1. 向井蘭の『社長は労働法をこう使え!』
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2019-02-14 19:43

第184回「質問:労働基準法改正により、有給休暇5日の取得が義務化!? 」

第184回「質問:労働基準法改正により、有給休暇5日の取得が義務化!? 」弁護士の向井蘭が、経営者の立場に立って、労働法の基礎だけでなく、ビジネスに関する法律の問題をわかりやすく解説する番組です。
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向井蘭の社長は労働法をこう使え 法律の下で展開されるビジネスの世界
ポッドキャスト社長は労働法をこう使えは、弁護士の向井蘭が経営者の立場に立って、経営者が知っておくべき労働法の基礎だけでなく、ビジネスに関する法律の問題を分かりやすく解説します。
こんにちは、遠藤和樹です。 向井蘭の社長は労働法をこう使え、向井先生、本日もよろしくお願いいたします。
はい、よろしくお願いいたします。
さあ、今日は早速ご質問に行きたいと思います。
前回、前々回とね、岸田先生にお越しいただいて、
竹翼経営法律事務所がいかに変な事務所かというのが、皆さんに伝わったと思いますが、今日は真面目に質問に回答いただきたいと思います。
さあ、いきましょう。今日はですね、不動産営業、39歳の男性の方からご質問いただいております。
ありがとうございます。
いつも楽しくためになるポッドキャストをありがとうございます。
不動産売買、主に自己住居用エンドキャクの仲介営業をしております。
社員は私と事務員だけで、社長も営業している地元密着の小さな会社です。
有給休暇年10日以上の場合、来年4月から必ず最低5日取得とのことですが、そもそもあった大型連休に組み込まれてしまい、実態として今まで通りということになり得てしまいますでしょうか。
現在は週1日の休みで、売上によって翌月に1日間2日休みが増えるぐらいです。
大型連休は年末年始に約8日間、お盆は約8日間、ゴールデンウィーク約3日という状況です。
天皇即位や最低有給休暇の取得など騒がれていますが、結局我々は例年通りなのかなと。
物資付けで不勉強で質問で申し訳ございませんが、ご教授いただけると幸いです。
ということですね。
はい、あのこれ2018年にご質問いただいてまして、有給休暇が年10日以上の場合、今年ですね、今年の4月から必ず最低5日取得という内容になりますかね。
そうですね。
ちょっとこの辺りの背景も含めてぜひご回答いただきたいなと思います。
はい、実はですね、これは今問題になっている疑問、ポイントでして、事務所、まさにおっしゃる通りでして、経営者としてはですね、できればみんなに会社に今まで通り来てほしいと。
そうですよね。
有給休暇、まあ分かるんだけど、うちは人手不足で苦しいと。
何か良い方法がありませんかと相談が来ますよね。
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そうするとですね、働かせることができる労働時間というのは決まってまして。
なるほど。
で、大体まあ週40時間ペースに働いてもらうんですが、普通のデスクワークの会社、まあちょっとこの方は不動産営業なんでちょっと違いますけど、
普通のデスクワークの会社でも1日8時間労働の場合があるんですけど、例外があって普通の会社は、それは大体2つあるかな。
1つは祝日ですね、国民の祝日、これ休みにしてますよね。
で、まず1つ。もう1つが年末年始と夏休み、これデスクワークの会社では結構多くないですか。
大体まあ普通に休みですよね。
この2つは休みじゃないですか。
会社が指定して。
指定して、で、あの休日なのか休暇なのかっていう法的な問題があるんですが。
なるほど。
あるんですが、いずれにしても休みであること多いですね。日数は各社バラバラだけど、全然うちお正月も休めないよっていうのは小売りとか飲食の場合。
製造業も休みますよね。
製造業、そうですね。工場とかだとちょっとなんか変わったシフトはあるんですけど。
シフトあったりしますけど、一部の業種除くと大多数は休んだりしてるじゃないですか。
そうですね。
で、何を今よくご質問が多いかっていうと、これを労働日にして、
で、この5日の有休休暇の義務っていうのを振り替えというかな。
労働日に無理やりとは言わないんだけど、就業規則とか契約書変えて、実は夏休みもお盆休みも働かないといけないんですよと、うちの会社。
はいはいはい。
これ自体はね、実は適法なんですよ。
うーん。
週40日、1日8時間とか枠は決まってますけど、お盆休み休ませないといけないなんて法律はどこにもないんです。
そりゃそうですよね。
単なる監修文化の問題なんですね。
で、契約書とか就業規則変えてルールを変えると、そこを休みに有休休暇を取ったことにしようと。
なるほど。
ってすると、実態が変わってないのにあら不思議、有休休暇を5日以上取ったことになるわけです。
はあ。それは法廷での決まった休日とか労働時間の中でちゃんとうまくコントロールして、年間での従業員に働かせたい労働時間はうまく変えないままにしちゃおう作戦ってことですか?
