西田 大介
今日は、オムロンさんとパナソニックさんにお越しいただいておりますけれども、
大体、この事業会社さんが投資をしていこうというスキームが4つぐらいあるかなと思っていまして、
この1枚目のスライドは、事業会社さん自社主体で運営されるパターンで、
1番目が、いわゆる本体から御収支されるということですね。バランシードから収支をされる。
右側が、いわゆる自社で子会社をお作りになられるなりで、CVCのファンドを運営される。
オムロンベンチャーズさんはこのパターン。
こちらのページは、外部のベンチャーキャピタルを活用していこうということで、
丸3番が、外部のVCさんと事業会社さんで、いわゆる2人組み合いみたいな形でCVCのファンドを運営する。
パナソニックさんのクラッシュビジョナリーファンドはこの丸3番ですね。
丸4番は、ベンチャーキャピタルの運営するファンドにLP出資をしていただきながらCVC活動を頑張っていくというのが4番目ということで、
今日登壇していただくお二人については、丸2番と丸3番という形で整理をさせていただければと思っております。
私の説明は冒頭以上になりますので、
ここから先、オムロンさんとパナソニックさんに各社様がどんな活動をされているのかを簡単に紹介していただこうと思います。
西田 大介
まず、大野さんお願いします。
髙部 祥史
はい、自分で回すんですか、分かりました。
オムロンのタカーブと申します。よろしくお願いいたします。
簡単に自己紹介させていただきます。
私、オムロンに入ったのは9年ほど前なんですけども、
最初はNECで半導体の北米向けのセールスマーケットをやっていたので、
毎月のようにシリコンバレーに行ってキッターハッターをやっていました。
その後、本社側に戻ってスタートアップへの出資とか上位弁を作ったりなんかをやっていました。
その後、マーベルというあまり知られていないかもしれませんけども、
シリコンバレーにいる半導体のファブレスカンパニーに移りまして、日本のアカウントマネジメントをやっていまして、
9年前にオムロンに入り、事業開発本部というところで事業をやった後、今イノベーション推進本部というところにいまして、
イノベーション推進本部にいながら、オムロンベンチャーズの方を昨年から担当するようになっております。
よろしくお願いします。
オムロンベンチャーズから少し離れるんですけど、オムロンについてご存知な方も多いかと思うんですけど、
ヘルスケアの事業のイメージが強いかなと思うんですが、
オムロンはファクトリーオートメーションが売上げの半分以上を占めているという会社になります。
当然ヘルスケア、それからソーシャルソリューションといった改札とかですね、ああいった事業をやったりしております。
我々スタートアップの皆さんと話すときによく言うのは、我々自身もいろいろなイノベーションを作ってきましたということで、
ここではいろいろな世界初ゲートであったりとかキャッシュディスペンサーをやっているんですけども、
こういったものをやっておりまして、進んでいきました。
我々長期ビジョンを掲げながら事業を進めてきていまして、2030年に向けた長期ビジョンというのを発表しております。
その中をサマリズしますとですね、我々今この3つの課題に対して注力していこうという風にして事業を進めております。
カーボンニュートラルの実現、デジタル化社会の実現、そして健康寿命の延伸、この3つの領域に既存の事業、
それからスタートアップの皆さんと一緒にやっていこうというのもこの分野でやっていきたいなと思っております。
ここはオムロンベンチャーズの紹介なんですけども、
オムロンはご存知の通り京都の会社ですが、オムロンベンチャーズは東京にあります。
今年ちょうど7月1日が10周年になりまして、10年間色々頑張ってきたところになります。
アセットとしては今大体100ミリオンドルぐらいの、これは直接出資とか先ほどパターンありましたけど、
実はLP出資とかそういうのも含めて全部でこれぐらいの価値をやっていまして、
グローバルに基本的にアーリーから、たまにミドル、レイターもあるかなという投資をしております。
これが全てではないんですけども、今のポートフォリオを先ほどの3つの領域で見たときの会社になります。
文字が小さいかもしれませんが、日本だけではなく、ヨーロッパ、アメリカ、イスラエル、そういった海外の会社にも出資をしていまして、
こういった活動をしております。
最後の1枚なんですけども、コラボレーションというところは、事業創造というのが我々のミッションですので、その例なんですが、
左側はDIMAGというのはAIの画像の会社なんですけども、ここに対して我々の検査装置とコラボレーションして品質を上げたりとか、
MEDRONというのはフランスのカーボンフットプリントの会社なんですけども、
