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2021-05-17 10:38

#29 ポッドキャスト翻訳プロジェクト第5話(シーズン最終話)

音声業界の海外市場が見えてくる番組 ポッドキャストアンバサダー

シリーズでお届けしている「ポッドキャスト翻訳プロジェクト」第5話、今回がシーズン最終話です。


本編の書き起こしはこちら

https://note.com/rinaarailevia/n/n37ac4d053034

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音声業界の海外市場が見えてくる番組、PODCAST AMBASSADOR。
この番組では、自称ポッドキャストアンバサダーことあらいりなが、音声は音声のまま、コンテンツをボーダレスに楽しめる世界を目指して、
国境を越える番組作りに向けて日々リサーチしている業界情報を、様々な視点でお伝えしています。
さて、今回は、ポッドキャスト翻訳プロジェクト第5話です。
これまでに5週間続けて、毎週月曜日にお送りしてきたこのシリーズ、今回がシーズン1、最終話になります。
自分が5年前に思いついた英語のポッドキャスト、翻訳を吹き返して、日本語版として配信するというこのプロジェクト。
今まで、プロジェクト誕生の瞬間から、翻訳のプロセス、吹き替え担当探しの話まで、色々とお伝えをしてきました。
実は、ここで一つの節目がやってきます。
それでは、シーズン最終話、お楽しみください。
本編の書き起こしをご覧になりたい方は、概要欄にリンクを貼っておりますので、そちらからご覧ください。
さて、前回のエピソードでは、吹き替え担当3人全員がやっと決まりました。
このポッドキャスト翻訳プロジェクト、大きく前進と思った矢先、コロナの波がやってきます。
この吹き替え担当全員が決まったのが、2020年の夏。
私が住んでいる香港でも、第2波、真っ只中でした。
どうしても全員が集まって収録できるという状況ではありませんでした。
そもそも、現地で吹き替え担当をどうしても探したかった理由は、担当全員が同じ空間で収録できるから。
Zoomやオンラインを使って収録するというのは、どうしてもタイムラグが出てきてしまいますし、吹き替え担当抜的な今回の3人もいわば素人です。
さらに、お互いに距離が出てきてしまうような収録の仕方は避けたかったのです。
その後も、吹き替えの予定日を何度も調節したのですが、コロナでことごとくキャンセルとなりました。
当時の香港でも、日本と同じく緊急事態宣言と似たような、いろいろな規則があったのです。
例えば、公共の場で2人以上では一緒に座れないとか、この規則に従えば、外で吹き替え担当3人と私は一緒に座ることすらできないのです。
この状況が何週間も続いて、やっと収まり始めたその時に、実は1人の吹き替え担当から連絡が来ました。
私も起業することにしました。なので、このプロジェクトには参加ができません。
あの最初に2つ返事で私のプロジェクトに賛同してくれたリクルーターからのメッセージでした。
実は彼、起業する予定だということを私は知っていたのです。
この起業のタイミングまでに、ぜひ収録をさせてもらおうと思っていたのですが、彼が始める事業にももちろんコロナの波はやってきているわけで、
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そんな中、このタイミングで起業をスピードアップさせるという決断になったのだと思います。
もちろん残念ではあったのですが、私のプロジェクトに賛同して仲間まで連れてきてくれた彼、私ももちろん応援する側に回って送り出すことにしました。
そしてリクルーターが紹介をしてくれた演技経験のある彼、この彼も就職をして間もない20代でした。
仕事に打ち込まなきゃいけない大事な時期で、コロナだからこそさらにいろんなことに拍車がかかっていたようです。
その彼からもリクルーターからのメッセージの数日後、なかなか時間が取れないということで、今回のプロジェクトから降りることとなりました。
そして最後、もう一人の女性も実は1歳の子供の産休から復職するタイミングで同じように断念、そして吹き替え担当は誰もいなくなったのでした。
ただ、私がこのコロナ第2波、収録ができないまま月日が過ぎていくのをただただ待っていたわけではありません。
今まで一人でプロジェクトを立ち上げて翻訳して一人三役の吹き替えもしようとすら思っていたので、一人でじりじり待つというようなことははなから考えていませんでした。
では、この辞職中に何をしていたかというと、音声業界の市場調査を進めていました。
今回このプロジェクトで翻訳する番組の制作会社はアメリカにあります。
いきなり無名の個人である私がですね、あなたのポッドキャストが大好きなんで日本語版で配信させてもらっていいですかといったところで取り合ってくれるわけがありません。
しかもこのポッドキャストを制作しているのは私が世界一尊敬するポッドキャスター、音声業界の革命児とも言われるその業界では有名なベテランポッドキャスターです。
これちゃんと作戦を立ててからアプローチしないといけない相手なんですね。
そしてここからはそもそもの話。
そもそもこのすでに有名な人気な元となる英語ポッドキャスト、勝手に日本語版作って配信していいのかというところなんですが、ダメです。
