ジャック・ラッセル・テリアの魅力
こんにちは。横浜で15年以上、犬の保育園の先生を行っている、なおちゃん先生と申します。
ドッグトレーナー、ペットロス専門士、アニマルコミュニケーターである私が、人と犬が共に、より幸せになるためのヒントをテーマに配信しています。
お待たせいたしました。今回は、《人気犬種の光と影✨️》第2回目をお送りいたします。
第2回目は、アニコム人気犬種ランキング19位、ジャック・ラッセル・テリアの【光】の部分からお話をしていきますね。
続けて、【影】の部分をメンバーシップ限定で配信していく予定です。
ジャック・ラッセル・テリア、通称ジャック。この愛らしく元気いっぱいの小型犬は、犬らしさを持つ犬の代表客です。
見た目も性格も実に犬の中の犬と言える犬種ですし、いろんなところでモチーフやキャラクターに使われていますので、皆さんも犬種の名前は知らなくても、あ、見たことあるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
古くは映画マスクで人気を博し、ピクサー映画のペットでも主人公を務めるこの犬種。
ここまで来ると、皆さん、ああ、分かった、あの白と茶色の犬ね、と分かった方いらっしゃるでしょう。
そして実は、可愛らしい見た目とは違う小さな姿の大型犬であるジャックは、一度でも彼らと触れ合ったことのある方であれば、理解ができることでしょう。
まずはこのジャック・ラッセル・テリアの概要を、犬種図鑑からご紹介いたしますね。
ジャック・ラッセル・テリアの性格は活発で好奇心旺盛、聡明で運動力も高く、ドッグスポーツでも活躍できる犬種です。
一方で典型的なテリア気質で負けん気があり、物を自信ない性格の持ち主です。
思い込んだら一直線という側面があり、そんな姿には笑いが絶えませんが、時にはいたずらしたり物を壊したりとした問題を発生してしまうことがあります。
と、ここまでみんなの犬種図鑑からご紹介しました。
ジャック・ラッセル・テリアは、2024年アニコム人気犬種ランキング19位、23年度は18位です。
ということで、日本の人気犬種の中では上位の方にいる犬種だと思います。
私自身も何十頭と見かけてきた犬種ですね。
ただ、私が見ると、このランキングの1位から30位の中でも、上位5位の中に入るほど運動量が必要な犬種であることは間違いないと思います。
そのことには、しっかりと犬種図鑑にも記載されていて、小型犬でありながら大型犬と同じぐらいの運動量を必要とすると記載されています。
これは周知の事実なわけですね。
ですから、この小さな大型犬をパートナーに迎える際には、相当の覚悟が必要であることを皆さんにぜひ知っていただきたいと思います。
ドックトレーナーとしては、とてもやりがいを感じる犬種でもあり、
実際、自身の愛犬として、モデル犬としてジャック・ラッセルを迎えているというトレーナーさんや訓練士さんもいるほど、
運動として体を動かすこともですが、賢い犬種でもありますので、
トレーニング性能をとても良く、ドックスポーツやオビリエンス、災害救助犬のトレーニングにもとても向いている犬種でもあります。
犬種図鑑にも、1日2回1時間以上の散歩を行うほか、好奇心や知的好奇心を満たすための遊びなどを取り入れるようにしましょうと書いてありますね。
それぐらい運動量、ただの運動だけじゃなくて、頭を使った運動も必要という犬種になります。
彼らの持ち前の好奇心・旺盛さや、ポジティブでへこたれない精神力、しなやかな筋肉と高い身体能力の持ち主、
頭と体、どちらもフル回転させることで、その魅力が増していくという犬種です。
犬種の歴史的背景
実際、アジリティやフライボールといったドッグスポーツやオビリエンスの競技会、
ドッグダンスの品評会といったあらゆる犬と行うアクティビティにおいて、このテリアは非常によく見かけます。
それだけ飼い主さんと一緒に何かを一生懸命に成し遂げるということを楽しめる犬種なんですね。
明るく元気いっぱいで、人と一緒に何かをすることのほか、喜びに感じてくれる犬種ですので、人気があるのも当然だと思います。
私自身も、過去何十頭もジャクラセルさんと一緒にトレーニングしてきましたけれども、
みんな本当に生き生きとトレーニングをしてくれて、とってもトレーニングが大好きという感じの元気な子ばかりでした。
特にアウトドア派、アクティブ派の飼い主さんで、大型犬はちょっと飼えないけれど、愛顔犬だと物足りないというような方、
一緒に何かスポーツなどを楽しみたいという方にはぴったりの犬種だと思います。
テリアという犬種上頑固な一面もありますが、持ち前の好奇心と知性を良い方向に伸ばして、
新しい条件づけをしっかり行っていくことで、トレーニングも進みやすいですよ。
何より食いしん坊でもあり、甘えん坊な犬種でもありますので、フードモチベーションで褒めるトレーニング、これがとても功を奏します。
ジャックラッセルテリアを迎えるのであれば、子犬のうちから問題が出ないからトレーニングをしないという選択肢は実に危険で、
何でもいいので、とにかく頭と体を同時に疲れさせるためにトレーニングをしていく必要があると感じています。
その点で言えば、子犬の頃からしっかりトレーニングをした方がいい小型犬種のトップ3には入ってくるでしょうね。
なぜかというと、元気で身体能力、知的好奇心が高い活動的で人懐っこい彼らにとって、
