九鬼 隆成
皆様、お待たせいたしました、核融合スタートアップ対談〈夢のエネルギー実現に向けた展望〉にお集まりいただきまして、ありがとうございます。
本日のモデレーターを務めます、三菱UAJキャピタルの久喜と申します。どうぞよろしくお願いします。
今日はですね、私の属して三菱UAJキャピタルも、実はこの核融合、今日ご登壇されている3社、いずれにも投資をさせていただいておりまして、それぐらいこの領域に浸水しているということなんですけれども、
今日はこの日本の誇る核融合スタートアップのお三方に、核融合の現在地、それにかける熱い思いについて、可能性について語っていただきたいと思います。
それでは皆様から自己紹介をしていただきたいと思います。最初に京都フュージョンイヤリング共同創業者、チーフストラテジスの武田修太郎様です。
武田 秀太郎
武田です。よろしくお願いします。
九鬼 隆成
続きまして、EXフュージョン共同創設者兼CTOの森義隆様です。
森 芳孝
森です。よろしくお願いします。
九鬼 隆成
最後に、ヘリカルフュージョン共同創業者、代表取締役CEOの田口貴也様です。
田口 昂哉
田口と申します。よろしくお願いします。
九鬼 隆成
ありがとうございます。本日はオーディエンスの皆様よくご存知のこのメンバーでお送りしたいと思います。
最初に私の方から、京都府様のZ割れ構想についてご説明申し上げたいと思います。
今お示ししている通り、2050年カーボンニュートラル社会の実現に向けて京都府が取り組むZ割れ構想についてご紹介いたします。
Zとはゼロエミッションテクノロジーの頭文字で、脱炭素テクノロジーを意味しています。
テクノロジーによってカーボンニュートラル社会を実現しようというもので、モーターの世界的メーカーであるNIDEX様をはじめ、
多くの大企業が立地し、大学も多いこの京都府中央部をリーディングゾーンとして位置づけ、
この地域に脱炭素関連スタートアップ企業等のためのインキュベーションを整備しながら、
大企業との協業により新たな脱炭素社会を創出し、町へ実装することでゼロカーボンものづくりによるゼロカーボン町づくりを推進するものです。
その起爆剤として脱炭素テクノロジー関連のスタートアップや事業紹介の交流とビジネス創出の場として、
国際カンファレンスZサミットを毎年2月頃に開催しています。
サミットは最新の脱炭素テクノロジーを知る機会ですけれども、
本日はその脱炭素テクノロジーの一つとして期待が寄せられている核融合エネルギーに焦点を当て、
日本の核融合スタートアップ3社から今後の展望を伺いたいと思います。
それではお待たせしました。
九鬼 隆成
世界でなぜ日本は勝てるのか。
勝てるのか。
フュージョン産業の未来とはです。
最初に竹田さんから実現に向けた日本世界の状況についてお話しいただけますでしょうか。
武田 秀太郎
ありがとうございます。
皆さん今日この核融合のセッションに来ていただいたわけですけれども、
そもそもその核融合という呼び方自体が実はすでに時代遅れになっているということを皆さんはご存知かもしれません。
去年の5月、日本の政府は国家戦略として、
この核融合というものをこれからはフュージョンというふうに呼んでいく。
新しい名前を作ったわけですね。
私はスタートアップの創業者として来ていますが、
私自身は政府の委員でもありますので、
今日はこの全体の話についてまず冒頭でざっとお話をさせていただきたいと思っているのですが、
今日この場で一番大事な質問、そもそもフュージョン、核融合というのは太陽で起こっている反応で、
それを地上で起こすことによって無限のエネルギーを手に入れる。
そういう構想なんですけれども、
一番今大事な質問、多分これだと思うんですね。
今日会場にいる皆さん、
この中でフュージョンが15年以内に実現ができると思っている人は、
手を挙げていただけますか。
ありがとうございます。
素晴らしい。
お二人は当然ありがとうございます。
半分ぐらいですよね。
じゃあフュージョンは逆に、
15年ではなかなか実現難しいと思っている方、
手を挙げていただけますか。
ありがとうございます。
だいたいこの6年間、
大変良い割合になったと思っていて、
