00:05
こんにちは。横浜で15年以上、犬の保育園の先生を行っている、なおちゃん先生と申します。
こちらの番組では、たくさんのワンちゃんや飼い主さんと関わってきた私が、
日本の犬と飼い主さんのQOLをあげるおテーマに、犬のあれこれについて、私個人の見解からお話ししています。
時には、子育てネタや、留学時代や旅行の思い出などのお話もお届けいたします。
さて、久しぶりの【子育て犬育て】のシリーズとなりました。
今回は、叱ると怒るについてお話しようと思います。
叱ると怒る、この違い、皆さんはどう思いますか?
調べてみると、怒るは腹を立てる。
感情的に自分のイライラや怒りをぶつける。
つまり、怒るは自らの感情を表す言葉なんですね。
叱る、こちらを調べますと、目下の者の言動の良くない点などを指摘して、強く咎める、注意する。
こちらは、相手のためを思い、アドバイスをしたり、行動を注意したりする。
こちらは、行動になります。
端的に違いを説明すると、このような違いが出ると思います。
それでは、子供や犬が望まぬ行動し、それを修正したいという場合は、どちらの態度で接するか。
相手が犬や子供でない場合でも、皆さんも一度は経験があると思います。
私も常々気をつけたいなと思うのは、怒るというのはあくまで自分の感情そのものなんですね。
叱るは行動なんですよね。
なので、相手に対して怒る、自分の感情をぶつけるというだけでは、相手が大人ならばいざ知らず、
子供や犬では、相手が、つまり自分がですね、怒っているなという感情は伝わるんですが、
なぜ怒っているのか、どうしたらいいのかは伝わらないんですね。
さらに、これは悪くすると、犬や子供の、怒っている相手をなだめる態度や行動を引き出すだけで、
ではどうしたらよかったのかを学習する機会がなく終わってしまうということがあります。
子供も大きくなれば、なぜ相手が怒っているのか、どうしたら相手を怒らせないでいられるのかを学ぶことができます。
会社から帰宅して、奥さんの機嫌がすこぼる悪かったら、
昨日夕飯いらないっていう連絡を入れないまま残業して、外でラーメン食べて帰ってきたからだなぁとわかるわけです。
03:08
ですが、残念なことに小さな子供や犬にはこれがわかりません。
相手が怒っているということはわかるけれど、なぜ相手が怒っているのか、
では自分はどのようにしたらいいのかがわからないため、同じ行動を何度も繰り返します。
ここで大事なのは、正解がわからなければ子供も犬も同じ行動を繰り返すということです。
こんなに申しませんと泣いているのに、なんでまた明日に同じことを繰り返すんだろう。
こんなにダメ、いけないと怒るとシュンとした顔をするのに、どうしてうちの犬はスリッパをかじるんだろう。
これは正解がわかってないからにつながるんですね。
申しませんと泣くことや怒られるとシュンとした顔をして尻尾を下げたりひっくり返るという行動は、
怒っている相手をなだめる行動なんです。
次からどうしたらいいのかがわかったわけではないんですね。
親も飼い主も人間です。怒ることはあります。
私もしょっちゅう怒っています。犬に怒るということはほとんどありませんが、イラッとすることもたまにあります。
子供にも怒ったりイラッとすることもあります。ですが気をつけていることがあります。
怒りは人間の純粋な感情の一つです。
私はこの感情はあんまり我慢しすぎたり、抑えつけたりすることもよくないなと思っています。
ただ怒りは怒りとして、私はこのことにイラついている、怒っているんだということを認めた上で、
そのままの感情をその時に相手にぶつけるということを避けています。
この感情処理の仕方は人それぞれだと思います。
私の場合には子供の場合に言葉がわかるようになってから、
母ちゃんはこういうことをされるのはこうこうこういう理由で嫌なんだということを伝えます。
感情を伝えた後は叱ります。
叱るというのは相手に行動を修正してほしい時にアドバイスや注意喚起を促す行動になります。
余裕がある時はどうしたらよかったと思う?と子供自身に正解を考えてもらいます。
答えがわからない時やまたは余裕がない時、時間がない時などはこうしてほしいということを伝えるようにしています。
そして最後に自分の言葉で次からどうしたらいいのかを繰り返し言ってもらいます。
06:04
それでもすぐには直らなかったりしますが根気よく同じことを伝えます。
犬に対しても基本は同じです。
私の場合は犬には基本的に怒ることはほとんどないですね。
人が怒るポイントはそれぞれ多少違うと思うのですが、
多くは自分が思い描いていた予想、期待、希望と違ったこれが感情を害す引き金になるのではないでしょうか。
だからこそこうあるべきという気持ちが強いほどこんなはずじゃないだろうと怒りを抱きやすいような気がします。
私は犬の行動に対してそれほど怒りを覚えないのは、
彼らの行動の予測がつく、原因がわかるということが多いからです。
どうしてこういう行動をしたのか、なぜこういった結果になったのかがあらかたわかるからなんですね。
例えば私の靴をくわえてしまって穴を開けるという子がいました。
この子にとって私の匂いのついた靴は何よりも大好物、
そしてレドリーバーの本能的行動で悪意はないと私はわかっているわけです。
たとえ穴が開いてしまったとしてでもです。
この場合私の靴はくわえていけないものであるときちんと犬に教える必要があります。
もうまた靴をくわえて噛んで、穴が開いちゃったじゃない、お気に入りなのにどうしてくれるの?
と怒ったところで何にも意味がないんですね。
ですのでこの子のこの行動に怒るということは私はしません。
ああ、靴をもっと高いところに置いておけばよかったなと思い、
穴が開いてよだれまみれになった靴を嬉しそうに持ち歩いているその子に、
はいはい、そろそろ返してくれる?というだけです。
それでは次回は叱るという行動をどのように犬に教えるということに組み込んでいくかをお話しようと思います。
最後まで聞いていただきありがとうございました。