1. サイエンマニア
  2. ヒトっぽい生物と長寿の動物か..
2022-05-16 42:52

ヒトっぽい生物と長寿の動物から次世代の治療法を考える。【生物のデザイン 後編】 #71

ヒトっぽい動物を作り医療に応用していく方法や、長寿の動物を調べることで研究のヒントを得ることなど「生物のデザイン」をテーマに語っていただきました。

【ゲスト】

鳥取大学 医学系研究科

山崎匡太郎さん

最近発表された論文はこちら↓

Satofuka, H., Abe, S., Moriwaki, T. et al. Efficient human-like antibody repertoire and hybridoma production in trans-chromosomic mice carrying megabase-sized human immunoglobulin loci. Nat Commun 13, 1841 (2022). https://doi.org/10.1038/s41467-022-29421-2

【トピック】

・マウスとヒトの抗体の違い

・ハイブリドーマとヒト化抗体→#24 ウイルスと抗体の研究はどうやってる?【番外編】

・ファージディスプレイ

・マウスをデザインしてヒト化抗体を作らせる。

・コウモリは長寿

p53遺伝子

・筋ジストロフィーと遺伝子治療

・ターナーシンドローム

・生物の能力を借りるアイデア


毎週月曜日配信!

ポッドキャストのフォローやレビューいただければ嬉しいです。

Twitter #サイエンマニア

https://twitter.com/REN_SciEnTALK

SciEnMANIA公式サイト(おたよりフォーム)

