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スピーカー 1
あ、本当に?
うん。今日はカジー・モトジローのレモンをやります。
スピーカー 2
え、何?レモン?
スピーカー 1
そう、レモン。ジョン・レノンでしょ?惜しいでしょ?
いや。
違う、そういうことじゃない。
スピーカー 2
待って、俺、ちょっと知らないからあれだけど、レモンって何?
スピーカー 1
レモンってレモンだよ。
スピーカー 2
そういう文学作品?
スピーカー 1
そうだよ。
スピーカー 2
ああ、そういうことね。
スピーカー 1
これ、ミヨンシーさんからリクエストいただいてて、ちょっとまずコメント、バスで読んじゃうけど、
毎週の放送を楽しみにしてます。過去回ではおが太郎さんのしらとり教えが大好きですでに4巡させていただきました。長まろさんにリクエストしたいです。カジー・モトジローのレモンです。というわけでリクエストいただきました。ありがとうございます。
スピーカー 2
すごいね、俺ちょっと知らない、これ。
スピーカー 1
これね、難しいんだよね。
スピーカー 2
ああ、そうなの?
スピーカー 1
難しいっていうか、すげえ短いのよ。ちょっとページ数忘れちゃったけど、十何ページぐらいかじゃない?
20分あれば読めるよ。10分じゃちょっときついかもしれないけど、20分あれば読める。
スピーカー 2
ちなみに、これは何?長まろは読んでたの?
スピーカー 1
話は知ってた。で、今回やるから、もう一回読んだ。
スピーカー 2
ああ、そうなんだ。
スピーカー 1
そう、Kindleで0円だったのよ。すげえ、0円じゃんと思って。
スピーカー 2
えー。
スピーカー 1
そう、ちょっと読みたい人、アマプラ入ってたら、0円で今売ってるから、Kindleでぜひ読んでください。
スピーカー 2
はい。いや、楽しみです。
スピーカー 1
で、まあこれ話短いんで、今日多分すごい話すぐ終わっちゃうんだけれども、
まずカジー・モトジロー知らない人もちょっといると思うんで、ちょっと簡単にだけ説明するけど、
カジー・モトジローは1901年に生まれて、1932年にハイケッカクで亡くなるんだよね。
はいはい。
で、31歳で亡くなっちゃうんだよ。すごい若くして亡くなっちゃった人なんだよね。
うん。
で、1901年だから、まああれだね、明治の終わりぐらいに生まれて、
昭和の始めぐらいに亡くなっちゃったっていう、そんな感じの時代を生きた人なわけよ。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
そう。で、この人も宮沢賢治にちょっと似てるんだけれども、どちらかというと死後評価が高まってった人なんだよね。
ああ、そうなの。
まあ、亡くなる直前ぐらいには、結構作品がこの作品すごいんじゃないの?みたいな感じで、
結構その分断たちにはこう認められてたんだよね。
だからちょっと界隈では、なんか梶本二郎の作品結構いいよみたいな評判がこうちょっとありつつも、
亡くなっちゃうんだよ、病気で。
へえ。
で、そこからやっぱりそういう分断たちが、あの梶本二郎っていうのをこう、
宮沢賢治と一緒だよ、だから梶本二郎っていうのをこのまま埋もれさせちゃいけないっつって、
ちょっとこう広めるような活動とかをしてくれて、どんどんどんどん評価が上がっていったっていう人で、
だからこの人、本当にこのまま亡くなってたら、
何にもこのレモンなんて作品ももちろん全然世に出ることはなかったんだと思うけれども、
死後評価が上がっていったことで、再注目されている。
そんな感じの人なんだよね。
うん。
スピーカー 1
じゃあちょっとあらすじに入りたいんだけれども、
まずこのレモンっていう作品で、私っていう単語が出てくるんだけれども、
私っていうのはこれカジー・モトジローのことなんだよ。
うん。
そう、常に一人称私はカジー・モトジローのことで、カジー・モトジローの話なんだよね。
スピーカー 2
ああ、はいはい。
スピーカー 1
そうそう。で、まず冒頭これ結構有名なフレーズなんだけれども、
そのまま引用して読むけれども、
得体の知れない不吉な塊が私の心を終始抑えつけていた。
こういう感じで始まるんだよ。
うん。
そう、で、得体の知れない不吉な塊って一体何?とかもうそういうのはあると思うんだけれども、
これね、小説の中でこの得体の知れない不吉な塊っていうものの解説は一切ないのよ。
スピーカー 2
ああ、そうなんだ。
スピーカー 1
そう、だからこういうところなんだよ。
結局さ、解説がないから、
これ何?みたいな感じでどんどん話は進んでいくみたいな。
そんな感じなんだよね。
うん。
まあ、とりあえず冒頭はその得体の知れない不吉な塊が、
なんか私の心にこう乗っかってきて、
