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はい、月次レポート研究所のポッドキャスト、2023年7月の後編をお届けします。後編も、お相手は月次レポート研究所パートナーの吉田さんです。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
今回のテーマはですね、スパークス新国際有料日本株ファンド愛称厳選投資、こちらのファンドのですね、月次レポートの中からこれはというものを厳選してですね、読んでみようという試みです。
前編の方でですね、吉田さんから挙げてもらった2つのレポート、それから僕レニーが挙げたレポート1つご紹介したんですけれども、今回後編はですね、僕が選んだレポートを1つ読んでいきたいと思います。
投資先の企業と買い増しの姿勢
僕が選んだのがですね、2017年の8月の末に、8月基準で出たレポートです。この時も投資先の数は15社で、上位の5社はカオソフトバンクグループ、テレモリクルート、日本電さんなんで、たぶんさっきとほとんど変わってないなと。
同じ年だからそうなんですけれども、こちらのレポートで、この月に紹介したのはロート製薬さんで投資されていて、こちらは今も投資に継続されているはずなんですけれども、それの後にですね、
どういう風な投資をしているかというような説明をですね、ここの中でしています。特にファンドの中にですね、株価好調と株価不調が混在していますと、それがポートフォリオの中にあるんですけれども、業績回復がすぐに見込めないという理由だけで売却することはあまりありませんと。
むしろビジネスの参入衝撃が崩れていない限り、いずれは業績が復調するであろうという前提で、株価下落局面においてはしばしば買い増しを行いますという風な、その投資のスタンスというかですね、ことを説明されているんですけれども。
過去、吉田さんの投資のお話、投資行動のお話をお聞きしていると、吉田さんの講演に近いようなことをされているのかなという風には思ったんですけれども、要は株価下落局面においてはしっかり、もちろんその投資の基準を満たしているという前提付きだと思うんですけれども、買っていくという姿勢ということですよね。
そうですね。下がったら安く買えるチャンスみたいなものがあるので。
このレポートでも、足元の業績がかんばしくなった結果として、株価が下落貴重にあるときに、目先の喪失を恐れず買い向かっていく勇気が求められるのですと。
加えて重要なのは、市場参加者と異なる自分の見方がやがて正しいと証明されることですと。つまり、多くの市場参加者よりも自分の方が将来の予想に関して確信度が高い必要がありますと。
確信度というのが重要だというようなことにはなるんですけれども、確信度はどういうものに由来するのかというようなことが3つほどあり、消費者の思考変化や技術トレンドの変化があまり起きずによって需要が急減したり、高級的に需要が消滅するようなビジネスではないというのが1つ。
もう1つがグローバル事業展開しているため、人口増加トレンドに伴い長期的な市場拡大と売上成長が高い角度で見込めると。
キャッシュフローが比較的潤沢に生み出されるビジネスなので、業績低迷が予想より長引いても財務構造が大幅に悪化するリスクが低いと。
こういうような要素を満たしていれば確信度が高まるということのように読めるんですけれども、この3つの要素とかをご覧になって、吉田さんはどんなことをお感じになりますか。
うーん、どうなんだろう。確信するほど自信持てないかなというところがありますね。
でもまぁなんて言うでしょう、需要がよっぽどのことが起きないと急にガサッとなくなるというか、完全に休厳したりすることがないとかっていうようなことって今時何が起こるかわからないけれども、
それでもまぁそこがたいというか、そんな急になくならないというようなことになるとどういうふうになるんですかね。
こういうのになると、すごく競争が激しいようなところよりは、競争環境的には爆発的に伸びるようなマーケットとは限らないのかなという感じがするんですけどね。
