00:06
宮武 徹郎
みなさん、こんにちは。久田のみきです。 池崎哲郎です。
草野 みき
Off Topicは、アメリカを中心に最新テクニスやスタートアップ、ビジネス情報を 緩く深掘りしながらご紹介する番組です。
今回のトピックは、Googleのムーンショットについて話していきたいと思います。
はい。 久しぶりのGoogle。
宮武 徹郎
そんな久しぶりですかね。 そうでもないですね。 割と最近。
一番最近は、メディア系の話が連続で続いちゃったと思うんですけど、 その前は、たぶん、ちょうどGoogleの話してたと思うので。
草野 みき
Google、深掘りめっちゃ面白いですもんね。
宮武 徹郎
そうですね。ちょうど今、いろんな意味でのターニングポイントのタイミングだと思うので。
AIとか。
そして、特にAIの発展の中で、ジェミネをどうするかとか、 そこら辺のいろいろ話があると思うんですけど。
今日に関しては、Googleの次のムーンショット事業は何になるかっていうところについて話していきたいと思うんですけど。
なんか、すごいざっくりGoogleの今の状況を話すと、 去年ですと78%弱の売り上げが広告から来てるんですよね。
それはGoogle検索の広告と、あとYouTubeの広告から来ていると思うんですけど。
やっぱり、今のままで大丈夫なのかという話を、たぶん、数回前に話したと思うんですけど。
それが本当に、AIの発展でしたり、規制の問題でしたり。
あとは、そもそも今の検索事業のビジネスモデルが次のAI世代で、 どこまで通用するのか、どこまで変わるのかによって、Googleが次の柱を見つけないといけない。
広告以外のものってことですか?
草野 みき
そうですね。場合によっては、検索以外のもの。
宮武 徹郎
やっぱり、Googleって今まで検索にすごい集中したビジネスだったので、ここもたぶん、来週とか話すと思うんですけど。
次の柱になりえそうなプロジェクトを作ろうとは、ずっとしてきた会社でもあるんですよね。
新しいプロダクトとか、いっぱい出してますもんね。
草野 みき
プロトタイプみたいなものをいっぱい出してたりするじゃないですか。
宮武 徹郎
草野さん的に、これはちょっと印象的だったっていうのあったりします?
草野 みき
製品化までは言ってないんですけど、昔、たぶん2、3年前に出してた音で、環境音で通知をするみたいなサービス。
03:05
草野 みき
サービスのプロトタイプを作ってて、風が吹くことによって気づくみたいなのがあったから。
宮武 徹郎
すごい。それで、スマホとかの通知をそれで感知できるみたいな感じなんですか?
そんな感じだったと思いますね。
別に聞いたことなかったです。
草野 みき
不快に思わない、自然に気づくみたいなやつだった気がします。
ちょっと思い出したら、リンク貼っておきます。
宮武 徹郎
でも、確かにそれは、それですごい良さそうですけどね。
草野 みき
でも、気づかないっていうこともあるかもしれないですね。
宮武 徹郎
匂いとかだったら、アプリによってちょっと違う匂いとかになるんですかね?
草野 みき
確かに。思い出したので言っておくと、Googleシードスタジオっていうプロトタイプのプロジェクトで、
リトルシグナルズっていう、近くの植物の葉っぱを揺らしたり、ノックする音とか影の動きとか、そよ風で情報を伝えるっていうUIのサービスをやってて、
匂いじゃなかったですね。でも、そよ風、影の動きとか。
宮武 徹郎
へー。
草野 みき
あんまりストレスじゃない、ストレスの感じない通知を、みたいなのは面白いなと思いました。
宮武 徹郎
確かに、ファントムバイブレーションとか、通知が来たと感じるんですけど、実際、いわゆる振動してるように感じてしまうけど、振動してない。
現象とかって、よくスマホを使えないという人は起きたりすると思うので、そういうのを減らすっていうか、そこのストレスを減らすために考えられたアイデアですよね。
そういうプロジェクトってGoogleってよくやって、それがうまくいけば、スピンオフしたりとか、ちゃんとプロジェクト化して、そこからちゃんと会社化して、
うまくいけば、例えばYouTubeみたいに、別の事業部として、ちゃんとPLも公開して出したりとかするときもあったりするので、
今日はそこのGoogleの、もちろん全部ではないですけど、プロトタイプ作りすぎてる会社なので、
個人的にここは、もしかしたら可能性があるみたいな話をできればなと思っているんですけど、最初に会社側としては、初期のプロダクトっていうのは、元々それによって会社が作られているわけなので、
その次のプロダクト、次のイノベーションを作るためにどういう風なことをやっているかって言うと、よくあるパターンがイノベーションラボみたいなのを作るパターンですよね。
06:01
宮武 徹郎
で、かっこですと、HPとかGoogleとか、スターバックスとか、SAPPとか、DELLとか、T-Mobileとか、CBSとか、セフォラとかも、いろんな会社がイノベーションラボっていうのを作ってきていると思うんですけど、今年だけでも結構なイノベーションラボってすでに立ち上がっていて、
で、場合によってはテック企業じゃないところも立ち上げると思うので、例えばですけど、M&Mとか、スニッカーの親会社で、MARSっていう会社があるんですけど、そこが70ミリオンくらい投資したイノベーションラボっていうのを、今年、ローンチしたり。
草野 みき
それは、本当にそれ専用のエンジニアの人がいて、みたいな、アクセラレーターというよりは、社内で、みたいな。
宮武 徹郎
それはもうちょっと社内的なやつです。なんで、新しいテストキッチンを作ったりとか、パッケージング専用のラボを作ったりとか、
草野 みき
なるほど。
宮武 徹郎
あと、サッカーリーグのMLSもイノベーションラボを作ったり、あと、ジョージャ州のイノベーションラボを立ち上げたり、あと、最近ですと、エステラウダーがマイクロソフトと提携してイノベーションラボを作ったりとかもしてたりするので、
これも、自社で全部やるパターンと、アクセラレーターっていうパターンと、VC、ベンチャー投資っていうパターンとか、いろんなパターンがあったりすると思うんですけど、
これを、このエピソードの色々調べてたときに、あるハーバードビジネスレビューの記事が出てたんですけど、9割ぐらいのイノベーションラボは失敗するみたいな数字があって、
やっぱり難しいんだっていう。
草野 みき
そうですよね。
宮武 徹郎
確かに、最近、知り合いトークでもその話をしましたよね。
やっぱり、新しいアイディアとかいっぱい出てきたりするんですけど、場合によって、会社の戦略とうまくアライメントがなかったりとか、
それで、実験としては面白かったり、商業利用としてはちょっと難しかったりとか、いろんな理由で失敗する事例って出てきたりとかすると思うんですけど、
その中で、Googleは何をしてるかっていう話をするべきかなっていうところで、Googleですと、夢の話ですけど、2015年に会社の組織編成を行って、
Googleっていう名前ではなくて、アルファベットっていう会社の中で、Googleっていうコア事業と、他のベッドをするような感じで事業を分けましたと、会社を分けましたと。
その主な理由としては、何百と多分Googleっていろんな新しいアイディアを検討する中で、ちゃんとプロジェクト化して、そこがいつか大きな柱になった場合に、
それにコア事業にとらわれないために別会社として、別の子会社として立ち上げてたと思うんですけど、
09:06
宮武 徹郎
場合によっては、彼らはそこで買収してそこに入れたりとかするパターンもあれば、自社で全部インキュベーションするパターンとかもあったりするので、
多分買収した一番良かった事例は、場合によっては、ディープマインドとか。
草野 みき
おー、YouTubeとか。