なんかギューってしてて苦しいんだろうね、きっと。
まあそんな状況ですと。
で、ここからは引用とちょっとなんだろう、
俺のもう勝手な解釈っていうかさ、
ちょっと語りみたいな感じでちょっとあらすじ喋っちゃうけれども、
はい。
肺の病気や神経衰弱、背を焼くような借金が原因ではなくて、
その、いけないのはその不吉な塊であると私は考えているっていう感じなんだよね。
うん。
そう、なんかこの私の心をしゅしゅ抑えつけてるのは、
なんか、まあ病気なんだよ。
病気なんだけれども病気のせいでもなくて、
借金もあるんだよ。
借金のせいでもなくて、
なんかその得体の知れない不吉な塊が原因なんだよっていう、
そういうことをちょっと言ってるんだよね。
私は借金取りに追われるくらいお金はなかったっていう、
まあそういう状況。
うん。
まあただその追われるくらい金はなかったけれども、
別に不吉な塊とはまあちょっとそこはあんまり関係がないんじゃないかっていうのが
ちょっとこの辺こう匂わせてるんだよね。
うん。
で、かつて好きだった音楽や詩に癒されることもなく、
何かが私をいたたまらずさせるのだっていう感じで言ってるんだよね。
スピーカー 2
おー、はい。
スピーカー 1
そう、かつて好きだったっていうところから、
昔まあ音楽とか詩で、
ああいいなみたいないい音楽、
まあジョン・レノンにちょっと繋がっちゃったけど、
ジョン・レノン聞いてさ、
ああいい音楽だぜみたいなさ、
感じで思ってたのが、
今聞くと別にそういうもので癒されなくなっちゃったみたいな、
そういう心境なんだよ。
スピーカー 2
おー、はいはい。
スピーカー 1
そうそう。
で、ここ完全に引用するけど、
なぜだかその頃私はミスボらしくて美しいものに強く引きつけられたのを覚えている。
っていう表現されるんだよ。
で、これミスボらしくて美しいものっていうのはちょっと難しい話なんだけれども、
これ具体的に例があって、ちょっと具体例を言うと、
まず壊れかかった街。
うん。
で、汚い洗濯物が干してあったりする裏通り。
スピーカー 2
おー、はい。
スピーカー 1
あと、おはじき。
うん。
あと、花火の束。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
これ、花火の束ってちょっとよくわかんないじゃん。
うん。
花火ってさ、閃光花火とかってさ、
結構鮮やかな色してない?
スピーカー 2
うんうん。
スピーカー 1
そう、なんかそんな感じ。
それが束になってるのが、
なんだろう、安っぽいじゃん閃光花火なんて。
はっきり言って見た目は。
うん。
スピーカー 2
でも、それがミスボらしくて美しいものになるわけだよ。
スピーカー 1
おー、はいはい。
そう、こういったものに強く引きつけられたのを覚えているっていうことを言ってるんだよね。
で、ここも完全に引用するよ。
生活がまだ蝕まれていなかった以前の好きであったところは、
例えばマルゼンであった。
で、ここで急にマルゼンって出てくるから、
ちょっとマルゼンもちょっと解説があるから引用しちゃうけど、
スピーカー 1
うん。
引用というか、マルゼンは超簡単に言うと、
美術品とかちょっと最先端なものが置いてある、
なんだろうね、今でいうオシャレなお店みたいな、
そんなイメージだと思ってもらえればいいと思うんだけれども。
はい。
その生活が蝕まれていなかった頃は、
マルゼンが好きだったんだよね。
うんうん。
そう。
スピーカー 1
そう、まあ散らかしたみたいな、
そんなイメージでいいと思うけど。
うん。
で、
そんな時にレモンの存在をまた再び思い出すんだよ。
あ、そういえばレモン買ったじゃんみたいな。
で、レモンを見つけて、
その積み上げた画集の上にレモンを置いてみるのよ。
スピーカー 2
あ、はいはい。
スピーカー 1
で、これ引用するけど、
私はほこりっぽいマルゼンの中の空気が、
そのレモンの周囲だけ変に緊張しているような気がした。
まあこんな表現をするのよ。
うん。
そこで私は思いつくんだよね。
はい。
このままレモンを置いたままマルゼンを出ようっていう。
おお。
今こうマルゼン、
まあなんか本棚がいっぱいあってさ、
でなんかこう自分が読もうとしたけど読めなかった本が積み上がってて、
その上にレモンをひゅって置いたのよ。
スピーカー 2
はい。
スピーカー 1
で、ここ引用するけど、
変にくすぐったい気持ちが街の上の私を微笑ませた。
マルゼンの棚へ黄金色に輝く恐ろしい爆弾を仕掛けてきた機械な圧巻が私で、
もう10分後にはあのマルゼンが美術の棚を中心として大爆発をするのだったらどんなに面白いのだろう。
まあこんなことを想像しながら京都の街を歩いていくっていうところで話は終わるんだよね。
スピーカー 2
おお。
何?レモンが爆発物になったってこと?
