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2024-11-08 24:16

#8-1 ゲスト・長崎大学 水産学部 准教授 / 河端雄毅さん【読書のまにまに】

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長崎大学水産学部准教授で、動物の行動に関する研究を進める河端雄毅さんをゲストに迎えて、トークセッション。最近では『ウナギは捕食者に飲み込まれても、胃から食道を遡って脱出できる』という研究で世界の各論文誌やニューヨークタイムズなどの紙面にでも紹介されている河端さんの今に至る道をつくってきた本たちについて話します。

 

【今回のゲスト】
河端雄毅  1983年熊本生まれ福岡育ち/学者。
長崎大学水産学部准教授。専門は動物行動学。現在は主に魚、カニ、虫、ペンギンなど様々な動物を対象に、獲物の捕食者からの逃げ方、捕食者の獲物の捕らえ方、ヘンテコな行動の進化などについて研究を行っている。研究対象や手法にこだわりはなく、純粋に面白いと感じる独自性の高いテーマを学生たちと一緒に楽しみながら進めることを目指している。

 

【登場した本】
coming soon!!!

サマリー

今回のエピソードにおいて、長崎大学水産学部の准教授である川端雄毅氏がゲストとして登場し、魚の行動研究やウナギの逃げ方について詳しく話します。また、コオロギの逃げ方や野生動物に関する研究の広がりについても触れ、逃げることの重要性が議論されます。川端准教授は自身の研究や読書の楽しみについても語り、特に山中信也氏のiPS細胞に関する書籍やフィールド生物学シリーズに言及し、研究者の苦労や人間性に共鳴することについて考察します。