宮武 徹郎
YouTubeとかもそうですよね。
草野 みき
YouTubeですと、アザーベッツがある前とか、ディープマインドもそうかもしれないですけど。
宮武 徹郎
で、多分他に有名なやつとかですと、ウェイモとかですよね。
草野 みき
あー、アンドロイドも買収ですけど。
宮武 徹郎
アンドロイドも買収なんですけど、それはだいぶ前の話になる。
まあ、結構Googleって買収、上手くいってる買収って結構あったりするので。
草野 みき
多いですよね。
宮武 徹郎
それこそ多分、すごい有名なやつとかですと、ダブルクリックって、Googleの広告ビジネスの基盤となったのがダブルクリックだったりするので、
まあ、いろんな意味合いで買収を成功して、買収失敗してる事例もいっぱいありますけど。
でも、そういう形でウェイモとか、いろんなそれ以外の、例えばヘルスケアとかバイオテックとか、インターネットインフラとか、そういうのいろんな領域に入っているんですけど、
アザーベッツっていう全体の事業でいきますと、
2014年では7.3ビリオンぐらいの売上を達成してたんですけど、ただ営業損失が37.3ビリオンあったので、めちゃくちゃ赤を掘ってましたと。
すごい登場してたのが、去年ですと売上はだいぶ下がったんですけど、1.5ビリオンぐらいまで下がったんですけど、営業損失が4.1ビリオンまで改善されたので、
これは多分、一部アザーベッツから違うところにスピンアウトさせたりとか、それによって売上が落ちたりとか、営業利益が変わったりとかしていると思うので、
正式に何がそれを1.5ビリオンの売上に含まれているかっていうのを詳細は教えてくれないので。
ちょまど それは今年から広告部門にこれが移動してるかもみたいな感じってことですか。どれがどう移動したかちょっとわからないけど。
おだしょー 結構、Googleから切り離す場合もあったりするんですよ。それで外部から調達するみたいな。
まさにウェイモとかここから来たりとか、ベリリーっていうヘルスケア領域のデータアナリティクス系の会社があったり、後ほど話しますけど、アイソモフィックラボっていう製薬メーカーもあったり、
Googleファイバーっていう光ファイバーですね、もあったり、あとコーラスっていうサプライチェーンセンサーみたいな、それ以外も多分何十プロジェクトがあったりすると思うんですけど、直近ここ数年間ですと、特に多分ここ1,2年間ですとGoogleは結構コストカットをやっているじゃないですか。
12:17
宮武 徹郎
もちろん、このXmoonshot部門もめちゃくちゃ影響を受けていて、何人かっていうのが正直わからないんですけど、結構レイオフもしていますし、場合によってはプロジェクトをシャットダウンしてますし、多分すごい有名なやつですと、2021年にシャットダウンした高高度気球のルーンっていうサービスがあるんですけど、気球を通してインターネットをばらまくっていう。
衛星的な感じで。
そんな感じです。それを気球でやるっていう。
草野 みき
へー。
宮武 徹郎
そういうプロジェクトがすごい有名なプロジェクトですけど、それをシャットダウンしたりとか、あと漁師コンピューティングの会社があったんですけど、それを完全にスピンオフして、別途500ミリオンぐらいVCから調達したりとかしているので、
最近ですと結構自社で全部抱えるのではなくて、もう他社のお金を使ってくださいというところで、他社のVCから調達してくださいっていう雰囲気にはなってるっぽいですと。
その中でも多分ウェイモとかは割と上手くいったベッドかなっていうところで、直近です。それこそ我々もこの間乗りましたけど、有料トリップが5万回超えたらしいので、最近。
へー。
そういうのは割と今のところは上手くいってるのかなというところなんですけど、やっぱりGoogleの今までのアプローチがちょっと懸念されてるのかなっていうふうには思いますよね。
草野 みき
そのムーンショットファクトリー、それは結構昔からあるんですか?
宮武 徹郎
多分10年ぐらい前からあるものですね。
チームはそこのアクセラレーターみたいな要素もあるんですか?
結構社内でやったり、あとは買収したプロジェクトがその配下に入ったりすることもあるんですけど、基本的に社内のインキュベーションプロジェクトが多いって聞きますね。
草野 みき
どういうふうにプロジェクトが採択されるのか気になりますね。
宮武 徹郎
基本的にクレイジーなベッドじゃないといけないみたいな前提があるらしいんですけど。
草野 みき
あー、確かに。気球インターネットはクレイジーなエリアかもしれないですね。なんか面白そうですけど。
宮武 徹郎
それこそ、アザベツ系の会社ですとディープマインドとかが多分すごいうまく今いってると思うんですけど、特に今ですとAIがGoogleの基盤となっているので、そこを多分リードしてるのがディープマインドですけど。
ディープマインドですら今のやり方が正しいのかっていうのがすごい問われてるタイミングでもあって。
15:05
宮武 徹郎
それこそ最近サムアルトマンがポッドキャスト出てた時に言ってたんですけど、ディープマインドの組織っていうのが結構分散してるっていう話をしてたんですよね。
ディープマインドだといろんな小さいプロジェクトがあって、そこにいろんな小さいチームがあって、そこでいろんな面白いことをやって、それがうまくいけばどんどんみんなそこに集中していくっていう話だったんですけど。
オープンエアはちょっと違くて、結構集権型の組織だっていう話をしてたんですよね。でも、それを集権型だったからこそGPD4みたいなものが作れたっていう話をサムアルトマンが言っていて。
より複雑な問題に関しては、小さいチームだともう足りないと。会社全体でやらないと結構そこって成し遂げないんじゃないかっていう話をしていて。
グーグルのアザベッツ部門とかXmoonFactoryとかも、XmoonShotFactoryとかも似たような指摘はできるかなと思っていて。
いっぱいプロジェクトを走らせているのは果たして本当に正しいのかっていう疑問はあると思いますし。
あと、どこまで各プロジェクトはグーグルのミッションである世界の情報を整理するっていう、全員がアクセスできるような形にするっていうのにアラインしてるのかっていうと、
例えば本当にWaymoってそれアラインしてるんですかって言われるとちょっと微妙なところあったりとか。
草野 みき
そうなんですね。
宮武 徹郎
やっぱり自動運転情報の整理、どうつなぎ込めばいいんだろうって、多少なりつなぎ込むことはできると思うんですけど。
草野 みき
やりたいことをもっと集中すべきではってことですか。
宮武 徹郎
そうですね、もしかしたら。それは今の多くの人が言ってる指摘ポイントとしては。
広くやりすぎて、結局どれもちゃんと柱になってないんじゃないかっていう指摘ですよね。
そもそもシリコンバレーでいろんな会社が、グーグルと似たようなXムーンショットファクトリーと似たような取り組みって行ってきたわけなんですよね。
イノベーションラボとか。ただその時代が終わったんじゃないかっていう人たちもいて。
特にそのコストカットのタイミングでもあったり、レイオフとか皆さんやってる中で。
例えばAmazonとかもその社内インキュベーター、グランドチャレンジっていうインキュベーターがあるんですけど、それをシャットダウンしたりとか。
そこだと、エコーフレームっていうスマートメガネでしたり。
18:00
宮武 徹郎
あと、がん治療の研究やってたりとか。
へー。
いろんなことみんなやるんですよ。
バーチャルツーリズム系のプロダクトAmazonエクスプロアっていうやつとか。
あと子供向きのデバイスAmazonグロウとか。
いろんなものを作ってたんですけど、全部それをシャットダウンしたり。
草野 みき
どう思いますか?宮武さんだったらシャットダウンすべきだと思うんですか?
