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音声業界の海外視聴が見えてくる番組、PODCAST AMBASSADOR。
この番組では、受賞ポッドキャストアンバサダーことあらいりなが、海外で人気のポッドキャスト番組のレビューやおすすめ、そして業界の注目ニュースまで様々な視点でお送りしています。
今回のエピソードでは、昨年末に発表された業界内の大型買収ニュースを取り上げたいと思います。
ブログサイトnoteで紹介したニュースの中でも注目度が高かった一本です。
そこで、今週からそれぞれ違う角度から、この買収に関して深掘りな内容を3話にわたってお届けしたいと思います。
今週はシリーズ第1弾、ポッドキャストニュースと題し、この買収の全体像をまず掴んでいきたいと思います。
テキスト版でご覧になりたい方は、概要欄にリンクを貼っておりますので、そちらからご覧ください。
さて、今回取り上げるニュースは、2020年年末ギリギリに発表されたAmazonのポッドキャスト配信会社の買収です。
買収されたのは、ワンダリーという会社、エンタメオーテフォックスの元幹部であるエルナンロペス氏が、2016年に立ち上げたアメリカのポッドキャスト配信会社です。
現段階でも買収の最終詳細までは明らかになっていないものの、買収額は3億ドル、日本円で約310億円にまで上るそうです。
ここまでは多くの国内ニュースでも取り上げられている内容なんですが、ここからはリスナー目線で、実際にどんなポッドキャストを配信している会社なのか、さっと取り上げていきたいと思います。
まず、どんなタイプのポッドキャストを配信しているかというと、トゥルークライムをはじめとするストーリーテリングタイプの番組が多いんですね。
一つの凶悪事件を取り上げて深掘りするクライムサスペンス的なものもあれば、ジャンル変わってビジネスドキュメンタリー的な番組も人気です。
ただ、番組の作り方はジャンル問わず比較的ドキュメンタリータッチな作りが多い会社です。
それでは、このワンダリーが配信する代表的な番組を3本ほどご紹介したいと思います。
まず1本目はDirty John。
こちら、ネットフリックスのドラマで見たという方もいらっしゃるかもしれません。
このドラマの元になったのが、このポッドキャストなんです。
魅力的な男性詐欺師が、ある女性とその家族を次第に巻き込んでいくという話で、結構ズルズルと引き込まれる展開で、なんとなくヒルドラを見るような気分の番組です。
2本目はDr. Death。
こちらは、医療ミスを取り上げた犯罪ドキュメンタリーです。
腰痛を治してくれると、州でも評判の医師が、実は30人を超える患者に酷い手術を施して、重度の後遺症や、中には死に至るケースも発生したという、とんでもない事件を扱った番組です。
こちら、スペイン語や中国語を含む多言語配信もされている、世界に向けても配信された人気番組の1つです。
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そして3本目は、Business Wars。
こちら、一言で言うと、ポッドキャスト版のガイアの夜明け。
業界で競合する会社を取り上げて、どのようなバトルを繰り広げてきたのか、事実を元に紐解いていく番組です。
いろんなジャンルの会社を取り上げていて、例えば、ナイキ対アディダス、任天堂対ソニーなど、面白い対決が盛りだくさんな番組です。
それでは、そんなNetflixでドラマが配信される程の会社がAmazonに買収された後、どう変わっていくのかというところなんですが、
現在はAmazon側からの発表によると、今後はAmazonの独占配信というのではなくて、まずはAmazonミュージック上でワンダリーの番組が聞けるようになるそうです。
リスナーにとっては、買収されると独占配信で今までより聞きにくくなるんじゃないかなという不安が出ることもあるんですが、
顧客体験を今まで通り維持するべく、iTunesですとかSpotifyなどでももちろん聞き続けられるということです。
ここからは個人的な予想なんですが、一方で、ドキュメンタリー系番組作りに強いワンダリーとAmazonとの買収で気になるのは、
今後のドラマ化というのはAmazonプライム独占配信という可能性はあるんじゃないかなと個人的に踏んでいます。
というのも、この会社のCEOはFOXの元幹部。
今回取り上げた代表作3つどれもドキュメンタリー上の番組で、まさにテレビ番組のドキュメンタリーと似た作り方なんです。
効果音とかセリフが他社の会社の作り方より一層ドラマ仕立てな感じで、
まさに聞いててもテレビの音声だけを聞いているような感覚になるんですよね。
逆に言うとすぐに映像化できそうな番組が多いんです。
そこで、この買収に対するそれぞれの狙いについてなんですが、
まずAmazon側からすると、そんな映像化の土台が整っているからこそ、
これからAmazonが持ついろんな媒体でワンダリーの映像化も含めて使うことができるという点が美味しいんじゃないかなと思っています。
そしてワンダリー側にとっては、もちろん世界中にいるAmazonのプライム会員やスマートスピーカーなど、
Amazonの一段インフラを利用して、今まで以上にリスナーを一気に増やすことができるというのは、
コンテンツ制作側からしても大きな利点なんだと思います。
そこでちょっと気になる点が、ワンダリーの独自アプリやサブスクビジネスの行方です。
実はこの会社は、独自のポッドキャスト再生アプリがあったり、
サブスクリプションモデルで特別コンテンツが聞けるビジネスをしているんです。
Amazonという大手プラットフォームを使うことで、一気にリスナー層を増やせるという利点がある一方で、
今まで独自に作り上げてきたコアなリスナー層を手放すのか、どう折り合いをつけていくのかというところ、
ここの買収の最終調整が明らかになった時点で注目したいポイントの一つです。
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さて、今回はポッドキャストニュースと題し、年末のAmazon・ポッドキャスト会社の買収というニュースの全体像をご紹介しました。
今週から3話にわたってお送りするこのニュース、次回はリスナー目線です。
今回紹介したワンダリーの代表作品の中から、年間500本以上は英語ポッドキャストを聞くあらゆる選んだ注目の一方を深掘りしてご紹介したいと思います。
金曜日に配信予定ですので、ぜひお楽しみに。
今日も最後までお聞きいただきありがとうございました。
ポッドキャストアンバサダーのあらいりながお送りしました。
それでは次回のエピソードで。