ここの二人は当然チームフュージョンなんですが、
新しく先月このチームフュージョンに強力な仲間が入ったんです。
それが誰かといえば、
岸田総理を含めた日本政府なんですね。
先月の核決定において、
この統合イノベーション戦略2024、
ここで日本政府として、
世界に大きな影響を与えることになりました。
この統合イノベーション戦略2024、
ここで日本政府として、
世界に先駆けた2030年代のフュージョン発電を実証するというものが、
核議決定をされて、
我が国の政府方針になったんです。
これはこれまでの2050年目標からすれば、
10年以上の前倒しですから、
極めて大きなことがこのフュージョンの業界で起こっているわけです。
それもそのはずで、
今全世界では本当に様々な国が、
アメリカで言えば、
世界競争による2035年から40年の発電、
イギリスが2040年、
中国が2030年代に向けて巨額の予算を突っ込んでいる中で、
我が国だけがもともとは2050年代の目標だったものが、
今回岸田総理大臣の承認を得て、
2030年代に前倒しが図られたわけです。
実際アメリカ政府は1500億円の予算、
イギリスが1200億円の中で、
我が国の予算は昨年度で462億円ですから、
このあたりまだまだ公的予算というのは足りていないわけですね。
今見ていただいているもの、これCGに見えますが、
今実際に中国にある、
中国政府の核融合のフュージョンエネルギーの総合的な試験施設で、
こういったところに何千億円という予算がついて、
実現に向かって動いているのが、
今このフュージョンという業界なわけです。
イギリスでも同じようなものが進んでいる。
そういう中で、
じゃあ民間に目を閉じてみるとどうなるかというと、
今民間の業界、全世界で1兆円近い金額が、
フュージョンのスタートアップに投資がついています。
去年だけでも2000億円が投資をされ、
13社が新たに誕生をし、
1000人がフュージョンスタートアップのみで雇用されている。
そういった中で、
この右肩上がりの一途として、
50社近い会社が今全世界でフュージョンに取り組んでいるわけです。
その中で、この政府のイギリス政府は、
フュージョンの市場について、
今後、将来的には1000兆円市場へと成長すると見込んでいます。
今世界の自動車産業が600兆円、700兆円ですから、
自動車産業に匹敵をするような新たな産業が、
出現をし得るというふうに各国政府は見ているわけです。
これこそがこのフュージョンインダストリー、
フュージョン産業というものの未来ですので、
これに向けて今まさに我が国というのは、
世界的に見ても新たなイノベーションによる破壊的な活力が求められている。
そしてその破壊的な活力というものをもたらし得るのが、
ここにいるようなフュージョンスタートアップの各社だというふうに考えているわけです。
武田 秀太郎
以上がこの我が国の政府としての、もしくは世界としての情勢です。
九鬼 隆成
はい、武田さんありがとうございます。
じゃあそうですね、それぞれの皆さんの取り組みについて、
本当にできる?皆さんさっき表割れましたよね。
いつできる?誰がやるの?この辺について、
お三方にそれぞれお話いただきましょう。
じゃあまた武田さんからお答えお願いします。
武田 秀太郎
はい、ありがとうございます。
次は会社の顔に戻りまして、会社の事業紹介なんですが、
我々は京都フュージョンニュアリングという会社です。
5年前に創業しまして、現在の資金調達額は137億円で130名の従業員がおりますが、
そもそもなぜフュージョンかということですけれども、
我々にはこれまで産業革命から積み上げてきた膨大な二酸化炭素の排出があって、
それはあらゆる意味で人類にとって不採なわけですよね。
その不採を返し切っていくためには、フュージョンのようなエネルギーが必要であるわけです。
この地上の太陽というものはフュージョンエネルギーで実用化をする。
そのために我々というのはフュージョンというものを産業として捉えて、
この産業のあらゆるところに日本のサプライチェーンを生かしたパーツであるとか、
エンジニアリングであるとか、そういったものを輸出をしていくというのが我々のビジネスモデルであって、