宮武 徹郎
もちろん全部やる必要があるのかっていうところはあると思うんですけど。
ただ、Googleの場合ですと、ラディペイジとセルゲイブリンがIPO時に市販機ごとの、そこはやり続けるべきだと思いますし。
それをめちゃくちゃお金使ってやってるところだと、メタとかなんですよね。
彼らはAIとメタバースっていう2つのめちゃくちゃ大きなところにベッドしてますけど。
メタでさえそこの選択と集中はしてるわけなんですよね。
Facebookのニュースタブをクローズしたり。
あとニュースレターのプロダクトもありましたね。
それもシャットダウンしたり。
デバイス系で言うとポータルとかもシャットダウンしましたよね。
もちろんどこまで商業的にうまくいくのかと、こういうインキュベーションプロジェクトが。
そういう疑問点ももちろんあるかなと思いますし。
場合によってはこういう会社のインキュベーターとか研究チームとかから出てくるものって、実は最終的に他社が利用して儲かるんじゃないかっていう説もあったり。
草野 みき
どういうことですか。
宮武 徹郎
例えばなんですけど、たぶん一番わかりやすくて一番代表的な事例が、Zeroxっていう会社がすごい有名なめちゃくちゃいい研究所を持ってたんですよね。
Zerox PARCっていう。
そこでいろんなイノベーションをやったんですけど、
例えば彼らがGUI、グラフィックユーザーインターフェースとか、パソコンのマウスをそこで最初に開発してたんですけど。
それをある日、スティーブ・ジョブズがそこに招待されて、それを見て、これを使えるって思って、実際マウスを本当に使ったのがAppleだったりするんですよね。
Zeroxが作ったのに結局彼らが使わなかったっていう。
ただのおもちゃ、ただのプロトタイプで終わったっていう。
草野 みき
悲しい、それは。
宮武 徹郎
そこら辺の、例えば今メタがこれだけ投資してるっていうのを、たぶん業界にとってはめちゃくちゃよかったりするんですけど、
メタにとってどこまでいいのかっていうのは、まだまだわからない部分かなっていうところがありますし。
結果としてGoogleはどこまで今までのムーンショットで成功したのかっていうと、
21:04
宮武 徹郎
たぶんディープマインドとかを除くとウェイモとかが入ってくると思うんですけど、
なので結果的に見ると、もしかしたらそこの投資はやめたほうがいいんじゃないかという人たちもいると思うんですけど、
個人的には、いくつか大きめなムーンショットがこれから来るんじゃないかなと思っていて、
そこについていくつか話していきたいと思うんですけど、
まずはこれはディープマインドから来たプロジェクトなんですけど、
アルファフォールドっていう技術がありまして、
最近数週間前、数ヶ月前かもしれないですけど、
Googleがアルファフォールド3っていうものをリリースしたんですよ。
そもそもアルファフォールド3の前に1と2は何だっていう話になってくるんですけど、
そもそもアルファフォールドっていうものは何だっていうところになるんですけど、
これはGoogleディープマインドが作ったAIシステムなんですけど、
何をやってるAIシステムかというと、
タンパク質の構造予測をするんですよ。
タンパク質っていうものの3Dの形がどんなものなのかっていうのを予測してくれるAIシステムなんですよ。
草野 みき
それによってどういうことができるんですか。
宮武 徹郎
そもそもタンパク質って3文字のDNA配列がアミノ酸を作って、
アミノ酸が連続でいっぱい続くとタンパク質。
タンパク質ってボールみたいな形をしてるんですけど、
完全にその構造がわかんないんですよね。
その構造を知ることによって何ができるかというと、
タンパク質っていろんなものにくっついたりするので、
ちゃんと何にくっつくかがわかるようになるんですよ。
すごい簡単に言うと。
それ読めないんですよ、今のところ。
2Dでアミノ酸のあれだけ見てはわかんないんですよ。
その形が実はすごい重要で、
いわゆるパズルみたいにそこにフィットするのかフィットしないのかによって、
そのタンパク質がやってくれる効果が、
実現するか実現しないか全部決まってくるので。
実はこれってすごい重要な話。
Google DeepMindが何をやったかというと、
一部のちゃんと画像化してるものがあるんですよ。
3D画像として収めてるものがあるんですけど、
それをひたすらその画像をトレーニングデータとして活用して、
それでその他のタンパク質の3D構造を全部予測したんですよ。
24:00
宮武 徹郎
これってすごいめちゃくちゃインパクトがあるもので、
単純に今まで過去40年間ぐらい、
いろんな生物学者がタンパク質の構造を、
いわゆるその3Dの形をちょっとずつ作ってたんですよね。
これはこういうふうな形になるんだっていうのを作ってたんですけど、
今まで15万ぐらいのタンパク質の形がわかったんですよ。
これってめちゃくちゃ複雑なテクノロジーを使ってますし、
なんとなくのどれくらい時間かかるかというと、
一人の博士号のPhDの学生が、
だいたい4,5年かけて、
1つのタンパク質の構造がわかるんですよ。
めっちゃ時間かかるんですよ。
草野 みき
学生生活かけて、人生かけて1個。
時間めっちゃかかりますね。
宮武 徹郎
今、15万って言ったじゃないですか、タンパク質がわかる形の数が。
全体で2億以上あるんですよ。
なんで今、0.075%ぐらいしかたどり着いてなくて。
でもこれ一生かかるんですよ。
草野 みき
すごいですね。
宮武 徹郎
それを2億個のタンパク質の形を、
1年間でGoogle DeepFinder予想できたんですよ。
へー。
もちろんおそらく間違いとかあるかもしれないですけど、
今のところ結構正しいっていう話、今はなっていて。
草野 みき
これまでの15万のデータも使ってくれたんですよね、きっと。
宮武 徹郎
そうです。もちろん使ってくれたんです。
無駄だっていう話ではなくて。
草野 みき
そのデータも活用されて。
宮武 徹郎
そのデータを活用してできたものなので、
それがなければもちろんできないですね。
でも、それがアルファフォールドとかの技術なんですけど、
今回のアルファフォールド3に関しては、
さらに小さい分子とか、
あとはそれがどう組み合わせるのかっていうシミュレーションまでできるようになっていて、
これってやっぱりなぜ重要なのかっていうと、
例えば新しい薬を作っているとき、
例えばそれがバイオ薬品、タンパク質ベースなものも多いと思うんですけど、
それを作るときに、
例えばガンを治療したいですと。
ガンを治療するときに、
あるタンパク質がガンの細胞とちゃんとくっつきますと、
それが分かりましたと。
それを使って、いろんな研究とかいろんな検証を行って、
実際それが薬としてうまくいくのかっていうのを確認しましょうと。
だいたい10年ぐらいかかるんですよね。
例えば10年間の中で8年ぐらい進んで、
27:00
宮武 徹郎
