなんででしょう?
もっと原始的なところから。
スピーカー 2
あー、なんでだろうね。
スピーカー 1
これ、すごくシンプルな理由です。
スピーカー 2
すごくシンプルな理由。
うーん、考え方的なところ?
それとも、そうじゃなくて、目に見える現象的なところからってところかな。
スピーカー 1
考え方ですね。
スピーカー 2
考え方か。
うーん、でも心があるじゃん。
心。
そう、心あるからさ、
スピーカー 1
ええ。
スピーカー 2
体必要だよね。
心がさ、なくなっちゃうことをさ、ちょっと考えらんないじゃん。
スピーカー 1
うん。
スピーカー 2
だから、
スピーカー 1
なに?心がなくなっちゃう?
スピーカー 2
死んだとしても、なんか別の体に移って、心がまだ生きてるみたいな。
スピーカー 1
あー、それはもうだいぶね、進んだ考え方ですね。
あ、そうなのか。
もっと原始的なところ。
スピーカー 2
えー、もっと原始的なところ。
じゃあ、ヒント、ヒント。
スピーカー 1
じゃあ、質問。
スピーカー 2
はい。
スピーカー 1
なにが一番怖いですか?
スピーカー 2
死ぬこと?
スピーカー 1
そうです。
死ぬことが怖いから、
うん。
肉体を保とうとか、来世とか考えると思いません。
あー、そういうこと?なるほどね。
これ、人間の考え方の転換みたいな話で、
うん。
もともと、移動しながら暮らす狩猟採集民族だった。
スピーカー 2
うんうん。
スピーカー 1
人間がね。
うん。
暮らし採集するようになったのって、
死んだ人を埋葬する文化ができたとか。
うん。
そういう、まず埋葬みたいな考え方が生まれるんですよ。
死んだ人を弔うというか。
スピーカー 2
うんうんうん。
スピーカー 1
で、ミイラって、考え方としてはもう埋葬に近いというか、
埋葬はただ埋めるだけだけど、それを保存しようっていうのがミイラですね。
スピーカー 2
うんうんうん。
スピーカー 1
だから、ミイラの定義としては、人為的に加工をしたり、
あとは偶然とか、自然の条件によって乾燥したりとか。
うん。
スピーカー 2
そういうので、長期間原型をとどめている遺体のことを、まずミイラっていう。
スピーカー 1
ほう、なるほどなるほど。
ですよね。
だから、それって、他の動物はやろうとしないわけですよ。ミイラ作ろうなんて。
ああ。
人が死を恐れて、死を恐れたから、さっき言った輪廻転生みたいな考え方とか。
うんうん。
生まれて、で、肉体を保とうとするっていう。
ある意味、自然に反することではあるんですよ。
スピーカー 2
うんうん。
まあ、たまたまできちゃったみたいなパターンはありそうだけどね、動物でも。
スピーカー 1
まあね、乾燥するっていうだけだったらね。
スピーカー 2
なんか、自然のそういう条件で。
うんうん。
さっき、れんが言ってたみたいに。
スピーカー 1
そう。
でも、有名なのだと、エジプトのミイラとか、ああいうのって数千年もっているわけじゃないですか。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
ってことはね、自然に乾燥した物って、なかなかそこまで残らない。
スピーカー 2
うーん。
スピーカー 1
だから、当時の人は、どうやったら肉体を長く死んだ後でも保てるだろうっていう研究をしてたわけですよ。
うんうんうん。
ミイラとして。
うん。
で、まずこれ、結果から言うと。
うん。
いろいろ、たぶん、検討された結果、ナトリウム塩とか。
うん。
樹脂とか、木の。
うんうんうん。
あと、モツヤクって呼ばれる、これも木の成分。
うん。
みたいなものを組み合わせると腐敗を防げるっていうのを、昔の人は見つけてる。
スピーカー 2
すごいね。
スピーカー 1
そう、しかもこれ腐敗っていう、そもそも反応というか、化学反応みたいな概念が全くない状態でこれを生み出してる。
すごいね。
相当すごいですよ、これ。
うん。
で、これって、秘伝のレシピみたいに扱われてて。
うんうんうん。
これを作れる技術を持つ人は、魔術師とみなされてたくらい、すごいことっていうのをされてた。
