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2023-11-24 13:50

第433回 飲食業は「変形労働時間制」が合わない!?

第433回 飲食業は「変形労働時間制」が合わない!?

弁護士の向井蘭が、経営者の立場に立って、労働法の基礎だけでなく、ビジネスに関する法律の問題をわかりやすく解説する番組です。

番組への質問はこちら↓↓

https://ck-production.com/podcast/mukai/q/
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こんにちは、遠藤克樹です。 向井蘭の社長は労働法をこう使え、向井先生よろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。
さあ、ということで、今週も行きましょう。
前回はね、萩原先生、社長室の先生、ポッドキャストを聞いて勉強を始めて、合格して独立という先生がいらっしゃいましたが、
向井先生、勘無量層でほとんど、いやー、はーばっかり言ってたけど。
いやー、ほんとちょっと言葉にならないというかね、もう嬉しいなと思いましたね。
終わった後もね、責任あるなって言ってましたけど。
うん、責任ありますね。
そういう方もいらっしゃるんでね。
はい。
時事ネタとかもね、試験に使えるっていう話だったんで。
まさかあんなとこで。
試験に役に立つのかと思って。びっくりですね。
いやー、ほんとですね。いろんな使い方がありますね。
はい。
さあさあ、ということでね、そんな向井先生に今日も質問来ておりますので、今日はちょっと長いので早速紹介させてください。
はい。
今日は飲食業の40代の方からご質問いただいております。ありがとうございます。
多分経営者か、経営サイド側の方だと思いますので、いきたいと思います。
はい。
はじめまして。いつもポッドキャストにて拝聴しております。具体的な事例を交えた解説など、毎回とても勉強になります。
早速ではありますが、変形労働制について質問があり、投稿させていただきます。
現在、都内で飲食店を数店舗運営している会社にて、既存の就業規則の見直し準備をしているところです。
そんな中、以前番組内でも取り上げられておりましたが、名古屋地裁でマクドナルド事件判例について、その後の各企業の対策対応についての情報がありましたら、ぜひお伺いできればと思っております。
向井先生のニュースレーターも拝見しましたが、現状の対策として、変形労働時間制を採用するにあたっては、就業規則内に全てのシフトパターンを記載しておく必要があると認識しています。
現実的に今回の見直しのタイミングでどこまで入れ込むべきなのか、判断に迷っているというのが正直なところです。
実店舗でのシフト運用としては、曜日ごとの営業時間や繁忙期などの時期によって、15分刻みでシフトを調整することも多々あるという状況です。
仮に可能性があるシフトすべてを記載することを考えると、1日8時間の勤務の場合、15分刻みの出退金組み合わせをしていくと、60パターンになります。
時給の従業員を含めると、最短4時間の勤務シフトがありますので、可能性まで含めてしまうと、延べ2000以上のシフトパターンが考えられる形になります。
一覧を作成すること自体は問題ありませんが、そこまでの量を就業規則内に入れ込むというのは、現実的な事象なんでしょうか。
はい、こういうことでいただきました。
はい、ありがとうございます。
2000パターン。
2000パターン。
ドナルドが200パターンですね。
実際、就業規則に載せている。
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入れたんですもんね。
入れたみたいですね。
それでですね、今の私が聞いている事情をですね、申し上げると、タクシー業界さんの勉強会に行くと、タクシー業界はちょっと始発問題なんですね。
1日16、15時間のシフトとかザラなんで。
はいはいはい。
はい、要は1日15時間働いて、1日間休むみたいな。
そういう働き方結構多いんですよ、16時間から。
なるほど。
ですから、変形労働時間制が無効になると、16時間労働っていうのは、8時間労働に対して8時間残業したことになっちゃうんですよ。
うんうん。
ですから、すごく巨額の残業代が発生しちゃう。
まあそうですよね。
労働期日がとんでもないことになると。
始発問題になるので、シフトを全部書いて、就業規則に入れたって言ってましたね。
あ、やっぱりやったってことですか。
やったって言ってました。やったって言ってる、もしくはやるって言ってる会社が多いですね。
じゃあその流れに準ずると、この方も、まずは最低でもこの60はやった方がいいかもってことですか。
2000は無理だと思うんで。
可能ではありますがって出てますけどね。
法律上は確かにその通りなんですけど、どこまで争って揉める人がいるかっていう可能性の問題の兼ね合いでいくと、
普通はいないし、結局飲食業って昔と違って、働いても12時間労働とかこのぐらい1日ですね。
10時間労働ぐらいだから、そんなに8時間を超えて残業が常時発生する時間が長いかと、そうでもないんです。
だから僕は変形労働時間制を諦めて、8時間超えについて、あと週40時間超えについてお金を払うやり方でもいいのかなっていう気もしますね。
そっちで対応するってことですね。
コストは増えちゃうんですけど、でも時給単価でいくとそんなに増えないんじゃないかな。
正社員なのかパートカーによると思うんですけど、そんなに増えないんじゃないかなっていう気はしますし、
8時間超えてる働くっていうのは、今の日本ではなかなかやっぱり働く人にとっては、より疲労が蓄積するんで、