番組の紹介と川端さんの登場
はい、今日も始めていこうと思います、読書のまにまに。この番組は、あらしろゆうきがナビゲートしてお届けをしております。
この番組は、読書の途中で生まれてくるいろんな声を聞いていく番組です。本編、読み切ることが念頭に置かれることが多いような気がしておりますと。
けど、読むって難しいと思っています。読み切ることに意識を向けて読み終えると、あんまり覚えてなかったりとか、
あれ、この本ってなんで読んだんだろう、みたいなことがわからなくなったりする。
この番組では、読み切るとか読み終えることには重点を置かず、読んだ数十ページ、1ページ、もしくは、もうもはや読まずに手で触れただけでもいいかなと思っています。
そんなですね、読みかけの本みたいなところをゲストの方に感覚を聞きながら、この瞬間の読書を楽しむことに意識を向けていこうとしております。
さて、今回第8回ですね、今回のゲスト、長崎大学の水産学部准教授の川端雄貴さんでございます。川端さん、よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
ありがとうございます。この番組始まってから研究者の方が初めてということで、個人的にすごくそれも含めてワクワクをしておりまして、今日はありがとうございます。
こちらこそ、光栄です。
ありがとうございます。川端さんとは僕の本業のほうでの関わりで知り合ったよみたいなところで、前に多分お話したのが1年前ぐらいとかなような気がしておりますよね、多分。
そうですね、はい。
その間に川端さんもいくつか論文出されていて、それもフェイスブックで拝見しながら、何これ、みたいなことを思いながら見させてもらっておったんですが、そこら辺も今日ちょっとだけ伺えたら嬉しいな、みたいなことを思っておったりしておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
はい。
魚の行動研究
じゃあ最初、川端さんに簡単に自己紹介みたいなものをお願いしてもよろしいでしょうか。
はい、わかりました。私、長崎大学、先ほども紹介していただいたんですが、長崎大学の水産学部で教員をやってまして、研究したりですね、魚の行動みたいなのを研究して、最近だとウナギとかですね、前はブリとか、
そういう魚のかなり基礎的な、どういうふうに食べられるのを防いでいるかとか、餌を捕まえているのかとか、そんなことを研究しています。
教育的なことももちろんやってまして、そういう研究している学生たちの指導だったり授業をやったりとか、そんなのが日常になっています。
はい、他にどんなことを。
ありがとうございます。
いろんなことの話になっちゃいましたけど。
いいえ、伺ってみたくなっちゃったんですけど、多分、僕もそうですけど、そういった魚の研究している方と会うことが普段ないので。
そうですよね。
はい。
少ないと思います。
直近、河童さん的にすごいタイムリーだったり、すごく意識を張っている研究ってどんなのがあるのみたいなところって、もうちょっと伺ってもいいですか。
そうですね。最近ちょっといろんな研究があるんですが、魚から離れて動物の行動の研究、いろいろ最近はやってまして。
そうですね。最近タイムリーにすごくニュースとかでも取り上げていただいた、海外のニュースとかで話題になったのはウナギの研究なんですが、実は直近、私が別に書いた論文はコオロギの逃げ方の論文でして。
魚じゃないんですね。
はい。もうかなり広げて、それとあと最近はちょっと社会問題への貢献というか、どういう方向に逃げたらいいのかとかいう、そういう逃げ方に関してかなり研究進めてまして、そこから派生してロードキル、車に対する野生動物の逃げ方、ここを調べたら何で衝突して死んじゃうのかということもわかるかもしれないというので、
そんな研究も実は海外の方と一緒に進めたりとか、そこら辺、いろいろ広がっていて、逃げるっていうことを、今だから直近で言うとどう逃げるかっていうことがすごく、そこで焦点を当てている。
そうなんですね。いやーなんか、そっか、お魚っていう範囲だと勝手に思い込んでたんですけど、全然違うところに今いられるんですね。
野生動物と逃げることの研究
そうですね、私ちょっと、本当所属先が許してくださっているのがありがたいことだと思うんですけど、かなり今は、そうですね、いろんな、逃げるっていうことに関していろんな動物の逃げ方、特に特殊なのから一般性の高いことまで、いろんな動物で比較して研究したいなっていうのが一番の方向性かなとは思っています。
そうなんですね。直近出されていたのも、うなぎが食べられた後に脱出するみたいな、あれも逃げ方ですもんね。
そうですね、あれはもうかなりちょっと驚きの例でして、私どちらかというと、食べられる、当たり前なんですけど、捕まる前にどうその生き物が逃げて出すことができるかっていう、そこをずっと研究してたんですけど、ちょっと実験を、その時当時の学生、4年生だった、今はもう博士後期課程なんですけど、この学生が
どううなぎがかわすかという、その捕食者の攻撃をですね、っていうのを見てみたいということで、実験をやってたら、まさか食べられた後に逃げ出したっていう。食べられた後にイカラです、這い上がってきたっていう。イカラは後でわかったんですけど、食べられた後に脱出したっていうので、それはもうかなり驚きでした。
いやーすごいな、それあれですよね、そういえばニューヨークタイムズとかにも出られてましたもんね。
そうですね、ありがたいことに、CNNとかサイエンスとかすごい雑誌に取り上げられて。
サイエンスも出てるんですか、そうなんだ。
サイエンスは論文自体じゃなくて、サイエンスの中のニュースっていうところが。
へー。
