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こんにちは。横浜で15年以上、犬の保育園の先生を行っている、なおちゃん先生と申します。
犬と人の架け橋でありたい私が、犬に関する様々なお話、大好きな旅の話、子供たちの話などをマイペースにお届けしています。
時々ひそひそ歌を歌ったりしています。
より具体的なトレーニング、しつけ、アニマルコミュニケーションなどは、メンバーシップでお話をしています。
はじめに、告知をさせてください。
8月21日、水曜日、夜8時から9時30分まで、何でも答えます、ワンコの相談会、座談会2回目を行います。
参加無料ですので、お気軽にご参加くださいね。
概要欄に、Zoomセミナーへのお申し込みURLを記載しております。
本日は、やめてほしい行動をやめさせるための7つの方法の続きをお話しします。
第5番目の方法、合図法と、6番目の方法の多行動法の2つのご紹介をさせていただきます。
カレンプライアのうまくやるための強化の原理、この書籍で紹介されている7つの方法のうち、
抹殺法、検死法、消去法、そして前回は対立行動法の事例をご紹介させていただきました。
まだ聞いていないよという方は、概要欄にURLを貼り付けておきますので、そちらから聞いてみてくださいね。
さて、まず5番目の合図法ですが、これは実は私が一番理解が難しい、トレーニングに生かしづらいという方法なんですね。
ですが、特に動物のトレーニングにおいては、この方法は理屈はともかくとても効果を発揮すると言われている方法の一つでもあります。
事例として、前回も使った事例を挙げてみます。
食事が並ぶテーブルの上にジャンプをして前足をかけてしまうという犬がいるとしましょう。
今までの方法をすべて使って説明をしていきます。
抹殺法で解決する場合は、犬を閉じ込める、放り出す、安楽死させる。
犬死法で解決する場合には、犬を叩く、蹴る、叱りつける。
消去法で解決する場合には、犬がそこにいないかのように無視をする。
対立行動法で解決する場合には、犬がジャンプをする代わりに両立しない行動を教える。
例えば、テーブルの下でお座りをする。
そうするとご褒美がもらえるといった感じになります。
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それでは、5番目のアイス法で対応するとどうなるでしょう。
これは面白いんですよ。
この答えは、テーブルの上に何も乗っていない時に、
ジャンプというコマンドでテーブルに前足をかけることを教えるというものなんです。
さて、これを聞いた皆さんの、「は?」というお顔が私には目に浮かんでしまうんですが、
要するに理屈はこういうことです。
テーブルの前でジャンプというコマンド、合図を教えることで、
その合図が出ない時には飛ばなくなる、という客説的な行動促進法となるんですね。
これを初めて聞いた時には、にわかに信じられないような方法かもしれませんが、
実はこのトレーニング法は、犬をはじめ馬などの哺乳類、
イルカやアシカといった海洋哺乳類のトレーニングでもとてもよく使われる手法なんです。
動物は状況、刺激、行動、結果の連携で物事を強く結びつけて覚えていきます。
ここでは、刺激をコマンド、合図として利用することで、
特定の状況で特定の合図が与えられ、決まった行動を起こしたら決まった結果、報酬がついてくる、ということを教えます。
その結果として、合図が与えられないとき以外は、特定の行動が導かれない、という結果になるわけなんですね。
面白いでしょう。
ここでは、テーブルの前という状況において、ジャンプという合図が与えられたときだけジャンプをすることで、
結果として褒められる、報酬が与えられる、ということが犬の中でしっかり結びつくことで、
同じ状況においてはジャンプをしなくなる、という行動分析上の一つの原理メカニズムを使ったトレーニングになるんですね。
これは、犬の吠えに対しての行動トレーニングにおいても非常によく使われる手法の一つで、
ご飯の用意をしているときに要求して吠えまくる犬がいるとします。
この犬に対して、黄色い食器を持っているときには吠えたらすぐにご飯をあげる、
黒い食器を持っているときにはご飯を絶対にあげない、という二つの条件を与えて、同じシチュエーションでこれを覚えさせます。
これが完全に理解できてくると、犬は黄色い食器が出てきたら吠え、黒い食器のときには吠えなくなるので、
普段は黒い食器だけを使うようにすると、ご飯を用意しておいたときに犬が吠えまくるということをうまく止めさせることができるんです。
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不思議ですよね。もし、これを子どもたちに使うとしたら、
例えば、スーパーの中でギャーギャー騒ぐ子どもたちがいるとします。
スーパーの中では騒がないこと、ママが騒いで、今よと言ったときには一緒に大騒ぎしようね、というゲームを行います。
車から降りる前に車の中で、じゃあ今騒ぐよ、ギャーと子どもたちと一緒に絶叫します。
10秒ぐらい騒ぐのを3回ぐらい行ったら、車を出てスーパーに入ります。
子どもたちがスーパーの中で騒ぎそうになったら、あれ、今だったっけ、まだ合図してないよ、後で大騒ぎと言ったときのために取っておいて、と伝え、
お会計を終えてから車に戻って、再度、よし、じゃあ大騒ぎ開始、と合図を出して一緒に騒ぎます。
どうですか、特に4歳から5歳ぐらいのお子さんにはよく聞く印象で、私も子どもたちと一緒に大騒ぎコマンドを決めてやったりしましたよ。
