1. IVS2024 KYOTO SESSIONS
  2. スタートアップ連携の鍵となる..
2024-09-18 58:17

スタートアップ連携の鍵となるCVC戦略

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近年、スタートアップ業界において事業会社のCVCの活動が活発化する中で、各社におけるCVCの立ち位置をどのように定めているかを紹介。スタートアップと大企業の連携におけるそれぞれの課題、大企業のスタートアップ連携はどのようにしていくべきかを議論する。


■IVS2024 KYOTO/IVS Crypto2024 KYOTOについて
2024年7月4日から6日まで、伝統と革新が融合する京都で、IVS2024 KYOTOとIVS Crypto 2024 KYOTOを同時開催します。

IVS2024 KYOTOは、起業家、投資家、事業家、技術者、研究者、そしてスタートアップやオープンイノベーションに関心を持つすべての人々を対象としたカンファレンスです。資金調達や事業成長の機会を求める経営者や投資家、新しい事業アイデアに興味がある人々にとって、新しい未来を築くための貴重な機会を提供します。

IVS Crypto 2024 KYOTOは、クリプトとブロックチェーンに特化したカンファレンスです。この分野のパイオニアたちが、デジタル経済の進化とWeb3の可能性について深く掘り下げます。両カンファレンスは同じ場所で開催され、参加者は自由にどちらのイベントにも参加できます。


名称:IVS2024 KYOTO / IVS Crypto 2024 KYOTO
主催:IVS KYOTO実行委員会(Headline Japan/京都府/京都市)
日時:2024年7月4日(木)~7月6日(土)
会場:京都パルスプラザ他  

・チケットページ:https://www.ivs.events/tickets2024
・HP:https://www.ivs.events/
・X(Twitter):https://twitter.com/IVS_Official

#IVS #IVS2024 #スタートアップ #起業 #経営 #ビジネス

サマリー

このエピソードでは、大企業がスタートアップとの連携の重要性と、それを実現するためのCVC戦略について議論されています。オムロンとパナソニックという二つの企業が、それぞれのCVC活動や投資戦略を紹介し、スタートアップとのコラボレーションの価値について詳しく解説しています。スタートアップとの連携において、CVC戦略が重要な役割を果たしています。特に、オムロンとパナソニックが異なるアプローチでファンドを運営し、協業を進めている事例が紹介され、コミュニケーションや理解を深めるための工夫が求められています。CVC戦略の重要性とスタートアップとの連携を考察し、パナソニックとオムロンの事例を通じて、企業が新しいソリューションを開発するためのアプローチが探られています。また、事業シナジーを生み出すための具体的な活動や投資戦略についても触れられています。スタートアップ連携におけるCVC戦略の重要性と、その実践事例としてオムロンの取り組みが紹介されています。特に、アイケアやJMDCといった企業との連携やグローバルな視点でのスタートアップ支援の戦略が議論されています。スタートアップと企業の連携において、CVC戦略の重要性が強調されており、特にインド市場での展開や英語力の必要性、今後のM&A戦略に関する考えについても語られています。CVC戦略を通じてスタートアップと大企業が連携し、両者の成長を促進する重要性が議論されています。