サイエントーク → https://scientalkclub.wixsite.com/scientalk

BGM

only a little

00:00
人の能力を移せば、人っぽい動物を作れますし、人っぽい動物は、そういった病態とか、薬のスクリーニングとかに役に立つと。
すごいな。
多分ですけど、4月中くらいに出るので、喋ってもいいかなっていう要があって。
あ、そうなんすか。
もし出なかったらすみませんけど。
その時は一方をもらえればなって。
でもそれちょっと厚い話ですね。論文化するんだったら。
これは医薬品を作ろうっていうところの話なんですけど、最初に出てきた抗体薬品ってあるじゃないですか。
抗体薬品、はい。
これは特定のものにくっつく抗体っていう分子を使って治療をしてあげようっていう時に使われる医薬品。
特によくやられてるのはガンとかリウマチとか。
リウマチは自己免疫疾患みたいなやつでしたっけ。
そうですね。関節が腫れ上がったりするような、腫れ上がるっていうか痛くなっちゃうような病気なんですけど、
そういう抗体を体に打つことで治療をしようっていうような薬品になりますけど、
この抗体ってどうやって作ってると思いますか。
抗体の生産方法。
そうですね。生産方法もそうですけど、もっと前ですね。
この抗体ってどうやって見つけられたのかなって、あるものにくっつくような機能を持ってるんですけど、
どうやってそういったものを、ちょっとこれ何のバックグラウンドもないと質問すること自体がナンセンスかもしれないんです。
いや、これもこの番組で得た知識で言うと、エピトープ解析してる人いたんですよね。
おー、そうですか。
それでは、マウスに打って出てきた抗体取ってくるみたいなのを確かやってたはずですね。
一般的にはそうやってマウスに欲しい抗体に認識させたいものを入れてあげると、
マウスの中でこれは異物だから攻撃できるように抗体を作りましょうってなって、
その抗体を作るB細胞を取ってきて、どのB細胞が効果のある抗体を作ってるかなっていうのをスクリーニングしていくっていう流れになるんですけど、
はいはいはい。あ、そうだそうだ。B細胞を取ってくるっていうね。そうだな。で、なんかめっちゃ増やすやつにするんですよね。
あ、そうです。ハイブリドーマ。
ハイブリドーマ。そうだ。
これでガン細胞、ミエローマとB細胞を融合させると、
ガンの無限に増殖できる能力とB細胞の抗体を作るっていう能力がガッチャンコして、
抗体を作る無限に増える細胞ができるっていう。
03:01
これノーベル賞になったような研究になるんですけど。
でもめちゃくちゃ抗体いっぱい作ってもらうみたいな。
あ、そうです。感じですよね。
で、そこから出てくる抗体ってマウスの抗体じゃないですか。
あ、そうですね。人とは違う。
はい。人とは違うので、人に打つと異物認識されちゃうんですよ。
あ、そっかそっか。だからあれですよね。
標的を認識する場所以外が違うってことですもんね。
そうですそうです。厳密に言うと標的を認識する場所も違うんですけど。
あ、そこも違うんか。
はい。
じゃあもうまるまるマウス用になっちゃってるから。
はい。
だからそういうの入れたら、人はもうそれに対する抗体をまた作っちゃうってことになります?
そうです。はい。そうです。
だから2回使えないとか。
あー、なるほど。1回きりみたいになっちゃう。
はい。じゃあ再発した時どうしたらいいの?みたいになっちゃうんですよね。
そうですね。
そこで、まず遺伝子とかが分かってきた時にされたのが、
抗体の中でも、抗体ってY字型してるんですけど、
そのY字の株と虫の角の先端みたいなところだけを残して、
他の領域を全部人の遺伝子に置き換えてあげれば、
人っぽい抗体になるんじゃないの?っていうのが、人化抗体です。
はいはい。人化。人を用にしましたよっていう抗体。
そうです。
これでグッと異物認識される可能性は下がったんですけど、
それでもやっぱり100%じゃないんですよね。やっぱり異物認識されちゃうんですよ。
それがさっき言ってた変わるところも実はマウスの要素が入ってるみたいな。
はい。なので今まで作られてきてる抗体薬品って、
そうやってマウスで取ったものを人っぽく改変して使ってるんで、
ある程度その使い方に制約があるというか、二度打ちはダメですとか。
そうなんですね。完璧に人化されてるわけじゃないんだ。
完璧に人化されてるのが出始めてます。
人化っていうか、そもそもマウスで取らないとか。
どうやって取るんですか?そうなったら。
人の抗体遺伝子があるじゃないですか。
これをランダムに組み替えておいて、くっつくのを探す。
それってVDJの話とはまた別。
ランダムに組み替えてっていうのは。
もうすでに組み替わってるたくさんの種類があるものをプールとして用意しておいて、
