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向井蘭の社長は労働法をこう使え
法律のもとで展開されるビジネスの世界
ポッドキャスト社長は労働法をこう使えは
弁護士の向井蘭が経営者の立場に立って
経営者が知っておくべき労働法の基礎だけでなく
ビジネスに関する法律の問題を分かりやすく解説します。
こんにちは、遠藤嘉介です。
向井蘭の社長は労働法をこう使え、向井先生よろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。
さあ、ということで今週も行きたいと思いますが、
はい。
そんな中、最近いかがですか?ちょうどね、緊急事態。
最近は、
マンボウ出てるタイミングですけど。
やっぱり公演はリモートになってますね、ほとんど。
一旦リアルに戻りかけたけど、また…
戻りかけたけど、はい、そうですね。
あ、でもあの時期、1月とか12月とかにかけて
リアル戻りそうな雰囲気あったんですか?
ありましたね。12月、1月は結構リアルでセミナーやりましたね。
あ、そうなんですね。
1月になってから、徐々にちょっと下旬にかけて
はいはい。
リモートに切り替わってて、2月はもうほぼ完全リモートですね。
団体的には、経営者とか社労士の事業団体とかそういう感じですか?
そうですね。
普通のセミナー会社も大体収録かリモートですね。
切り替え。
切り替え。もともと切り替えになってましたけどね。
リアルでやる会社、リアルオンリーって会社はほとんどないですね。
なるほどね。確かにミックスでやるというかね。
そうですね。
そんなところではありますけれども、
今日はですね、ネット情報でちょっと疑問を持ったという方からのご質問をいただいておりまして、
はいはい。
早速ご紹介したいと思います。
34歳の方からの質問でいただいております。
はい。
いつも大変楽しく拝聴させていただいております。
さて、この度非常に気になる情報をネットで見つけました。
それは、でき高払いその他の受け入れ性の実質を備えていないというべきとして、
でき高払い性としての性質が否定された裁判例があります。
千葉地裁松戸支部令和元年9月13日の判決というものです。
私にはでき高払い性が否定されるという考え自体がなかったため、非常に驚きました。
その後、詳しく調べようとしましたが、ネットにはあまり情報がなく途方に暮れております。
非常に気になるため、ぜひ向井先生に解説いただけますと幸いです。
ということなんですけども、すみません。
この方のご質問がちょっとレベルが高いと言いますか、
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私ですね、この質問そのものがちょっと理解もできないんですけど、
ここのあたりから一度ご解説いただけるかなと思うんですが。
あの、いわゆる部合給ですとですね、
残業代も含めてお金を給料払ってるっていうことになるんで、
残業代が簡単に言って安くなるんですね。
次回、私からご説明しますが、ちょっと新しい本を書きまして、
オール部合給しかないと運送業はですね、そういう本を書いたんですけども、
部合給が認められれば認められるほど、残業代の単価は安くなって、
劇的に8分の1から9分の1安くなるんですよ。
ほうほうほう。
一度ありましたね、どこかの回でやってますね。
8分の1から9分の1ぐらい安くなっちゃうんで、
でき高給、部合給かどうかはとっても重要なんですけども、
この松戸支部、千葉地裁松戸支部の判決が否定したんですよね。
はいはい。
どういう事案かというと、これ実は私も知ってまして、
どういう事案かというと、運送業ってルートがあるんですよ。
例えば、東京、赤坂から千葉の松戸までとかですね。
行く先のルートが決まってるわけなんですよね。
そのルートごとに値段を決めて、それでお金を払ってたらしいんですよね。
私はこれも別にでき高給でいいと思うんですけど、
この裁判官は厳しくてですね、ちょっと読みますと判決文を、
被告のルート単価は原告の運送した製品の数量などの
仕事の内容がルート単価の賃金額に変動を期さないものであって、
でき高払い性の実質を備えていないって判断したんです。
ここの文章を企画されたんですね。
裁判官はルートが違ってても運ぶものが違うでしょうと。
そしたら、ちゃんと運んだものの数量とかで、あと売り上げとかでですね。
それで、賃金額を変動させないとでき高払いとは言えないって判断したんですよね。
なるほど。
そもそもこの事案はですね、ルート別の単価がなかったって裁判官は判断してるんですよね。
明確な決まりはなかったっていう風に、
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修行規則にも定めがないし、っていうことを言ってるんですけども、
仮にそういうルート別の単価に従って払っていても、
これはでき高払いの実質を備えていないと。
要するに運送した製品の数量とか売り上げとかなどで、
ルート単価の賃金額に変動が来たしていないので、
でき高払いの実質を備えていないと。こう判断したんですね。
これはですね、なかなか厳しい内容で、
ルート別単価で、ルート別に大雑把にですね、
このルートはいくらとか決めても許されるんじゃないかなと思ったんですけども、厳しいですね。