さて、この合図法を旦那さんに使うとしたら、私自身は旦那さんにこの方法を使ったことはないし、あまり思いつかないので、書籍に掲載されていた例題をお話しします。
帰宅した旦那が服を脱ぎ散らかすということに対して、著書では散らかし競争をして10分でどれだけ散らかすことができたかを競い合うと書かれています。
どなたか検証したことがあれば教えてください。我が家の旦那さん綺麗好きなんで、脱ぎ散らかさないんですよね。
はい、今回は7つの方法のうちの6個目も続けてご紹介します。
6個目のこの方法は、多行動法という方法です。
これはもしかしたら4つ目の方法、対立行動法と少し似た印象を受けるかもしれませんが、大きく違うことは、やめてほしい行動以外の行動をすべて強化するということです。
そういうことか!と、これだけ聞いてわかったあなたは天才です。いや、わからんよという方がほとんどだと思うのでご安心くださいね。解説していきます。
多行動法というのは、この行動をやめてほしいなという行動だけをひたすら無視したり、最低限のレスポンスしか返さないといった上で、対象者がとった他のすべての行動を褒めまくって強化する。
結果的に褒められた行動にすり替わっていくという、まるで忍びのような行動法なんです。
犬のトレーニングの例で言えば、先ほどのテーブルに食べ物が並ぶとジャンプして前足をテーブルにかけてしまう犬をまた引用してみます。
多行動法では、犬がテーブルに前足をかけたときには無視するが、それをやめたら褒めることや、犬がテーブルの方向を見た瞬間に褒める、犬がテーブルに近づいたら褒める、
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これを徹底的にコントラストをつけて劇的に行っていきます。
ここはぜひ、褒めるに報酬、例えば撫でるとか、一粒の犬用のおやつをあげるとか、それを追加することでさらにコントラストを引き立たせることができます。
テーブルに前足をかけたら無視されるし何ももらえない。
対してテーブルを見て近づいても足をかけなければ褒められておやつももらえる、という行動に対する結果のコントラストを明確にすることで、最終的に犬はテーブルに食器が並んでいても前足をかけなくなるというものです。
これはシェイピングのトレーニング手法でとてもよく使われますし、私自身が一番得意としている犬のトレーニング法でもあります。
私自身は犬のトレーニングにおいては、褒めると同時に今あなたがやっているその行動が正解、ということを的確なタイミングで犬に伝えるため、クリッカーというトレーニング用具を使ってトレーニングを進めることが多いのですが、犬たちは驚くほど自分の行動を振り返り、何が良かったのか、何は良くなかったのかを判断して良かった行動以外を取らなくなっていくんですよね。
この方法は実は子供や旦那さんにとってもとても強い効果を発揮します。先ほど子供の例を話したので、今度は旦那さんの例をご紹介しますね。
旦那さんが私や子供に対して、例えば自分のご非力のチームが負けているとか、会社で嫌なことがあったとか、不満や愚痴を言っている、特にかく、犬が悪いという間は、私は一切何の反応も返しませんし、聞こえていても聞こえないふりをするし、目も合わせないし、何なら近くにも寄りません。
私が聞きたいとは思わない話題が去ったら、笑顔を見せて近くに座って、それで、「ああ、それってそういうことなんだ。えー、そんなことあったんだね。」と寄り添いと共感を見せて会話を始めます。
この対応のコントラストによって、私が聞きたくない話を聞く時間を最低限に抑えることができるし、旦那さんには、「あ、これは今は聞きたくないんだな。」ということがわかります。
もちろん、真剣に私に対して意見を言いたいという場合には、きちんとこれは聞いてほしいということがあるので、その場合にはきちんと対面に座って話を聞くという時間を設けます。
そして、たまには泣き言を聞いてほしいなという雰囲気があれば、私もたまには聞いてあげます。偉そうですね。
本書籍では、「聞きたくもない親戚の長電話や年取った親の意味のない不満話を短く切り上げ、楽しい話題で会話に持っていくことにとても効果的である。」と書かれていますよ。
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多行動法は、特定のやめさせたい行動をやめさせるほかに、大きな目標をクリアするためにステップバイステップで攻めていくというためにも伝える有益な行動法です。
例えば、「大きなお願いを聞いてほしいな。」という時には、大きなお願いを伝える数日前から小さな普段は気にもかけてもいないことをしてくれたことに大げさに感謝を伝えます。
これは、行動だけではなく状態にもフォーカスできるとよりベターです。
なんだか、今日のその服の組み合わせ新しいね。いいと思うよ。似合う似合う。なんかね。
こうやって、他の小さなすべての行動を褒めて強化しておくことで、次に来る大きなお願いを通しやすくするためにも使える方法なんですよ。
例えば、「旦那さんのお休みの日にワンオペ育児を頼んで友達と遊びに行きたい。」とかね。
いかがでしたか?アイス法はちょっと難しいとしても、きちんとハマると思いがけない強い行動条件を更新できるものですし、
多行動法は誰を傷つけることもなく目的達成をさせることができる非常に有益な行動法です。
よかったらあなたもぜひ日常に取り入れてみてください。その際にはぜひ私にご一報くださいね。
ということで最後は7番目の方法をお伝えしたいと思います。7番目の方法は同期法になります。
それでは今回も最後まで聞いていただきありがとうございました。