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こんにちは、横浜で15年以上犬の保育園の先生を行っている、なおちゃん先生と申します。
こちらの番組では、あなたとワンちゃんの10年をよりよく変えるをもとに、犬と生きる10数年をもっと本気で楽しみたいあなたに、幅広い分野から犬に関するお話をお届けしています。
大好きな旅の話、子育ての話も時々お届けしています。
飼い主さんが変われば、犬が変わる。犬のことをもっと知って、あなたも犬育てのプロになりませんか?
より具体的なトレーニング、しつけ、アニマルコミュニケーション、そして今月はペットロスについてメンバーシップでお話ししています。
さて今日は、犬は思っているより○○が大事というテーマでお話をしていきたいと思います。
そしてこの○○、実は皆さんも悩むことが多い、来客ぼえをするワンちゃんに対してとても大切な概念になります。
この○○、何が入ると思いますか?
正解は一つではないんですけど、今回はフォームという言葉を当てていきたいと思います。
というのはこのテーマ、先日あるクライアントの方とお話をしている中で出てきたキーワードだったからです。
どんなお話だったかというと、あるワンちゃんが来客にとても吠えてしまう。
吠えるだけではなくて、家に入ってくる人に吠えたまま興奮状態で噛みついてしまうこともあって困っているというお話だったんですね。
そこで私はある対応策をその根拠である行動学とともにお話をしました。
そのうちの一つは、玄関の外まで一緒に来客を迎えに行くというものでした。
これは過去回でも何度かお話をしている対応策なんですが、ほとんどの飼い主さんは、「え?そんなことで治るの?」と面食らうと思います。
ですが、噛みつきが出るほど来客に対して強い強い反応が出ている犬の場合、
即座に来客が来た時に、「まあどうぞいらっしゃいますお客様。お待ちしておりました。」なんて対応に変わるということは、まあ難しいですね。
吠え、その上に噛みつきが出てくるまでにかかった年月と同じだけの時間、もしかしたらそれ以上の時間がこの行動を修正するためには必要となります。
そこに住んでいる人間にはあまりない意識ですが、犬にとって家の中と外というものはものすごく大きな意識的な違いがあります。
場合によっては、家の中に入ってくる人が家族かそうでないのかに関係なくなってしまうほど、誰かが家の中に入ってくるということに対して過剰反応するケースというのはたくさんあります。
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これは、お家の中に入ってきたのがたとえ家族であってもものすごく吠えるというような場合ですね。
面白いもので、この家、特にうちの感覚は犬によって違います。
リビングだけを指す場合もありますし、家屋全体を指す場合もある。
自分のサークルやケージだけを指す場合もあるし、外側のワンちゃんは庭だけを指すこともよくあります。
大切なことはこのうち、ここではホームと呼びましょう。
ホーム以外はアウェイであり、ホームを守りたいという意識は犬にとっては本当に死活問題にあたるほど大切なんです。
飼い主さんはぜひ、自分のお家だけではなくて、犬にとってのホームはどこに、そして何にあたるのかを意識して見ていただきたいと思います。
犬にとってホームという意識はとても大切で、そこにいれば絶対安心。
そして知らない他者、これは場合によって家族も入りますが、その知らない他者には絶対に侵されたくないというスペースになります。
これは空間だけではなくて、マットやベッド、キャリーケースなど物にもその意識がつくことがあります。
ホームにいても、この人は完全に安心できるという信頼関係ができている相手でなければ、ホームに侵入された時に犬は怒ることはありません。
なので、ママが近づいても吠えないけれども、パパが近づくと吠えるとか、そういった家族によって差があるというのはこういった意味合いがあるんですね。
逆にその絶対この人なら安心できる、信頼できるという関係性がきちんとできていなければ、犬はホームにいる時に近づくと、家族であっても、非核や警戒を発して相手を退けようとすることがあります。
このホームを守りたいという行動は本能的行動の一つであって、犬によって強く出るのか、それほど強く出ないのかというのは個体差があります。
ホームを守るという本能的行動が強い犬と暮らしていらっしゃる飼い主さんは、それなりの注意と覚悟、そしてこの行動に対する勉強が必要になります。
ホームにいる時の犬が相手を退けようとして強い反応に出ること、これ自体を叱るだけで行動を修正することは非常に難しいです。
叱るだけで治すということは難しいですよね。なぜなら、本能に関わる行動である上に犬には正解がわからないからです。
正解がわからなければ同じシチュエーションに陥った時、犬は本能的な行動を優先していきます。
来客への吠えや咄嗟の噛みつきについて、叱る飼い主さんは多くいらっしゃるのですが、正解を教えていない場合が多いので、治ることが少ないどころかエスカレートしてしまうということもあります。
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さて、ホームである家に来客がやってきて吠えるという犬。
吠えることから来る噛みつきをさせないために、玄関の外まで一緒に来客を迎えに行くことを勧めているのは、ホームに侵入者が入ってくるという犬にとって一番強い反応が出る瞬間を体験させないためです。
アウェイで人に会う分には吠えたり噛んだりしないという犬が大前提ですが、家に入ってくる人間がどんな人間であるのかを確認する前に吠えたて、噛みつこうとする劇的な反応が出ている場合のワンちゃんは、来客が来た瞬間に冷静にさせて、ほら変な人ではないでしょと確認させるまで時間がかかるんですね。
家の外で同じ状況を作った場合、つまりアウェイではこのここにいる人間はどんな人間かを確認させるということがホームよりも早くできることがあります。
この時飼い主さんが相手の方と談笑していたり、一緒に並んで歩いたりすればなおさら犬は飼い主さんが対応している相手の人間に警戒心を解いていきます。
そして犬よりも先に来客が玄関ドアを通ってホームに侵入していたら、犬にはもう手出しができません。
奥さんのお友達のママ友が来るとわかっていれば趣味のフィギュアを隠しておけたのに、ママ友が遊びに来てしまった後では飾ってあるフィギュアを隠すことができないと観念した旦那さんの心境ですね。
ですので、多くの場合、来客が犬より先にホームにいると犬は来客に対しての反応が弱くなります。
わかりますか?来客が犬がいる場所に入ってくるよりも、来客が先にいてその場に犬が入ってくる方が反応が薄いということです。
ただし、ホームは家そのものではなくて、限定的空間や物にも派生することをお忘れなく、リビングに入った来客の方が犬のお気に入りのソファーの場所に座ろうとしたら吠えられる、噛まれるということはよくあります。
飼い主さんは決して、あ、もうこの子は吠えていないから大丈夫というのではなく、吠えないけれどまだ警戒していて心を許している状態ではないことを理解した上で来客の方に対応してください。
一見、吠えない犬がくつろいで横になったり伏せたように見えても、実は来客のことをとても意識して少しでもおかしな動きをしたらやんぞこらと思っていることは明確なんです。
これは、来客でなくても時々遊びに来る親戚やお隣さん、小さなお子さんなどに対しても生まれる意識です。
この場合は急な来客の動き、例えばトイレに立つなど、これには吠えかかったり飛びかかったりすることがあるので要注意です。
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犬にとっては、人が考えているよりもホームの意識は遥かに大切で、その精液に入ってくる侵入者に対して吠えたり威嚇をする反応は半分が本能的行動です。
そして、では半分は何でしょう。これは経験による学習体験なんですね。
次回は、この学習体験をどのように変えていくのか、このことについてお話ししたいと思います。
それでは最後まで聞いていただきありがとうございました。