著作権に引っかかります。弁護士がいるし、しかも多額のお金が必要になることです。
これ実は今までにこのポッドキャスターアンバサダーでも取り上げてきた音声業界でも注目のマネタイズ方法、著作権ビジネスになってくるんです。
もちろん私は弁護士でもありませんし、翻訳配信することで必要になる細かい決まりや契約なんていう知識はそもそもないわけです。
そこで立てた作戦というのは知り合いのツテを使って本人にピッチするというもの。
このピッチというのはスタートアップ業界でよく言う短時間のプレゼンのことなんですが、これをするのが一番当たる確率が高いだろうと考えていました。
そしてそのピッチの際にどれだけ私が本気なのかということを分かってもらう材料として、私がこうして仲間に入れてもらった吹き替えをデモテープとして聞いてもらおうというふうに思ってたんです。
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ここまでで実はこのポッドキャスト翻訳プロジェクトで取り組んできたものは、すぐに私が勝手に配信できるようなレベルのものではなくて、
まずそもそもこの番組を作ってきた人に許可をもらう、ゴーサインを出してもらうためのデモテープだったんです。
これ私がプロジェクトを思いついた5年前には理解をしていなかった業界の仕組みでした。
ポッドキャストって無料だし、自分で作ってしまえばすぐに配信できるだろうと。
すでにアメリカでは人気番組なんだから、これを翻訳すればきっとヒットするに違いないというふうに思っていたんですね。
目の付けどころはなかなかいいなと自分では思っていたものの、なぜ人がやっていないのかって思ったらですね、
もちろんこういう巨大な著作権という壁が当然あったからなんでしょうね。
話は戻って、結局去年の夏、コロナで収録ができない代わりに行っていたのがこのピッチに向けた市場調査でした。
実は私、海外のポッドキャストはたくさん聞いてきたんですが、日本のポッドキャストシーンについては知識がほぼゼロでした。
それこそポッドキャストに限らず音声メディアというものがそもそもどのような感じなのかということを日々コツコツとリサーチをしていたわけなんですね。
ここでのリサーチの目的は、アメリカのポッドキャストの大ベテランを納得させるぐらいの材料がこの翻訳プロジェクトにはあるのかどうかということです。
それこそ日本市場に投資をする価値があるものなのかどうか、これを知っておかないといけないわけです。
ただですね、アメリカと日本のそれぞれの市場を知れば知るほどものすごい差を見せつけられました。
もちろんアメリカや中国は音声業界としては先行事例として扱われることが多いほどすでに一歩先、二歩先を行っている市場です。
それこそ翻訳先というターゲットとして見てみてもですね、世界中の日本語話者というのはそもそも母数が少ないわけです。
中国語とかスペイン語なんかの方がよっぽど潜在的なリスナー数は多いんですね。
そんなことを毎日調べるたびに見せつけられて、いやーこれそもそも今の段階でピッチするのが得策ではないのではないかというふうに思ってきました。
逆に日本の音声市場をもっと盛り上げないと、私が憧れるポッドキャスターはこのプロジェクトに見向きもしてくれないんじゃないかと。
そこで思い切って方向転換することにしました。
このポッドキャスト翻訳プロジェクト、実際の翻訳作業は保留。
優先事項として日本の音声市場を盛り上げるという目標を設定し直しました。
これ香港の片隅で一人でどうするんだと、無名の人間がどうするんだと思われるかもしれませんが、ここから地道にコツコツといらんなことをやっていきます。
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決してこのプロジェクトを白紙に戻すことはしません。
そもそもこのポッドキャスト翻訳プロジェクトというのが私が成し遂げたいものであるのには変わりはないんですが、物事にも適切なタイミングがあるということを理解した上で、今回は方向転換をすることにしました。
こうして、吹き替え作業は保留。ただ、新しい挑戦を進めることになったのです。
さて、今回はポッドキャスト翻訳プロジェクトシーズン最終話をお送りしました。
今まで一人で続けてきたプロジェクトに、こうして一瞬でも賛同する仲間ができたことは本当に嬉しい体験でした。
ただ、コロナをきっかけに彼らがいなくなったからといって途中で諦められるプロジェクトではありません。
プロジェクト成功のためには、今、翻訳吹き替えを完成させることを優先するのではなくて、まず日本の音声業界を盛り上げるという面からやっていこうという方向転換。
これが大きな転機となって、昨年からいろんな活動をし始めました。
次回からはシーズン2に突入します。
香港の片隅から一人でもできた、いろんな盛り上げるアイデア、挑戦について引き続きお届けしていきたいと思います。
ぜひ今回のエピソードを聞いた感想は、書き起こし配信をしているnoteのコメント欄かツイッターでお寄せください。お待ちしております。
シーズン最後までお付き合いいただきありがとうございました。
ポッドキャストアンバサダーのあらいりながお送りしました。
それでは次回のエピソードで。
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