論文とそれ以外に面白い、なんか他の発見ありましたよっていうニュースも取り上げて。
あーそうなんですか。
いやー、すごい頼りっていうのもあれですけど。
さっきは逃げ方の研究っておっしゃってたじゃないですか。
僕、今朝早く起きて、6時ぐらいに起きて、なぜかふとすごい久々に逃げ恥のドラマを見てて。
ああ。
あれは逃げるって話だった、なんてことを。
逃げ方の研究の言葉を使った瞬間に、あ、そういえば逃げ恥見てたみたいな、ちょっと思い返してました。
私逃げ恥は見てないんですけど、どういう感じなんだろう、逃げるという言葉にちょっと興味があんまりない。
ちょっとぜひ見ていただきたいです。
ドラマなので、そんなに研究的に見えるかもしれないですけど。
なるほど、ありがとうございます。
ちなみにすごく今日のテーマとして読みかけの本みたいなところもあったりはするんですけど、
まさにその逃げ方みたいなところとかっていうところももうちょっと伺ってから、
だんだんと本の話とかもしれたらな、みたいなことを今思っていまして。
川端さんってその逃げ方の研究みたいな、逃げる、魚が逃げる、動物が逃げるみたいなところの領域に至ったのって、
結構最初の頃、研究者として最初の頃からそういったところにいらっしゃったんですか。
最初の頃はですね、実は逃げる研究、逃げるというか食べられるのを防ぐみたいな研究を学生の頃はやってたんですけど。
そうなんですか。
いろいろ模索と言いますか、いろんなことをとりあえずやっていて、そんなに逃げることばっかりやってたわけではないです。
学生の頃に一番初めに取り組んだ研究、それは与えられたテーマと言いますか、
ある程度初めにこういうのあるけどどう?って指導教員の先生と共同研究者の方と話をして始めたのは、
人工的に育てた地魚を放流して、野生のところに放流したのが食べられてしまうという問題があるので、
どうしたら生き残りやすいかみたいな、どうして食べられちゃってるのかとか、トレーニングしたら食べられなくなるのか、大きく育てたら食べられないのか。
そういう研究だったんですね、初めて。
なるほど。
そこからでももう一時期その研究はあんまりやってなくて、
どちらかというと海遊とか産卵とか、どこに卵を産みに行ってどう帰ってくるのか、産卵の海遊だとかいろいろやってたんですけど、
逃げる、たまたまちょっと逃げ方の研究をちょっとやってるときに、たまたま何だろうこの現象っていうのがあって、
そこからちょっと、それが実は去年にようやく論文が発表できたんですけど、
10年くらい結局細々と続けて、すごい大変だった研究だったんです。
というか、すごい時間がかかった研究ではあったんですけど、10年くらいかかった研究があって、論文化するのです。
10年か。
2012年から2011年かかったのかな、初めに思いついたというか。
何だろうこの現象って気付いたのかな、論文を出すまで11年かかった。
ちなみにそれはどういう現象だったんですか。すみません、聞いたときに僕で理解できるものじゃないかもしれないですけど。
それは逃げる、動物を刺激して繰り返し同じように刺激を与えて逃げるというか、
実際に食べさせるんじゃなくて、脅かして逃がすっていうことを繰り返すと、好きな方向が一つじゃなくて、
あるところに逃げたがるんじゃなくて、その刺激に対して逃げるのに好きな方向が2つあるっていう現象がある。
刺激から120度くらいの方向と真後ろくらいに180度の方向っていうような2つ出てくるっていう現象があって、
それがすごい、なんで120度と180度にいって、150度とかその中間的なところあんまりないかとか、
その2つの同比の好きな方向があるっていう、その現象がすごい何なんだろうっていうので、実は研究、細々やってたんです。
そっか、なるほどな、180か。確かにそうですよね、別に90でも良くないみたいなことは。
そうなんですよ、いろんな逃げ方、その刺激の方向にいったらね、あんまりもちろん絶対良くないんですけど、
180っていうのは真後ろで、120っていうのはちょっと飛ばすくらい。なんでなんだろうっていうのをちょっとうまく説明。
ちょっと数学的な、数式とか使って説明することにはなったんですけど、それがかなりきれい説明できたっていうのがちょっと。
なるほどな。
それも評価していただいて、さっき言った車に対する野生動物とか使ったりだとか、
コオロギが特殊な逃げ方してるという研究やったりだとか、かなり実はそこの研究から名前を知ってもらったとかいうのもあります。
そうなんですね。確かになんか、世の中思った時に、ちゃんと逃げられないと大変になるって結構ありますよね。
例えば、僕は元々生まれが秋田とかの方なので、山道とかを車で走って突然鹿が出てきたりとか、
引いちゃったりすると大変じゃないですか。車も大変ですけど、その後に鹿がもしかしたら、そのままちょっとぶつかっただけだったらあれですけど、
例えば鹿が死んじゃったとか、また死んじゃった鹿が道路にいるよみたいな時とかにどうするんだっけって言ったら、それはそれ結構またいろいろあるし、
っていうのは田舎生まれ的にはすごくパッと、あそこら辺とか解決したらすごいいろいろみんな楽になったり、動物たちもいいよなみたいな。
とか思ったりとかって今すごくパッと思い浮かびますね。
本当にやり始めて、もともとこの研究やってる時に応用って聞かれるんです。
枕言葉的に本当にやるかどうかわかんないんですけど、こういう基礎的な二方向あるとか完全に興味、
研究と読書の楽しみ
なんで二方向に入れるんだろうっていう完全な学術的な自分の知的好奇心だけでやってたんですけど、
それが一応応用面として言ってたようなことが本当に声かけてもらって一緒にやろうっていうことになって、
実際にやり始めた。
なるほどなー。いやーそこら辺面白いな。