CVC戦略の重要性
西田 大介
それでは、スタートアップ連携の鍵となるCVC戦略のセッションを始めさせていただきたいと思います。
郷原 邦男
よろしくお願いいたします。私は、本日モデレーターを務めさせていただきますグローバルブレインの西田と申します。よろしくお願いいたします。
西田 大介
ありがとうございます。まず最初、私の方から、今日スタートアップ連携の鍵ということなので、おそらく大企業の皆さんですとか、
あと一部スタートアップの皆さん、ここにいらしていただいていると思うんですけれども、大企業の皆さんにもう少しスタートアップ投資を頑張ろうかなと思っていただける
郷原 邦男
ちょっとデータをご用意しましたので、そちらをご覧いただいた上で、オムロンさんとパナソニックさんから各社のご紹介をしていただこうと思います。
西田 大介
多分字が小さいので、ほとんど何書いてあるかよくわかんないという状態だと思うんですけれども、
これはグローバルで左側の2つのグラフが投資の動向で、一番右側がその中でいわゆる事業会社さんがどれぐらいの割合で出資をされているかというグラフです。
髙部 祥史
今日のアジェンダは一番右側が関係するので、これをご覧いただいてお分かりになるのは、今だいたいグローバルで見ると50%ぐらいのお金が大企業さん、事業会社さんの方から拠出されていると。
西田 大介
これが日本国内に限るとどう見えるかということですね。
これだいたい80%ぐらいが事業会社様がバランスシートから出資をされるか、あるいはCVCのファンドを蘇生されて、そこから組入れをしていただく、そういう状況になっています。
ですので、グローバルに見た上でも、日本というのは大企業の皆さんがスタートアップのエコシステムを支えているということが一つ言えるというふうに考えています。
さらにですね、CVCの活動を頑張っておられる会社様と、そうでないというか、そういったものを特にお持ちにならずに経営されている会社さんとの間で、パフォーマンスの比較を見るとアメリカの会社さん対象ですけれども、CVC活動をされている皆さんの方が、その事業会社さん自身のパフォーマンスも上がっていくということで、
この辺りをモチベーションにして、我々日本の大企業の皆さんにも、さらに頑張っていただきたい、我々も一緒に頑張らせていただきたいというふうに考えています。
オムロンのCVC活動
西田 大介
今日は、オムロンさんとパナソニックさんにお越しいただいておりますけれども、
大体、この事業会社さんが投資をしていこうというスキームが4つぐらいあるかなと思っていまして、
この1枚目のスライドは、事業会社さん自社主体で運営されるパターンで、
1番目が、いわゆる本体から御収支されるということですね。バランシードから収支をされる。
右側が、いわゆる自社で子会社をお作りになられるなりで、CVCのファンドを運営される。
オムロンベンチャーズさんはこのパターン。
こちらのページは、外部のベンチャーキャピタルを活用していこうということで、
丸3番が、外部のVCさんと事業会社さんで、いわゆる2人組み合いみたいな形でCVCのファンドを運営する。
パナソニックさんのクラッシュビジョナリーファンドはこの丸3番ですね。
丸4番は、ベンチャーキャピタルの運営するファンドにLP出資をしていただきながらCVC活動を頑張っていくというのが4番目ということで、
今日登壇していただくお二人については、丸2番と丸3番という形で整理をさせていただければと思っております。
私の説明は冒頭以上になりますので、
ここから先、オムロンさんとパナソニックさんに各社様がどんな活動をされているのかを簡単に紹介していただこうと思います。
西田 大介
まず、大野さんお願いします。
髙部 祥史
はい、自分で回すんですか、分かりました。
オムロンのタカーブと申します。よろしくお願いいたします。
簡単に自己紹介させていただきます。
私、オムロンに入ったのは9年ほど前なんですけども、
最初はNECで半導体の北米向けのセールスマーケットをやっていたので、
毎月のようにシリコンバレーに行ってキッターハッターをやっていました。
その後、本社側に戻ってスタートアップへの出資とか上位弁を作ったりなんかをやっていました。
その後、マーベルというあまり知られていないかもしれませんけども、
シリコンバレーにいる半導体のファブレスカンパニーに移りまして、日本のアカウントマネジメントをやっていまして、
9年前にオムロンに入り、事業開発本部というところで事業をやった後、今イノベーション推進本部というところにいまして、
イノベーション推進本部にいながら、オムロンベンチャーズの方を昨年から担当するようになっております。
よろしくお願いします。
オムロンベンチャーズから少し離れるんですけど、オムロンについてご存知な方も多いかと思うんですけど、
ヘルスケアの事業のイメージが強いかなと思うんですが、
オムロンはファクトリーオートメーションが売上げの半分以上を占めているという会社になります。
当然ヘルスケア、それからソーシャルソリューションといった改札とかですね、ああいった事業をやったりしております。
我々スタートアップの皆さんと話すときによく言うのは、我々自身もいろいろなイノベーションを作ってきましたということで、
ここではいろいろな世界初ゲートであったりとかキャッシュディスペンサーをやっているんですけども、
こういったものをやっておりまして、進んでいきました。
我々長期ビジョンを掲げながら事業を進めてきていまして、2030年に向けた長期ビジョンというのを発表しております。
その中をサマリズしますとですね、我々今この3つの課題に対して注力していこうという風にして事業を進めております。
カーボンニュートラルの実現、デジタル化社会の実現、そして健康寿命の延伸、この3つの領域に既存の事業、
それからスタートアップの皆さんと一緒にやっていこうというのもこの分野でやっていきたいなと思っております。
ここはオムロンベンチャーズの紹介なんですけども、
オムロンはご存知の通り京都の会社ですが、オムロンベンチャーズは東京にあります。
今年ちょうど7月1日が10周年になりまして、10年間色々頑張ってきたところになります。
アセットとしては今大体100ミリオンドルぐらいの、これは直接出資とか先ほどパターンありましたけど、
実はLP出資とかそういうのも含めて全部でこれぐらいの価値をやっていまして、