それ組み替えが起きてるっていう話ですね。
すでに起きてるものを回収してきてるんで、
プールの用意の仕方は忘れましたけど、
06:00
とにかくいろんなバリエーションの抗体を作るようなプール、
抗体のプールがあって、抗体遺伝子のプールがあって、
それの中からくっつくのをまず探してきて、
でもくっつく力が弱かったら、
少し変異を入れて強くなるのを探すっていうのを繰り返して、
強く結合する一抗体を作るみたいな方法もあります。
それを試験管の中でやるんですか?
試験管。これはファージとかの表面に掲示させて。
ファージディスプレイってやつか。
そうです。
そっか。それをいろんな抗体の元、抗体元っていうのかな、抗体か。
抗体を頭につけてみたいな。
で、ファージってウイルスですよね。
そうですね。
ウイルスに1人1個みたいな感じですよね、抗体が。
そうです。1人1個です。
集団を用意して、で、一番くっつくやつを選抜してくるみたいな。
そうですそうです。
っていう方法で取ることもできますし、
あとはコロナの抗体って結構いろいろ取られてきてるんですけど。
なんかあれですよね、普通に使われてるやつもありますもんね。
抗体、カクテル両方みたいな。
コロナにかかって回復した人って、
マウスに免疫してるのと同じ状態じゃないですか。
そっか、1回かかって、コロナに対する抗体を持ってる状態ってことですよね。
そうです。
なので、回復してきた患者さんの血液を取ってきて、
その中にあるB細胞をまず回収しますね。
管理する。
その中からコロナウイルスに結合するものを探索してあげれば、
人の抗体を作れる細胞ができるじゃないですか。
確かに、人体実験な気がしてきました。
ある意味。
臨床サンプルなんで。
そうですよね。
っていう形で、人抗体を作ることもできます。
そっか、人用なのかマウス用なのかっていう違いって、
基本的にはアミノ酸配列の並び方とか、そういうことになるんですか?
そうですね。
つこまけてるポイントっていうのは。
そういうことか。
人の体で作ればもちろん、抗体遺伝子の配列が人なので、
出てくるアミノ酸も人のものになる。
だから、人に打っても大丈夫。
だったら、人の抗体遺伝子をマウスに入れてあげたら、
マウスが人の抗体作れますよね。
確かに。
これ実際やられてるんですか?
はい。
抗体の遺伝子領域ってすごく大きくて、
さっきほどではない、さっきのダウン症ほどではないんですけど、
3.7メガベースぐらいあります。
おお、でかいですね。3.7メガ。
09:00
なので、これ全部乗せようと思うと、今までの方法だとなかなか難しいんですが、
染色体をクレロックスピーで切ってきて、
人工染色体上に乗せるっていうのをして、
抗体の遺伝子を人工染色体上に集めてあげる。
これをマウスに入れて、
このマウスはマウス抗体を作れないようにしておくと。
なるほど、それも一番最初に受精卵とかでいじってやるってことですか?
そうですね。受精卵なりマウスESなりでやっておかないと、
マウスの遺伝子由来の抗体も出てきちゃいますから。
そうですね、混ざっちゃいますもんね。
こうすることで、一抗体を作るマウスができますよね。
じゃあそこに抗原を欲しいがん細胞とか何かを免疫し、
がん細胞上のタンパク質とか、
標的としたいものを免疫してあげると、
それに対する抗体ができますから、
今までのハイブリドーマを作る方法を使って、
スクリーニングされた抗体っていうのは全て一抗体。
えー、そんなことできるんだ。
はい、改変しなくてもそのまま医薬品になるっていうような。
賢いな。
でもこれってマウスに、
これもちょっとこれの前の人が話してたやつとちょうど被ってくるんですけど、
その抗体の多様性みたいな話をしてて、
その多様性とかって、これT細胞の話だったかな?
T細胞の話かな?
違うな、抗体作るというか。
色々とランダムでめっちゃ変異が入るようになってて、
で、そういう変異がいろいろ入ったり組み替えみたいなのが、
抗体作る領域の遺伝子で起きるから、
結構色んなすごい数の何型子とか、
何型種類とか言ってましたけど、10型種類とかのバリエーションが出せて、
まあこんだけ作れば何かくっつくやついるだろうみたいな。
そうですね。
って感じになってますよね。
だからこれをマウスに今の話だと入れると、
マウスでも同じような変異が起きるみたいなシステムって働くんですか?
働きます。
まず最初に先ほど言っていたVDJ組み替えが起きて、
ざっくりとした枠組みが決まります、抗体の。
ちゃんと起きるんだ。
で、くっつく抗体ができていくと、
抗体を作るB細胞が自分の抗体電子にちょっとずつ変異を入れていく。
これソマティックハイパーミューテーションって言うんですけど、
そういうものを入れてちょっとずついろんな種類の抗体を作っていって、