スピーカー 2
すごくトライアンドエラー繰り返したんだろうね。
スピーカー 1
そうそうそう。
スピーカー 2
えー。
スピーカー 1
で、そこに至るプロセスまでは、どんな感じだったのかっていうのは、まだわかってないところが多いんだけど、
このエジプトのミイラのすごさを一旦伝えるために、
うん。
どんな方法で作ったミイラがめっちゃ最適だったらかっていうのを、
うん。
さっきちらっと成分だけ言ったけど、
うんうん。
詳しく言います。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
ちょっとえぐい描写かもしれません。
スピーカー 2
なんかすごい科学的な描写なのかな。
スピーカー 1
あー、結構科学的な描写もあるかな。
スピーカー 2
ほうほうほう。どうぞ。
スピーカー 1
ちょっと怪談のエピソードってことで、若干えぐめのところは許していただきたいなと。
スピーカー 2
はい。
スピーカー 1
というわけで、ミイラの作り方。
まず最初、洗います。
うんうん。
板を。
うん。
そして、まず腐りやすい部分を取り除かないといけない。
スピーカー 2
おー。
あ、じゃあ、なんだ、内臓とか、心臓とか。
スピーカー 1
そうです。
スピーカー 2
あー。
スピーカー 1
胃とか肺とか、内臓は全てまず取り出す。
脳みそも取り出す。
うん。
穴から細い棒を入れます。
スピーカー 2
えー。
スピーカー 1
そして取り出せるらしいです。
スピーカー 2
えー、そうなの。
そう。
穴と脳ってつながってるんだ。
スピーカー 1
いや、たぶん穴開けんじゃないかな。
スピーカー 2
穴開けて。
スピーカー 1
そう。細い棒差し込んで。
スピーカー 2
そしたら出てくんの、脳みそ。
スピーカー 1
吐き出すらしいです。
スピーカー 2
キモ。
スピーカー 1
うん。
スピーカー 2
キモいっすよね。
スピーカー 1
で、その空いたところに、さっき言ったもつ薬とかを詰めていたと言われている。
スピーカー 2
えー。
スピーカー 1
これっていうのが、ミルラの貴族っていう、この木の種類から分泌されるゴムの樹脂みたいなものらしいよね。
スピーカー 2
うんうんうん。
スピーカー 1
これを入れると。
スピーカー 2
うんうん。
スピーカー 1
っていうのが、結構今年までこれが定説だったんですけども、
2023年、ネイチャーに報告された論文によりますと、
発掘された容器に付着していた成分の分子量を調べたところ、どうやらこの樹脂だけじゃなくて、
動物の油とか、そういうのをブレンドして、で、お腹に詰めてたと。
スピーカー 2
うーん。
スピーカー 1
いうのが分かってるんですよね。
だから、適当に樹脂を入れたんじゃなくて、そういう、言ったら腐敗しにくくなる液みたいなやつを作って、わざわざ入れてた。
スピーカー 2
うんうんうん。
それは、一番初めに言ってたレシピで、これとこれとこれを混ぜたみたいな。
スピーカー 1
そう。
スピーカー 2
っていうことが、結構最近に分かったんだね。
スピーカー 1
結構最近に分かったんです。
スピーカー 2
うん。それまでは、1成分だけだと思われてたけど。
スピーカー 1
そう。なんか混ぜてたんじゃないかっていうのは言われてたけど、
それが成分の分析ではっきり分かったのが、なんか今年だったみたいで。
スピーカー 2
へー。そんな分かりそうなものにね。
スピーカー 1
そう。ミイラの研究も日々まだアップデートされてるということですね。
スピーカー 2
へー。
スピーカー 1
で、そういうのを詰めた後に、今度、乾燥ステップに行くんですけど、
うんうんうん。
全身を、これナトロンっていう鉱物なんですけど。
スピーカー 2
鉱物。うーん。金属ってこと?
スピーカー 1
まあ、岩石に近いかな。岩に近い。
まあ、それを全身に付着させて、覆って、40から70日放置して乾燥させるっていうプロセスだね。
スピーカー 2
岩石を付着させる?じゃあ、なんか粉々にした岩みたいなのをペチペチつけるってこと?
