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こんにちは。横浜で15年以上、犬の保育園の先生を行っている、なおちゃん先生と申します。
ドッグトレーナー、レッドロス専門士、アニマルコミュニケーターである私が、
人と犬が共に、より幸せになるヒントをテーマに配信しています。
時々、雑談やライブや歌を歌ったりしています。
告知をまずさせてください。
12月17日、夜の8時から9時、ドッグトレーナーがこっそり教える
犬に愛されるコツというオンラインセミナーを行います。
毎月開催しているオンラインセミナーの最終回、今年は3週間となります。
詳しくは概要欄にお申し込みフォームを載せておきますので、ご覧いただければと思います。
さて、今回はメンバーさんからお寄せいただきましたご質問にお答えしようと思います。
こちらはぜひ皆さんにお届けしたいという内容になりますので、全体公開にしようと思います。
内容は、年の離れたワンちゃんを2頭飼育している中で、
平等に可愛がるとはどういうことでしょうか、というご質問をいただきました。
これはご家庭で複数頭のワンちゃんを飼育している方にはぜひ考えていただきたいのですが、
子供の体験を平等に扱う、平等に可愛がるということはどういうことだと思いますか。
これが人間の兄弟になれば、私も11歳と6歳の母ですので、下の子と上の子、平等に可愛がるということは、
親として当然の義務であるという考え方、とってもよくわかりますし、事実自分もそうしているつもりです。
この点でいう、平等に兄弟を可愛がる、平等に扱うということは、
例えば同じようなチャンスを与える、同じものを買い与える、優先順位や優劣をつけず、
どちらかを先にしなければならないときには、交代制度や兄弟同士で話し合って順番を決めてもらう、といったことでしょうか。
私はリアルのお客様を含め、音声配信の皆さんにも犬のことを話すときは、犬を擬人化してお話しすることが多いです。
それは犬と人の共通点があるということも含まれるし、身近なものとして捉えてもらうことで、
より犬に対して理解がしやすいかなと思うからなんですね。
ただ、この今回の平等というテーマについてだけは、私がリアルのお客様にも、
ここだけは人と犬の認識・常識が大きく異なることです、ということをものすごく強調してお伝えするテーマでもあるんです。
動物の行動学や犬についての研究が進むにつれ、昔ながらの犬にまつわる都市伝説的なようなことは言われなくなってきました。
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まだまだ昔ながらの犬に対する考え方や意識というのは色濃く残っていることもありますが、
その中の一つで、私自身はあんまり好きではない考え方があります。
それは犬は人に対して順位をつける、自分よりも下と位置づけた人間の言うことを聞かず、下の人間をなめてかかるというような言い回しです。
犬が家庭内で順位をつけるということは当たっているということがあるので、100%否定はできないんですけれども、間違っているなと思うことも多々あります。
もし皆さんが犬は家庭内で順位をつける生き物だと信じているのであれば、兄弟権を平等に扱うべきという考え方はいかがでしょうか。
矛盾していると思いませんか?それとも当てはまると思いますか?