今まさに京都にはこういったフュージョンの模擬発電所というものの建設が進んでいて、
第一期の工事が完工したところです。
こういった中で様々なメンバーがフュージョンの産業化のために取り組んでいるというのが、
我々京都フュージョンエネルギーということになります。
今130名のメンバーがこういったことに取り組んでいますので、
ぜひ皆様の中でもご興味がおありの方がいたらググっていただいて、
田口 昂哉
我々にジョインしていただければというふうに思います。よろしくお願いします。
九鬼 隆成
ありがとうございます。
それではお待たせしました。森さんよろしくお願いします。
森 芳孝
武田さんの発表はいつもながらいいですね。
君はだんだん政治家っぽくなってきた。
やめてくださいよ。
変わってきてる。自分では気づいてないかもしれないけど。
次は世界進出だな。
田口 昂哉
武田さんは核融合活動家だと思ってますからね。
武田 秀太郎
政治家です。
森 芳孝
そういう立ち位置。
エクスフュージョンの森と言います。エクスフュージョンの紹介をします。
私たちはレーザーで地上に太陽を作って、
エネルギーを社会に届けたいということで活動してます。
自己紹介です。
私は福岡出身で、高校の時に核融合発電をやると志して今までここまで来ておりますということで、
浜松市立大学で教員をしてまして、
十数年レーザー核融の研究開発をやってきました。
その流れでスタートアップを設立したという背景になります。
エクスフュージョンとは何か。
レーザーで核融合を起こすことを目指した大学スタートアップで、
私と大阪大学のメンバーで立ち上げたスタートアップです。
今は2年、もうすぐ3年になります。
従業員が今、兼業含めて37名で、
拠点が東京、浜松、アメリカ、オーストラリアにあるということで、
事業概要はレーザー核融合を並びコンポーネントの開発としてます。
いつできるかと言いましたね。
これはね、もう核融合は起きてる。
もっと言うと、私はずっと起こしてきた。
じゃあこれをどう電気に変えるか。
電気に変えて買っていただけるかとか、そこだけなんですよ。
つまり何かというと技術です。
やろうと思ったらできる。やるかやらないか。そこだけです。
我々はこういうロードマップを書いてます。
2030年以降に発電実証に向けて、
2026年、27年で核融合反応を起こす実証ローテを作ろうと。
その手前で今働き出してまして、浜松に統合する装置を今作ってます。
今朝も作ってきました。
帰ってもまたもう一回見に行きます。
これを今やってるということで、
これを夏に立ち上げることで、今急ピッチでやってるということです。
私たちはもう一個核融合を起こすんだけど、ちょっと時間がある。
それまでにどうするかというと、レーザー核融合っていろんな応用ができるんですね。
それで稼ぎながら炉の実現を目指したいと考えております。
引き続きよろしくお願いします。
九鬼 隆成
ありがとうございます。
じゃあ最後に田口さんお願いいたします。
田口 昂哉
ヘリカルフュージョンと申します。
我々は人類を核融合で進化するというビジョンを掲げて事業を行っていて、
それぐらいインパクトの大きい技術だと思ってやっております。
さっきもタイムラインの話が出ましたけど、
我々は2034年に定常、世界初の定常、ずっと動く、1年間ずっと動かせるというような核融合発電炉を作ろうと思っています。
実は会社としてはまだ3年ぐらいなんですけども、
礎は非常にしっかりとしていて、
もともと我々がやっているヘリカル方式という技術も、
京都大学で生まれた1950年代に発明された方式です。
そこから1980年代に国としてこのヘリカル方式をもっとちゃんとやろうということで、
九鬼 隆成
ありがとうございます。
ここからお三方に自由にいつものようにおしゃべっていただきたいと思います。
最初にですね、そうは言っても、会場の皆さんももし質問があれば後でお受けしますので、
ぜひ考えておいていただければと思うんですけども、
素人質問なんですけどね、あれフランスでやっていたイーターでしたっけ、
あれ超どでかいじゃないですか。
日本で核融合をやるときに、あんな場所どこにあるんだろうと、