スピーカー 1
そう。なんかね、このナトロンってやつ、これナトリウムの語源にもなってる鉱物の名前なんだけど、
石って言ったらいいのかな?乾燥材みたいな粉のをイメージしてもらったら。
スピーカー 2
粉なんだ。
スピーカー 1
そうそう。それを粉みたいにして。
油と混ぜたら、昔使ってた石鹸になったりするし、これ原始的に歯磨き粉としても使われてたんじゃないかと言われているものらしいんですよ。
スピーカー 2
洗浄機能みたいなのもあるんだ。
スピーカー 1
そうそうそう。一応成分としては炭酸ナトリウムと炭酸水素ナトリウムが混ざったものなんだけど、乾燥材としても使われると。
これが非常に理にかなってまして、このナトロンが湿ってくると、この中の炭酸、NA2CO3のCO3のところなんですけど、炭酸ね。
が反応して、pHが上がると。
したら菌が繁殖しにくくなると。
スピーカー 2
めちゃくちゃケミカルに乾燥させてるんですよ。
スピーカー 1
ちゃんと菌が繁殖しないようにして乾燥させるっていうプロセスが確立されてる。
スピーカー 2
表面の話だよね、でも。
スピーカー 1
これ表面です。
内臓はさっき言ったもつ薬とかをブレンドしたやつで守ってる。
スピーカー 2
そっかそっか。
スピーカー 1
ガチガチに守ってるんですよ。腐らないように。
で、最後に化粧とか装飾品とかをつけて、外見をちょっと整えて、一番最後にもさっきの腐食液みたいな、これまたちょっと違う油とかを混ぜて、松ヤニとか混ぜて作ってるんだけど、
それを最後塗って防腐処理をして、缶オケに入れて完成と。
ごめん、包帯巻くの忘れてた最後。
大事なの。
スピーカー 2
包帯巻くの?みんな。
スピーカー 1
包帯はね、基本巻いてますね。
スピーカー 2
なんで?
スピーカー 1
それも樹脂を浸して、腐らないようにするために包帯巻いて。
スピーカー 2
じゃあ結構何重にも処理されるんだね。
スピーカー 1
そうそうそう。
でもこれってさ、適当にやってないよ絶対。
スピーカー 2
そうだね、ちゃんとトライアンドエラーを繰り返して、これが一番最適なんだって気づいてやってるってことだもんね。
スピーカー 1
そう。
スピーカー 2
全部に意味があるんだ。
スピーカー 1
全部に意味がある。
そして今調べても成分として、これはちゃんと殺菌作用があるものを使われてたりとか、腐らないような工夫がされてる。
スピーカー 2
でもさ、内臓は取り出されてるからさ、そこのところは樹脂みたいなので置換されてるから腐らないのはわかるけどさ、結局皮膚はあるわけじゃん。
皮膚は乾燥させて、で、pH上がったらそれで腐らないの?
スピーカー 1
結構保てるらしい、それで。
ちゃんと乾燥すれば。
そうなんだ。
スピーカー 2
そういうもんなんだね。
スピーカー 1
基本的に菌が繁殖したりして腐っちゃうとかはあるけど、その菌が繁殖しない状態でしっかり乾燥したら、腐っていくってことはあんまり起きないよね。
物理的にボロボロになったりはするかもしれない。
だから最近とかもすっごい綺麗に顔の表情までわかるミイラとか出てきてたりとかするんで、ちゃんと皮膚はキープされてますよね。だからそういうやつは。
スピーカー 2
すごいね。
スピーカー 1
まさか数千年キープできるとは思ってないと思うけど、それぐらいレベルの高い技術だということですね、まず。
すごいね。
スピーカー 2
今後もたぶんキープされ続けるじゃん。だから数千年っていうのがどんどんどんどん記録が塗り替えられる。どんどん長くなるね。
スピーカー 1
これからミイラ作るってこと?
スピーカー 2
いやいやいや、そのミイラが昔から今まで保存されてきたじゃん。この保存期間がこれからも保存されたらどんどん長くなっていくから、記録が伸びるね。
スピーカー 1
ミイラ保存記録?
