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皆さまおはようございます。作曲家で大学教員の小松正史です。今日はですね、また同じ映画を2度見たっていうね話をします。坂本龍一さんのドキュメンタリー映画「Opus」っていうのが、今一部の映画館で上映中なんですけれども、2回見たっていう話をね、しまして、しつこいなあっていうね、小松はめちゃくちゃしつこいんですよね。もう今日そんな話をね、オートフェチの状況でさせてもらえればいいかなっていうふうに思っております。
それで、このOpusっていう映画、これはどんなものかというとですね、坂本龍一さんが生前の頃に自分の自らの意思でご自分が演奏している楽曲がありますが、まあそれをですね、繋げていってですね、一つのコンサートライブというか、その上映というかね、そういう演目として編集してお出しされたいっていうような、そういう意思で東京のNHKスタジオの一番
坂本さんが日本の中でも屈指の音響の響きのあるスタジオで演奏したいっていうことで、508スタジオって言うんですけどね。そこで演奏された
演奏曲を並べて、曲をずっと並べてですね、それでドキュメンタリー映画にしたのがOpusっていう映画でして、これ5月の頃から上映始まりまして、今はほとんどの映画館で終わっちゃったんですけれども、一部の地域ですね。
これ僕は京都のアップリンク京都っていう新風館という施設の中の地下1階の場所で、それこそ今日は授業する前にね、午前中2時間ぐらいかけて見てきたんですけれども、2回見るとですね、違うメッセージが届いたなっていう感じなんですね。
皆さんどうでしょう?同じ映画を2回とか3回とか、何回もしつこく見た経験って終わりでしょうかね。多分あると思うんですよ。めちゃくちゃ気に入ったからこの映画見るとかね。そうすると2回目ってやっぱ印象変わるわけですよね。新鮮さはなくなるんだけれども、作品の本質というか、裏側に隠されたメッセージみたいなものがバーンと浮かび上がってきて、あれ1回目とは全然違う印象だなみたいな。
そんな重もちを感じておられる方もひょっとしていられるのかなっていう感じなんですけれども、僕もですね、坂本隆一さんのオーパスすごくそれ感じました。
1回目に見たのが5月の31日なんですけれども、大雨の日に見たんですが、これね、夜の8時半から始まる予定のね、京都勝浦川のイオンシネマ、京都勝浦川っていうところで見たんですけど、なんとですね、始まったのが10時ですよ。1時間半僕ね、待ちまして。
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あまりにも遅すぎたので、男性1人と僕1人だけの2人で見てですね、最後帰る時にはもう僕しかいなかったっていう。300席の中でめちゃくちゃダダッピロインですよ。僕だけしか見てないってこれどういうことかなみたいな、そういうちょっと物悲しさもありましたし、広すぎてですね、ちょっと僕嫌だったんですよ。
何が嫌かというと、音なんですよね。これドルビーサラウンドっていうね、5.1チャンネル使ったりとか、かなり特殊な音のね、没入感を出すためにそういう音の処理をしてるんですけど、なぜかね、この京都勝浦川のイオンシネマね、音がちょっとずれてたんですよね。
たくさんスピーカーがあるので、当然ね5.1なのでね、5つと1つともっとあったと思うんですが、なんかね広がりはあるんだけど、一所にまとまらないって分かりますかね。空間的には広く感じてボワーッと音が聞こえるんだけど、なんか音の芯がないって感じなんですよね。
なので、もうこれもう1回見たいなっていうことで、ちゃんと調べて、これ家の近くにあるわっていうことで見たんですね。水曜日のね、午前10時10分から。こんな時間朝から見ないだろうなと思ったらですね、スクリーン2で見たんですが、定員が多分50人ぐらいだと思うんですよね。
なんと40人ぐらい入ってました。すごいなぁみたいな。若い方からね、あのシルバーの世代まで幅広い方で。しかもですね、ポップコーン持ってきた女性2人がいたんだけど、すごい良かったですよ。もうポップコーン最初にバーッと食べて、もうシーンとして聞いてましたから。素晴らしいなと思って、もうやっぱりね、あの映画は聞く人を選ぶようなというか、こういう形したら変ですけど、やっぱりちゃんと坂本さんの音楽にね、