スピーカー 1
全然意味わかんないでしょ。
スピーカー 2
いやいやすごいよね、なんか。
スピーカー 1
そう。で、全然意味わかんないっていう話だと思うのでちょっと簡単に解説するけど、
話の流れでなんとなく分かった人は多分分かってると思うんだけれどもちょっとポイントだけ解説するね。
うん。
まずこのレモンっていう作品はその私だね。
主人公が置かれている例えばどういう境遇なんですかとかさ、
主人公ってどういう人なんだろうどういう性格なんだろうとかさ、
そういう描写っていうのは一切描かれてないの。一切省かれちゃってるのよ。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、どちらかというと私が感じたこととか経験した体験みたいなさ、
そういうところだけをこうつらつらつらつら描いてるわけね。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
だからさ、その感覚的な世界にこう没頭するような作品になってるから結構読む人を選ぶというかさ、
いや何言ってるか全然分かんないんだけどみたいな人は多分多いんだよ。そういう作品なんだよね。
うん。
まあだからまあ分かりづらいんだよね一言で言うと。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
そんな分かりづらいレモンはちょっとポイントを抑えると意外とこうスッキリするというか。
えっとまずポイントの一つ目が時間軸なんだよね。
うん。
これね大きく分けると3つの時間軸があるのよ。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
まず昔、でもう一つがその頃、で最後は今なんだよね。この3つの時間軸なんだよ。
スピーカー 2
はい。
スピーカー 1
で今はこれを描いてる時なんだよ。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
だから今からすると昔であったりその頃ってなるわけ。で昔っていうのはいわゆるそのマルゼンが好きだった頃だね。
うん。
でその頃っていうのはそのマルゼンが重苦しくなっちゃった頃。レモンを買った時がそれだね。
うん。
そうこの3つの時間軸があるっていうのを念頭に置いて読むと結構スッキリするのよ。
なんかねだからそこも全然解説がないからあれ今これどこの話みたいな感じにもなるのよ。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
でレモンは何を表してるかっていうところがあとはちょっと分かっておくとなるほどねっていう風になるんだけれども。
うん。
レモンってさ唐突に出てきたでしょ。
はい。
これってさまず時間軸の話にちょっと戻るけど昔はマルゼンに置いてあるような画集とかが好きだったんだよね。
うん。
スピーカー 2
でその頃はそれとかを見ると憂鬱に逆になっちゃうんだよ。
スピーカー 1
はいはい。
昔いいなと思ってたものが昔はちょっと嫌悪感というか憂鬱になっちゃう。
でマルゼンに置いてある画集っていうのはいわゆるちょっとこう西洋的なものっていうイメージなんだよ。
うん。
西洋的なものっていうのがちょっとうーって感じになってるのがその頃になるわけね。
スピーカー 2
あーはい。
スピーカー 1
ミスボらしくてなんか美しいものでさなんか裏通りだったりおはじきだったりっていうのはさ全然西洋感がないじゃん。
スピーカー 2
うんうん。
スピーカー 1
そう。
まぁちょっとそこが分かってるとこのレモンっていうものの存在がちょっと分かってくるんだよね。
スピーカー 2
あーはいはい。
スピーカー 1
そう。でレモンは実はその2つの側面を合わせ持つ存在だっていうのを言ってるのよ。
スピーカー 2
はい。
スピーカー 1
これ産地カリフォルニアだっていうのも言ったじゃんレモンのこの産地が。
うん。
カリフォルニアっていうのは当然ながらアメリカだよね。だから西洋的なものの象徴でもあるんだよね。