北海道だったらできるかもしれないけど、首都圏にそんなできる場所あるんですかとか、
すごい素人的な考えなんですけど、
できるものなんですか。
田口 昂哉
できます。
できるものと、あとイーターというのはフランスに今どでかい建設をやっているんですけども、
いろいろその余分な施設があったりとか、実験研究開発もするので余計広かったりとか、
あとはですね、ちょっと昔の技術を使っているので、
必要以上にどういうか、路自体がかなり大きくなるということもあって、
超巨大な施設が必要ですけども、
今我々が、例えば弊社が開発しているものも、小学校1校ぐらいのスペースがあれば全部収まると。
九鬼 隆成
そんなものなんですか。
田口 昂哉
やっていますので、できると思っていますし、ちょっと専門的なところは竹田先生から。
武田 秀太郎
専門的なところでもないんですけども、やっぱりどこの立地で作るのかというのは非常に大事な話で、
我々も当然政府の委員会で話し合っているんですが、
日本を見渡したときに、例えば石炭発電所がたくさんあるわけですよね。
イギリス政府はすでに使い終わった石炭発電所を閉じた上で核融合発電所を作るという構想を挙げていて、
これは二重の意味で賢いわけです。
一つは当然ですが、これまでやった電力発電所としてのインフラが使えるという件ですが、
もう一つは、これ人類のメッセージで見たときに、
イギリスというのは産業革命を始めた国であるわけです。
その産業革命は石炭から始まっていて、
その最初のエネルギー源である石炭というものが閉じられて、
人類最後のエネルギーである石炭からフィジョンの発電所が出来上がる。
このメッセージは非常に大きいわけですが、
日本でも発電所に適した立地がたくさんありますし、
先ほど田口さんからもあった通り、立地自体はとても大きくなくても良いわけですから、
それに原子力とは違って、避難計画であるとかリスクであるとかとは全く違ったものになりますので、
九鬼 隆成
そういった意味で都市部でも当然可能ですし、日本中に適した立地があると考えています。
ありがとうございます。
田口 昂哉
じゃあ身近なところでできるということで。
僕は最終的には都心に作りたい。東京のど真ん中とかにも作りたいと思ってますね。
原発が悪いわけじゃないんですけど、安全だ安全だって言ってて、
ちょっと離れたところばかり作ってるってちょっとうさんくさいなと僕は思うんですよね。
だから自分たちの間近に作ってこそ、本当に核予防、フィジョンエネルギーって安全だって、
胸張って言えるんじゃないかなと思ってて、土地代は一回置いといてね。
土地代は置いといて、そういうことを実際にやっていきたいなと思ってます。
九鬼 隆成
やっぱり京都府さんもこうやってセッション設けるからには、
京都府にもそういうど真ん中に核予防発電所を誘致しようとされてるんですかね。
ここでいいんじゃないかなと。よろしければ。できそうですよ。
ちょうどいい広さですよね。中学校1校ぐらい。
武田 秀太郎
私文部科学省の最初の発電所の立地選定担当委員なので。
九鬼 隆成
じゃあちょっと後で京都府さんとお話いただいて。
皆さんの座っているそこが核技術の発電所になるかもしれないということですね。
ありがとうございます。
武田 秀太郎
安全性の点はもうちょっと多分補足したほうがいいのかなと思っていますけども、
フィジョンっていうのは本当に原子力とは全く違う反応で、そもそも事故のリスクが全くないと。
ウランもプルトリンも使わないですし、いわゆる核のゴミと呼ばれるような
高レベルの保守作物も全く出ないということで、
これまでの発電所とは全く性質が違うものなんですよね。
森さんすごい静かですけど、森さん自身はやっぱり浜松って都市部で実験しているわけで、
安全であるとかすごい気を使ってますよね。
森 芳孝
静かなのは聞く力って大事。
聞く力が大事です。
田口 昂哉
どこで覚えたんですか、そんなことが。
森 芳孝
最近ずっと考えている。
会社を大きくするには聞く力だなと思っています。
浜松はいいところなんですね。
お二人にも同意で、核融合って、特にレーザーはそうなんですけど、
小さい規模から実験できるんですよ。