ここと連携して工場のラインを脱炭素化に向けたソリューションをPOCを回したりとか、そんな活動をしています。
こういった形で、事業とスタートアップと連携しながら進めていきたいというのが我々のミッションになっております。
郷原 邦男
以上になります。ありがとうございました。
ここからはですね、パナソニックのクラッシュビジョナリーファンドについてご紹介させていただきたいと思っております。
まずは私の自己紹介になるんですけども、私はもともとネットワークエンジニアでして、
ファンドみたいなところとは程遠い世界でですね、パナソニックの中で今一年目ですかね、仕事をしております。
特にクラウドとかデータとか、いわゆるサービス開発ですね、新規事業というところに主に携わらせていただいていたんですけども、
やはりですね、パナソニックの中のケーパビリティでですね、事業領域を広げていこうとすると、なかなか広げにくいところがありまして、
どうしても現業に引っ張られてしまうということで、自ら新規事業担当者なんですけども、
外部の力を積極的に借りていきたいということで、CVCを企画して立ち上げて、今は事業シナジーをそこで作っているということになっています。
ですので下にですね、管轄職域というふうに書かせていただいてますけども、
CVCのところと、事業を実行するところということで事業開発センターと、
あと今日機会があったらちょっと喋るかもしれませんけど、インドイノベーションセンターというところをですね、担当させていただいております。
パナソニックですね、22年からホールディング制になりまして、
今回ですね、事業シナジーを生むということを目的に、このパナソニック事業会社でありますパナソニック株式会社の中にCVCをですね、作っております。
ですので、この中にですね、社内いっぱい事業部門、これちょっともうちょっとカラフルな絵がですね、次のページ出てくるんですけども、
この直続の直轄のところにCVCと、事業開発をする組織があるという立て付けになっています。
で、どのような我々ですね、パナソニックが商品を扱っているかというと、
中国は地域づくなんで、ちょっと別にしてですね、白物家電、パナソニックビューティーの分野であるとか、
あと空調の分野ですね、これ業務用もありまして家庭用もあります。
で、食品流通、皆さんもですね、コンビニに行ったときに、スーパーとかですね、コンビニのショーケースがあると思いますけども、そこもですね、パナソニックが事業領域としてやっています。
あとエネルギー関係とか電材をやっているエレクトリックワーク社というところで、
これらの周辺の領域をCVCの出資するスタートアップの方々と一緒にですね、新しい事業領域を開拓していこうということで活動をしております。
CTROという、私はチーフトランスフォーメーションオフィサーなんですけども、これはですね、M&Aによるトランスフォーメーションを意図しているものではなくて、
業態の変革ですね、トランスフォーメーションというのはやはり既存があって、そこからいかに変革させるかということで、ここでいうと右側の形をですね、描いて今活動をしております。
我々パワーソニックの社長、これ品田ですけども、やっぱり今の事業領域の延長ではカバーできないようなところをですね、しっかり備えていきなさいということで、
経営方針の中でもスタートアップの連携というのをですね、打ち出していただきながら後押しをしてもらっているということになります。
これをスムーズに進めていくためにもファンドを組成しまして、先ほどちょっとご紹介ありましたように、
私たちはですね、SBIインベストメントさんと2人組合を組んで、80億円のファンドでですね、出資活動をしていると。
地域につきましては、日本とエネルギー関係でいうと欧州。
皆さんですね、シリコンバレーにみんな行くんで、私たちはちょっと逆張りでですね、反対向きで西の方に行ってですね、インドということに、この領域に力を入れてやっております。
ここはですね、最終ページになるんですけども、重点セクターとしまして、食の領域、エネルギーの領域、
髙部 祥史
そういう意味では仲間募集しているところでもあります。
西田 大介
協業を作っていこうというときには、チームの皆さんがオムロの事業部の皆さんとのやり取りもこの6名の方がおやりになられる。
髙部 祥史
基本的におっしゃる通りで、すべての事業をやるんじゃなくて、その中にもいくつかノーターンがあってですね、
その中で、近しい部門とかと積極的に関わりながら彼らの戦略を理解して、
日本だけじゃなくて海外のチームともコミュニケーションしながらやっているので、負荷はちょっと高いかなと思います。
西田 大介
そうですよね、LP収支なんかも上手に活用されながら、その工数で回していっているみたいな感じですね、今ね。
髙部 祥史
繰り返しになりますけど、工数的にはきついので、ぜひ仲間が欲しいかなというところでございます。
