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2021-03-24 09:21

【おはなし回】『ばけものつかい』

Kon
Kon
Host
『ばけものつかい』

出版:クレヨンハウス
絵:川端 誠

***

あるご隠居さんは奉公人と一緒に
「おばけやしき」といわれる家に越してきたが
その日の内に奉公人がやめちゃった!
そこでおばけに仕事をしてもらおうと思い…

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00:05
みなさん、おはようございます。
こんのゆるラジチュアプットへようこそ。
この放送は、子どもも大人もゆったり過ごせるよう、
絵本とともに、朝のほんのひとときをお届けします。
今日お届けする絵本は、落語絵本【ばけものつかい】です。
こちら、クレヨンハウス出版絵、川端誠です。
それでは、読んでいきますね。
【ばけものつかい】
とある大きなお店のご隠居さんが、
方向人の急増さんを連れて、古い大きなお屋敷に引っ越してきました。
ところがここは、おばけ屋敷と噂の高いお屋敷だったのです。
ご隠居さんは、「おばけがなんだ?」と一向に気にならない様子。
ところが急増さんはビクビク。
昼間のうちにすっかり引っ越しを終えると、
急増さんは旅自宅をして、ご隠居さんの前に現れました。
「なんだ急増、その格好は。」とご隠居さん。
「実はご隠居さま、お願いがありますが、
オラ、お暇をいただきたいと思いまして。」と急増さん。
「何?やめる?それは困るな。何で今さら。」とご隠居さんはビックリ。
「ああ、オラ、人遣いの荒いご隠居さまのお世話をして三年経ちますが。」
「人遣いが荒いとはなんだ。」
「いや、オラ、人遣いの荒いのは我慢できるんだけど。」
「化け物だけは我慢できねえもんで。」と急増さん。
ご隠居さんは急増さんを説得しましたが、
どうにもこの屋敷はごめんだと言って聞きません。
ご隠居さんも仕方なく納得しました。
その夜ご隠居さんは急増のやつ、
まあよく働く方向人だったが、
惜しいことをしたなと一人ごと。
お化け屋敷だそうだが本当に出るのかな。
出ないと急増にやめられただけ損をしたみたいで、と。
おや、なんだかこうぞくぞくするな。
そう言ってご隠居さんが肩をすくめていると、
庭の障子がすーっと開き、
ひょっこり顔を出したのは一つ目小僧。
ご隠居さんは一つ目小僧を見るなり、
はっはっはー、これは面白いな。
03:00
おいおい、こっちへ来な、こっちへ。
そんなところで舌を出してるやつがあるか。
お前の出てくるのを待ってた。
いやな、急増にやめられちまって、
一人で困ってたとこだ、と大喜び。
さっそく一つ働いてもらうよ。
いいか、まず米を研げ。
それから一つ目小僧はご隠居さんに言われるままに、
米を研いでざるにあけ、水を切り、
かまどに火を入れると、
お釜に米を移し水を入れて炊き始め、
ぬかびその中からきゅうりを取り出し、
ぬかを落として包丁でトントントン。
あじのひらきを焼いて味噌汁を作り、
茶碗を出して炊きあがったご飯を盛り、
ご隠居さんの前に運んで、
あまりでおにぎりをこしらえ、
急須でお茶を入れ、
食べ終わった茶碗とお椀をお皿を洗って、
布巾で拭いて戸棚にしまい、
鍋とお釜も洗うと、
雑巾であたりを拭き掃除、
布巾と雑巾を絞って広げて、
ひと息ついたと思いきや、
おい一つ目小僧、こっちへ来て、
布団を敷いて、それから肩でも叩いてくれ、
とご隠居さん。
しばらくひとつ目小僧に肩を叩かせて、
ああ、よしよし、だいぶ楽になってきた。
今夜はもういいから、
あしたはな、もう少し早く出て来いよ、
とご隠居さん。
ひとつ目小僧を返すと、
そのまま寝てしまいました。
さて、その次の日の夜。
あのひとつ目小僧は急僧くらいには働くな。
しかし昼に出て来ないっていうのは不便だな、
ご隠居さんは。
でもただで使えるから、
まあいいところへ越してきた、
とのんきなもの。
何してんのかな、早く出て来ないかな、
と思っていると、
おお、背中がぞくぞくしてきた。
すると庭の障子がすっと開き、
やって来たのはろくろくび。
ご隠居さんはろくろくびを見て、
おやおや、今日は女かい、
そう言って顔を見ようとすると、
首がスルスル伸びるので、
顔をあっちへ向けたり、こっちへ向けたり。
こらこら、遊んでる場合じゃない、
働いてもらわないとな、
とろくろくびを中に入れ、
まずな、おしいれに旅の汚れたのがあるから、
それを出して、それから、
それからろくろくびは、
ご隠居さんに言われるままに旅を洗い、
06:01
ほかの洗濯もすませ、
裁縫箱をたして穴のあいた旅をかがり、
羽織の裾のほころびを直し、
着物をたたみ直して、
タンスにしまい、
今度は何を言われるか、
と思っていると、
もういいから、そろそろ布団を敷いてくれ、
と、ご隠居さん。
布団敷いて、肩でもたたきましょうか、
というろくろくびに、
なんだい、心得てるな、
いや、さっき首の運動したから、
今日はいい、もう帰っていいよ、
と、ご隠居さん。
ろくろくびを返すと、
そのまま寝てしまいました。
さて、また次の日の夜、
ご隠居さん。
女はどうも使いづらくていけない、
今日は小僧が出てきてくれるといいんだがな、
と考えていると、
家がぐらぐら揺れてきて、
おお、背中がぞくぞくしてきた。
すると、庭の障子がすっと開き、
やってきたのは三つ目の大乳戸。
ご隠居さんは三つ目の大乳戸を見て、
いやあ、こりゃあ、でかすぎるな、
まあいい、来たんだから働いてもらうよ。
三つ目の大乳戸は、
ご隠居さんに言われるままに、
庭の石をあちこち入れ替え、
屋根のごみを吹き飛ばし、
草をむしり、
石道路を池のそばへ運び、
そして家の中へ手を入れると、
押し入れ分け、器用に布団を敷いた。
そして両手を差し入れると、
小指でかたたたき、
なかなか心得ているじゃないか、
とご隠居さん。
よしよし、きょうはもういい。
あしたは小僧さんだよ。
いいな、たのむよ。
そう言って三つ目の大乳戸を返すと、
そのまま寝てしまいました。
さてさて、そのまた次の日の夜。
一つ目小僧が来るといいが、
と思って待っていると、
おお、背中がぞくぞくしてきた。
すると庭の障子がすーっと、
きょうはあかないって庭から、
あの、ご隠居さま、
おねがいがございます。
だれだおまえは、とご隠居さん。
はい、毎日ここへ参っているものでございますが、
じつはおひまをいただきたくて。
どういうわけだ、それは。
わたくしもほうぼうばけて出ますが、
あなたさまほど、
ばけもの使いのあらいお方はございませんので、
こんどはご隠居さんが、
じぶんで障子をあけると、
庭にたぬきが一ぴき、
たびじたくをして立っていました。
おしまい。
09:00
はい、いかがでしたでしょうか。
ばけものすらね、
つかってしまうこのご隠居さん、
なかなかの方だと思います。
それでは、きょうもおききくださりありがとうございました。
こんでした。ではまた。
09:21

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