00:06
こんにちは、横浜で15年以上、犬の保育園の先生を行っている、なおちゃん先生と申します。
さて、本日はいつも仲良くしていただいている管理栄養士、しょくみさんの初キンドル本
「りんごは進化する🍎」を読んで思い出したエピソードをお話ししてみようと思います。
しょくみさんの「りんごは進化する🍎」、もう読まれた方もいらっしゃると思いますが、
こちらは管理栄養士、しょくみさんの食の原体験からのエッセイです。
なぜ、りんごなのかは、ぜひ本書を読んでいただきたいと思いますが、
食を通したほろ苦く、可愛らしく、懐かしく、貴重な思い出の数々を垣間見せていただいたような、
私はしょくみさんに何度もお会いしていますが、あの優しくで誠実で包み込むような雰囲気がこのように作られてきたんだなぁと、
それが垣間見られるような作品でした。
しょくみさんの食にまつわる原体験、そしてどうしてしょくみさんが家庭料理を大切にされるのか、
そこにどんな思い出があるのか、ページをめくるごとに、しょくみさんのあの穏やかな語り口をが聞こえてくるようでした。
最後のページをめくるのがもったいなく思えたほど、読み終えた後は柑橘のりんごを口にした後のような爽やかな甘酸っぱさが口の中に、そして胸の中に広がりました。
そして私も、りんごにまつわるエピソードを思い出しましたので、少しお話ししていこうかなと思っています。
りんごはもともと私は好きでも嫌いでもない果物でした。
中高生の時にお弁当に入っていたフルーツ、ナンバーワンだったと思います。
うさぎの耳に見ためてた皮は可愛いけれどちょっと食べづらく、変色しないように塩水につけた上に、昼時にはぬるくなっていたりんごは、実はあんまり好きではありませんでした。
しょくみさんの本を読んで痛く反省したことは今でもありません。
読まれた方はね、きっとわかってくださると思うんですけど。
そんな大した記憶もないりんごですが、私にとって大好きな果物に変わったのは、イギリスに犬留学に行った時なんです。
知らない方も多いかもしれませんが、イギリスではりんごがよく食べられています。
日本のものよりも小ぶりで、大きさは夏みかんぐらいかな、もうちょっと小さいかもしれないです。
皮を綺麗に剥いて切り分けて食べる、ましてやうさぎさんの形に見立てて、なんてお上品に可愛らしく食べたことは、イギリスでは一切記憶にはありません。
03:08
イギリスでのランチの定番、特にお弁当であるランチボックスの定番は、サンドイッチ、クリスプスと呼ばれるポテトチップス、そして小ぶりのりんごというメニューでした。
これは、いろんなイベントやセミナーでのランチ会場、語学学校でのお弁当でも定番で、私以外でもいろんなネイティブの人は、このようなランチがその当時は一般的だったと思います。
今はね、もちろん食事場もまた大きく変わっていると思いますけどね。
この小ぶりのりんごの立ち位置は、副菜?デザート?それともサラダ?
いまいち謎だったんですが、サンドイッチ、クリスプスよりも小ぶりのりんごが一番フレッシュでみずみずしく美味しかったのを覚えています。
ちなみに、このクリスプスと呼ばれるポテトチップスなんですけど、こちらも日本の一般的に売られているポテトチップスよりもちょっと小さめ、まあ一人が一回で食べきるにはちょうどいいぐらいのサイズのものが主流で売られているんですよね。
そして覚えているのは、りんごの果汁園で犬たちと散歩をした時のこと。
オーナーさんの許可をいただいて、りんごを直接木から剥いで、そのまま食べながら広大な果汁園を犬たちと散歩し、たまに犬たちにもかけらを投げてやったり、食べ終わったらそのままポーンと投げていました。
もちろん犬たちはみんなノーリードですけどね。
日本では考えられませんが、自然に帰るからいいのよ、と田舎ではよくりんごの芯をみんな地面に放り投げていましたよ。
イギリスの料理にうまいもの無しとは有名ですが、私はこの小さなりんごが大好きで、皮ごと丸ごと大口をあけながらみんなで頬張ったのは良い思い出です。
以前私が何度かお話をしたこともある、今はもう天国に行ってしまっている、私がイギリス一のシェフと思っているリチャード。
このご夫婦の、サラ&リチャードのご夫婦の田舎の一軒家、サマークームにもりんごの木がありました。