ベストなB細胞を探すみたいな。
でもそれが、抗体作れなくなったマウスに外から入れてもちゃんと起きるっていうことなんですね、そのメカニズムが。
12:02
そうですね。レパートリーもちょっと調べてるんですけど、
十分なプールはできていて、
その中からいいものを選んでくればいいと。
はー、すごいな。ちゃんとそれで機能するのか。
すごいですね。そうなんですよ。
めっちゃ面白いですね、これ。
なんかうまく機能しないこともあるんで、
まあ運が良かったな、運が良かった。
いやそうっすよね。なんか結構前後の配列とかで影響されそうっすよね、そういうの。
そうなんですよね。
特異的な配列だったらそこって多分変えないとマウスの中では機能しないとか、
そういうことも多分にある中で問題なくそういう組み替えの機能が保存されていたっていうのはまさに凝光でした。
すごいなあ。それもともとマウスが抗体作れなくなったみたいなやつは、そこがもうごっそり抜け落ちてるみたいな感じ。
どうやって作ってたかなあ。
それもなかなか難しそう。これ普通にやられるんですかね、その抗体作んないようなマウス作るみたいなのって。
それはあると思いますね。
それは普通にある技術なんだ。
今話したみたいな一抗体を作るマウスを作ろうみたいな取り組みって1990年代ぐらいからすでにやられていて。
結構前に。
なのでその頃から脈々と培われてきた方法があるのかなと思いますけど。
抗体って重差と軽差でできてるんですけど、重差と軽差2個ずつの4両体になってて、
重差がないともう抗体の形取れないし、軽差がなくても抗体の形取れないんで、
多分重差をノックアウトしてるんですけどどうやってノックアウトしてたんだろうな。
でもそんな重差丸々発現しないようにしてる、発現というかなくしてる。
多分遺伝子をごそっとなくしてるんじゃなくて、フレームシフトが起こるような形にしてるとは思うんですよね。
はいはいはい。
忘れちゃいました。
まあまあでもとりあえず抗体自体の賛成ができないようなというか。
そうですね、ないようにしてます。
ないようにしてるっていうことですね、元々仕込んで。
いやめちゃくちゃ賢いな、それは。
なるほど。
割と最近の抗体薬とか、最近のというか今後かもしれないですけど、
とかっていうのは結構こういう感じで作られてるって感じ。
あとやっぱりその安全面を考えると、
人抗体、人科じゃなくて人抗体であることは重要になってくるかなとは思いますね。
15:03
ですよね。
ただ問題なのは。
はい、まだ問題はやっぱあるんですね。
いや、人には害がないんですけど、マウスには害があるじゃないですか。
あー、人科抗体ができちゃって、マウスがやられるってことですか。
薬にする前には動物実験が必要じゃないですか。
はい。
だからマウスとか猿とかにその抗体薬品が効くかどうかとか害がないかとかって投与することが必要になりますけど、
今までマウスから取った抗体がマウスの中で効くかを調べるときに、その抗体はマウスにとって異物じゃなかったじゃないですか。
確かに確かに。
あー、逆に人のやつまんまだと動物実験が逆に難しくなっちゃうっていうことが起きちゃうんですね。
そうなんですよね。
なるほどな、難しいなそれは。
それまたマウスをなんか人にしなきゃっていう話にまた戻りますねこれ。
そうなんですよね。
なのでその抗体をどういうふうに評価していくかっていうのは今後考えていかなきゃいけないことにはなると思うんですけど、
ひとまずはその人に打っても異物認識されないような抗体を作る動物はできたかなという話でした。
いやー面白いなこれ。
これはめちゃくちゃ面白いですね。
なんか全然予想してませんでしたこのデザインでこういう話になるとは思わなかった。
尿道から蜘蛛糸を出す話はどうなったんですかね。
全然そんなレベルではなかった。
いやーなんかめちゃくちゃロジカルにやられてる感じですねこれ。
今実際やられてるのってだからそういう主に動物を人に寄せていくとか、
それが今実際進めてる研究のメインってことですよね。
そうですね。
僕は2020年、間違えました。
2022年の4月から学習のC2に採用されることになりまして。
おめでとうございます。
ありがとうございます。
それがこれから本腰を入れてやることになるかなと思ってるんですけど、
最初にレンさんが健康長寿でいたいみたいなことをおっしゃってたじゃないですか。
まさにそれを実現してやるためのデザインをしようと思ってて。
裸でバネズミが出てきましたよね。
裸でバネズミいましたね。
18:01
熊台でもやってることで、ちょっと自分自身ではなかなか理解できない部分も多いと。
他に何かそういう生き物いないかなって、論盤されてると結構出てくるんですよ。
そうなんですか。全然知らないな。他の動物で。