そこで場合によっては何千億円かけるじゃないですか、薬なので。
そこで最後の最後に、
実はこのタンパク質は体の違う部分の細胞ともくっついてしまって、
それですごい悪影響を及ぼしてしまうっていうのって、
これってめちゃくちゃ起きることなんですよ。
へー。
それで薬の制約プロセスが止まるんですよ。
止まって、もう一回ゼロからやり直さないといけないっていうことになるんですよ。
草野 みき
それはもう予測できない。
宮武 徹郎
今までは予測できなかったんですよね。
これをよくオフターゲット効果って呼んでたんですけど、
いわゆるターゲットとしてた細胞以外の違うところにもくっついちゃったり、
違うところに影響を及ぼしてしまった。
だからこそ結構時間がかかったっていうのもあったんですよね。
いろいろ検証するのって、いろんなシナリオに薬を与えて、
それで何か変なことが起きないかっていうのをずっと確認するんですよね。
それが起きないとわからないっていうのが今までだったんですよ。
でもそれが初めてちゃんとシミュレーションをできるようになり始めてるんですよ。
そうすると本当に、例えば何か薬を作ったときにそれの3Dモデルを作って、
それが体の中でどういうふうな影響を及ぼすかっていうのを全部シミュレーションできるようになると、
オフターゲット効果を全部防げるようになっていて、
そうすると本当に薬だけじゃなくて、
いろんな意味合いで生物学とか化学の中で、
新しい本当にソフトウェアを活用したデザインができるような時代が来るんですよ。
草野 みき
本当に人間ってまだまだ謎が多いんです。
人間とか生物って。
そこでまだ研究しきれなかったところがAIとかによって解明されて、
うまくいっていくみたいなのって本当にすごいですね。
めっちゃ長生きできそう。
宮武 徹郎
本当に多分そういう領域に入ってくるはずです。
草野 みき
こんなに人間いっぱいいるのにまだわからないことがあったって面白いですよね。
面白いです。
それはそうだって話なんですけど。
宮武 徹郎
でもやっぱりそれを理解するためのこういう技術が出てきているっていうところはすごい面白いですし、
アルファフォールドってオープンソースしてるんですよ。
Googleって。
草野 みき
そのタンパク質の。
タンパク質の3D構造予測データを。
宮武 徹郎
なので実は誰でもアクセスできたりするんですけど、
アルファフォールドバージョン1とバージョン2はオープンソースしてるんですよ。
今回発表されたアルファフォールド3、いわゆる全部のシミュレーションまでやってくれるような技術に関しては、
30:01
宮武 徹郎
実はオープンソースしてないんですよ。
買わないといけない。
買わないといけないっていうか、彼らは公開しないんですよ。
販売もしないんですよ。
彼らのアイソモフィックラボっていう子会社、いわゆる製薬会社が使う技術になっていて、
そこが今年の1月ですかね、
製薬会社のELIDDとNOVARTISと提携して、
それが3ビリオンぐらいの契約になったんじゃないかって言われてるんですけど、
なんで、今まではオープンソースしたんですけど、
急にクローズドにしたのって、
多分なんですけど、めちゃくちゃマネ対し出すっていうところだと思うんですよね。
草野 みき
すごいですね。
今まで結構メディカル系の、
Amazonとかもその部分最近なくなったじゃないですか、医療の。
だからついに特許企業のメディカル系、
しかも結構ラボっぽいちゃんとしたところが成功し始めているんですね。
宮武 徹郎
特に商業的な成功っていうのが今まで事例としてそこまでなかったと思うんですよね。
研究としてすごい面白いことみんなやってたりとかしてたと思うんですけど、
ここまでいったっていうのはやっぱすごいと思いますし、
なんで今ですとアルファボード3のところに行くと、
オープンソースではないので中身は見れないんですけど、
科学者とかが商業利用以外のために使えるような、
ウェブベースのビューアーみたいのがあって、
それは使えるようになってるんですけど、
でもやっぱりオープンソースしないっていう判断はやっぱり、
これから大きな事業になり得るっていうのが、
たぶん彼らが一番理解してるからやってるかなって思いますよね。
草野 みき
いいやつはちょっとむしゃらな人、会社として。
そうなんですね。
宮武 徹郎
だいたいなんとなくのルールを言うと、
草野 みき
自分が業界から遅れている場合はどんどんオープンソースしちゃって、
リードを持った瞬間クローズドにするっていう。
確かにプラットフォーマーの戦略ですね。
無料で開放して、一番マーケット取ったらホールドするっていう。
宮武 徹郎
まさにそうなんですよ。
それをうまくGoogleがこのアイソモフェックラボでやってるんじゃないかという話が一つ目ありますよね。
二つ目、個人的にはこれはムーンショットではないと思うんですけど、
一応Googleの次の大きな事業っていう話の中で、
逆に話さないとちょっとみんななぜこれ話さなかったんだっていう風になると思うので、
33:00
宮武 徹郎
一応言っておきますけど、
GoogleがCRMの会社のハブスポットを買収したいみたいな噂が出てますと。
実際にもしかしたら、我々がこのエピソードを公開したタイミングではもう買収してる、
もしくは買収しなかったっていう判断になってるかもしれないですけど、
一応この収録時点では検討しているっていう話は出ていますと。
ハブスポットの自家倉庫大体30ビリオンぐらいなので、今現在は。
なのでGoogleとしてはおそらく30ビリオンのお金を払えないので、
それ以上のお金を払わないとそもそも買収合意してくれないと思うので、
なのでおそらく40ビリオンぐらいの資金を払わないといけないですと。
6兆円ぐらいですよね。
Googleは一応111ビリオン分のキャッシュは持っているので、
なので一応全然お金的、お金キャッシュだけでやるわけではないとは思うんですけど、
もしキャッシュだけでやりたければそれでできるんですけど、
それでも結構な割合になるので、
それ以外の本当は例えば自社のチップの開発とか、
いろんなところに投資ができる中で、
そこにハブスポットに投資するべき、
いわゆる買収するべきなのかっていう話がありますし、
あとこれはもし買収が成立した場合は、
Googleとしては過去最大の買収になるんですよね。
30ビリオンの買収ってなかなか、
40ビリオンの買収ってなかなかないじゃないですか。
草野 みき
確かに。
宮武 徹郎
フィグマはもうちょっと。
フィグマは20ビリオンぐらいでしたよね、確か。
それでさえ。
それも。
宮武 徹郎
一応Googleの過去の一番大きな買収で言うと、
モトローラっていうモバイル系の会社を12.5ビリオンで2012年に買収して、
これはよく失敗したみたいなこと言われてますけど、
宮武 徹郎
その次が2022年に買収したサイバーセキュリティー系の会社、
マンディアントっていう会社。