対峙していこうっていうような、そういう方がね、いらっしゃったと思います。そしてこのアップリンク京都の音環境、すごい良かったです。あのそれほど大きい場所じゃないんですけど、スクリーンがあってですね、その下にスピッカーがほとんど1個かな、1個か2つぐらいしかなかったんですけど、その調律がすごい良くて、もう目の前で坂本さんが弾いてらっしゃるような、そんなあの音がしましてですね、
最初よりも小粒なんだけど芯のある音で楽しめたっていうのが第一印象。結果何を伝えたいかというと、映画館の場所によって映画の性質というか、特に音環境が変わるなっていうことはね、ぜひぜひお伝えしたい側面かなと思いました。
そして二つ目というか、これ一番大事なことで伝えたいんですけど、これもう一回聴いてですね、見て思ったのが坂本さんめちゃくちゃ耳がいいなぁと思ったんですよね。まあ当然そうだろう、あれは間違いねえだろう、何小松言ってんだって思われるけど、これが心の底からそれ感じましたね。
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耳、もうあの今回ね、正直言いましょう。坂本さんに憑依して自分が坂本隆一になった気持ちで演奏があるわけなんですけど、自分が演奏してる感じで聴いてみたんですよ。僕ピアノ弾けるから、なんとなくというかその感覚わかるので、するとですね、これ音がものすごく耳がいい人が弾いてる音だなっていう風な感じなんですね。
これ具体的に何かというと、音の喜びってあるじゃないですか。音がほとばしる音、心を惹かれるような音。それって理論がよくわかんないんだけどね、音楽心理学とかやってても、あの音がいいんですよね。もうその音聴いたらのめり込むって音あるじゃないですかね。それをやっぱり出しておられるんですよね。
それは具体的に間合いとかね、タッチ感とか呼吸感とかってあるんですけど、あと音の混ざり方みたいなものあるでしょ。それがやっぱりすごく出てるんですよね。
耳が良くないと、良い音に反応する耳がないと、そういう演奏できないなっていうのがわかりました。あのピアノ、技巧の素晴らしいピアニストたくさんいますけど、心をパッと動かされない演奏もたくさんあるんですよ、正直。
そうじゃなくて、音は牧突ながらもですね、すごく上手いでしょ、テクニック上手いんだけど、そんなにたくさん弾いてるわけではないんだけど、1音か2音ちょっと弾いただけで和音もたくさん弾いてないです。濁りのある、何なら普通の正式な和音より汚いって言ったら変ですけど、ちょっと影のある音ですよ。
そういう音を出されて、それをずっと聴き続けている。もう音の喜びがどこにあるんだろうっていうのを探しながら演奏されてるんですよね。そういう聴き方ってやっぱりね、自分が坂本さんに憑依して、音を聴く感覚をいただきながら演奏を聴くっていうのかな、わかりますかねこれね、すごく抽象的な言い方なんですけど。
そうすることによって、やっぱりこう耳がいい人じゃないところ、この音出ないなっていう音がたくさんありすぎちゃって酔いすぎてですね、最後ちょっと寝てしまいました。本当にもう全意識で聴いてるような音を意識で聞いちゃってたからものすごい情報量で、これすごいなと思って、そういう耳の良さがわかるというか。
それって耳トレなんですよね。これ聴いた後、爆上がりしますからね、ピアノの音ね。そんな感じの2回目聴いてオーパス、とにかく耳の良さに時も抜かれちゃったっていうような、そういう感じの、これ耳いただいたなっていうか、脳の聴覚特性ですよね。
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そこまでこう内側に入って入って入り倒して、さらにこの曲1000メリ聴いてよかったっていうレベルじゃないんですけど、もう中に入っちゃって、そこのその甲骨としたポイントを探っていって、それをポイントで当てて、そのポイントからまた次の演奏のタッチへと挑むっていうのか、それ良かったなっていう感じで。
ちょっと音フェチすぎる話になってしまいましたけど、ごめんなさい、ついてこれないことがございましたらご了承くださいというような、そんなののめり込みの今日はね、オーパス坂本理事さん2度目の発見ということで、今日お伝えさせていただきました。ということで今日もね、良い音の1日、音フェチな音の1日をね、過ごしてほしいなと思います。それでは失礼致します。