最初にやっていくのが、この吉村ジョナさんの高校古典講義ということなんですけれども、
高校古典講義とありますけれども、内容としてはですね、古典文学について一緒に、それこそ古文を一緒に読んだり、漢文も少しやるんですけれども、多くは古文についてそれを一緒に読んでいくっていうような、そういう番組になっております。
実際にはテキストというか、本文があればそれを見ていただいてもいいですし、なくても聞き流していただく中で、なんとなくへーとかふーんとか、そういうふうにも楽しんでいただけるようにはしているつもりでございます。
高校っていう名前をつけてるんですけれど、決してその高校生にだけっていうよりは、大体高校レベルくらい、高校生が触れるくらいのものをスポットとしているというか、決して大学でめちゃくちゃ専門で勉強している人とか、本当にマニアックに勉強したい人向けっていうよりは、もうちょっと高校生で勉強するかなくらい。
ただもちろん、高校で勉強するって言ってもいろんなものがあるので、その中で言ったら結構充実した内容というか、かなり深い内容もやっていくことになっております。
大体1回につきの放送が、ほんと短いと10分くらいで、長くても30分はかからないくらいですかね。
基本的には20分くらい、20分前後が多いかと思います。
大体1つのお話とか、1つのまとまり、文章まとまりをご紹介して終わるということで、時間に合わせてっていうよりは、その内容に応じて時間が変わるという感じですかね。
ですから本当に、自分がちょっとでも興味を持った作品とか、なんか気になるなっていう回だけでも聞いていただいて、全然聞けるようになっております。
今回はどんな話をやっていこうかなと思うんですけれども、今回はですね、源氏物語をご紹介したいと思います。
今回のポッドキャストの配信ディレイの中で、テーマが一応3種類指定されていたんですけれども、その中に20というものがありました。
これはポッドキャスト20周年ということですね。
これはいわゆる、世界的なポッドキャストの記念日として国際ポッドキャストデイということで、それが20周年を迎えるということなんですよね。
それで20っていうテーマだと思うんですけれども、私の方では源氏物語について、源氏物語というのはですね、紫式部という方が書いた平安時代の書物なんですけれども、
これは物語なんですけれども、非常に長い物語なんですね。
で、その非常に長い物語は、いくつかに分けることができるんですね。
なんか内容に応じていくつかに分けられます。
で、その一つのまとまりのことを錠とか、あとは薪と言ったりするんですね。
源氏物語自体には54の錠、薪があるんです。
で、その54の中の20番目のお話。
その20番目の話をせっかくなので今回はご紹介していきたいと思っております。
一応源氏物語もですね、ちょっとずつご紹介はしているんです。
本編というか、普通紹介でもやっているんですけれども。
何分長いのでね、全然ちょっとずつしか進んでいないので、
20錠までいくのにはだいぶ先になる予定ですので、
普段お聞きの方も楽しみいただけるんじゃないかなと思っております。
では20番目のお話、こちらにタイトルがついております。
タイトルは朝顔というお話でございます。
源氏物語の中では様々な登場人物が出てきます。
特に女性の名前をですね、植物、花の名前で表すんですね。
それはいろんな理由がございます。
例えば植物、花の名前がついている部屋に住んでいるからその名前がついているとか、
あとは登場人物の間で交わした和歌があって、
その和歌の中にその花の名前が登場するとか、
そんないろんな理由があるんですね。
なので弁儀上登場人物はその花の名前で識別されたりするんですね。
今回のその20番目の話は朝顔。
これは朝、咲く朝顔でございます。
非常に素朴な花なんですけれど、どうなんでしょうね。
今あんまり朝顔っていうのはそこまで身近じゃないかもしれないですね。
かつては学校で育てる植物ナンバーワンだったかもしれませんけれども、
必ずしもそうではないかもしれませんね。
ただ非常に育てやすくて、身近な素朴な花な印象はあるかもしれません。
実際に本当にこれ朝顔といって、現代思い浮かべる朝顔と平安時代の朝顔が同じだったかどうかというとちょっと別の話なんですが、
そのあたりはとりあえず置いておきまして、朝顔という正談というか、
浄というか薪を読んでまいります。
この朝顔の正談、20番目の話ということなので、
これもほとんどね、源氏物語っていうのがすごく大きく分けて3つの内容に分けられるんですね。
その一番最初のまとまりっていうものが第1部、次が第2部、次が第3部と3つに大きく分けることもできるんです。
だいたい一般的によく知られているお話というか人気のあるお話は第1部なんですね。
なんかファーストシーズンって感じです。
ファーストシーズンのお話がよく知られているお話ですね。
セカンドシーズンとかサードシーズンも面白いっちゃ面白いんですけど、
やっぱり登場人物もだいぶ変わってきますし、内容もだいぶ変わってくるんですね。
なので結構こうやっぱりあるあるかもしれませんけど、
わりとファーストシーズンが一番面白いって言ったらちょっとあれかな。
でもなんかこう少なくともファーストシーズンは面白いじゃないですか。