長寿な生き物って、実はメジャーなのは裸でバネズミじゃなくてコウモリなんですよ。
コウモリなんですか。
長寿なんですよね。
そうなんだ。全然知らなかった。結構長生き。それも何年も生きるって感じですか。
そうですね。20年30年って生きます。
なんか勝手に寿命短そうって思ってました。コウモリ。
短いやつもいます。もちろん。
例えば低い位置に生えてる果物を食べるみたいなタイプのコウモリは捕食される可能性高くて寿命短かったりするんですよ。
そんな分類になってる。
そうなんだ。
他にもクジラとかゾウとかも結構寿命が長い。
確かに。それはイメージできますね。
でも、ああいう体が大きい生き物で、すいません、情報もう一つ忘れてました。今言った生物は全てガンになりにくいです。
そうなんですね。
だからすごい素直に考えると、ガンにならなければ長寿なのかなって思いませんか。
確かに。死因の主な要因がガンって考えたらそうなりますよね。
マウスって長期飼育してると半分ぐらいはガンになって死んじゃうんですよ。
そんなガンになっちゃうんだ。
じゃあそういった生き物の能力をマウスに移してあげて、もしマウスがガンにならなくなったら。
長生きしそうですね。
長生きしそうだし、QOL上がりそうじゃないですか、マウスの。
確かにQOLは上がりますよね、きっと。
長生きでガンにならないような生き物たちのメカニズムってあんまりわかってないんですよ、詳しくは。
そもそも実験室で飼えない。
ゾウとか絶対飼えないですね。
ゾウもクジラもなかなか難しい。
コウモリワンチャン飼えるかなぐらい。
ですよね。
無理か、コウモリぐらいのサイズだったらギリギリ。
いけるかなどうかなぐらいの感じだと思うんですよ。
想像はできないですね、あんまり。
なのでそういう実験動物になってないっていうハードルがすごくあって、
でも目干し遺伝子をごそっと移してあげたマウスを作ると、マウスの中でそういった動物の研究ができると。
21:03
なるほど、ちっちゃくしてやりやすくするみたいなことですか、その動物。
そうですそうです。
確かにな。
その中でどうやってがんを防いでるのかなとか、どうやって長生きを実現してるのかなっていうのを解析してあげて、それを人にフィードバックする。
面白いな。
確かにがん防ぐ方法っていろいろありそうですもんね。
なんかエラー発生した時に、そもそもすぐ直すのか、エラーがそもそも発生しにくいような何かなってるのかとか、っていうのを解析するってことですもんね。
そうですそうです。
面白いな、マウスの中でゾウの遺伝子の研究するとか、なんかめっちゃ面白いな。
面白いって言っていいのかなこれ、大丈夫かな。
僕は一番それがご褒美ですから。
すごいですね、それは。できたら。
気候としてわかってるものとして、裸デバネズミは、なんか細胞同士がギュってなると増えるのをやめる能力がすごい高くて。
ギュってなるっていうのは。
ギュギュになる、細胞が増えすぎてギュギュになると増えるのをやめるんですよ。
そういうことかそういうことか。だから腫瘍みたいなのになる前に増えるの止まるみたいな。
そうです、すごいそれが敏感で、ガンぽい振る舞いをする。つまりギュってなるとすぐ止まる。
そういうことか、外部環境的なものだったりするんですね。
もう一つ機構があって、これまだわかってないんですけど、PGOさんってわかりますか。
PGOさんが結構有名なやつですよね、ガン化の。
PGOさんがダメになると、やっぱすぐガンになりやすいっていうようなのがあるぐらい有名なガン遺伝子ですけど、このPGOさんが細胞の中ですごく安定らしいんですよ。
安定。
そのPGOさんって割と半減期早くて、15分から20分ぐらいで分解されちゃうんですよ。
すぐですね。
それが長時間維持できるようになっているっぽくて。
なるほど、だからそこ由来のガンにはあんまりなりにくいようになってる。
そうですね、なんでDNAダメージが入るとアポトーシス、そのDNAがダメになってる細胞が死ぬようにPGOさんが働きかけるんですけど、細胞の中で安定ってことはそれにすぐ反応できる。
なるほど、だからなんかやばいこと起きたらすぐその細胞殺されちゃうみたいな。
そうですね。
そういうイメージですよね。
そういうイメージです。
24:00
ほー。
みたいな能力があったりして。
はー、なんかじゃあちゃんといろいろ調べてみると、そういう新しい仕組みとかがもしかしたら他の動物から出てきて、それを人で起こすようにしてあげればガンを克服できるかもしれないみたいな感じ。
で、なかなか遺伝子をいじるっていうのは難しいので、そういった現象を誘発できるような薬剤とか生活習慣とか、そういったものが見つけられればおのじかなと思って。
へー、すごいな。見つけてほしいですね、これは。
