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2021-08-20 16:54

13_3 字幕のリアリティーを上げる”字幕監修”とは?(ゲスト:字幕科学監修 山崎 詩郎さん)

今週のゲストは、東京工業大学理学院物理学系の助教の山崎詩郎さん。何故山崎さんはTENETの字幕科学監修になったのか?そして専門家が行う”字幕監修”がある作品には”リアリティー”があるとの事その理由をここだけバナシ聞いていきます。

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どの映画でもそうだとは思うんですが、翻訳作る方は英語のスペシャリストではあるんですけども、
例えば飛行機が出てくる映画だったら、パイロットと機器局のやりとりってどんなのがされてるかなとか、
そんなのも必要ですし、いろいろそういう用語のチェックがありますので、科学に限らず専門家の監修はやっぱりいろいろ必要だと思いまして、
字幕によりリアリティーが生まれるのかなとは思いますね。
黒き瞳の映画、ここだけ話。
黒き瞳の映画、ここだけ話。今日も聞いていただいてありがとうございます。
今回のゲストは前回に引き続き映画テネット字幕科学監修の山崎 詩郎さんです。よろしくお願いいたします。
はい、よろしくお願いします。
大学の女教授、物理学の女教授でいらっしゃる山崎さんが、
映画の字幕の科学監修になぜなられたか、ちょっと予想はつきましたけど、
インターステラを通して科学を100回以上教えていらっしゃる、それが野蘭監督の耳に入ったとか、そういうことですか?
ちょっと近いところはありますね。
科学者が答えるとなんか違いますね。近いところはある?原子レベルで。
原子レベルで、あと原子5分くらい。
ちょっとお答えしますと、詳細は向こうの話もあるのでお話はできないんですけども、概要としてはそんな感じでして、
インターステラの話を100回ぐらいいろんなところでやっていくうちに、最初は本当にたった10人で、まさに渋谷の地で知り合い同士だけで講演会をやったっていうのが第一回目だったんですけども、
だんだんこの講演会楽しいぞってなってて、SNSとかを通じていろんなところに話題が広がりまして、
うちでもやってほしい、こっちでもやってほしいってなりまして、
最終的には本当に200人ぐらい対象にしたような講演会とかも大学でやったりですとか、
そうこうしてるうちにやっぱりマスコミの方とかそこに来てくださるようなこともあって、
どこかを通じておそらくワーナーブラザーズの方に耳に入ったんじゃないかなと予想してます。
ここは僕のただの予想なんですけども、
それでおそらくこの方だったらテネットの字幕科学監修頼めるかなって思ってくれたのじゃないかなと私は思ってまして、
ただあくまでも字幕の科学監修ですので、
ノーラン監督の耳に入ったわけではないっていうところがちょっとさっきの原始語文違うところなんですが、
本当だったらもちろんノーラン監督の耳に入ってテネットそのものを科学監修したかったんですけど、
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あくまでもテネットは本国でも完成していて、
それを字幕にするときにやっぱりあの絵が難しい科学用語いっぱい出てきますので、
そこら辺を全てチェックするというようなのが字幕の科学監修の大雑把な仕事内容ということになりますね。
字幕を作られる方っていうか考えられる方っていうのは、
科学のことをそこまで詳しくはわかりませんしね。
やっぱり科学監修の方が入らないと成立しませんもんね。
どの映画でもそうだとは思うんですが、
やっぱり翻訳作る方、字幕作る方は英語のスペシャリストではあるんですけども、
例えば飛行機が出てくる映画だったら、
パイロットと機事局のやりとりってどんなのをされてるかなとか、そんなのも必要ですし、
ブラックホールが出てくる映画だったら、ブラックホールっていう日本語が正しいのかどうかとか、
いろいろそういう用語のチェックがありますので、
そういうのはやっぱり科学に限らず専門家の監修はやっぱり入れる必要がありまして、
そういうのを入れることで字幕によりリアリティが生まれるのかなとは思っていますね。
それで何かそういう難しい用語が字幕で出てくると、
全然わかんないんだけど、わかったような気になってくる。
自分もなんかね、五万円通みたいな。
いつの間にかにね、あの映画だと例えばエントロピーっていう単語ですとか、
あと時間の逆行っていう単語ですとか、
いろんなそういう交渉な単語が出てきましたけれども、
なんかついこの口ずさんで見たくなりますよね。
時間の逆行ですよね。
それがなんと、時間の逆行がもうずっと出てきています。
陽伝子が過去に言っているという。
そうですね。陽伝子というのが映画の中でもニールというキャラクターが少し紹介してましたけれども、