西田 大介
ありがとうございます。一方でパナソニックさんは8億円のCBCのファンドを立ち上げられて、今12人ですかね、乗っているのが12名だったので、
結構最初から気合い入れて体制を作られているなというイメージなんですけど。
郷原 邦男
私たちは2人組合を組んでいるので、SBIインベストメントさんのリソースも使わせてもらいながらということになるんですけども、
人数が多いのは、事業領域が広いというのもありまして、先ほど中国も入れると、社内に5つの分社があります。
今ですね、だいたい1つの分社に2名ずつくらい、協業のための体制を引いておりまして、2×5で10人ということになります。
その人たちは日々、事業部にほぼほぼ張り付きながらミーティングをして、
私たちは隣接領域と呼んでいるんですけど、どこを隣接領域にするのがいいのかというのをひたすらコミュニケーションしてもらっているという人数になります。
ですので、私たちは2人組合なので、スタートアップのソーシングの部分であったり、
あとは出資にまつわる財務的な評価とか、スタートアップのチーム、デューデリジェンスの支援ですよね、というところはSBIさんの能力も使わせてもらいながら、
私たちも少しそういうこともやってますので、そこをやっているのは3人、4人ぐらいがスタートアップのソーシングとかの向き合いをやってもらっているという人数構成になっています。
ですので、始めから2人組合というのは、結構、シナジーを生むための事業部の方に人を張っておかないと回らないなと思って、そういう向き合いの人をいっぱい集めております。
ありがとうございます。すごく大切な覚悟だなというふうに思うのと、あとチームの中に広報の担当の方とか、リーガルの担当の方もいらっしゃいますよね。
郷原 邦男
よく見られてますね、ということで。
スタートアップの方にパナソニッククラッシュビジョナリーファンドがあるぞということは、しっかり知ってもらわないといけないので、広報担当を立てようということで、
スタートアップの方、担当の方って普通のコーポレートの方とは違う動き方をしないといけないので、ちょっと内部に1名立ててもらっています。
リーガルはやはり2人組合といえど、契約の内容チェックとか、そういうことも内部的にはちゃんとやっておかないといけないので、1名リーガルからもスタートアップにすごく興味のある方に来てもらっています。
西田 大介
ありがとうございます。多分すごく参考になる情報なんじゃないかなと思いましたので、ちょっと深掘りをさせていただきました。
ここにある協業事例についてということで、お話を進めていきたいと思うんですけれども、
西田 大介
まずオムロンさんの方から今日2つ事例を先ほど出していただきましたけれども、それぞれ苦労されたこととか、オムロンさん的に工夫をされたこととかみたいなことがあれば、ちょっと皆さんにご紹介いただきたいんですけれども。
髙部 祥史
そうですね。苦労したこととしてはやはり、例えば先ほどのメトロンのケースとかですと、似たようなサービスが事業側にもあるので、どっちを使うんだみたいなところはあって、
でもうまくコラボレーションしたらいいものができるんじゃないかという意見もあったりして、そこら辺の調整とかは時間がかかったりとかいうことはありました。
そこを乗り越えるためにやっぱり関係者との議論とか、各経営のレイヤーとのコミュニケーションですね。
JISMだけじゃなくてトップのレベルの人たちともコミュニケーションしたりとかしながら、理解を深めて、一方で時間はかかるので、それをスタートアップ側に理解してもらう。
当然スタートアップの時間と大企業の時間ってどうしても違うので、そこをどうリンクさせるかというので、ごめんね、もうちょっと待ってみたいなウェットなところも含めてですね、理解してもらう。
たまたまフランスの会社だったので、そこはもう少しアメリカと違ってウェットなところも理解してくれるような人たちというのもあったと思うんですけれども、
そういう形でちょっと時間はかかりましたけれども、あれはPOCなんですけれども、それができたというのがありました。
そういうところが苦労と、ベタですけどそういった組織活動としてのところが大事な工夫のポイントかなと思います。
西田 大介
今お話しされている中で、事業部さん側からこれ似たようなことがあるんだけどなみたいなところを突き破っていったみたいな感じのお話をされてたじゃないですか。
どうやって突き破ったんですか。
髙部 祥史
そうですね、突き破ったって言葉は多分ちょっとストレートすぎるかなと思うので、というよりも理解してもらう、あるいはだからトライしてもらうってことだと思うんですよね。
結果、一旦POCで終わってしまっているので、評価はしてちょっと違うかなっていうのがあったんですけど、
だからそのトライをすることに、違うものを見てもらうってことに価値があるってことを理解してもらうっていうところ。