なんとなくこれを見ていると、エヌビックというか農林中金バリューインベスメントさんの構造的に強靭な企業に似通っているようなところもあるのかなと思ったりも。
そうですね。あとはパフェットさんがよく言う掘りがあるかみたいな。
もうとですよね。
そうですよね。競争環境とか参入障壁という言葉はここでは珍しく出てきてないですけど、そういう要素ですよね。
逆に、吉田さんの革新度って高くなるというのはどういう要素があったりするんですか。
あるかなぁ。
例えば株価が一斉に下落して買い向かう時だという時に、まず最初に買い向かうというのは割安だなと思われている、これはすごい安いなという要素が大きいのか、
それともこの会社の事業がいいなというふうに思っている方に先行くのか、割安度なのか、その事業の魅力になるとどんな感じになるんですかね。
どんな形で株価が下がってきたかというのも大事なのかなというのがあって、最近一番わかりやすかったのが2020年3月のコロナショック。
あの時って家から出られなくなるみたいな感じだったので、これでVRとか絶対来るよねみたいなことがあったりしたので、その中からNVIDIAとかも当時投資してきていたので追加で投資したりとか、
そういうのもあり、でもやっぱり怖いから、堅い企業も安くなっているから買っておくみたいな、E&Gとか。
なるほどね。その時どういう判断をするかというのは決まったものがあるんじゃなくて、多少フィーリング的なものがあるってことなんですかね。
そうですね、そんなに決まったものはない感じですね。普段から幅広くいろんな企業を見ておいて、来た時に判断するみたいな感じですかね。
じゃあ、吉田さんの3つ目のレポートを選んだというのを教えていただけますでしょうか。
2020年の6月。
2020年の6月ですね。この時の投資先は18社なんですね。
キーエンス、シマノ、テルモ、ソニー、ダイティング工業というので、2017年当時、さっき見ていたのと同じ数はすごく絞られているんですけれども、組入れ上位の投資先というのは結構変わっていたんだなという感じですね。
そうですね。
こちらのレポートをご覧になって、どこに注目されたんでしょうか。
無形資産の価値とPRの評価
これも成長株の定義というか、成長株と言われている会社がPERとかPBR高めについているけど、それでも株価も業績も好調なのは何でだろうというような解説をしてくれていて、
このファンドのレポートって全般的にちょっとマニア向けなところがあって、初心者に説明する感じには出来上がっていないんですけど、だからこそこういう基本的なところを解説しているところが大事なんじゃないかなと思っていて、
それでもちょっとマニア向けっぽい話があるんですけどね。
これでいくと、株式市場で高い評価がついていて、一般には割高って言ったらちょっとあれかもしれないですけど、十分高い評価を得ているのに、
さっきの話にも通じますよね。コカ・コーラが1972年に46倍のPRがついていたけれども、その後も株価と利益とともに順調に伸びたという話と、それが通じるような話ではあるんですよね。
そうですね。こっちはどっちかというとPBRの方に順調に上がっていて、
ごく簡単に言うと、バランスシート対尺対象表には出てこない、ブランドとか特許とかそういった数字に表せない価値があるからPBRの成長確率が高くなるんだよという解説がされているんですよね。
そうですね。
無形資産の価値が企業の優劣を決定する上で、これまで以上に重要になってきているという点に注目しています。
無形資産の価値が重視されるのはリクルート・ホールディングス、ソニー、T・エンスなどです。
このタイミングでは組み入れの比率が上位だったというのもあるんでしょうけれども、
バランスシートというか、調合上に表れないようなブランドとかの価値を測るというか、数値に直すというのはすごく難しいと思うんですけれども、
その辺で吉田さんが実際に投資を検討されるときに何かヒントみたいなものってお持ちになったりしますか?