レーザーは特にそれができて、なぜかって燃料ってこれぐらいです。
直径4ミリ。めちゃくちゃ小さい。
焼焼炉でもそうなんです。
だから最初発電の量をあえてセーブして小さい規模から作っていくというのができるので、
小型炉という意味では都心、街中でちゃんと検証できたらいいなと私は思います。
それが社会需要性を生むんです。
なぜ怖いかというと、遠いから怖い。わからないから怖い。
そうじゃない。身近にありますよと。
ゆくゆくはそういうところに皆さんに来ていただいて、
はいこれ核融合反応ですどうですかと知っていただく、見ていただく、
互換に触れていただきながら私は広げていきたいと思います。
武田 秀太郎
どうぞ。
ありがとうございます。
ちょっとここで真っ向から質問したいんですけど、
今回核技決定で2030年代に発電しますって書かれましたけど、
あれ官僚文学で主語がないんですよ。
国がやるとも書いてない、民間がやるとも書いてない。
ズバリ2社は民間として2030年代の発電実証を引き受ける覚悟は終わりですか。
田口 昂哉
もちろん。それしか考えてないです。
発電実証もさっき言いましたけど、ちょろっと電気出すとかじゃないです。
ちゃんと1年間使える発電所。
日本で最初にやるのは我々だと思います。世界でもですけどね。
間違いないです。
武田 秀太郎
森さんもちゃんと反論してください。日本で最初って言われたんですから。
森 芳孝
核融合はいろんな方式があっていいわけ。
ナンバーワンではない。確実にできるとかあったらやったら、我々もやるってことね。
なぜか、核融合って星のエネルギーなんですよ。
空見たらお星様いっぱいありますね。
同じように核融合方式いっぱいあっていいわけですね。
だからね、よくね、この手の話をすると、
この手の話をすると、誰がナンバーワンになるかという話になるけど、そうじゃない。
みんなで同じ方向を向くって走っていくということです。
武田 秀太郎
それ本当そうですよね。このフュージョンスタートアップ、今日本で6社ですかね。
それくらいありますけども、めちゃめちゃ仲がいいですよね。
どこも全く喧嘩をしていない。すごいですよね。
田口 昂哉
飲み屋では喧嘩ばっかり見ている気がします。
森 芳孝
いや、私はお二人に飲み屋で叱られたことを今でも覚えてますよ。
そんなことはない。
武田 秀太郎
あなたでしょ、私の叱ったこと。
森 芳孝
いやいやいや、私も怒られましたよ。貴重な時間を無駄にすんじゃないと。
田口 昂哉
それ、森さん話長いから。しょうがない。
武田 秀太郎
この人、私が学生の時に朝5時まで説教したんですよ。
森 芳孝
ありましたね、ありましたね。
九鬼 隆成
いや、じゃあちょっとだけね、素人、皆さんよくご存知の方がいらっしゃるかもしれないです。
私みたいに素人からすると、確か核融合って昔もそう言われてた時代ありましたよね。
僕は学生時代にちょうど第一次核融合ブームがあったんですよ。
1987年とか、それくらいですかね。
その時からここまで時間がかかってたものが、なんで今頃になっていたことは悪いですけども、
ここに来て注目されてお金も集まるようになってきて、みんなやりだしたのか。
何がきっかけで始まったんですかね、これ。
何か技術的なブレークスルーがあったんですか。
森 芳孝
それは社会の要請です。
核融合は、要は1990年に反応を出したんですよ。
だけどそこから走れなかった、なぜか。
エネルギーが余ってたからです。
なので私たちのコミュニティでは、作りたかったんだけども、お金が集まらなかったんですね。
だからどうしたかということと、平和の象徴としてやろうと。
国際協力でやりましょうと。
それが今のイーターです。
だからイーターというのは、路の実現もあるんだけど、国際協力で難しいことにチャレンジしようということで、
あえて国際協調が最優先なんですよ。
なので時間がかかってるんですね。
だからそれが今変わってきてる、なぜか。
社会要請でやっぱり電気がいると。
そうしたらね、面白いことに国も欲しいのかなと書いてあるんですよ。
国際協調からの競争です。
どんどん自国の産業を作ろうとしてきてて、どんどん戦略を変えてきてるということなんで、