その次が2014年に3.2ビリオンで買収したネストですね。
草野 みき
IoT系ですか。
宮武 徹郎
そうですね。
それ以外ですと、2007年に先ほども話したダブルクリックとか、
あとルッカーとか、
BIツールですね。
あとフィットビット。
草野 みき
あったな。
宮武 徹郎
ありましたよね。
あとYouTubeとか、あとWaze。
草野 みき
確かに確かに。
宮武 徹郎
これも全部数ビリオンぐらいの単位とかですね、
1.何ビリオンとかそのぐらいの単位で買収しているので、
それと比べると圧倒的に多分額が大きいところで、
一応今現在収録している時点ですと、
モーガン・スタンレーと彼らのアドバイザーとその話をしていて、
さらにハブスポットとも一応話してはいるっていう話にはなっていますと。
36:05
宮武 徹郎
まずなんですけど、そもそもこの買収は、
もしやりたくてもおそらく成立しませんっていう前提を
多分話した方がいいと思いますと。
草野 みき
やっぱそうなんですか。
宮武 徹郎
レギュレーション的、独占禁止法のもとで多分止まると思います。
草野 みき
なんでじゃあこんな無理なことをやってるんですか。
宮武 徹郎
そこはちょっと不思議ですよね。
多分なんですけど、Googleとしては、
セールスフォースとマイクロソフトっていう強いプレイヤーがいるので、
一番手を買収しようとしてるわけじゃないので、
いいんじゃないかっていう多分、
そういう議論をしようとすると思うんですけど、
多分アメリカ政府が、これってGoogleの広告事業の一環として、
買収しようとしてるプロダクトなので、
それは良くないですよねっていう多分話をすると思うんですよ。
すでにアメリカ政府ってもう、
Googleの広告事業をすごい目をつけてるわけなので、
絶対ブロックしに行きますと。
草野 みき
結構じゃあ無茶な感じでもあるんですね。
宮武 徹郎
成立したとしても、2,3年はかかるんじゃないかなって思いますよね。
そういった意味だとGoogleとしては、
今のうちにやっちゃえっていう話かもしれないですけど、
一応前提としてはそういう背景があるんですけど、
一応ハブスポットとしてはその実績だけ話しますと、
去年2.2ビリオンぐらいの売り上げで、
一応176ミリオンぐらいの赤字ではあったんですけど、
今20万社ぐらいが利用してくれてるサービスなんですけど、
やっぱりすごいのが、
最初の10万社を獲得するのに15年間かかったんですよ。
次の10万社を獲得するのに3年以内でできたんですよ。
やっぱりどんどん大きくなると、
より獲得しやすいというか、
その資金も持っているわけなので。
草野 みき
でもハブスポット結構昔からある会社ですもんね。
宮武 徹郎
そうですね。しかも上場したのがちょうど10年前なので。
草野 みき
そんな前なんですね。
宮武 徹郎
2014年の10月ですね。
その時は1ビリオンぐらいの字が総額だったんですよ。
今30ビリオンになってるので、
10年間で30倍成長って、
それはそれですごいことだと思うので。
当時は1ビリオンぐらいの字が総額で上場できた時代ですよね。
今なかなかできないですけど。
草野 みき
大きくなってるっていうのもありますけど、
需要はでも高まってますもんね。
ビーム系じゃなくても普通に。
39:00
草野 みき
CRM使いたいコンシューマーの人はいっぱいいるし。
宮武 徹郎
特に我々も検討したことありますもんね。
草野 みき
やっぱりそうなんですね。
結構昔からある会社だから、
そんなにでも成長してますね。すごいな。
宮武 徹郎
ボストン出身ですし、会社は。
なかなかシリコンバレーみたいな会社ではなかったですし。
インバウンドマーケティングっていう概念を作ったのがハブスポット。
草野 みき
確かに。
宮武 徹郎
たぶん言葉自体作ったのがハブスポットだと思うんですよ。
すごい面白い会社ですし。
Googleがメディアで買収のことが報道されてるときに
よく言われてるのが
Googleはマイクロソフトオフィスと対抗したいために
買収するんじゃないかと。
そういう生産性のプロダクトの中で
GoogleはGoogleワークスペースっていうものがあるので
それに追加でハブスポット、CRM的なツールを入れると
マイクロソフト、場合によってはセールスフォースと
しっかり対抗ができるんじゃないかというところで
いわゆるバンドル戦略みたいな感じですよね。
ただ個人的にはそれ以外に
広告領域のほうがフィットしてるのかなっていうところで
結局Googleの検索広告をかけた場合に
リードを獲得できるんですけど
そのリードをちゃんと管理してトラッキングする場所で
今Googleでは存在しないので
それがいわゆるハブスポットになるっていう
いわゆる広告出した後ですね。
今あんまりなくて
特に今後ですとGoogleも
ブラウザーからクッキーの機能を取り除くじゃないですか
取り除こうと毎回毎回延期になっちゃいますけど
なのでそうなると
よりファーストパーティーデータっていうのが
重要になってくるので
それがハブスポットが持ってたりするので
そういう意味でもGoogleとしては買収したい
っていうところもありますし
実はこのCRMを買収したいっていう話って
Googleとしては新しい話ではないんですよ。
実は20年ぐらい前から考えてることなんですよ。
草野 みき
すごい。結構前から。
そうなんですよ。
宮武 徹郎
2005年にGoogleってある
アーチンソフトウェアっていう会社を買収してるんですけど
この会社が後々Googleアナリティクスにあるんですよ。
なぜGoogleアナリティクスを作りたかったか
それを買収して作りたかったかっていうと
GoogleとしてはGoogleの広告を使うブランドとか会社が
よりユーザーのトラッキングをさせることによって
42:00
宮武 徹郎
コンバージョンが見れるようになると
コンバージョンが見れるようになったら
よりGoogleの検索に投資してくれるっていうのが
そういう仮説だったんですよね。
実際にそれってめちゃくちゃ正しくて
Googleアナリティクスを導入した後に
明らかに彼らのクライアントがよりGoogle広告を使うようになってたんですよ。
でもそれって考えると当たり前じゃないですか。
いわゆるちゃんと広告のROIが見えるようになれば
そのROIが良ければそれに合わせてどんどん投資しますし
それにROIをどんどん良くする手法とかも考えられたりするので
それが今まで見れなかったっていうのが一番の問題だったので
Googleとしては広告からリード獲得だけではなくて
リード獲得からコンバージョン
お客さんにちゃんとつなげるところまで本当は欲しかったんですよ。
だからこそ2005年あたりにGoogle経営人は
CRM企業を買収しようかって考えた時があって
その時に誰に話しに行ったかというと
もちろんですけどマーク・ベニオフさんなんですよ。
草野 みき
セールスフォース?