いや正直ないですよ。
難しいですよね。
ないけれどあるんだろうねっていう会社は分かるとは分かるけど、数字にはできないというところですね。
うーん、そうですよね。
そうですね、あとちょっとこのところがありでしたね。
これです。
費用、コストで計上しているものが実際には、
えーと、
単年度で費用としてPLで認識されているので利益が若干押し下げられているけれども、
その費用はその時だけじゃなくて投資の側面もあって、
それが将来的にはそこで認識されて、
しかもその利益から落とされているから、
要は見た目、将来の投資のようなものをやっているにもかかわらず、
それが単年度で経費として落とされているからPRが高くなるんだ、なることもあるんだ、みたいなことを言っているんですかね。
そうですね。
求来型成長料では成長投資に関わる負担を差し引いた実績な利益で見たPRはより割高になると。
あるいはインターネット型成長産業では成長投資の負担も製造料のように試算計上できると仮定すればPRはより割安になるということです。
まあでもこれはほとんどマニアックですね。
これは図とかを入れて説明しないと自然じゃないところですね。
まあそうですよね。
まあでも確かに利益だけを見ているのも、どこの利益を見るのかというのもあるんでしょうけどね。
まあなかなかこの辺で難しいなというふうなことは思いますけど。
確かにこのレポートもそういうビジュアルがもうちょっと進歩があるとより理解が深まるというようなところがあるかもしれないですね。
これ図が入っていたことはほぼ一度もないですからね。
そうですね。これをたくさん読んでみて、やっぱり感じたのは図解とかって大事なんだなというのは感じさせられましたね。
成長投資に関わる負担とPR評価
そうですね。そういうのがあった方がわかりやすいのかなというのはありますよね。
そうですね。頭に入ってきやすいですね。
次選びたいと思うんですけれども、最初選ぼうとしていたのとちょっと変えようかなと思うんですけど。
2016年の12月のレポートを選んでみたいと思うんですけど。
このタイミングでは投資先は18社で、1位はソフトバンクグループ、顔テレモリー、HR日本電さんという。
2017年はなんとなくこんな感じだった年。2016年もそうだったのか。さっきは2017年。
2016年もこんな感じだったみたいなんですけれども、ちょうどこの時ってトランプさんが当選したっていうので、
そのタイミングだったらしいんですよね。
確かあの時って株価がものすごく動いた記憶があるんですけど。
動いてます。あの時面白かったです。
この時もソフトバンクの株価が当時すごく伸びました。
トランプさんといち早く会談を行ったとか、ソンさんがですね。
すごい投資をやりますよとかっていうようなことを言って、すごく株価にインパクトがあったとかっていうようなことがあったんですけれども。
ただこのファンドとして見ているのは、当時高く評価していたのは国内の通信事業だと。
あとは米国のスプリント社っていうようなことを書いていて。
このタイミングではハンドタイの会社を買収するとかっていうようなことが書いてあるんですけれども。
そういう意味でこの当時はソフトバンク、ビジョンファンドとかそういうのはまだそんなに存在感がなかったのかなっていうようなことで。
まあ面白いなというふうに思ったんですよね。
あとこのレポートのもう一つは日本電さんに関するレポートで。
ある投資家がですね、いわゆる物言い投資家がですね。
その物言いを主に空売りを中心に展開するっていうファンドに目を付けられたと。
それで日本電さんのどういう理由で空売りにしているかっていうようなことでですね。
そのレポートの主張がいろいろこうレポートはこういう状態だから日本電さん空売りしますというようなことが3つほど。
3つですかね、挙げられてたんですけれども。
それに対して投資家としてこのファンドはどういうふうに評価認識しているかっていうようなことが説明されてたんですけれども。
当時としてはこれちょっと空売りとかっていうようなことで。
株主総会云々とかっていうのとはまた違う面の物言い株主ではあると思うんですが。
これから結構その特にその今回レポート、最近のレポートで確かセブンイレブンの件を紹介された。
一番最近のやつだったと思うんですけれども。
こういうようなその投資家としてその他の投資家がこう主張していることに対してどう考えるのかみたいなものが。
特にその大きな企業で発生するのかなというふうなところもあって。
こういうような何て言うんですかね。
そのアクションを起こしているような投資家の評価に対して。
うちのファンドはこう考えるんだとかっていうようなことをですね。
示してくれるっていうのは非常にこう何を評価しているのかっていうのを改めて対比することでわかるっていうのがあってですね。
面白いなと思ったんですよね。
そういう意味では最新のそのレポートでこれは6月末基準のものがバリューアプトのバリューアプトキャピタルのセブンイレブンへの件に関して非常に詳しく。
これもある種すごくマニアックと言えばマニアックなのかもしれないですけれども。
でも本当にこれも本当に図表とかあったらもっとわかりやすいかもしれないですよね。
そうですね。
ただ僕このレポートを見てて面白いなというか確かにそうだなと思ったのは。