時間を逆に進んでいくというシーンでして、
映画の中で回転扉というものを使って、
時間を順行から逆行に戻るっていうシーンがありましたけれども、
あれはまさに普通の電子が陽伝子と呼ばれる電子に化けたっていう、
そういう瞬間だというふうに科学的には捉えることができるんですね。
ドラえもんのどこでもドアかなって思ってしまうようなちょっと扉でもありましたけれども、
でも結局それは科学的にノーラン監督っていうのは、
なんか面白がって作ってらっしゃるっていうところがすごいですよね。
そうですね。必ずしももちろん本物の科学そのものではないんですけども、
科学者でももうちょっとマニアックすぎるんじゃないかなと呼ばれるような、
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単語だけ言いますとファインマン・ダイアグラムっていうのがあるんですけれども、
これ以上はもう説明しませんが、
ファインマン・ダイアグラムのアナイラレーションですね。
追悼滅っていうダイアグラムがあるんですけれども、
それをまさに映画化したのが回転扉っていうふうに捉えることもできるっていうね。
追悼できないです。耳で楽しみます。
名前だけアナイラレーションって響きがいいですので、
これだけで十分ですけどもね。
ノーランはそんなことまで考えてるんだなってちょっとびっくりですね。
もしかしたら偶然の一致だったのかもしれませんけども、
それにしても最先端科学で出てくるような、
本当に電話帳みたいな教科書の一部に出てくるようなシーンが、
ジョン・デイビッド・ワシントンが演じる主人公が自分の体で体現してるっていうのは、
こんな映画もう二度と現れないだろうなっていう気持ちで見ていましたけどね。
やっぱりご興味があるんでしょうね。そういう物理学に。
そうですね。
ノーラン監督の電気に近い本が数ヶ月前か半年ぐらい前に出まして、
クリストファー・ノーラン・バリエーションという本ですね。
クリストファー・ノーランの映画術という本が出たんですけども、
それの本自体の科学監修をさせていただいたんですけども。
それですか?
それです。ありがとうございます。
難しすぎて。
難しいのと電話帳ぐらいあるので、全部は読めませんでしたけれども。
それ私も仕事だったんで、仕方なく。
それも監修されてるんですよね。
そうですね。やっぱりそれを見ると、彼は若い頃から、
そういう科学的な視点とかにちょっと興味があった方なんだな。
別にノーラン監督自身は、
科学を実際に専攻したとか勉強したっていう人ではないんです。
文学とかそういうものを勉強してた方でして、
でもやっぱり小さい頃から、
そういう科学的な疑問とかを頭の中にずっと思い描いてて、
すごい強い興味を持ってたんだなっていうのを、
その本を読んで初めて知りまして、
こういう彼の人生、過去があるので、
今のこういう映画作りにつながっているのかなというふうにすごい感じましたね。
インタステラーがどうやって生まれたかみたいなところも書いてありましたしね。
そうですね。
でもそんな分厚い本、
科学監修でも回ってこなかったら絶対私も読まなかったので、
でも回ってきてなんとか読めたなという感じでしたけどね。
いや素晴らしいですよね。
ノーランの映画にもこんなにも人生が投影されていたのかっていうね。
やっぱり科学を取り入れながら、
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もちろん真面目に科学をきちんと細部にね、こと細かく取り入れながら、
結局は人間愛だったりするわけですから、
やっぱりのグッとくるものみたいなものがやっぱりありますよね。
そうですね。
彼の映画、私が好きなのはやっぱりSFなんですけど、
科学科学ばかりではなくて、
そういう親子愛でとか、
テネットだったら男性と男性のっていうかですね、
ニールとその主人公が男同士ですごい友情で結ばれるシーンがありますけど、
そういうのがバックグラウンドであるからやっぱり、
映画として見ててまず楽しいなっていうのがありますね。
インターステラでいうと、やっぱり
親は子供の記憶に残るっていうセリフがあって、
やっぱりああそうだなと思いながら、
地球を救うのではなく地球を去る中にも、
父親の娘への愛みたいなものが、
それから子供たちから見たお父さんへの愛、親への愛っていうので、
本当に細かく描いてらっしゃいますよね。
そうですよね。
あの映画面白いのが、
インターステラ、大体前半中盤後半に分けられますけども、
インターステラは宇宙の映画かと思いきや、
前半の3分の1は宇宙の文字も出てこないんですよね。
ずっとクーパー、主人公のクーパーと、
マーフィー娘さんの親子の愛情のやりとりが、
前半で60分間ぐらいずっと続きまして、
やっぱりそういうのを彼大事にする監督だなって思いましたね。
映画169分ですけども、60分ぐらいそういう愛情の話をして、