国さんのご質問の回答は一つそれと。
もう一つは、これ我々の責任でもあるんだけど、核融合を判断を起こすだけで喜んでたらね。
そうじゃない。社会に使っていただくには、それをエネルギーに変えないといけないんですよ。
これをずっと先送りしてきたんです。
それは理由があって、やはり核融合燃料を制御するのは相当難しかった。
我々はそこにあえてフォーカスしました。
やろうと思ったら早い段階からずっとできてるということで、
社会が必要としたから。
今まさに出せようとしてて、スタートアップができてるということで、非常に面白い時代に来てます。
よく日本だと、坂本龍馬の時代が良かったとか言うじゃないですか、明治時代。
そんなことはない。令和の今の時代が一番俺は熱いと思うんです。
九鬼 隆成
いいこと言うと。
ちょうど会場に投資家の方々もいらっしゃるので、どれくらいお金があったら。
森 芳孝
1兆円です。1兆円いる。1兆円あったら確実にできる。
武田 秀太郎
1兆円あったらできますけど、もう少なくてもできる。
森 芳孝
いや、少ない少ない。だからね、ちゃんと必要なお金が来ないから大変なんですよ。
1兆円あったらできるんですよ。
そのための準備は今我々してて、そこはやってるの。
当然それぐらいいるわな。
田口 昂哉
1兆円。はい、1兆円です。
森 芳孝
1兆円、1兆円。
くくさん、1兆円でございます。
九鬼 隆成
会場から1兆円と札が上がるといいんですけどね。
投資します。
九鬼 隆成
ありがとうございます。
会場の皆さんで何かご質問したい方いらっしゃいますか。
武田 秀太郎
大変フランクかつ夜の飲み会の様子を見ているようで、
大変楽しく配聴しています。
この人さっきビールあげたんですよ。
田口 昂哉
いやそれを3人で飲んだじゃないですか。
話された。
武田 秀太郎
大変楽しく配聴しているわけなんですけど、
ちょっと右寄りの思想があるということもあって、
お伺いしたいのは、
米中核融合で開発競争に入ったと、
言っても過言ではない状況かなと思っていて、
アメリカだったらコモメルスフュージョン、
西側に目を移せばヘリオンフュージョン、
サムアルトマン、
それから英国に行けばトカマクエナジー、
イスラエルからもNTタオというところで、
いろんな会社が出てきているわけなんですけれども、
横並びで国際的な開発競争を見る中で、
日本が国として持っているポテンシャル、
あるいは3社が見る中においての自社の競争優位性、
どういうふうにご覧になっているかというところを、
ぜひ右寄りのストーリーで語っていただけるとありがたいなと思っています。
私が多分一番答えやすいので私から答えるんですが、
我々は今おっしゃっていただいた会社全てと、
当然繋がりがあります。
そういった会社に対して、
日本しか持ち得ないような高度な技術力を持った部品というものを、
販売をするのが我々の立場ですし、
実際世界には本当にこれがなければフュージョンできないけれども、
世界で作れる国は本当に日本とあと1カ国ぐらいしかないような部品、
そういうものでもありますから、
それを我々は日本のちゃんとメーカーの方々、
パートナーの方々と組んで、
世界に売っていく、開拓をしていく、
そして産業を作っていくというのが、
我々の会社のモデルですので、
フュージョンのサプライチェーンという観点から言えば、
日本には世界1位、2位を争うような、
極めて強いポテンシャルがあって、
かつ優位性があるというのは間違いがないと思っています。
田口 昂哉
日本の強みはヘリカルフュージョンがあることです。
いろんなトカマク型とかレーザー型とかありますけど、
現状まだ出口見えてない。
でもレーザーが1番と思ってますね、当然。
それは僕はよくないと思います。
レーザーやってるんだったらレーザーが1番って言わないとダメですよ。
森 芳孝
すみません。
じゃないと無責任。
田口 昂哉
我々は当然ヘリカルがベストだと思って、
ヘリカルの大型のヘリカル装置を持っているのは日本だけだったし、
現状スタートアップの中で我々がやっているヘリカル方式という、
一番実現に近いと思っている形をやっているのはヘリカルフュージョンだけなんですね。
森 芳孝