ちなみに、例えば研究をされている方っていうふうな捉え方を勝手にしちゃったときに、
例えば研究のために何か本を読む、論文を読むとかってたくさんあるだろうなと思っている一方、
それとは一切関係なく趣味で読むっていうのは確かに人によってだと思いますけど、
ある人はあるだろうしない人はないようなことを思ったりするんですけど、川端さん的には何か本っていうふうなところに焦点を当ててみると、
どんな本を読んでいる時間が多かったりするんですか。
そうですね、最近、
研究にちょっと関係しないようなところですと、
研究に直結する場合の本の読み方っていうのは大体自分に関係するところだけ買い詰まるで読むんです。
論文で引用したりとか、
あとこの情報が欲しいっていうのを狙い撃ちして探すみたいな感じで読むという、
これがたぶん川端さんの、荒島さんのイメージでは違うと思う読み方。
実際に本を開いて楽しむっていうようなことですと、
意外と研究者の方が書いた読み物的な本っていうのは結構面白かったりして、
その人の一生というか、
研究の内容だけじゃなくて、その苦労のプロセスとか、
そういうのが書かれている本っていうのはいくつかあって、
とても読み物的に自分は楽しんで、
大体そういうのは読んだりしますね。
例えば僕が今それを聞いてパッと想像しちゃったのは、
日本でちっちゃい子とかが読むようななんとかの電気みたいな、
ファーブルの電気みたいな、
そういうやつとかを想像したりもしたんですけど、
今川端さんが言ってくれた苦労のプロセスが書かれている本みたいなものって、
例えばどんなのがあったりするんですか。
例えば、山中信也先生の本。
すごい好きです。
iPS細胞の。
iPS細胞。
でも、iPS細胞のことも書いてるんですけどもちろん。
iPS細胞のことよりも、山中先生の人生のことが結構書かれていて、
もともとは医者で、今ももちろん医学部の教授なので、
致命拳は持たれて、医者という格好であると思うんですけれども、
そこから研究者を目指したところだとか、
いろいろと苦労もあったりだとか、
研究テーマ変えていったりだとか、
いわゆる、何て言いますか、
人間くさいじゃないですけど、
苦労とかいろいろあって、
こういうすごい発見もされてるんだなっていうのもすごくわかりますし、
あの本は本当におすすめです。
山中信也先生にiPS細胞と人生について聞いてみたとか、そういうタイトルだったと思うんですけど。
なるほど、もうそのままなんですね。
そのままです。
私は何か本がおすすめとか、何か聞かれたときは結構それをおすすめしたりします。
フィールド生物学の魅力
なるほどな。
ちなみにもうちょっと聞いてみたくなっちゃったんですけど、
高畑さんがその本を好きなというか楽しんでいるのって、
もうちょっとどういうところを楽しんでいるの?
面白がってるの?
そうですね。
私なんか、なぜかはもちろんわからないですけど、
もともと歴史的なのとかすごい好きなんです。
そうなんですね。
歴史、人に関して言うなら、
人がどういうような人生を歩んできたかみたいなのが結構好きで、
それがもともと好きだっていうのもありますし、
山中先生の本は全く包み隠さずと言いますか、
そういう葛藤があったときのことだとか、
そういうことが結構本当に書かれてるんですね。
そういうことが自分にもちょっと当てはまったりもするのかな、
すごい共感するようなこともありまして。
はいはいはい。
そういう、すごい勇気づけられたりすることもありますし。
なるほどな。
勇気づけられるみたいなものもあるんですね。
重なる部分とか。
そうですね。重なる部分があったりする。
重なる、そうですね。
むしろそこに影響を受けて、
自分のここが、むしろむしろ影響を受けたのかもしれないですね。
後から重ねて。
ちょっとどっちがどうなのか。
はいはいはい。
なるほどな。
そうか。
ちなみにそういうふうに自分にも重なるとか、
勇気づけられるとか、
はたまた影響を受けたような感覚がある、
そういった人の人生とか書かれてる本って、
例えば他にどんなものが、何かあったりするのもあるんですか。
そうですね。他に、ちょっと今本が後ろにあるので、
その本が一番かもしれないですね。
一番なんですね。
他にも分野の近い方の本もいくつかあって、
面白かったりすることはありますけど、
そうですね。すごく面白かったのは何個かありますけど、
フィールドの生物学っていう資理があって、
どれもとは言いませんけど、
いくつか読んだのはすごく、
研究の苦労のその間ですよね。
論文とかに書かれてない、
どうやってその苦労をながら、
葛藤だとか、その時の思いつきだとか、
何ていうか、何ていうか、やったみたいなところとかがすごい、
本当に、何ていうか、すごい臨場感がある感じで書いてあって、
どれもそれなりに面白い。
今おっしゃった本、もう一度いいですかね。
今おっしゃった本、もう一度いいですかね。
何生物学としていますか。
ちょっとまとまっていいですか。
フィールドの生物学。
フィールドのですね。
他にちょっと記憶が。
フィールドの生物学シリーズっていうのがありますね。
そうですね。フィールドの生物学シリーズですね。
フィールドの生物学がいっぱい出てるんですけど。
本当はいろいろありますね。
モグラとか虫を通して森を見るとか。
そうですね。いろいろありますね。
右利きの蛇仮説って、ここから見ると全くわからない。
右利きの蛇のやつは私読みましたけど、
ものすごく有名な研究者の方ですけど、
ホスさん。
本当にその方の本とか読みましたね。
読んですごい、すごいなと思いました。
それも影響を受けたものとしてあるんですね。
そうですね。
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