当然それは皆さん普段の仕事があって、アディショナルな仕事になってしまうので、現場の人によっては何でやらなきゃいけないんだみたいなこともあり得るので、
そこを理解をどう醸成するかっていうところが大事かなと思います。
西田 大介
あと両方とも先ほどの事例、海外の事例ですよね。
日本の大企業さん、事業会社さんって海外の会社さんと協業をするとか、海外の会社さんと上手にコミュニケーションしていくのが苦労されている印象があるんですけど、そこを成功できたポイントは何かありますか。
髙部 祥史
そうですね、オブロン自身は8000億ちょっとですけど、売上がかなり海外なんですよね。
だからそういう海外に対する理解っていうのは基本的にあるかなっていうのが一つと、
ディマーグもアメリカの会社なんですけど、創業者はインドから来た方なんですよ。
そういうところで、あとフランスの会社ってこともあって、ダイバーシティを理解できるスタートアップだったかなっていうのもあって、
実は両社とも別の日本企業ともコラボレーションしているので、日本企業のことをよく理解しているので、日本企業ってこうだよねというところもプラスに働いたところかなと思います。
西田 大介
それはあれですか、CVCから最初アプローチしてっていう時にも、そのあたりをかなりオブロンさんとしては重視されているみたいな感じですか。
髙部 祥史
いや、そこはちょっと結果論かもしれないですね。あまりそこが先手のポイントにはなっていないですけど、
でもやっぱり普段コミュニケーションをしていくと波長が合うというか、そういうのっていうのは当然あるので、スピード感とかも含めて。
そこは気づいてみると、そうやって日本企業と他の日本企業ともやっているというケースが出てくるんだと思います。
西田 大介
ありがとうございます。
じゃあ次はパナソニックさんなんですけど、まだファンドは立ち上がって2年なので、ファンドを通じて協業していくっていうことはまだこれからって感じですか。
それとももうすでに何か出来上がっているものとかありますか。
郷原 邦男
協業が実際に進んでいるのは発車中3件で、2社は記事として社外に公開しているんですね。
1社は私たちはRE100の太陽電池と蓄電池と水素燃料電池を組み合わせたRE100のエネマネのシステムを商材として持っているんですけども、
それを導入していくときに、どういうふうにこのB2Bのお客さんに対してこのシステムを入れるとお客様方の工場とかのエネルギー消費が良くなるのかっていうのを、
本当はデータ分析をしてちゃんと出していかないといけないんですけど、ものすごくそこに時間がかかる、分析に時間がかかるっていうことを課題としてありました。
それに対して、今シリコンバレーの会社なんですけども、日本人がCEOなんですけどね、モード社という会社がありまして、
そこは生成AIとセンサーネットワークを得意とする会社で、そのソリューションを適用すると、
企業さんのエネルギー消費データと、私たちのRE客のシステムを入れると、どういうふうに良くなるかっていうのが、
生成AIを通じてその打ち合わせの最中でも回答を一旦作ることができるということで、すごく説得性が上がると。
西田 大介
これはじゃあ今度小室さんに伺ってみたいんですけど、
小室さん30社弱ポートフォリオある中で結構協業が将来的にはまだわからないけれども、
ポートフォリオとして張っておこうみたいな領域も攻めておられるじゃないですか。
そういった会社さんに対するしぶしチームの出資した後のアプローチっていうのはどんな具合にやられているんですか。
髙部 祥史
はい、そこが課題でして、
過去ここ数年はそういったちょっとだいぶ領域の違うところの出資っていうのはしてたんですね。
ただ結局自分たちの事業の経験がないので、
どうバリアップしていいかというのもわからないという、
どうしても言葉を選ばないとほったらかしになってしまう状況が出てくるので、
正直言うとそういう状態も散見されるのが実態です。
で、これは良くないよねということを最近私の上司やマネジメントとも話をしてまして、
もう少し我々の出資の領域っていうのはやっぱりCVCなので、
自分たちの事業領域とか自分たちが知見を持っているところにしていくべきであろうと考えています。
なので今ポートフォリオなので、すぐにじゃあやめたってわけにはいかないので、
当然出資先との関係性を考慮しながらここをどうしていくかっていう、
いわゆるエグジット戦略ですよね。
そこも考えていかなきゃいけないかなというふうには考えています。
西田 大介
ありがとうございます。
この辺りだとパナソニックさんはクラッシュビジョナリーファンドは
パナソニック株式会社さんの事業シナジーをどう作っていくか、
一方でシリコンバレーにあるコンダクティブベンチャーズさんは