スピーカー 2
そうそう。
まあそうだけど。
もしかしたら一万年ぐらい持つかもしれない。
スピーカー 1
そうね、どこまで持つかわかんないよね。
まずこの技術が相当すごいんですけど、このミイラがめちゃめちゃ科学的に防腐処理とかがちゃんとされてるがゆえに、このあと意外な展開を迎えて、誰かに塗られちゃうっていう道をたどっていくわけですけど、最初に言った。
スピーカー 2
なるほどね、なるほど。だからか。ちゃんと意味もあるんだ、防腐剤みたいになってるから。
スピーカー 1
それもちょっとあったりするっていう話なんですけど。
でもさ、普通に考えたらさ、そんなミイラだってさ、塗らねえじゃん。薬になるとか思わないじゃん。
スピーカー 2
塗るって発想がさ、だってミイラだもん。
スピーカー 1
まあね。
スピーカー 2
塗るに至るまでにさ、こなごたにしてペースト状にしなきゃいけないでしょ、たぶん。
スピーカー 1
とか、たぶんいろんな処理はされてると思うけど、なんでこうなっちゃったのかっていう話がけっこうおもしろい。
スピーカー 2
ほうほうほう。
スピーカー 1
まず、大昔にミイラが作られます。そっから時代がたって、発掘されるわけですよね。
例えば、エジプトのピラミッドからミイラ出てきましたとか。
最初はやっぱ金銀財宝も一緒に眠ってる、最後装飾品して生まれるとか言ってたけど、
そういうの狙いで、いろんな盗賊みたいな人とかがミイラ自体も盗んでったりとか、そういうのが言われてたんですけど、
スピーカー 2
ヨーロッパのほうだと、豊富処理された遺体に超自然的な癒しの力があるんじゃないかっていう。
スピーカー 1
まず信じられてたらしいね。
スピーカー 2
ほんとそれは科学的とかじゃなくて、なんか宗教的みたいな感じで信じられてたんだ。
スピーカー 1
そう、ひとつは。ただ、これには勘違いもちょっとあって、
これね、もともと歴勢って言われる、漢字はね、けっこう難しいんだけど、
三随に歴史の歴みたいな漢字が歴で、青いって書いて歴勢っていうのがあって、
これがミイラに入ってるから、めちゃくちゃいいんだっていう説が流行ったんですよね。
スピーカー 2
歴勢って何なんですか?
スピーカー 1
この歴勢っていうのは、生物の死骸とかが堆積してできた、一言で言うとアスファルトなんですよ。
アスファルトの成分、これが病気に効くとされてた。
スピーカー 2
アスファルトって生物の死骸からできてるの?
そうですよ。石油とかそうですけど、そういうのに近い、成分としては。
スピーカー 1
アスファルトって聞いたら、えーって感じじゃん。
これ、漢方に今でもあるんですよね。
そうなんだ。
スピーカー 2
アスファルト。
じゃあ実際に効果あるんだ。
スピーカー 1
一応、皮膚炎とか、筋肉痛とか、あと歯の痛みとかに効くとか。
そういった漢方として、結構知られてるものだと。この歴勢。
だから、この歴勢がミイラに入ってるから、いいんだっていう。
で、ミイラって黒っぽくて、歴勢っぽいんですよ。
スピーカー 2
見た目が。
スピーカー 1
見た目が。
だから、これは昔から歴勢ってしゃべってる、すごいいい薬と同じ成分だから、ミイラは。
いいんだって言って、すごい高値でヨーロッパで取引されたりする。
でも、ミイラに歴勢入ってないんですよ。
だから、まずこれは勘違いが起きてる。
スピーカー 1
で、ここでもう1段階、おもしろいことが起きるんだけど、さっきも言ったように、日本にもミイラって薬として伝わってきたんですよ、だから。最初に。
スピーカー 2
そうなんだ。ミイラとして伝わってないんだね。
ミイラとして伝わってない。薬として伝わってる。
スピーカー 1
で、実際に江戸時代の日本の本とかにも、ミイラは薬ですって書いてるね。
スピーカー 2
ミイラって言ったら、イコール、今は私たちはさ、もうなんか死んだ人でさ、包帯ぐるぐる巻きみたいなのを思い浮かべるけど、当時の人はミイラって言ったら、もう薬って思うんだ。
スピーカー 1
そう、薬として輸入してた。
スピーカー 2
ミイラがもともと、包帯ぐるぐる巻きの死体ってことをもうみんな知らないぐらい。
スピーカー 1