調べれば調べるほどPGOさんが臭くて。
あ、そうなんですか。
象とかクジラってPGOさんがすごい増えてるんですよ。
へー。
遺伝子が。
増えてる、量が多いってことですか、それなんか。
遺伝子の数が基本的には父型の染色体と母型の染色体1本ずつで2つのPGOさんを持ってると思うんですけど、これが象は20個ずつなんで40個。
へー、そんなにあるんですか。
クジラも数ちょっと忘れちゃいましたけど増えてます。
へー、確かにめちゃくちゃ関係ありそうですね、それ。
でもそれ結構知られてることなんですか、もう、ってことは。
多分有名な話だと思います。
有名な話なんですね。でもそれをなんか実際に調べようと思ったら結構難しいみたいな感じなのか。
クジラはあんまりなんですけど、象の方はちょっとだけ調べられてて、2、3本論文出てるんですけど。
あ、でも2、3本なんですね。
はい。なんかその40個、まあ20個あるうちの動いてるのはオリジナルのPGOさんとあと3つだけ、あとは集土化してる。
あー、じゃあそんなに。
なんかそのうちの1個がものすごい重要な役割を果たしてて、
さっきPGOさんの分解速度が速いって話したじゃないですか。
これ分解される条件って決まっていて、
条件。
PGOさんのタンパク質がまず1個ずつくっついて2量体になります。
はい。
で、その後2個ずつのやつがまたくっついて4量体になるんですね。
はいはいはい。
こうなると指基鎮化って言って、タンパク質を分解する目印がつけられて分解されちゃいます。
なるほど。それがさっきの話だと15分ぐらい。
はい、そうですそうです。
はいはいはい。
その象のPGOさんのうちの1個は2個になる能力は残っているんですけど、
27:01
はい。
2個同士がくっついて4個になるための能力は失ってて、2個で止まっちゃうんですよ。
え、じゃあ指基鎮化されないんですかそれ。
されません。
あー、だからずっといる。
長時間維持される。
それじゃないですかもう。
なんか行き着く場所一緒じゃーんと思って。
なるほどなー。
なんかそしたらもうヒントは得られたから後は作るだけかなみたいな感じになってきませんか。
確かに確かにそうですね。
で実際にじゃあそれが起きることで体の中はどうなってんのっていうのは象では調べられないんですよね。
うんうんうんうん。
だからじゃあそういう機能を持ったマウスを作ってあげるとどうでしょう。
なるほどなー。
じゃあp53を長生きさせることが重要って先に結論ありきで調べるのは良くないですけど、
そういう結論が得られたとしたらじゃあそういう薬って作れないかなーって。
確かに確かに。
まあでもそれ仮説じゃないですか、仮説検証だから。
そうですね、仮説検証していく。
いやーでもそれ面白いし、だからそれをやるためにはさっき言ってた人工染色体みたいなやつがないとなかなか厳しいってことですもんね。
そうですね、はい。
へー。
細胞さえ手に入ってしまえばゲノムスケールでマウスの中に入れられるので。
うーん、なんか無限にできそうですね色々これ。
そうなんですよ、なんでその色んなタイトルでもなんか生き物とか現象とかに限定しないで生き物をデザインするっていう風に言っています。
あー、なるほどなー。
いやーこれ伝わりましたね、これは。
本当ですか。
僕はすごい納得しました。
そういう意味かーって思いましたねこれ。
いやただ人工染色体作れますとかだけだとへーって感じですけど、
なんかそういう使い方とかそこまでトータルでパッケージされてると、
なんかすごい色々できそうだなーって気がしてきますね。
はい。
なんかそれ自体が治療薬とかになったりしないかなとか思いますし、難しいかもしれないけど。
人工染色体がですか?
なんか遺伝子治療みたいなのあるじゃないですか。
ありますね、不足してる遺伝子をみたいな。
あー、そうですそうです。
あの筋ジストロフィってあるじゃないですか。
あー、はいはいはい。
あれってそのジストロフィン遺伝子に傷が入っていて、筋肉がうまく作れない状態になるような感じなんですけど、ざっくり言うと。
あの遺伝子めちゃくちゃでかいんですよ。
あ、そうなんですか。
普通のプラスミドベクターじゃとても運べないサイズ感なので、乗せてあげたら。
30:01
そっか、それごっそり入れ替えるみたいなことですか。
入れ替えなくても。
あ、足せばいいのか。
はい、動いてないんで。
正常に動くパターンで入れてあげれば、それで筋肉が作れるようになるみたいな。
そうですね。
マウスのジストロフィンモデルは筋肉が作れないというか、繊維化しちゃう。筋肉じゃない細胞で置き換わっちゃったりするんですけど。
繊維みたいになっちゃう。筋肉にはならないけど。
筋肉が壊れやすくなっちゃって、それを直すときに筋肉の細胞じゃない細胞で作り直しちゃったりするので、どんどん筋力が落ちちゃうんですけど。
