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おはようございます、鶴岡慶子です。この配信では、花火や天気、言葉に関することなどをお話ししています。
司会やナレーションを通じて、日々感じたことなどを語る声の日記です。 毎朝お届けしてきて、今日が600回目の配信です。
もうスタートしてから600日目ということなんですね。 最初始めた時は、50回行くかな?100回頑張ってみようと、そんな感じでスタートしたと思うんですけど、
600回になりました。1日1日大切に過ごしてきて、これからも大切に過ごしていけば、1000回も見えてくるかなという気がしています。
引き続きよろしくお願いします。 さて、先日、友人から縦書きのお手紙をもらったんですね。
私は最近、縦書き用の便箋に横書きで書いて送ることが多いんですけれど、 っていうか、ほとんどそうやって使っているんですけど、
この友達は、横書き用の便箋に縦書きで書いてきたんです。 もうこの友人は綺麗な文字を書く方なので、いつもほんとうっとりしていたんですが、
縦書きだと、その文字の上手さがまた一段と際立つ気がしました。 なぜ彼女が今回縦書きだったのか、その理由をこんな風に書いています。
横書き用の便箋に縦書きしてみたのは、縦に書いてこそ文字には魂が宿るということを セミナーで聞いたのを思い出したからです。
戦後、日本人は文字を横に書くようになって弱くなったらしい。 確かに、ノートも横書き、手紙も横書き。横書きに慣れていますが、本は縦書きで読みたいのです。
横書きの翻訳本は、まるで頭の中に入ってきてくれません。不思議です。 こう書いてあったんです。
それで思い出したんですけれども、私は司会の修行時代に、台本は縦書きが基本と教えられました。 それはどういうことかっていうと、例えばおはようございますという文字を、
縦書きと横書きをそれぞれ目線だけじゃなくて、首を振りながら声を出して読んでみます。 縦書きは首を縦に振ることになりますし、横書きは首を横に振ることになりますよね。
どちらの方が声が出やすいか、やってみてください。 縦の方が声が出しやすいんです。これは日本語のリズムと発声には首を縦に振る方があっているからなんですね。
ということから台本は縦書きが基本ということを教えられたんです。 こうやって叩き込まれたので、私が作る台本のほとんどは縦書きです。
これほとんどはって言ったのはどういうことかっていうと、多くの人と台本を共有するときは横書きにするんですね。
これも本当は縦書きの方が私はいいんですけれども、例えば音響とか照明などのタイミングですね。これは時間が入るんですよ。
何分何秒っていう時間が入るんですね。このタイムはやっぱり何分何秒って入れるわけですから、縦書きでできないわけじゃないんですけれども、こうやって台本を多くの方々とシェアするときには、やっぱり横書きに作り上げます。
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なので花火の台本なんかも横書きなんですけど、花火の玉名っていう花火の名前があるんですけど、例えば、昇曲導八重芯変化菊っていう玉名だったりすると、それ全部漢字なんですよね。
それ横書きよりは絶対縦書きの方が読みやすいんですけれども、昨今は音楽とコラボレーションする花火が多いので、このアナウンスのタイミングでこの曲がスタートするみたいなところは、その使う音楽も最近はアルファベットが多いので、そうすると縦書きよりは横書きの方がいいということになります。
なので私の読みやすさよりは、皆さんのタイミングの取りやすさを優先して横書きの台本を作ることになったりします。たださっきも言ったんですけど、自分だけのタイムを取るだけだったら、時間が入るものだったとしても縦書きで作り上げます。
そういえばニュース原稿も縦書きです。数字の読みづらさみたいなのはありましたけれど、やっぱり内容の入りやすさみたいなものが縦書きの方があったような気がします。
読む方もそうなんですけど、書く方も縦書きの方が日本語の美しさが際立つように思います。
例えば枕草子、冒頭は春は明け物ですけれど、この明け物を筆で書いてみると文字に流れが出るんです。
あからけへの一画目への流れとか、けへからぼへの流れなんかも、すごく滑らかにいくんですよね。
そう考えると、縦書きにこそ文字に魂が宿るというのも大きくうなずけるような気がしました。
新聞や雑誌や書籍、それから漫画なんかも多くは縦書きでやり続けるっていうのは、やっぱりそういう理由があるのかもしれないですよね。
長文になってくると縦書きの方が読みやすいし、やっぱり私たちの頭の中に入ってきやすいのかもしれません。
こんなふうに横書きも縦書きもどちらも使うというのは、世界的に見て日本は珍しいようですね。
それはやっぱり日本がいろんな文化を受け入れやすい柔軟な国だからかもしれません。
今日は友達からの縦書きの手紙をもらったことで、縦書きの美しさを見直してみるきっかけになった、そんなお話でした。
この配信はアップルポッドキャスト他各種プラットフォームでお届けしています。ではまた明日もお会いしましょう。
鶴岡慶子でした。