いや、それは知ってたんじゃないかな。
スピーカー 2
なるほどね。薬で、そういうミイラからできてるっていう認識だったんだね。
スピーカー 1
今とだいぶ感覚違いますよね。
スピーカー 2
そうだね。
スピーカー 1
誰がミイラを薬として使うっていう。思わんよな。
スピーカー 2
思わん。
スピーカー 1
実際聞いたの?っていう話は、一応成分的にも調べられてて、
不肺防ぐ防腐剤、いろんな樹脂とか混ぜてましたって言ってたやつの中に、一応ね、プロポリスっていう成分入ってる。
これはね、蜜蜂が木の樹液とかから集めてくるような、樹脂の混合物なんだけど、プロポリス。
樹脂とか油とか花粉とかがちょっと入ったりするんだけど、それ実際に抗菌作用とかあるんですよね。
スピーカー 2
天然の抗生物質って言われるぐらい、一応菌とかには効く。だから、飲んだら風邪薬みたいにはなるんですよ。
スピーカー 1
抗生物質なんで。
スピーカー 2
なるほどね。飲むようには結構効果があったんだ。塗るのは効果ないけど。
スピーカー 1
塗るのも一応菌繁殖するんで、効果はある。多少ね。
で、一応服用して菌血が治りましたとかいう例も、江戸時代の本とかには残ってて、
それもおそらくなんか体の中で菌とかが増えちゃって、風邪みたいになって菌血になる人とかいたと思うんだけど、
そういうのはミイラを飲んだら、このプロポリスってやつが抗生物質として効いて治ってたんで、これは薬だって、一応一定の効果はあったんじゃないかっていう。
スピーカー 2
だからこそさ、そんなだって、起源ゼロ年よりもちょい後ぐらいから江戸時代までずっといろんなところで信じられてたんだよね。
効果なかったら、そんな広まらないし、ずっと信じられないもんね。
スピーカー 1
そう、全くなかったらね。こういう例があったから、薬だ薬だってなってたけど、今でいう薬とは違うけどね、全然。
そうだね。
いろんな余計なもん入ってる。
だし、もともと歴史性って言われてたアスファルトでもない。全然違う効果だったっていう。
スピーカー 2
なるほどね。
そうそうそう。
しかもその余計なもの悪さしないのかな?
スピーカー 1
いや、怪しいよね。普通に良くないんじゃないかなと思うけどね。
スピーカー 2
樹脂を飲むってことはゴム飲むみたいなことでしょ?
スピーカー 1
別に毒ではないか。
スピーカー 2
ミイラに付着してるいろんなものが俺は気になっちゃうけどな。
スピーカー 1
包帯とかさ、見ついてるなんかとかさ。
意外とその辺は大丈夫だったのかな?
スピーカー 2
毒ではなかったんだろうね。
ちなみにそのプロポリスっていうのはどこから来てるの?
ミイラの作り方、さっきレシピ言ってたじゃん。
どこから来てるんだろう?
例えば樹脂から来てるとかさ、包帯から来てるとかさ、どこの成分?
スピーカー 1
これはね、これは樹脂ですね。
スピーカー 2
あ、樹脂なんだ。
スピーカー 1
樹脂の中に入ってる。
結構ね、混合物の名前なんだよね。
混合物の名前。
で、なんかもう成分、微量のものも入れると300とか400とか、
いっぱい混ざってる混合物のこと。
スピーカー 2
じゃあ別にミイラを取らなくても、その樹脂を取っとけば良かったって話だね。
スピーカー 1
そうそうそう、そんなわかんないよね。
スピーカー 2
わかんないよね。
スピーカー 1
なんで、この話まとめると、もともとミイラって、最初は勘違いで万能薬だと思われていた。
なぜならアスファルトにちょっと似てたから。
アスファルトがもともといい薬だってなってて。
それもすごいけどね。
スピーカー 2
そういうイメージも今あんまないよね。
スピーカー 1
で、それがめちゃめちゃブームになって、
日本にも名前がいろいろややこしく伝わって、ミイラって呼ばれるようになったけど、
伝わって、万能薬ではなかったけど、
その数千年前の人が作ってた防腐剤によって、ちょっと風邪に効いてたとか、
抗生物質みたいな効果はあったと。
結果的に薬になってたみたいなことだね。
スピーカー 2
ちなみに今、防腐剤としてって言ってたけど、
あざプロポリスが防腐剤としても働いてて、それが結果的に良かったってこと?