これが日本にあるというのが、日本の国としての強みにもなっていると思います。
まず日本としては、
エネルギーに対する危機感というのが一番大事なことだと思います。
レーザー方式で言うと、レーザー核融合炉って、
エネルギーで1メガジュール、繰り返し16ヘルスというレーザーがいるんですね。
1メガジュール撃つレーザーってアメリカが強いんだけど、繰り返しがないんですよ。
繰り返し撃てるレーザーって実は日本なんです、強みなんです。
そこが強みで、我々はそこを生かしていきたいと思っていますね。
角地さん、だんだん宮沢さんに似てきたね。
大丈夫、いい感じだな。
田口 昂哉
いい感じですか。
九鬼 隆成
お答えしました、どうぞ。
はい、ありがとうございます。大変興味深く聞かせていただいております。
森 芳孝
やっぱりここに必要な金額として1兆円というお話もありましたけど、
田口 昂哉
やっぱりこのリスクマネーを取り込みながら企業としても成長させて、
九鬼 隆成
しっかりと技術を成就していくという中で、
ここのエクイティストーリーというか、やっぱりそれなりの金額だったら、
創業者としての代流者とかそういうところも考えながらバリエーションをつけていく。
田口 昂哉
で、資金調達していく。金額的なものもそうですし、
エクイティストーリーもそうですし、そういうところをどう捉えていくか。
その実現の前にある程度マネタイズするようなものを考えていくとか、
九鬼 隆成
そういった企業経営としてのこの分野に関してどう捉えているかという観点で
お話聞かせていただけると助かります。
いい質問ありがとうございます。
田口 昂哉
僕が一番はっきりしているので、我々はマネタイズ考えてないです。
これは創業の時に決めました。
理由は2つあって、それをやっていると核融合炉の実現は遅れるだけなんですね。
我々は世界最速で定常の核融合炉、発電炉を作るということが最大の目標なので、
それに全振りしますというのが1つです。
もう1つは、例えば要素技術を売って1億円とか5億円売り上げ立てたところで、
必要な金額1兆円ですから、もう足しにならないです。
それでリソース割くぐらいだったらもう全振りして、
武田 秀太郎
最速で核融合炉を完成させる方がいいという判断です。
ありがとうございます。
そもそも先ほどダイレクションであるというお話がありましたが、
資金調達の最大かつ最良の方法は我々は市場から調達すること。
すなわちIPOだと思っていますので、必ずしも1兆円調達するまでIPOが起こらないような
エクリティストーリーを書く必要は全くないと思っていますし、
そのためにも手前手前でしっかりと我々としては利益を出していって、
この市場にIPOという最良の資金調達手段を得るということも含めて、
森 芳孝
我々はストーリーを書いているということになります。
今のご質問は、私も創業時に考えました。
私がその時の選択は、やはり稼ぎながら作っていきたいと。
それは社会にソリューションを与えながら作っていきたいということを考えたんですね。
そうすることで社会に対する核融合の社会需要性が高まると思っています。
我々の会社はXFusionと言います。
EXはいくつか意味があって、1つがExtract Fusion Energy、これをロー作るという。
もう2つあって、もう1つがExplore Fusion Applicationなんです。
これは核融合技術を展開していくと。
これはね、核融合技術で応用技術で稼ぎながらローを作るという意味なんですね。
最後にExpand Fusion Possibility、これは技術を鍛えるという意味です。
この3つのEXで私たちは会社のバリューを上げていきたいと考えています。
田口 昂哉
ありがとうございました。大変皆さんお考え方も違いますし。
九鬼 隆成
ぜひその投資家サイドからのちょっと話をしたし、目線から何か。
これまで核融合ってないじゃないですか。
経験がないわけですから、誰もわかんないんですよ。
誰もわかんないということは、かけるしかないということですよね。
ベッドです、ベッド。
ただ、今日のお話でもあったように、
マーケットというか出来上がった時の市場ってめちゃくちゃでかいわけです。