そう。例えば就業規則を今までだったらですね、よくあるのは国民の祝日、夏季休日、年末年始を夏季、もしくは年末年始を休日とするみたいな、まあ就業規則の表現いろいろあるんですけど、日数指定したりとかいろいろあるんですけど大体そういう表現にしてるんですけど、それを書き換えて祝日、年末年始、夏季休日を消しちゃうんですね。
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就業規則から消しちゃう。消すと働かないといけない日になりますよね。だけど実際働く人はいないわけだから、何を会社ができるかというと、今回の改正で実は1人当たり5日まで10日以上有給休暇をもらえるような立場の方の人については、会社が指定できるんですよ。この時期に取りなさいって。
有給を消化する日にち指定ってことですか?
そう、5日間については。なんでかっていうと、これルール守らないと罰金刑があるんですね。で、労基署から厳しく叱られたり、場合によっては最終、いやいや罰金刑はなかなかならないけど、最終的には罰金刑、理論上あり得るんだ。
でも会社だって、会社の都合あるじゃないですか。で、法律で今回どういう仕組みにしたかっていうと、この5日については会社も大変だろうから、会社が決めていいですよと。労働者の人の意見は聞かないといけないけど、労働者の人と働いてる人と意見が食い違っても、会社が一方的に決めていいですよと。労働者の方の意見は尊重しつつもね、例えば意見が対立する可能性あるじゃないですか。
ここは休みたくないとか。
休みたくないと。でもそこは最終的に話し合いまとまらなくても、押し切って指定していいですよと。例えばさっき言ったみたいに、8月のこのお盆の日は誰もお客さんも来ないし、誰も働いてないから休みなさいと。できるんですよ。できるんだけど問題は不利益変更と言いまして、さっき言ったみたいに、契約書とか宗教規則、紙を変えただけなんですけど、本人にとってはもともと契約書を休める日なんですよね。
当然に。ところが、いつの間にか宗教規則とか契約書変わっていて、もしくはサインさせられたり、ろくな説明もなく宗教規則変わったりすると、いつの間にか自分が働かないといけない日になってる。これ不利益じゃないですか。
不利益ですね、これは。
不利益ですよね。給料変わりませんからね。
確かに。
不利益ですよね。で、ちゃんと説明して、個人の同意を文書でもらうか、あとはどうしても会社が変更しないといけない理由。ちょっとなかなか思いつかないけど、何だろうな。
ビジネスが変わっちゃったとか。
変わっちゃったとか、この日働かないといけないような仕組みになっちゃったとか。そういう特殊な理由以外は認められないんで。
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なるほど、なるほど。
という問題があって、よく質問くるんですけど。
やっぱそうなんですね。
一人一人の同意がある、もしくは労働組合、加入してる労働組合の同意がないと無理ですよって話し合いして、できますかって言うと、いや半端きますねと。
要は口頭的に話すと社長が、なんとかくんさと、年末年始の5日間の休みあるじゃん。
あるじゃん。はい、そうです。
あれを保証じゃなくて労働日に変えるんだけど、変える分有給そこに当てるから、これで納得してくれるっていう話をすると。
そうです。
嫌でしょ。
で、これにサインしてくれるって。
しないでしょ。
そこで、この会社ダメだなって思う人もいるかもしれない。
いると思うな、それやっちゃったら。なるほどね。
この会社、もう辞めようかなって思う可能性がある。
で、僕はセミナーで何て言ってるかっていうと、
例えばこのご質問の方でも、おそらくね、年間労働日は、あまり休んでないんで大変だと思うんですけど、年間労働日は300は言ってないですよね。
次に、たぶん、マックス3日しか休んでない。あ、週1日にしては4日。
5日、短いと週5日、60日。そうですね、320日くらい働いてますよ。
300切ってるか切ってないくらいかな。
年末年始とお盆入れるんで、そうですね、285とかその世界じゃないですか。
あ、300切ってる、ギリギリ切ってるくらいじゃないですか。
普通のホワイトカラーの会社、製造業でも、250を超えるって少ないんですよ。
だいたい230とか、それに当てはめると5日って、だいたい2%くらいなんですね、年間の労働日の2%。
2%の生産性を上げることができるかを試されてるわけですよ、国に。
あー、なるほどね。この法律の変更は、国の意図はそこ。
もちろん、国の意図は。
生産性2%上げられるんですか?というのを問われてますから。
もちろんいろんな意図ありますよ。U99が取りやすくしていろんな人でも働けるようにしたりとか、
育児とかと両立しやすいとか、いろんな女性の社会シーンとかいろいろありますけど、
このポッドギャスでも言ってますけど、やっぱり生産性改革っていうのは結構シビアで、
要は休んでもちゃんと売上と利益維持できるかっていうことなんですね。
なるほどですね。
2%なんですよ。2%って、たとえば1日の労働時間で換算すると、どのくらいだかわかります?8時間労働の場合。
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何%?2%。
僕計算したんですけどね。8時間×60分だから480でしょ。2%ってことは、9.6分。1日あたり。
1日10分か。
10分よ。10分、働かなくても仕事が回るようにすればいいわけなんですよ。
はいはいはい。
これは毎日やるって大変なんだけど、だけどできないっていうのは、
まあ分からなくはないんだけど、働いてる人はシビアに見てるんで、
ああ、できないんだって見られますね。
確かにね、1日10分、9.6分の効率化を図ると言われれば、
やってみたら、5%くらい生産性上がっちゃいそうなことはできそうなことは?