宮武 徹郎
セールスフォースなんですよ。
セールスフォースはGoogleの2ヶ月前に上場してるんですよ。
セールスフォースが2004年の6月に上場していて
Googleは2004年の8月に上場してるんですよ。
お互い上場してる会社で
セールスフォースの価格がちょっとGoogleにとって高かったので
買収はないなってなったんですけど
他のネットツイートとか他の会社にもGoogleはいろいろ話したんですけど
結局何もやらなくて
ただやっぱりGoogleとしては広告プラットフォームを
より強化するためにはCRMを追加する場合によって
買収するっていうのはずっと頭の中に入っていて
それがようやくもしかしたらこのハブスポットのタイミングで
実現するかもしれないっていうところなんですよね。
草野 みき
このタイミングでっていうのはなんでなんですかね。
宮武 徹郎
ここはこのタイミングの買収って
草野 みき
結構ネガティブなシグナリングだと思っていて
宮武 徹郎
めちゃくちゃ好調だったら買収する必要ってあんまないと思うんですよ
この事業は。
これっておそらくなんですけど
Googleが自社の広告売上げを守りたいから買収してるんですよ。
いわゆるより広告主側に
Googleから離れないようにする買収なんですよ。
草野 みき
守りの。
宮武 徹郎
そうなんですよ。守りなんですよ。これ多分。
草野 みき
守りの買収。
宮武 徹郎
そうなんですよ。
Googleも当然ながら237ビリオン分の広告売上げ去年出してるわけなので
45:05
宮武 徹郎
それを守るための買収だったら全然何でもやるっていう話だと思うんですよ。
結局ハブスポット。明らかにこれオフェンス型のものじゃないんですよ。
攻めじゃないんですよ。
なぜかというとハブスポットの売上げって2.2ビリオンなんですよ。
もちろん普通に見ると大きく聞こえますけど
Googleの広告売上げの1%なんですよ。
たとえハブスポットがGoogleに入ったからといって
例えば顧客数が5倍伸びたとしても
まだGoogleの広告売上げの5%にしかならないんですよ。
その売上げを買収するための買い物じゃないので
特に額的に40ビリオンもかけるはずがないので
草野 みき
もっと一緒に合流したときに使えるもの。
宮武 徹郎
そうですよね。もしくはもっともっとアップサイドがあるものとかを買収するはずなので
ということはおそらくこれは明らかに守りの買収になるので
だからこそ個人的にはこれはムーンショットっていうカタゴリーには入れるべきではないと思ってます。
草野 みき
結局できないみたいなオチなんですかね。
宮武 徹郎
結局ブロックはされると思います。
あとはそれに対して訴訟とかいろいろあって
それで成立するかっていう話ではあるんですけど
それをそこまで時間と努力をかけるべきなのかっていう話もありました。
場合によってはGoogleとしてはこういうのを出しているのも
他の領域に投資とか買収したいために
なんか餌をまいてるのかもしれないですけどね。
草野 みき
こういう領域興味ありますよっていう。
宮武 徹郎
っていうよりも40ビリオンでオファーして
それで当然ながらブロックされますと。
その間に別のAI企業とかに1ビリオンとか2ビリオンぐらいのオファーを出して
そっちは通してもらうみたいな。
そういう駆け引きなのかもしれないですよ。
これは僕の推定でしかないので。
草野 みき
なるほど。
宮武 徹郎
FTCとかSECとかは大きい方に目を向いちゃうので。
小さい方は言い張って。
草野 みき
人間の真理みたいな。
宮武 徹郎
これ推定でしかないです。
草野 みき
じゃあこっちいいよね。
宮武 徹郎
わかんないです。
そこの目的はいろいろわかんないですけど。
リークされたことを含めて戦略なの。
出会ってもおかしくないなっていうのを思います。
草野 みき
なるほど。
宮武 徹郎
なので個人的にこれは正直守りのものですし。
48:01
宮武 徹郎
整理したとしても守りのものですし。
そもそもうまくいかない可能性もあると思うので。
ただこのGoogleワークプレイスの領域ですと。
実は大型のベッドができるのかなと思ってまして。
草野 みき
そうですよね。
宮武 徹郎
そもそもめちゃくちゃオフトピックも使ってるわけじゃないですか。
草野 みき
GmailとかいろいろGoogleドライブ全部使って。
それがスタンダードになってるっていうのを。
カレンダーもそうですけどすごいですよね。
それを中心に何かもっと拡張すべきでは。
拡張してると思うんですけど。
宮武 徹郎
でも拡張する、多分なんですけど。
あんまりワークプレイスに力かけてないように見えるんですよ。正直。
草野 みき
確かにチャットも終わっちゃったみたいな。
Google Meetももっと頑張ってて。
本当にそうなんですよね。
宮武 徹郎
まさに草野さんが言ったところが個人的にすごいチャンスだと思ってて。
チャットだと思うんですよ。
やっぱりTeamsとSlackの競合法を作るべきだと思うんですよ。
草野 みき
どういうものになると思います?