先の話を見ておられるっていうそれぞれの機能に分けてオペレーションされているってことなんですよね。
郷原 邦男
そうですね。パナソニックグループでいうと大きく2つファンドがありまして、
シリコンバレーでやっているコンダクティブベンチャーズっていう
旧パナソニックベンチャーズっていう名前だったんですけども、
ちょっと名前が今変わっています。
今回事業会社側にパナソニッククラッシュビジョナリーファンドというファンドを立ち上げました。
こっちは事業シナジーをメインにしています。
やはりパナソニックも10年後を見据えた時に、
今の事業領域だけでやっていくわけではなくて、
やっぱりポートフォリオ戦略として何を取り込むかっていう。
先ほど私の図の中でM&Aとかこうあったと思うんですけど、
あっち側でどこを狙っていくかっていう話は、
やっぱり新しい領域を見とかないといけないということで、
シリコンバレーでそれは見ましょうと。
でもそっちは一切財務リターン、財務リターンじゃない、戦略リターンは狙わず、
業界だけ見ていくっていうファンド。
この2つを並行で運用しているという形になります。
西田 大介
たぶん、本業に近いとか本業の周辺だとか、
ちょっと中期的な部分までっていうのは、
なんとなくCBC活動をやっているとイメージ湧きやすいところで、
そこから先のポートフォリオをどう組んでいくかっていうのは、
たぶんご了承でお悩みになられているところは、
各社さんの悩みとも共通するのかなと思いましたので、
ぜひ参考にしていただければなというふうに思います。
ではちょっと次に進みまして、
やっぱり事業会社さん皆さん大きな会社さんなので、
その中でCBCの活動をやっていくっていう意味で言えば、
小さい新規事業で終わってしまうっていうのは、
多分経営の方の意思でもないとは思うんですよね。
なので、やっぱりどうやって大きい成果にしていくか、
事業会社さんでスタートアップさんと協業することによって、
どうやって大粒なものを作っていくかっていうところを、
ちょっと次にフォーカスしていきたいと思います。
ここはまずパナソニックさんにお伺いしたいんですけれども、
ちょっと前にいろいろ会話させていただいた中で、
つい最近までやっておられたゲームチェンジャーカタパルトを、
いわゆる改組というか変更して新しいラボを作られたじゃないですか、
あの辺りはやはりちょっと大粒を狙うみたいな狙いが終わりになるんですか?
郷原 邦男
そうですね。
まずですね、ちょっと話が、
ゲームチェンジャーカタパルトからずれるんですけれども、
私ですね、やっぱりパナソニックって事業規模が4兆円あるんで、
新規事業として、
例えばこれは10億円作りました、100億円作りましたといっても、
この4兆円の中は、
1個の事業部ってだいたい1000億円規模であるわけで、
この1000億円の事業部が500億円になりますっていうのは、
結構簡単に経営が悪くなったらガタガタっといきますと、
その中で横でやりました、10年かけて100億作りましたって言っても、
それは違うんじゃないの?って言われてしまうんで、
いかにこの4兆円の方をしっかりトランスフォーメーションできるかというところに
力を入れています。
ですので、4兆円というか1000億円の事業部の人たちが、
ちゃんと納得して新しい事業領域に踏み込んでもらえるか、
その準備をしておかないといけないなと思っています。
ですので、先ほど2名ずつ張り付けてますっていう、
この2名の方には、本当に事業部側が納得できる隣接領域ってどこなんですかというのを
徹底的に話をして、
そうしますとあらかじめそこを作っておいてあげれば、
事業部側もありがとうという形で乗っていってもらえるんじゃないかという仮説になります。
これを実現していくために、今まで私たちは新規事業をやっている
ビジネスコンテストを回してゲームチェンジャー型バルトというのを8年間やってたんですね。
残念ながらと言ったら失礼なんですけども、
やっぱりそこの成長からだけで力ができるのって、
10億円とかプランを見ても10年経って100億円になりますみたいなね。
それも仮説の下でそういう絵になってますから、
やっぱりここは一回立ち戻って、先ほどの事業部の先を見据えた活動にしようよと。
そのためには、事業部がその先にはなかなか自前でいけないから、
ちゃんと異業種のスタートアップの方々と組んで、
先にビークルというかね、その形を作りましょうということで、
せっかくゲームチェンジャー型バルトをやって、
彼らもすごく8年間やってきたから、新規事業の作り方ってものすごく知ってるんですね。
ですので、それをスタートアップ競争でこの先を作るために、
その能力を改めて発揮し直してくださいということで、
名称をゲームチェンジャー型バルトからパナソニッククラッシュビジョナリーコラボという形で
リネームして活動をリストアートさせていただいたという趣旨になります。