はい。
スピーカー 2
そうだね今ちょっと自分の中でもまだポカーンとしている部分が多くてこれちょっと読んでみないとわかんないかもしれないな。
読んでもわかんないかも。
スピーカー 1
でもさっき言った解説を頭に置きながら時間軸がこう3つあってで今どの時間軸をちゃんと喋ってるんだっていうのを把握しながら読む。
であとレモンって何を表しているのっていうのをちゃんと理解してるとなんかその頃と昔を対比していろいろこういう表現してるんだなっていうのがこうわかってくるんでレモンっていうのはとにかくその2つを合わせ持つ究極存在なんだっていうところでまあ俺いまだにちょっとレモン爆弾ってちょっといまいちわかんないんだけどとは言ってもまあでもなんか言いたいことはなんとなくわかるんだよね。
そうそういう側面でもう一回あのちょっとかつて読んだことがあってちょっとまた読んでみたいなっていう人は読んでみるとなかなか楽しめるんじゃないかなっていう作品だと思うよ。
スピーカー 2
でもなんかそのちょっと感じるところはさその自分のその時のタイミングでさ感じるものってやっぱ違う時ってあるなっていうのをすごく美しい言葉で語ってるよね。
スピーカー 1
そうそうあのだからその頃と昔っていうのは全然今感じ方が違うよっていうところをなかなか結構すごい表現を使って表してる作品だよね。
スピーカー 2
例えばこの歴史とかなんてまさにそうだなと思っちゃったけどなんか自分はあんま学生の時にそんなに歴史が大好きだっていう感じでもなかったけどなんか大人になるとあれ日本の今までどう歩んできたんだろうっていうのが知りたくなるっていう時が来たりとかしてそんな感じ。
スピーカー 1
だから若い人って確かにねあんまり歴史とかさその成り立ちがどうとかっていうのは気にしない気にしないというか興味があんまりないんだろうね。なんかやっぱりさこう長く生きてくるとさ深みを感じたくなるというかさなんでこれはこうなんだろうっていうさその根本的なところを知りたくなるっていう欲求はなんか強まるなとは思う。
スピーカー 2
あーそうなんだ。すごいなレモンってタイトルがレモンなんでしょ?
スピーカー 1
そうだよ。
スピーカー 2
レモンって言ったらもう音楽の大ヒットしたレモンが思い浮かんだけど。
スピーカー 1
いや知らない。レモンって誰?
スピーカー 2
あのヨネズさん。
スピーカー 1
誰?友達?
スピーカー 2
ヨネズ剣士のレモンって大ヒットしたじゃん。
スピーカー 1
俺全くピンとこないな。
スピーカー 2
うそー。
スピーカー 1
いや聞けばわかるのかもしんないけど。
スピーカー 2
うんまあそれはいいんだけどさなんか聞いてる人もうわーって惹きつけられた回だったと思うけどねこれ。
スピーカー 1
でもほらこれさ俺思ったんだけどさカジー・モトジローのレモンって多分尾形郎がやった方が面白かったと思うんだよ。これそういう作品だからどっちかっていうと。
スピーカー 2
カジー・モトジローってどのぐらいの時期の人だっけ?
スピーカー 1
だから明治の終わりから昭和の初めぐらい。
スピーカー 2
あーそうなんだ。
スピーカー 1
作品自体は全部昭和だよ。
若くして死んじゃってるからさ昭和になってから出してるから。
スピーカー 2
あそうなんだ。
またレモンっていうのを題材にしたのがちょっと面白いな。
じゃあ多分皆さんの中でなんかこう来るものがあったんじゃないでしょうか。
スピーカー 1
なったよそれ。
スピーカー 2
はいということで今回はカジー・モトジローのレモンでした。
スピーカー 1
はい。
スピーカー 2
きっとね皆さんにも何かできるはずだって思える回になったんじゃないかなって思ってますし、
まずはこの番組のフォローボタンを押すことから始めてみませんか。
スピーカー 1
フォローボタンを押すと尾形郎が喜びます。
スピーカー 2
はいレモン爆弾です。
スピーカー 1
そこでレモン爆弾出てくるんか。
スピーカー 2
ということで最後まで聞いていただいてありがとうございました。
スピーカー 1
ありがとうございました。