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1.25ぐらい払わないと、もう来ないんじゃないかなっていうのもあります。
流れとしてね。
自流としてね。
なので、こういう面倒な手間を諦めるっていう方法もあると思います。
だから8時間超えたら1.25払うよと。
時給でいったらうちはいくらだよと。
時給から基本給を計算すると、基本給はだいたい170時間で22万だよと。
説明をして、こういった部分を払っていくよっていう方がやりやすいし、働いてる方も納得いくし、
無理に変形労働時間整理するっていうのは、時代にも飲食業はそこがないかなっていう。
そっちの観点ですか。
もう人が足りないからシフトが作れないんですよね。
あと問題があって、1ヶ月前にシフト作らないといけないんですけど、
日本レストランシステム事件って、ゴエモント・ドトールの会社さんが訴えられた事件が15年前ぐらいなんですけど、
ゴエモント・ドトールでも特営店でも人が当時足りなくて、シフトが作れないんですよ。1ヶ月前に。
だから負けちゃったんですよね。変形労働時間制無効だって。
だからおそらくこのお客様も、1ヶ月前にシフト全部決まってないから、いずれ争われても負けちゃうと思うんですよね。
実体が変形労働時間制のクリアできないような環境なわけですね。
できてないと僕思いますよね。1ヶ月前にきっちり全員決まるなんていうのは。
確かにそうですね。
こんなお店今時あるのかなっていうのは正直思ってます。
なるほど。
例えば神保町にうちの近くにお店屋さんいっぱいあるんですけど、お昼ランチ出してる。
人手不足により休業します。人手不足により今日はランチ休み。
神保町?
神保町。
えーそうなんですか。
いっぱいは言い過ぎだけど、毎日2、3です。
でもそんなに目つくんですね。
目つく目つく。
今日は人がいるからやってんだみたいなんですね。
人がいてもそれタイミーで入れたみたいなね。
タイミーさんって言うんですけど、タイミーってアプリで空いてる人を応募してきてもらう。
そんな穴埋めの仕方?
そう。毎回知らない人が来るんですね。
タイミーで。
〇〇大学の学生です。
あの辺だとだいたい明治か。
そうそうそう。
そういう世界に入ってて、もう無理じゃねえかななんて思いますね。
えー。
09:00
飲食業ね、人件費減らしたいと思うんですけど。
もともと変形労働時間制って生まれた背景で言うとどういった職種が想定されてたんですか?
まさに工場ですね。
工場は機械が主役なんで、機械をいかに動かすかがメインなんですね。
で、機械を24時間動かした方が絶対に効率が良いわけですよ。
でも人間って8時間ぐらいかかるから、
機械を基準に考えると人間ってじゃあそんだけ働かせていいのかって言うとダメって言って8時間労働の決まりが出たんですけど、
それでも機械を使いたいっていう会社さんいっぱいあるじゃないですか。
で、二交代制で12時間12時間人入れ替えるから24時間機械回したいっていう要望いっぱいあるじゃないですか。
仕方なく変形労働時間って言って、規則正しい生活って体に楽ですよね。
寝る時間決まって、食べる時間決まって、規則正しくない生活って疲れますよね。
いきなり日課まで働かされて、朝ごはん食べないで、昼ごはんを朝ごはんと一緒に食べるみたいな、疲れますよね。
明るいうちに寝て、また夜動くとか、そういうの繰り返しになったら疲れますよね。
なので、疲れさせないようにパターンを決めて健康を維持するっていう、そういう制度が変形労働時間です。
なるほどね、そういう背景なんですね。やっぱり毎回労働法って、その法律のどういう背景だったのかっていうのを知ると、
意外と変形労働時間制にこだわっていること自体が、実はもともとの立法がの背景とちょっとずれてるとかっていうのがあるので、
すごく今のは考え方としていいヒントになりますね。
あとは電車ですね。電車、鉄道会社。鉄道会社ももうダイヤ決まってますよね。
でももう夜中まで走らせるじゃないですか、朝早くから。
そうすると8時間なんて埋まらないわけですよね。うまく人の交代が。だから12時間労働とか10時間とかシフト入れて働いてもらうんですけど、
不規則正しくないと体に負担がくるんで、パターンを決めてその範囲でしか動かさない。
なるほど。業界の特性を考えたときに、人の労働者の方の健康とかを考えようとしたときに、どうにかやった形が変形労働時間のそういう形が生まれてるんですね。
でもそれをどう生かすかっていうのが各業界に問われている中で、今いろいろと制度広が起きているというのがこの背景なんですかね。
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そうですね。ですから飲食業はもっと人が足りなくなるから、変形を諦めるっていうやり方もあるかなと思います。
そこを疑って考えると。
増えるかもしれないんですけども、本当に長時間1日12時間14時間ってもう無理な時代に入ってきてるんで、
もう1日8時間を基本にしてシフトを組んでいって変形はなるべく使わないっていうやり方もありかなと思いますね。
どういうことですかね。質問としてはもしやるんであれば基本的には変えていくっていうのが前提になってくるだろうけれども、
別の観点でいくと変形労働時間制というものを事例を考えたときには無しという前提でも施行する必要があるかもしれないというようなところもあるかもしれませんね。
ということでまた一緒に考えていきたいと思いますので、この話を受けてまた質問等々ありましたらぜひいただけたらと思います。お待ちしております。
ということで向井先生終わりましょう。ありがとうございました。
ありがとうございました。
本日の番組はいかがでしたか。
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