スピーカー 1
そうですね。
スピーカー 2
抗菌にもなるし。
抗菌にもある。
抗菌イコール防腐なのか。
抗菌は防腐ですね。
スピーカー 1
しゃべってて、これ怪談なのかなってちょっと思いましたけど。
スピーカー 2
でも、途中のさ、ミイラの作り方ちょっとだいぶ怪談というよりグロかったね。
スピーカー 1
グロめの話だったけど。
でも、あとミイラをやっぱ塗るとか飲むとか、ちょっと怖い。
スピーカー 2
気持ち悪いね。
スピーカー 1
ていうことで、今回は。
何の話だって言っちゃうけど、このミイラの成分がある意味、抗生物質みたいになってるって、
ある意味、人類が本当に最初の頃に作ってた化学物質みたいなことだと思うんですよね。
知らず知らずのうちに化学やってたみたいな。
スピーカー 2
結局は、抗生物質は樹脂だから、別に化学反応を人間が知って、それを食べたから薬になったみたいな感じではないんだよね。
スピーカー 1
合成はしてないけど、そもそも化学物質を使ってたっていう。
スピーカー 2
使ってはいるね。
スピーカー 1
そう、使ってはいる。
で、それをちゃんと混ぜて、合成はしてないか。
スピーカー 2
薬として効くっていうところは、別に化学って、意図的に反応させてみたいな、ではないけど、
ミイラを保存するっていう意味では、いろんな化学反応とかを経て、ちゃんと意味あることはしてたよね。
スピーカー 1
そうそうそう。
っていう意味で、これけっこう化学の本当のエピソードゼロみたいな話だなと思って。
スピーカー 2
ちょうどよかったね。この怪談とも掛け合わせられるし。
ちょうどね、ミイラの話したかったんで、ぼく。
スピーカー 1
ちょうどミイラみたいな声でしたしね。
スピーカー 2
ちょうどミイラのみたいな、マミーみたいな声だったね。
マミーみたいな声。
スピーカー 1
で、ミイラ見たことある?
生で?
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
ありますよ。
あるの?
スピーカー 2
えっと、
スピーカー 1
どこで?
化学。
化学?
国立化学博物館。
うん。
行った時に、それはエジプトのミイラじゃなくて、日本でできたミイラだったかな。
スピーカー 2
一応、日本もミイラっていう名前じゃないけど、即神仏って言って、お坊さんとかが土に瞑想して埋まって、そのまま土に埋められて乾燥してできるミイラってあるんですよ。
スピーカー 1
じゃあ、また別のレシピのミイラなんだ。
それはね、レシピというか、もうちょっと怖い話なんだけど、生きてるうちから食べるものを制限したりとか。
スピーカー 2
それ聞いたことあるかも。修行のひとつみたいな。
スピーカー 1
そう、修行のひとつで、ちょっとずつ体をミイラ化して、最終的に地中に最後埋まって、そのままミイラになる。
だから、ある程度腐敗しないように整えて、修行して、で、自らミイラになるみたいな。
スピーカー 2
いやー。
スピーカー 1
えぐい話。
スピーカー 2
えぐいね。
しかも、実際に腐敗しないようになるんだね。食料取らないだけでなんのかな。
スピーカー 1
一応、米とか食べないようにして、木の皮とか木の実とか。
スピーカー 2
あー。
スピーカー 1
だけ食べてて、体の中の脂肪は全部燃焼させてて、で、なんかね、わざわざ大人として、体の水抜くみたいなこともしてたみたいだけど、すっごい話じゃない?
スピーカー 2
すごいね。それを見に行ったんだ。
スピーカー 1
それがね、それ自体じゃなかったかもしれないけど、そんな感じで地面に埋まった人みたいなやつで。
あれは本物じゃないかな。レプリカじゃないやつ。どうなの?なんかミイラみたいなやつ置いてあったな。
スピーカー 2
見てみたいな。
スピーカー 1
いやー、怖いよ。
スピーカー 2
怖い?
スピーカー 1
動き出しそうな感じがしますよね。
スピーカー 2
それは包帯とか巻いてないよね、もちろん。
スピーカー 1
巻いてなかったかな。