宮武 徹郎
これが参考になるサービスが1個あると思っていて。
最近ローンチしたサービスですけど。
Guru AIっていうサービスで。
これがDavid SackさんってPaper Mafiaのメンバーで。
Yamaの共同創業者ですよね。
が立ち上げたサービスで。
チャンネルを使わないスレッド型の、
従業員向きのチャットサービスですね。
David Sackさんが、一応彼が言ってるポイントとしては、
チャンネルはうまくいきませんと。
チャンネルでの会話を。
特に大きな組織になった場合に。
なぜかというと、結局特定の会話に入りたいために、
そのチャンネルにわざわざ入って。
そこの会話だけ入るんですけど。
ほとんどの人って別に、
チャンネルを自分でアーカイブしたりしないので。
そこにずっと残ったままになるので。
最終的に会社全員が全部のチャンネルに入ってるみたいな。
感じになっちゃうのが良くないですと。
なんでGuru AIっていうものは、
全部コミュニケーションをスレッド型。
チャットGPTもスレッド型になってますけど、
そういう形で変えて。
いわゆるメンションされたりとか。
そのタイミングでちゃんとスレッドだけが出てくる。
結局Guru AIのインターフェースとしては、
そのユーザーが見るべきものが全部画面上で表示される。
これが裏方にAIがあるからこそできることですし。
あとはやっぱり、
一つ面白かったのが、今後いろんなサービスと連携してやると思うんですけど。
51:01
宮武 徹郎
特定のスレッドにデータを落とし込むこともできて。
例えばですけど、デイブ・スタックスがやってたのが、
自分が出てるポッドキャストの掛け起こしを全部特定のスレッドに入れて。
それをAIを使って呼び起こすことができるんですよね。
草野 みき
呼び起こすっていうのは質問したり。
宮武 徹郎
質問したり。
別のチャットの会話でリポジトリみたいなデータベースみたいな扱いをして、
このデータベースでこの発言を言ったのってどのエピソードですかみたいな。
草野 みき
オールインの、オールインポッドキャストのデータベースができるわけですね。
宮武 徹郎
そうです。できるわけです。
誰でもそこに対して質問ができたりとか、
草野 みき
しかもちゃんと引用もしてくれたりするので。
宮武 徹郎
なので、いわゆるより便利な感じになってくるんですけど、
これも今だとAIをメンションしたりとか、特定のリポジトリをメンションしないといけないんですけど、
デイリー・スタックスとしては今後はよりAIが積極性を持つ。
それこそ多分オフトベックでも何か数回前に話した、
好奇心アザサービスみたいなのと似てると思うんですけど、
デイリー・スタックスはこれをプロンプトレスって呼んでるんですけど、
AIが会話の中で重要な情報を持ってると思った時に勝手に発言するっていう。
草野 みき
プロンプトを入れなくても喋ってくれるみたいな。
宮武 徹郎
そうです。
これのグルーAIみたいなサービスがすごい大事なのは、
2つ理由があると思っていて、Googleとしては。
1つはさっきも話したように、自社のエンタープライズデータと全部つなげながら、
コミュニケーションデータとも全部つなげられるんですよね。
そういう意味ですと、ちゃんとした会社のOSになり得る。
これがまさにセールスフォースからスラックを買収した大きな理由なんですけど、
今、例えばマイクロソフトがコパイロットとやりたいことがこういうところだと思うんですよね。
でも、もう1つ価値があると思っていて、
それが本当のコミュニケーションレイヤーになった時に、
会社内のコミュニケーションレイヤーだけじゃなくて、会社間のコミュニケーションレイヤーになれると思うんですよ。
それによって、よりGoogleの他のプロダクト、Googleドックスとかスプレッドシートとか、
そういうものが使われるようになる。
結局、よくスラックをここで事例として出すんですけど、
スラックって、もちろんコミュニケーションサービスとして見る人多いと思うんですけど、
それも正しいんですけど、同時にSNSなんですよね。
54:03
宮武 徹郎
メッセンジャーアプリとすごい似ていて、
メッセンジャーアプリって、どんどん自分の周りの友達が同じメッセンジャーアプリを使うと、
自分も使わなければいけないってなるじゃないですか。
逆に離れなくなる。
結局、コミュニケーションアプリってネットワーク効果っていうのが発生するので、
それと同じようなことって会社内で起きてると思っていて、
社内でどんどんみんなが同じコミュニケーションアプリを使い始めると、
どんどん会社全体がそこを使うようになる。
で、離れにくくなるっていうところなんですけど、
もう一つ、スラック会社内の話で、
2019年にスラックってシェアドチャンネルって、
後々スラックコネクトっていうサービスになるんですけど、
それは発表してるんですけど、
それは我々も使ったことあると思うんですけど、
他の組織とスラックをつなげられる。
で、共通のチャンネル。
で、そこでコミュニケーション取れる。
いわゆる外部とメールではなくて、
スラック上でコミュニケーションが取れるっていう話だと思うんですけど、
個人的にこのスラックのコネクト機能って、
すごいTeamsと違ったものだなと思っていて、
スラックのコネクト機能って、
エンタープライズSNSを作れるようなもの。
なので、より横に広いんですよね。
Teamsは縦に強くなろうとしていて、
いろんなマイクロソフトのサービスと連携して、
それでよりチーム内で便利にする。
バーチカルな連携っていうところが、
スラックは横軸の連携なんですよね。
会社間の連携とか、社内の連携とか。
草野 みき
確かに。
別にプロダクトを他に作ったりとかもしないですね。
スラックの中でキャンバスとか、
連携ができるようになったり、
書き起こしできたり、
そこを中心に横に他の会社に繋がるみたいな。
宮武 徹郎
なので、もちろんスラックがアプリと連携できたりとか、
そういうのをいっぱいやってたんですけど、
実際にすごい深めてたわけじゃないじゃないですか。
自社でDocsみたいなサービス作ったりとかしてたわけじゃないので。
なので、Googleとしては、
Guru AIみたいな会社を買収したり自社で作ると、
何ができるかというと、横軸と縦軸どっちも取りにいけると思うんですよ。
自社ですでに縦軸を作ってるんですけど、
横軸を繋げるようなサービスがあんまりなくて、
Google Docsとかコラボレーション型のものなので、
それで多少なりにできるんですけど、
やっぱりコミュニケーションがベースになってくるので、
そういう意味だとめちゃくちゃそこのチャンスはあるかなと思いますし、
今スラックがセルフソース配下になった中で、
57:01
宮武 徹郎
Microsoftと競合できるような代替品っていうのがあまりなくて、