ああ、そういうことか。
そのマウスにジストロフィン電子を乗せた人工染色体を入れてあげると、症状が回復しますね。
回復っていうか、生まれたときから持ってるんで症状が出ないっていうほうが正しいですけど。
ああ、普通に生きられるというか。
はい。
ってことですね。
あとは持ってる細胞を筋肉に分化させて移植すると定着して筋肉が増える。
はあ、そんなのもできるんですか。
確かそういうことだったと思います。これは僕、やってないんで論文ベースの知識なんですけど。
すごいなあ。でもそれ遺伝子治療ですよね、完全に。
そうですそうです。
はあ、すごいなあ。
まあでも1円機変わったぐらいの、まあでも丸々でっかい、標的がだからでっかい遺伝子ってことになるのか。
その治療するときに。
まあ別にでっかくなくてもいいんですけどね。患者さんの遺伝子を壊さないっていうメリットがあるので。
うーん。まあでもいろいろ難しそうですけどね、遺伝子治療も。
そうですね。
いや僕もただただ趣味で勉強したぐらいしか知らないですけど。
あれですよね、近似ストロフィーとかの拡散医薬でやってますよね。スキップさせるやつですよね。
はいそうですね、エキソンスキッピングって言って、あのジシャンヌ型近似ストロフィーよりも少し症状が軽いジストロフィンのタイプに変えてあげるっていう治療ですね。
ああちょっとマシにするぐらいな感じの。
ああそうですそうです。
まあまあでもそれも治療だもんなあ。
いやなんか結構ゲノム編集みたいなのを前聞いたときにちょっと調べたのが、その一延期だけ変わってるみたいな病気が結構な割合あるみたいな言うじゃないですか。
はいはい。
だからそこのピンポイントで編集するみたいな、編集というか切るよりかはその延期置き換えるみたいなのとかの治療今後出てくるんじゃないかみたいなやつは何かで読んだことありますけど。
33:13
そうですね、今はそのDNAの2本差を両方とも切っちゃうと不都合なこと起きちゃう可能性ぐっと上がるんですけど、片方だけ切って変えてあげるっていうことができるようになってるので。
はいはいはい。
そうするとより正確に修正できるんですよね。
すごいっすよねそれ。
でもそういうその1個では解決できないような場合にこういった治療手段みたいなのが提案できるといいよなと思いますね。
うん確かになんか複数入ってたりとかすごい離れててでっかい、割とごっそりなんかが無くなっちゃって病気になっちゃってるとかになると結構ハードル上がりますもんね。
そうですね、ないパターンだと生鮮食体がX1本しかないっていう病気がターナーシンドロームって言うんですけどあって、別に男性だったらXYだからX1本しかないしいいんじゃないのって思うかもしれないんですけど。
よくはなさそうですけど。
女性はXXで男性はXYじゃないですか。
はいはい。
なんで遺伝子の量を合わせるために女性の場合にはX鮮食体の方の1本を不活性化してるんですよね。
でないとYの時と辻褄合わないじゃないですか。
そうですね。
でXXで生きられるんだから別にYはなくてもいいわけですよ。
はいはい。
そうなるとX鮮食体1本でも問題ないんじゃないのって思うんですけど。
実際には問題があって生まれてくることはできるんですが、不妊になったりします。
子孫を残すっていう時に何か問題発生してくるみたいなのは確かにありそうですよね。それ足りないですもんね、そもそも。
原数分裂の時にXを受け継いだ卵子とX鮮食体がない卵子になるだけなので、配偶子はできるんですけど、でもやっぱり何か症状が出てきちゃうんですよ。
はいはい。出てきそうだ。
これ原因わかってないんですけど、X鮮食体2本ある時に不活性化するって言ったじゃないですか。
この不活性化って100%全部の遺伝子を不活性化してるわけじゃないんですよ。
ちょっと残るってことですか。
ちょっと不活性化されてない遺伝子があって、その遺伝子は2コピー必要なんじゃないのかなって思うんですよね。
つまり不活性化を免れてないといけない、不活性化されてない鮮食体上の遺伝子と不活性化してるけど免れてる遺伝子の2つが動いてないと量的に足りないってことがあるのかなと思うんですよね。
36:12
で、実際にX鮮食体上の遺伝子と似たような遺伝子っていうのがY鮮食体上にも残ってて、そういう遺伝子で機能してるものがあるって考えると、XYの時にも形は少し変わってるけど2コピーある。
だからそれが欠けちゃってるX1本だと不都合。
なるほど、そういうことか。だからそれを何か足すなり何なりしてあげれば、みたいな。
まあその人の不妊とかは修正可能になるのかなとか。
いやすごいなそれ。でも根本治療感はありますよね、それできたら。
はい。治療するときにはどうするのかな、卵原細胞に入れるのかなとか。