一人でケージで何時間もお留守番なんてことはもう生きながらにお前はもう死んでいるようなもの。
頭も体も動かしてこそジャックという彼らにとっては動けないというストレスは吠え、噛み、興奮、破壊行動といった問題に発展しやすいんですよね。
彼らのその特性をよくつかんでいる飼い主さんは、とても素晴らしいパートナーシップを築かれている方が多いと感じています。
最後にジャックラッセルの歴史的背景の豆知識を一つ。
日本ではメジャー犬種のジャックラッセルテリアですが、この犬種の起源となった本国イギリスでは犬種のスタンドアウトを管理している英国ケンネルクラブ登録犬種ではありません。
代わりに登録されているのはジャックラッセルの原型であるパーソンラッセルテリアです。
ジャックラッセルは聞いたことあるけどパーソンなんて聞いたことないよという方も多いのではないでしょうか。
この2つの犬種の違いは体のバランス。
最大の特徴はパーソンラッセルはジャックラッセルよりも長い足を持つというものなんです。
え?それだけ?と思われた方、これはケンネルクラブ的には犬種のスタンダードを決めるということで重大な違いなんですね。
ジャックラッセルテリアが生み出されたのはイギリス人牧師ジャックラッセル牧師がその犬種の創設と同時にケンネルクラブの創立に携わったからだからなんですけれど、
当の本人は犬種の標準的美しさを定め、省によってその犬種と血統を固定管理していくというケンネルクラブにこの自分の作ったパーソンラッセルテリアを登録することを拒否していました。
ジャック・ラッセル・テリアの起源
それは何でか?せっかく自分で作ったのに自分の作ったケンネルクラブ団体に自分の犬種を登録することを拒否していた。
それはなぜかというと、この犬種はフィールドで実量の場で活躍してこそ輝く犬種であるということで、
要するに彼らが作られた犬種の目的というのは、いかに実量の場で活躍できるかということであり、
見た目や人との共存のしやすさ、ひもうの美しさ、形のかっこよさということではなかったんですよね。
このパーソンラッセルテリアの実量、つまりハンティング、この量の対象は主にキツネ狩りでした。
当時イギリスでキツネ狩りといえば馬に乗って行われるスタイルで、キツネを追い詰めるのはその名もフォックスハウンドたち。
実は犬種の名前についているハウンドやテリア、レトリーバーなどは実量においてどんな役割をその犬が担っていたかを表す役職名のようなものなんですよね。
ハウンドであれば追跡する追いかける者たち、テリアなら地中に潜り込む者たち、レトリーバーなら回収する者たちというような感じです。
まあざっくりですけどね。
キツネ狩りにおいて活躍するのはフォックスハウンドたちで、ビーグル県と見た目がよく似ている彼らは馬と一緒に走り、ニオイでキツネを追いかけます。
キツネを見つけると吠えたて、追い詰められたキツネは巣穴や狭いところに潜り込むんですが、その際に体の大きなフォックスハウンドでは逃げ込んだ場所からキツネを引きずり出すということができません。
そのため作られたのがこのパーソン・ラッセルテリアの起源と言われています。
パーソン・ラッセルテリアは馬よりもフォックスハウンドたちも体が小さいものの、馬にも負けない脚力と体力、追い詰められた自分より体の大きな必死の動物の攻撃をものともせず穴ぐらいに突っ込んでいく勇猛果敢さを持つ必要がある献種として作出されてきた背景があるんです。
犬種登録の歴史
ここまで聞くとなぜトレーニングが必要なのか。
お家でのんびりお膝でまったりしている献種ではないということがお分かりでしょう。
後年、パーソン・ラッセルと枝分かれしてきたのがアナグマ狩りのために作出されたというジャック・ラッセルテリアです。
アナグマはキツネと違い馬で追いかける必要がないため、馬に追いつくための脚力、つまり長い足は必要とされなくなりました。
その代わりに粘り強いへこたれない精神力が必要となり、献種の掛け合わせの結果生まれてきたのがジャック・ラッセルテリアと言われています。
このジャック・ラッセルテリアが初めて献種として一つの純血種、純粋な献種として登録されたのは本国イギリスではなくオーストラリアであり、献種の純粋性が認められて一献種と登録されたのはなんとつい最近のことだったということです。
ちなみに日本ではパーソン・ラッセルテリアとジャック・ラッセルテリアは2つとも純血種としてジャパン・ケンネルクラブに登録されています。
このように世界中に献種のスタンダードを定めるケンネルクラブはあるのですが、国によって微妙に登録献種というのが違ったりするのですよね。
そして本国イギリスでは未だにラッセルテリアといえば主流はパーソンであり、私自身向こうに滞在しているときに見かけた小型犬のテリアでジャック・ラッセルを見たという記憶はほぼないのではないかと思います。
はい、ということで今回は人気献種の光と影に19位のジャック・ラッセルテリアの光をお話しいたしました。いかがでしたか?
献種やその献種が作られてきた背景、そんなことを知っていると犬のことがより楽しく理解できますよ。
それでは今回も最後まで聞いていただきありがとうございました。
興味のある方はメンバーシップにご登録いただき、ぜひ裏の顔も知ってみてくださいね。
次回はまた来週になりますが、人気献種の光と影、No.3、18位のみんな大好きあの献種、ラブラトール・レトリーバーについてお話をしたいと思います。
それではまた次回をお待ちください。