ですから、やっぱり細かくですね、運んだ荷物の量とか売り上げとか、
細かく大雑把じゃなく、数字に連動している内容にしなさいと。
そういう内容なんでしょうね。
ここの判決で出た内容と、
基本的な運送業におけるでき高払いとか、
受け負い性の実質を備えているかどうかの判断の基準というのは、
一般的っていうのがどこが一般的かわからないんですけど、
普通どうなのか、そしてこれがどうなのか。
いや決まりはないんですよ。ほとんど裁判例なくて、決まりがないんですよ。
前例がない。老期所の監督も分かんないし、学者も研究してないし。
これ初めてじゃないかな、この種の判決で出たのは。
これで原告代理人は未払い残業代専門の事務所なんですよ。
どことは言わないけど、うちもよく当たって、今当たってないかな。
一時期よく当たったんですけど、未払い残業代ばっかりやってる事務所で。
詳しいわけですよね。
でも逆に言うと、この裁判官であっても、
運んだ品物の数量とか、売り上げとかで賃金が変動したら、
でき高給と認めるよっていうふうに読めますよね。
業界の感覚がわかんないんですけど、
今の数量とか運んだ単価とかによって、
どれだけの売り上げを出すものを運んだかってことですよね、現場からすると。
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現場からね。
それによって、でき高どうかが決まるって、
運転するかとしたら、単価高いもん入れてくれりゃええやんみたいなとこもあるじゃないですか。
そこができ高に反映しちゃうってことがあり得るってことですか。
そうですね。数量ですけどね、ここに書いてるのは。
法的な解釈と、本当に私が言ってるのは、
一般の働いてる人間の立場になってって思って聞くと、
感覚的に納得いかないというか、
負に落ちない部分が残るなっていうのはあったんですけど。
そんな細かすぎて。
とか、数量って自分だけでコントロールもできない、
会社の都合だったものをでき高に当てられても、
じゃあいっぱい入れてよみたいなのが起きたりしないのかなとか。
いや起きますね。
ですよね。
はい、起きますね。
起きますけど、工夫すれば問題ないと思いますけどね。
起きますけど、それはやむを得ないんじゃないですか。
やむを得ないってとこなんですね。
例えば、すごいややこしいけど単価が低いとかね。
そういう仕事もあるわけですよ。
そうですよね。
でも別にお客さんの決めた単価とかに左右されないで、
会社で標準運賃を決めて、それに従って廃社して、
お金を払ってもいいですから。
だから、この点は工夫すれば問題ないと思いますけどね。
なるほどですね。
標準運賃制ですね。
これはね、この事例はそもそもルート別単価がなかったって認定されてるんですよね。
どこにも書いてないですよ、就業規則にも具合が書いてなくて。
何にも書いてなくて、会社がこういう取り決めでやってたんだっていうことを言ってるだけなんですよね。
すごく曖昧な内容だったんですね。
それで言うと、この経営者の立場に立った一つご意見を言っていただくとすると、
明確にそういったルート別の単価とかをちゃんと会社として設けて、
規定していればこういったことも起きなかった可能性も全然あるってことですか?
いやだ、ここがルート単価はきちんと数量とかを反映してないとダメだっていう内容なんですよね。
大雑把にこのルートだからいくらっていう決めるのはダメっていうことみたいですね。
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なるほどですね。
だから、きちんとおそらく運んでる内容とかルートで数量とかで値段を決めて、
それで変動するような給料だったら大丈夫だと思うんですけどね。
大雑把に決めちゃってとこが問題なんだと思いますけどね。
なるほどですね。
すみません、この方のご質問のところをもう一度お聞きしたいんですけど、
全然情報を調べても出てこないんですけど、
情報に触れてますとありますが、このあたりはどういう状況なんですかね?
それないんですよ。
判例ソフト、検索ソフトしかないんで、
普通の市販されてるものとかインターネット上には出てこないんですよ。
うちの事務所も契約してるものでやっと見つかったぐらいですね。
でもこれは質問が他にも来てるんで、いずれ有名になる判決になりますね。
じゃあこの方よく見つけましたねって感じですね。
いやネットに書いてあるのちょっとだけ。ある弁護士さんの記事で書いてあるんですよ。
なるほどね。そのあたりから見つけたんですかね。
そうなんですね。
じゃあ今後この判決に関しては、ある程度ことが問題になったりして広まってったりして、
どうしていくのかっていう議論が活発に行われるだろうということ。
また随時アップデートしながら、ここに関しては情報を伝えていきましょうかね。
はい。
ということで、今回さらっと先ほどおっしゃいましたけど、新刊出されるんですか?
そうですね。それちょっと次回で告知したいと思います。
ぜひ。ということで次回は先ほどしれっとおっしゃっていた運送業特化の労働法文ってことですかね。
はい。そうです。
あるようですので、そちらの回にしたいと思いますので、ぜひ楽しみにしていてください。
はい。
ありがとうございました。
はい。ありがとうございました。
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