宇宙に飛び立つシーンなんて全部カットですからね。
宇宙に飛び立つシーン、543210ってカウントダウンのシーンがありましたけども、
普通だったらかっこいい宇宙船が出てきて、
宇宙船がカウントダウンで宇宙に飛び出していくっていう、
そういうカウントダウンとか多分10分間ぐらい使ってもおかしくないんですけど、
そのカウントダウンのシークエンスは音声ではカウントダウンが流れてるんですけども、
映像はクーパーが娘と別れて泣いてるシーンで、
そのシーンにカウントダウンの198765っていうのが重なるので、
いかに野良監督にとってはそっちの方がむしろ重要だったかという感じがして、
インターセラーの中でお気に入りのシーンの一つですね。
この5本を読むと、ご自分もちょうど同じくらいのお嬢さんがいて、
仕事ももちろん行きたいけれども、娘と離れたくないその罪悪感を持ちながら、
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大好きな映画を撮りに行くみたいな思いがそこに詰まっている。
ご自分の体験でもあるという話でしたね。
確か作品のコードネームには、
確か自分のお子様へのメッセージみたいな、
そんなコードネームで映画を撮ってたと思いますので、
実際まさにそういうことだったということですよね。
だから人間愛が詰まっているから、
なんかわからないけどなんか気になるみたいな映画の一つなんでしょうね。
本当にいろんな方から感想を聞きますけれども、
決してそのブラックホールとか宇宙が何とかっていう別にそんな感想じゃなくて、
まずドラマとして映画としてまずすごく完成度が高くて良かったという話は、
いろんな人から聞きますね。
本当に、親は子供の未来を見つめる幽霊だとかね、本当に。
名台詞が。
名台詞ですしね。
なんといっても私は5次元、前も言いましたけれども、
5次元の世界にどうやって戻ってくるんだろう、
ここでこのままずっと本棚のところにいるのかなって思うくらい。
あのシーンはよく聞かれます。
どうやってあの本棚に入ったのかとか、
どうやってあの本棚から戻ってくるのかって、
もう講演会で何十回と聞かれた人もいるんですけど、
そこはちょっとあんま気にしない方がいいって答えてますね。
でもほら、女性を助けて自分だけは一人で行っちゃうじゃないですか。
そしたらそこに入っていくわけじゃないですか、トラックホール。
入っていって5次元の世界。
だから自らその中、つまりブラックホールが解明されてないから、
分からない資料、資料というか情報が少なすぎるから、
まだ何もできてないっていうところもありましたけれども、
そこへ自ら行きましたからね。
そうですね、もう命を、本当だったらブラックホール入ったらもう戻ってこれませんので、
自ら落ちていきまして、
TARSっていうロボットと一緒にブラックホールの中にしかない実験データというのが、
得意点というとこから得られる。
映画の中では、貝殻の中の真珠だって捉えられてましたけれども、
そういうデータを取るために突っ込んでいったという。
で、クーパーはその時点ではもちろん捨て身で行く予定だったわけですけどね。
結果としては未来人という何らかの謎の存在がクーパーを活かして、
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ブラックホールの外に出して、
しかも土星の近くまで戻してくれるっていう大サービスをしてくれたということですね。
でもその時に彼は気づくじゃないですか。
なぜ自分が宇宙に旅立ったかっていうのは、
娘が地球を救うんだって。
彼女が選ばれたんだっていうことに気づく。
なんかそういうところが何とも。
鳥肌が立ちそうなシーンですよね。
俳優の演技も上手でしたけれども、
選ばれたのは俺じゃない娘なんだって。
娘に一生懸命データを送って、
私は時計をモールス信号で動かすシーンが何回見ても泣きはしないんですけど、
首を振るっていうんですか。
素晴らしすぎて。
愛情の時空を超えた愛情が、
ゴジュジェンの物理学を直接使った演出になってるっていうのは、
すごいなと思いましたね。
愛情の一番のピークと科学の一番のピークを一緒に持ってくるのはすごいなと思いまして、
あのシーンはインターテイラーでは一番好きなシーンの一つになってますね。
時計のね。
あの時計もカチカチってやつですね。
それをちゃんと彼女が駆け写すんですよね。
しかもね、手書きでメモっていくわけですよ。
ああいうシーンの演出がもう憎すぎますよね。
最先端科学やっときながらこういう手書きでね、一個一個。
インターテイラーまでのテネット、お話はつきませんので、
今日はこのあたりでまたよろしくお願いいたします。
今日はありがとうございます。
ありがとうございました。
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