いっぱいありそう。
本当はね、このご質問者の方は、実際社長以外の営業の方はこの方しかいないから、
いくら自分の仕事をやらせたって物理的にお店に会社にいないといけないっていうことだから、
単純には当てはまらないとは思うけど、
まあ試されてるのは間違いないですよね、経営者がね。
なるほど。
で、社長さんおそらくね、無頓着じゃないかな。
いや、でも中小の社長さんでこういう情報にアンテナちゃんとしっかり立ててる方って、
そういうとこに意思あんまないですからね。
社長さんか弁護士さんか誰かに相談して、言ってくる可能性あるよね。
で、二つ道があって、経営者の運命の分かれ目で。
一つ目は?
一つ目はさっき言ったみたいに、就業規則変えちゃえばいいんじゃないの?みたいな。
うんうん。
で、契約書変えちゃえば。だから契約書、就業規則ないんじゃないかってそもそも思う。
人数的にはなんかなさそうな希望感があるんですよね。
契約書もね、労働条件通知書が契約書もないとダメなんですけど、ないかもしんないよね。
そうすると、うやむやにするか、申し訳ないんだけど契約書これ書き直したんでサインしてくれる?とか言って、
さっき言ったみたいに、休んだことにしちゃうっていうのをやるか、
いや、何とかいつかは取れるように頑張ろうかと。
パート3入れて、休んでも回るようにしようかと言えるかだよね。
まあでも生き残る道としては後者を、経営者としては見つけてほしいじゃないですか。
っていう発想にならないんですよ。
あの、ならない。
だけどいい人であればあるほど、転職できちゃうから今。
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やめちゃうよね。
あの、すごくこの経営者の人は、本当は頑張らないといけないと。
問われてるわけですね。
このご質問者の方なんか非常にね、我慢強くて、勉強熱心な方だと思うんですよ。
本当ですよね。
僕、癒すときってこんな忙しいのに。
確かに。
こういう方は大事にしないといけない。
別に怠けたいっていうわけじゃなくて、やっぱり家族とかある程度はその自分の時間も、
週1日じゃないですか、休めるの。
それはそう思いますよね。
生き残るには休んでもらわないといけないっていうのは、なかなか休めるような経営。
あとはこの方ね、社員さんという立場の中で、この経営者の方にどうアプローチすればいいかは。
いや、分かるんですよ。だって俺はこれでやってきたんだと。
この業界はこんなもんだと。
ただね、それが通用するのはいつまでかですよね。
どうかな。
厳しいんじゃないかな。
なかなかどうなんだろう。
しかもこの人数でいくと、理論上は生産性2%上げるという話ですが、
仕事効率を2%上げるとか、そういうところで対応できるものでもなさそう。
じゃないんですけど。
営業もされてるでしょうし。
そう。だからもう一人ヒットを入れないといけないんですけど、
それができないかできるかは結構おっきいんじゃないかと。
なるほどですね。
本当はこの法律の今回の改正は皆さんね、意識していかないといけないほどですね。
改めて時間もないですけど。
そうですよ。本当ですよ。今チャイム鳴ってますけど。
そうですね。チャイム鳴って終わりのお知らせになってますけど。
なってますけど、最低限の政府からの宿題みたいな感じじゃないですか。
あなた方の会社は、これ本当はですよ、小規模会社はもっと先延ばししてもいいはずなんですよ。
他の老朽化法の規制は1年先延ばししたから。
これだけ2019年からなんですよ。
これメッセージがあると思うんですね。
このぐらいクリアしてくださいよと。そうじゃないとこれから厳しいですよと。
本当にあれなんですね。雑巾を絞るかのようにちゃんとやるよっていうメッセージというか、
手厳しい話なんですね。
手厳しいですよ。乗り越えれますかと。
なるほど。挑戦状ですね。
働いてる人も無意識にそういう目で見てるから。
誰かから言われてやるよりも早めに取り組まないとダメですよ。
18:06
なるほどね。これは非常に重要な会ですね。
そうですか。目を立てても4月からですもんね。
そうですよ。気にしてる社長さんも多いんですけど、
大人しいでしょ日本人は皆さん。僕も日本人ですけど言わないじゃないですか。
でも危ないですよね。
こういう情報はね今社員さん側にすごい勢いで広がり、
ニュースとかでもバンバン出てくるでしょうからね。
この方も社長が何もやってくれなくて、むしろ前より忙しくなったりとかしたら
我慢の限界になっちゃうんじゃないですか。
本当それでいいのかってことですよね。
今日の大枠の世の中をどう見るかという観点をいただきましたので、
その上で社長さんとどういうふうにアプローチしていくかを考えていただいて、
またそこでつまずくことがありましたらぜひお待ちしておりますので、
ご質問ご投稿ください。
というわけで本日もやってまいりました。
向井先生本日もありがとうございました。
ありがとうございました。
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