わかんないですね。そこから上手いこと増えてくれないといけないですもん。増えてやってというか、正常なやつができないといけないからどうなるかわかんないですけど。
っていうかそれだったら単純にX鮮食体その人から取ってきていれればいいんじゃないとかも思いますし。
確かに、確かに。そうですね。
まあでもなんかいろいろありますね、これやり方というか。面白いな。もう2時間も喋ってますね。
いやすいません。
いやいやいや。ちょっと僕も話がいろいろ脱線して聞きまくっちゃったんですけど。
いやいいです。そうしないと僕喋れないんで。
いやまあでもだいぶたっぷり話してもらいましたね。
じゃあどうしようかな。でも最後なんか今後の話ももうちょっとしてもらっちゃいましたけど。
まあでもなんか言っておきたいことあります?
言っておきたいことですか。なんかいつもそういう妄想、つまり生き物をどういうふうに作っていくのがいいのかなとか、
こういう生き物は作れるのかなとか考える妄想をしてるんですけど、結局例えばクモの糸のことをやろうと思っても、
僕はクモの素人なので、やっぱり誰かの協力が必要になるんですよね。
なんで何かこんなおもろいことが僕の使ってる生き物ではあるんですよみたいに声をかけてもらうと、
夢を広げられる僕も。
確かに。
その人も。なんかそういう橋渡しができるような研究ツールなのかなって思っているので。
そうですね。何かと掛け合わせて結構活かされる技術ではありますよね。やっぱり。
なので何かもし面白い話があったら声かけてくださいって。
いやーこれ聞いてる人もしかしたらいるかもしれないですし、
39:01
割といろんな生き物とかの話してくれた方もこれまでにも出てくれたりはしてるんですけど、
もう何かジャンルごちゃ混ぜなんで今これ今やってるのが。
だからこういうところだからこそ見つかるのはあるかもしれないですよね、もしかしたら。
そうですね。
もうぜひそういうこととして使っていただきたい。
なんか結構そういう偶然の出会いは生まれそうだなと思いますね。
期待します。僕学生なんで自由にはできないですけど。
まあまあでも何かのアイディアのきっかけとかにもしかしたらなって、
それが今後の研究にも何か生かされたりもするかもしれないんで。
はいそれは大いに期待するところです。
そうですよね。何かぜひ興味持った人とか何かコメントしたりとか、
ツイッターでも何でもいいですけどとか、
まあ単純にこういうのどうなんですかとかあったら聞いてくれてもいいですし。
聞いていいですって言って僕が答えるわけじゃないですけどね。
時々覗きに行きますね。
山崎さんが答えてくれると思うんで。
ぜひ真面目な話以外もじゃんじゃん、それこそ最初のスパイダーマンの話も全然。
そうっすね、ああいうのから意外と何かもしかしたらこれ使えるかもみたいなの出てくるかもしれないですね、冗談の中から。
そうですよ、あの人サイズの尿道じゃなくてもじゃあマウスサイズで作らせたら結構たくさん出るんじゃないかみたいな。
できそうだし何かやっちゃいそう。
いやーでもそれこそだからクモの話してくれた方とコラボしてもいいかもしれないし。
面白そうっすよねそういうの。
くだらない話の方が僕は好きです。
僕もくだらない話が好きなんで、基本的にそういう。
くだらない話を真面目に考えるのもやっぱ面白いんで。
いやそうですね、醍醐味だと思います。
醍醐味だしやっぱ研究者は妄想しなんぼだと思うんで。
これからもその妄想で突き抜けていってほしいですね。
いろいろ楽しみですね今後が。
楽しみにしていてくださいというだけ言っておきます。
ぜひまた論文もいい報告待ってますね。
そうですね。
とりあえず。
結構張釈なところがごそっと抜けることになるんで。
いやそうですね。
ぜひ頑張っていただいて、ちょっと後ろにすることができる。
出たら出すみたいなのでもいいですし。
その辺はまたこれがいつ出るかは分かりませんが、無事に論文化されることを祈ってという感じで。
ということで今回のゲストは生き物をデザインするという話でたくさんしていただきました山崎さんでした。
42:05
ありがとうございました。
ありがとうございました。楽しかったです。
生き物のデザインのお話いかがだったでしょうか。
始まる前は生き物をデザインってどんなことなのか全く想像できませんでしたが、
染色体を使った遺伝子導入はかなり幅広い研究につながるんだなと勉強になりました。
山崎さんありがとうございました。
再演マニアはあらゆる分野のゲストを招きし世界を探求していくポッドキャストです。
SNSのフォローや番組への感想レビューをいただけますと嬉しいです。
また僕がやっているもう一つの番組再演トークもぜひチェックしてみてください。
次回もまたお楽しみに。
42:52

コメント

スクロール