それのMicrosoftのモジュラー型を
Googleが作れるんじゃないかなっていうふうに思いましたね。
草野 みき
どういうことですか。
宮武 徹郎
いわゆるパーツパーツ別に全部使わなくていいですし、
若干バンドルできるんですけどしなくてもいいみたいな。
草野 みき
例えばどういうものとどういうものがあってみたいな。
宮武 徹郎
例えばGmailからスタートしてもいいですし、
コミュニケーションツールから別のチャットアプリからスタートしてもよくて、
必ずしも全パッケージ一斉に使うみたいな感じでやらなくてもいいんですけど、
Microsoftですともう少しバンドル推しだったりするので、
そこのもうちょっと選べるみたいな形は取れるんじゃないかなっていうふうに思いますし、
例えばチャットをGoogleが常に自動的にメモに全部書いてくれて記録してくれるとか、
GoogleがAIチームメイトみたいなものを提供して、
よりいろんな資料とかまとめてくれたりとか、
しかもそれをチーム内だけではなくてチーム外にも、
例えば何かのミーティングの議事録、
すごい簡単に言うとミーティングの議事録を社内だけではなくて社外にも出してくれたり、
それを社外用にちゃんと一部の情報を切り出したりとか、
そういうのもできると思うので、
全体的にGoogleとしてはGoogleワークスペースを伸ばすための戦略として、
より横軸に広げられるサービスと同時に縦軸で広げられるサービスが必要になっていると思うんですけど、
それの一つがこのAIチャットコミュニケーションアプリかなっていうふうに思いましたね。
草野 みき
なんかGoogleってなんか結構コミュニケーションサービス結構苦手なイメージが正直あって、
なんていうかその機能的でめちゃくちゃやりたいことをめっちゃできるんだけど、
それを探すのが難しいとか、相手にそれを伝えるのが難しいみたいな、
なんていうんですかね、めちゃくちゃ機能は素晴らしいんですけど、
なんかGoogleプラスとか昔あったじゃないですか、SNSだったりとか、
あとチャットもそうですけど、なんかどう進化す、なんか機能だけあって、
あとユーザーどうぞみたいな感じですよね、それでもめちゃくちゃ使いやすいんですけど、
なんなんですかね、そのやっぱカルチャーの違いなのか、
1:00:00
草野 みき
あとやっぱスラックとかそのグルーAIとかだと、結構なんていうか楽しい会社のツールに対してのなんか楽しさの表現というか、
なんていうんですかね、よりカジュアルな今の時代に合ってるなっていう意味で言うと、
だからGoogleどういうふうに作ってくれるのかなっていうのはちょっと気になりますね、どう思いますこの件について。
宮武 徹郎
そういう意味ですと、めちゃくちゃ正しいと思うので、特にC向けは多分結構苦手なんだろうなっていうのは思うので、
やっぱりそういう意味ですと、買収が一番正しい気がするんですよね、
インターフェースとかそこの遊び心っていうのを買収して、あとはその広げるのはGoogleに任せるっていう方が正直いいかなっていうのを思いますよね。
草野 みき
確かに、でもGoogleのワークスペースの結構ちょっとリニアルというか新しくなったじゃないですか、インターフェースがちょっとずつ毎回変わってて、
なんていうか、Googleピクセルとか触ってるような感じの、なんていうんですか、そのGoogleのUIってあるじゃないですか、それにもうウェブ版もなってきてる感じがしてて、それはそれでいいんですけど。
宮武 徹郎
なんか足りないっていう感じ。
草野 みき
なんか何が足りないんだろう、何が足りないと思いますか、でもそういう心は本当にそれは一つあるのと。
宮武 徹郎
でもなんか面白いっすよね、Googleってそういう検索領域とかイースターエッグを作ったりとか、そういう系の遊び心はめちゃくちゃ上手いじゃないですか。
草野 みき
うん、一人で遊ぶ。
そこなんですかね。
一人で遊ぶ、誰かとのコミュニケーションの設計みたいなのは。
宮武 徹郎
他の会社と比べるとっていうところですよね。
草野 みき
でも確かにDoozles面白いですもんね。
宮武 徹郎
面白いですよね。
でも、さのさんが言うように、このコミュニケーションの中とかではやっぱりちょっとそこは感じられないところが多いですよね。
より機能性を重要視してる部分はある気はしてるので。
そこは一つ大きな課題としてはありますよね、おそらく。
草野 みき
あんまりそこに投資してはあんまり意味ないって思ってるのですかね。
かもしれないですよね。
機能的なものとか別の連携とか、遊び心って、そうでもないか。
宮武 徹郎
でも、シングルプレイヤーとマルチプレイヤーってすごい重要なポイントかもしれないですよね。
やっぱり検索ってずっとシングルプレイヤーだったので、基本的には。
そういう意味だと、そっちにずっと長けてたGoogleとしては、
逆にGoogle Docsとか作ったのは完全マルチプレイヤーのプロダクトなので、ちょっと違うかもしれないですけど。
草野 みき
やっぱりあれじゃないですか、ずっとGoogleは王者に君臨し続けて、
1:03:05
草野 みき
やっぱり他の会社とのコラボレーションとか、何か競合するみたいなことがなさすぎて、
いいプロダクト作ったら、みたいなのは成り立つので、
それは連携とかそんなに必要ない。
独自のプラットフォームでやった方がいいじゃんって話なのかもしれないです。
どうなんだ、ちょっと分かんないです。
宮武 徹郎
でも、そこら辺は多分Googleの社内としていろいろ課題としてあると思うので、
そこは多分解決しないと、そもそもそういう。
だからこそワークスペースに、僕が見てる中ですとそこまで投資してないのかなって思うのは、
そういう部分かもしれないですし、
そこら辺は今後AI領域が発展するとどんどん変わってくるかもしれないですけど、
一旦今日はここでいくつかGoogleの大きなベッドの、
これがムーンショットかもしれない、これはムーンショットじゃないかもしれないみたいな話をしてきたと思うんですけど、
残念ながら時間がまあまあ結構1時間超えちゃってるので、
Googleの個人的に思う本当のムーンショットを言えないまま終わっちゃったので、
それはちょっと来週話す感じで、今回は終わらないようにしたいと思います。
草野 みき
了解です。じゃあ今回も聞いていただきありがとうございました。
気になった方はofftopic.jpのフォローXなどでお願いします。
そしてメンバーシッププログラムofftopicグラムもノートでやっているので、
気になる方はぜひ概要欄からチェックしてみてください。
あとSpotifyとYouTubeでビデオポッドキャスト公開しているので、
ぜひ登録もしてみてください。
それではまた次回お会いしましょう。さようなら。
宮武 徹郎
さようなら。