それだけシリーズがね続いていくっていうことは。
現地物語でもやっぱりそのファーストシーズン第1部のところがかなりメインになってくるんですが、
そのファーストシーズンの最後ですね。ほとんど。
もう20番目って言うとですね。
ですのでもうなんかもうだいぶ本当エンディングに近いというか、
なんかこう結構クライマックスな感じも出てきているところなんですよ。
となるとですね、ちょっとその前の話の流れも少し振り返っておく必要がどうしても出てきますね。
まず主人公が光源寺という男性です。
この方は帝の子供です。
帝の子供なんですが、いわゆる皇太子にはならない人なんですね。
ただ帝の子供なので非常に大事にされている方です。
もういろんな魅力がある方だということなんですね。
その光源寺がいろんな女性を愛していくわけなんですけれども、
なんていうような縁もありまして、光源寺はこの藤坪の宮、そして紫の上という方に非常に心を動かされるんですね。
そんなところをちょっと紹介したところで、実際の朝顔という部分を読んでいきたいと思います。
この朝顔の部分ではですね、光源寺が朝顔の君、朝顔の姫宮という言い方もしますが、
朝顔の君に恋をしてしまうんです。
この方はですね、光源寺のいとこにあたる方なんですけれども、その方に恋をしてしまうんですね。
その時に紫の上はもちろん奥さんなんです。
そうすると紫の上からすると、えーって思うわけですよね。
なんかこう、本当にこれは朝顔の君のことを好きなんだろうかとかね、思ってちょっとザワザワするわけですよ。
なのでその朝顔の君というライバル。
ちなみに朝顔の君は全然相手にしないんです、光源寺を。
全然相手にしないんだけれども、光源寺ね、そういうパターン多いんですけど、
それで光源寺は朝顔の君に必要にアプローチをしていくんですね。
で、そのことを紫の上が知って嘆いている場面をご紹介したいと思います。
では本文を読みいたしますね。
まめまめしくおぼしなるらんことを、つれなくとわぶれにいいなしたまいけんよ。
と、
おなじすじにはものしたまえど、おぼえことに。
むかしよりやんことなくきこえたもんも、
みこころなどうすりなばはしたなくもあんべいかな。
としごろのおんもてなしなどはたちならぶかたなく、
さすがにならいてひとにおしけたれんことなどひとしれずおぼしなげかる。
まず、まめまめしくおぼしなるらんこと、
まめまめしいっていうのはこれは真面目だとか、なんかこう誠実な様子なんですね。
ここでは本気だってことなんですよ。
紫の上はなんか本気なのかしらってまず思ってる。
で、つづきに、つれなくとわぶれにいいなしたまいけんよ。
と、なんかつれなくとわぶれだと、
なんか冗談のように言っていましたけれどねっていう言い方をしています。
これどういうことかっていうと、紫の上がですね、
あら朝顔の君のことって本気なのかしらと。
私に対してはちょっと冗談のように言っていたけれども、
もしかして本気なんじゃないかしらというふうに心配になっている場面なんですね。
で、そこではっと考えるわけです。
同じ筋にはものしたまえど、
同じ筋というのは同じだって言うんです。
これは朝顔の君も私も同じだって言うんですね。
これは2人ともある程度有所正しい家柄だっていうことは同じだけれどもって言うんです。
同じだけれども、覚え事に。
昔よりやんごとなく聞こえたもんをと。
で、これはなんかもう世間の覚え、覚えっていうのは世間の評判とかですね、
評判も非常にことにっていうのはすごく特に良くって、
また昔よりやんごとなく聞こえたもん。
やんごとなくっていうのは何か格別だとか高貴だとかそういう意味なんですが、
ここでは非常に光る源氏がもう素晴らしいと思っていた方であると。
だから2人とも同じような身分、家柄の立場にあるけれども、
この実はその朝顔の君の方が比較的表舞台で非常に大事にされてきたんですね。
紫のはどちらかというとちょっと隠されてというか、
そういうところで出てきた方なんですね。
ですからちょっと朝顔の君と戦うってなった時には負けてしまうんじゃないかってところがあると。
で、さらに年頃の大もてなしなどは立ち並ぶ方なくと。
ここでは自分自身のことを言ってるんですけれども、
年頃のっていうのは長年の。
長年の恩もてなしというのは長年の光る源氏が私に対してのもてなし。
つまり私に対しての非常に長愛と言ってもいいでしょう。
愛情ですね。
長年の私に対しての愛情っていうのは立ち並ぶ方なく。
立ち並ぶっていう並ぶものっていうのですね。
並ぶものがない。
ですからこの紫の上という方は本当に少女時代からずっとこの光る源氏に大事にされてきたんですね。
だから他の人たちとは全然もう格別に自分は愛されているということはあるはずなんです。
あるんだけれどもさすがに習いて、
さすがにっていうのはそうは言ってもやっぱりって意味なんですけれども、
本当は自分自身にはすごく自信があるんだけれども、
そうは言ってもこの朝顔の君っていう存在が出てきたことによって人に惜しけたれんことと、
その朝顔の君に消されてしまうようだって言うんですね。
要するにこの今になって朝顔の君にこんな思いをさせられることになろうとはと、
胸をざわつかせられることになろうとはっていうふうに嘆かれてしまうという内容なんですね。