そこのお家はね、人が100人くらい入れるくらい大きな大きなお庭を持っていたので、りんごの木もあったんですね。
リチャードはりんごをもちろん毎年収穫して、アップルパイやアップルクランブル、そしてアップルジャムなど色々な美味しいものを作っていたのを覚えています。
りんごを使った料理やデザートも美味しいものが多くて、特に私はイギリスで食べたアップルクランブルの虜になりました。
06:04
アップルパイの中身のように、おそらくりんごを煮たものの上に、パイ生地ではなくてそぼろ状のクッキー生地が敷き詰められたものになります。
そこにアイスクリームや冬場は温かいカスタードがかけられて提供される場合もあります。これが美味しいのなんの。
また、日曜日に作られるサンデーローストでは有名なのはローストビーフ、ヨークシャープディングのセットなんですが、ローストビーフにはグレイビーソース、
ローストラムやローストポークに添えられるのはミントのジュレとすりおろしりんごのコンポートのようなフルーツソースでした。
最初はかなりのカルチャーショックを受けたこの肉料理にフルーツソースという組み合わせでしたが、
ノルウェーで食べたトナカイのステーキにリンゴンベリーのソースなど、ヨーロッパでは一般的な食べ方のようです。
日本でもテリヤキなど甘辛い味は姿を変えても世界共通で好まれているものなんだなと思います。
さらに言えばアップルビネガー、つまりリンゴ酢はあちらではメジャーで、フィッシュ&チップスにはモルトビネガーまたはアップルビネガーでしたし、
7頭の犬たちのご飯を毎朝毎日手作りをしていたドッグトレーナーの師匠は少量のアップルビネガーを犬たちの食事にも加えていました。
そうそう最後にアップルサイダーを忘れちゃいけませんね。
ある夏の暑い日、師匠とクラスの生徒さんたちでしつけ教室の後にパブに行きました。
私と年齢の近いシンディーという女性と私は仲良くなり、その付き合いは今でも続いているんですが、彼女は私のことをなんやかんやとよくお世話をしてくれたものです。
この時も地元の田舎のパブに慣れていない私に、「ナオコ、何飲む?」というので、私は、「シンディーは?」と聞き返すと、彼女は、「アップルサイダーを飲むわ?」と言います。
アップルタイザーなら聞いたことがある。リンゴのシュワシュワしたジュースを思い浮かべて、私も同じものとお願いして、先に犬たちをつないでいるテラス席に向かって座っていました。
運ばれてきたドリンクを片手にみんなで乾杯をして、喉が渇いていた私は一気にそのドリンクを飲み干したんです。
え?何?思ってたんと違う?
そう、それはアルコール。
リンゴが特産のイギリスでは実はリンゴのお酒もよく飲まれています。
これらはアップルサイダーと呼ばれ、アップルタイザーではないんですよね。
サイダーはドーバー海峡を渡り、お隣の国、フランスに行くとシードルとなります。
そう、シードルといえばリンゴのお酒ですよね。
09:02
ああ、間違った。
お酒に弱い私はアルコールを一気飲みして、その場で倒れ込みました。
記憶の片隅に師匠が、「誰よ、ナオコにアルコール飲ませたのは!」と激怒している声だけが響き、
その後、師匠が周りのみんなにナオコにはアルコール禁止令を出したことは、皆さんのご想像にも堅くないでしょう。
今となってはいい思い出です。
こんな風に食には思い出やエピソードが付きものです。
食味さんの食の記憶を一緒に追体験しながら、
あなたの中にも忘れていた食と、そこにまつわる心温まるエピソードが、
この「リンゴは進化する!」を読むことで呼び起こされるかもしれません。
そんな食にまつわる大切な温かい思い出を探すたびに、この本は連れて行ってくれることでしょう。
あなたもぜひ、大切な食の思い出を探すたびに出られてみませんか?
概要欄に食味さんのURLと、食味さんのKindle本「リンゴは進化する!」のAmazonのページのリンク先を貼っておきます。
まだ読んでいないよ、という方はぜひご覧いただければと思います。
それでは最後まで聞いていただきありがとうございました。
そして食味さん、今回はとても素晴らしい作品を届けていただいて本当にありがとうございました。
楽しく読ませていただきましたよ。