今回の件をきっかけに株式市場から従来にも増して厳しい目で業績が評価されることになるでしょうと。
バリューアプト社にしてみればプロ騎士ファイトで敗れはしたものの一定の成果は残したと言えそうですという風な。
要は自分たちが提案したことは通らなかったけれどもこれでますます投資家の注目度が上がったんじゃないかという意味ではこういうアクションを取ったことが意味を持ったんじゃないかという風なこと。
言われてて確かにそうなんだなという。
こういうのは今年は他にもいろいろあったと思うんですけれどもますます増えていきそうな感じですよね。
そうですね。いいことですよね。なんか関心を持つ人が増えると思うんで。
まあそうですよね。だからこういうことも。
昔の村上ファンドとかがあれしてた時に比べるとあれはどっちかというと貯め込んだお金なり資本を吐き出しながら株主に還元しろという風な話が結構初期にそういうアクティビストの中に入ってきて。
そういう人たちの活動って多かったと思うんですけどここ最近はなんかその事業をどっちの方向に向かわすのか。
これに集中した方がいいんじゃないかとかっていうようなより何て言うんでしょう。
建設的とまで言えるかどうかわかんないですけれども。
何をテーブルの上で話そうとしているのかという材料がだいぶ変わってきているのかなという感じがしますよね。
そうですね。こういう話が普段の雑談とかにも出てくるようになると結構いいんじゃないかなと思ってて。
例えば日本代表の監督は誰が良くてスタメンはこういうのがいいみたいな会話と同じで。
この株主の意見の方がいいよねとか経営者の方が正しいんじゃないのみたいな。
そういう雑談ができるような世の中になってくると日本の株式会社もちゃんとしてくるんじゃないかなみたいな。
そうですね。確かにそういうのが彼株を持ってない、株主じゃない人であっても
会社の方向性を決めていくのってどういうことなのとか。
株価が上がったとか、去年に比べて倍になりましたとかというような話よりも
会社の本質に近いようなところに視点が行っているような感じがしますよね。
そうですね。
レポートの詳細さ
こういうふうなファンドの、今回この厳選投資のファンドのレポートを読んできたんですけれども
やっぱり吉田さんおっしゃる通りマニアックというか初心者にはとっつきづらいようなところがあるので
そこの改善する余地というのはあるんだろうなとは思うんですけれども
一方でここまで詳しく書いているファンドというのはなかなか他にも並び立つようなところが少ないのかなと思うんですよね。
そういう意味ではこういうファンドが増えていくことが、さっきのお話じゃないですけれども
こういうレポートが増えて、よりわかりやすくとかより理解しやすさが高まるようなことが仮にあると
こういう話が雑談に出てくることももしかしたら増えるのかなと思ったりするんですよね。
そうですね。もうちょっととっつきやすくしないとお客層が広がらないのでちょっともったいない感じですよね。
そういう課題はあるんでしょうね。
ノートの更新もたぶん止まったまんまじゃないですか。
復活したんですけど、復活した後のものはちょっと出てきてないんですけれども
ただ復活したんですよ。1月末の最後に更新が止まってたんですけど
先月7月、このレポート直後ぐらいに再開しますというような記事が出ました。
それは確かに、通しに感動スパークストレイン出発進行とかっていうので、船ではなくて列車みたいなんですけど
JR九州の七つ星っていうクルーズトレイン、名前聞いたことあるんですけどご存知ですか。
予約というかすぐに売れちゃうとかっていう。
確か100万ぐらいするんですよね。
1名65万円から最大270万円とかってすさまじいというかちょっと僕にはあれかもしれない。
この記事で書かれているのは列車の乗客が車窓から見える景色に感動するように
私たちも企業一社一社のストーリーと企業調査を通じて得た感動を届けていければと考えています
というふうなことをここに宣言されているので、次の記事が楽しみだなというふうに思っております。
今度はちゃんと続いてほしいですね。
そうですね。ぜひ続けてもらいたいなと思います。
ちょっとそのノートもどういうふうに更新されるのかというのは今後注目していきたいなと思います。
そういう意味でまとめるとあれですかね、吉田さんたくさんお読みにあって感じられたのは
もうちょっととつきやすくしたらいいのになっていうところが一番ですかね。
そうですね。今の書き方だとマニアな投資家しか集まってこないのがちょっともったいないなっていうところが
そうですね。例えばそういう工夫をノートなんかで出してくれるといいのかしらっていうのは図表とかも入れやすいでしょうしね。
僕はこの種のファンドに対してこういう情報発信の姿勢に対して
この姿勢をある種ベンチマークにしてそこに追いつこうとしてくれるファンドが増えてほしいなとは思うんですけれども
だからそういうことをやろうと思うとこのファンドのレポートが読んだらためになるとか読み応えがあるとかっていうのをですね
こういうふうに取り上げて紹介することに意味があると思って今回取り上げてみました。
今回もお相手はNECレポート研究所でパートナーを務めてもらってます吉田さんでした。
吉田さんどうもありがとうございました。
ありがとうございました。