さあ、皆さんの頭の中に、「え?結局どっち?」とはてなマークが浮かんだところで、
ドッグトレーナーから見た犬と人の平等の捉え方の違いについてお話ししていきましょう。
兄弟権を平等に可愛がること、平等に扱うということはどういうことなのか。
これからお話しする意見は私の個人的意見ですから、同じドッグトレーナーとしても意見の分かれるところだと思います。
もし今お世話になっているプロが私と異なる意見だったとしても当然のこと、その点をご了承してお聞き進めてくださいね。
私の個人的意見としては、家庭内で複数の犬たちと一緒に暮らす場合、必要なことは平等、つまり人間の兄弟のように兄弟権を平等に扱うことではありません。
それよりも飼い主さんとして考えるべきは兄弟権の安定です。つまり犬たち同士の関係性が安定するような扱い方をすることなんです。
この違いを肌感覚で理解するのはもしかしたらちょっと難しいかもしれません。
それはなぜかというと、私たちが人間であり、安定するような扱いよりも平等に扱われるということを喜びとして感じるからです。
ただし、多くの生き物たち、特に集団生活を営む動物たちの社会を見下したしてみると、そこには明らかな順位や序列があります。
強き者がいて群れを引き、弱き者の権利は低い。
私たち人間社会にもそれと長くそんなような序列がありますが、動物たちの世界ほど激烈なものではないし、
社会的通念的では平等であること、特に日本では社会的通念として良きこととされていますよね。
まあそれが本当かどうかは別としてね。
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ですが動物たちの世界にこの平等であること、つまり序列がないことが導入されるとどうなるか。
これは漏れなく争いが起きてしまいます。
例えばライオンは集団で生活をしますが、狩りをするのはメスですよね。
獲物を最初に食べるのは、ですがオスですよね。
もしこの明確な序列とルールがなければ、獲物が獲れた後は群れの誰が獲物を一番先に食べるのかということで、
血みどろの争いが毎回起き上がれ、子どもたちはご飯にありつけず飢え死にすることでしょう。
群れのチーム力は下がり、結果としてその群れのメンバーは一匹も残らないということになりかねません。
ということで進化生物学が進化に動物たちに序列を与えたのは、
順位があらかじめ決まっていることで、序列があらかじめあることで無用な争いが避けられるからです。
この序列は平和を愛する犬たちの間でも、相手との平和をためずために導入されるということは言わずもがなで、
人間の家庭内でももちろん持ち込まれます。
一度序列が犬たち同士の間で定まってしまえば、めったなことでその序列は動きませんが、ここで問題が起きることがあります。
よくあるのは、兄弟犬の相性が悪い。兄弟犬同士がいつもは仲がいいんだけど、
ある特定の条件下で喧嘩をするといったような問題です。
先ほどもお話ししましたが、序列が定まらなければ、それを決めるために争いが起きるということになるんです。
ですので、兄弟犬同士の激しい喧嘩には、なんと飼い主さんによる不安定な平等意識が喧嘩を引き起こしているという悲しい場合があるんですよね。
例えば、ご飯をあげるとき、お散歩のときに抱っこをするとき、一頭が膝に乗っているとき、もう一匹が寄ってきたというようなとき、
例えば、新しいおもちゃを遊ばせるときなど。
兄弟犬なんだから平等に同時に扱ってあげなくてはならないと思っている方、いらっしゃらないでしょうか。
実はこれこそが、犬たちの関係を不安定にさせる問題です。
犬は除列が決まってしまえば、そこにあえてチャレンジして相手に喧嘩を望むということは少ないんですね。
チャレンジするのは、弱肺者が年長者に年齢的に乗り越えられそうだと判断したとき、または除列がしっかりと定まっていないがために権利の主張がお互いにぶつかってしまうときです。
年長者を優先的に対応したり声をかけたりして、年若い者を後から丁寧に扱うことで、犬たちの中で、
ああ、飼い主さんの順番はこうなっているんだという認識で犬たちに定着していきます。
昨日はお兄ちゃんに先にボールをあげたから、今度はお兄ちゃんに先にボールをあげたから、
もし、兄弟犬がすぐに喧嘩をしてしまうようであれば、まずはこの犬同士の関係を不安定にしてしまうような平等意識、これを犬たちに対して発揮していないかどうかということを考えることが重要で、
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もし、兄弟犬がすぐに喧嘩をしてしまうようであれば、まずはこの犬同士の関係を不安定にしてしまうような平等意識、これを犬たちに対して発揮していないかどうかを生活の中で見直してみてはいかがでしょうか。
喧嘩をしてしまうシーンというのは、割とどちらが先に何とかするか、といった順位に関わるもの、どっちが先にどこどこに行くか、などの所有場所に関わるシーンが多いです。
まずはここを、今日はこっち、といった不安定な平等ではなくて、このシーンでは必ずこう、といったルールを徹底する方がいいでしょう。
できれば犬たち同士が、このシーンではこういう順番になっているんだ、ということがしっかり意識できるまで、年長者を優先してあげると、その関係性、その順位で犬同士の関係は安定していくでしょう。
犬たちにとっては平等より安定の方が大切であること、ぜひこれを機会に犬たち同士が安定した関係性を築くことができる扱い方を私はしているだろうか、ということを考えられてみるといいのではないかなと思います。
ということで、今回は犬にとっての平等とは、ということでお話をしていきました。
何かご質問等があれば、コメントやレターくださいね。
最後まで聞いていただきありがとうございました。