グローバルに基本的にアーリーから、たまにミドル、レイターもあるかなという投資をしております。
これが全てではないんですけども、今のポートフォリオを先ほどの3つの領域で見たときの会社になります。
文字が小さいかもしれませんが、日本だけではなく、ヨーロッパ、アメリカ、イスラエル、そういった海外の会社にも出資をしていまして、
こういった活動をしております。
最後の1枚なんですけども、コラボレーションというところは、事業創造というのが我々のミッションですので、その例なんですが、
左側はDIMAGというのはAIの画像の会社なんですけども、ここに対して我々の検査装置とコラボレーションして品質を上げたりとか、
MEDRONというのはフランスのカーボンフットプリントの会社なんですけども、
ここと連携して工場のラインを脱炭素化に向けたソリューションをPOCを回したりとか、そんな活動をしています。
こういった形で、事業とスタートアップと連携しながら進めていきたいというのが我々のミッションになっております。
パナソニックのアプローチ
郷原 邦男
以上になります。ありがとうございました。
ここからはですね、パナソニックのクラッシュビジョナリーファンドについてご紹介させていただきたいと思っております。
まずは私の自己紹介になるんですけども、私はもともとネットワークエンジニアでして、
ファンドみたいなところとは程遠い世界でですね、パナソニックの中で今一年目ですかね、仕事をしております。
特にクラウドとかデータとか、いわゆるサービス開発ですね、新規事業というところに主に携わらせていただいていたんですけども、
やはりですね、パナソニックの中のケーパビリティでですね、事業領域を広げていこうとすると、なかなか広げにくいところがありまして、
どうしても現業に引っ張られてしまうということで、自ら新規事業担当者なんですけども、
外部の力を積極的に借りていきたいということで、CVCを企画して立ち上げて、今は事業シナジーをそこで作っているということになっています。
ですので下にですね、管轄職域というふうに書かせていただいてますけども、
CVCのところと、事業を実行するところということで事業開発センターと、
あと今日機会があったらちょっと喋るかもしれませんけど、インドイノベーションセンターというところをですね、担当させていただいております。
パナソニックですね、22年からホールディング制になりまして、
今回ですね、事業シナジーを生むということを目的に、このパナソニック事業会社でありますパナソニック株式会社の中にCVCをですね、作っております。
ですので、この中にですね、社内いっぱい事業部門、これちょっともうちょっとカラフルな絵がですね、次のページ出てくるんですけども、
この直続の直轄のところにCVCと、事業開発をする組織があるという立て付けになっています。
で、どのような我々ですね、パナソニックが商品を扱っているかというと、
中国は地域づくなんで、ちょっと別にしてですね、白物家電、パナソニックビューティーの分野であるとか、
あと空調の分野ですね、これ業務用もありまして家庭用もあります。
で、食品流通、皆さんもですね、コンビニに行ったときに、スーパーとかですね、コンビニのショーケースがあると思いますけども、そこもですね、パナソニックが事業領域としてやっています。
あとエネルギー関係とか電材をやっているエレクトリックワーク社というところで、
これらの周辺の領域をCVCの出資するスタートアップの方々と一緒にですね、新しい事業領域を開拓していこうということで活動をしております。
CTROという、私はチーフトランスフォーメーションオフィサーなんですけども、これはですね、M&Aによるトランスフォーメーションを意図しているものではなくて、
業態の変革ですね、トランスフォーメーションというのはやはり既存があって、そこからいかに変革させるかということで、ここでいうと右側の形をですね、描いて今活動をしております。
我々パワーソニックの社長、これ品田ですけども、やっぱり今の事業領域の延長ではカバーできないようなところをですね、しっかり備えていきなさいということで、
経営方針の中でもスタートアップの連携というのをですね、打ち出していただきながら後押しをしてもらっているということになります。
これをスムーズに進めていくためにもファンドを組成しまして、先ほどちょっとご紹介ありましたように、
私たちはですね、SBIインベストメントさんと2人組合を組んで、80億円のファンドでですね、出資活動をしていると。
地域につきましては、日本とエネルギー関係でいうと欧州。
皆さんですね、シリコンバレーにみんな行くんで、私たちはちょっと逆張りでですね、反対向きで西の方に行ってですね、インドということに、この領域に力を入れてやっております。
ここはですね、最終ページになるんですけども、重点セクターとしまして、食の領域、エネルギーの領域、
CVC戦略の重要性
郷原 邦男
ライフスタイルはこれは新たな家電と連携したサービスの領域ですね。
あとウェルビーングみたいな健康の領域というところで、今ですね、旧社のお会社さんに出資をさせていただいております。
はい、以上になります。
西田 大介
ありがとうございます。
じゃあちょっと先に、この辺は飛ばしますね。
えっと、今回スタートアップさんとの協業におけるCVC戦略ということなので、協業の事例のお話を聞いていこうかなと思っているんですけど、
ちょっとその前に、今のオムロンさんとパナソニックさんに、だいたいこういう風にCVCやってるよというお話をしていただいたので、
ちょっとそこをもう少しだけ深掘りさせていただきたいなと思っていて、
おそらく今日おいでの皆さんでCVCをやっておられる方もいらっしゃれば、これから始めていこうかなという方もいらっしゃると思っていて、
今回例えばオムロンさんでいうと、今運用者さんの総額が100ミリオンぐらいで、
ウェブサイト拝見したら6人でやっておられるじゃないですか。
この6人で100ミリオンのファンドで、既存の出資先も多分もう30社近くあると思うので、
結構大変なんじゃないかなと思うんですけれども、この辺りどういう風に運営されているのかなと思いまして、教えてもらいます。
髙部 祥史
ありがとうございます。鋭いご指摘で非常に大変です。
100ミリオンといっているのは、直接投資しているものもあれば、ファンドに入れているものもあるので、
ファンド側とのコミュニケーションというのはだいたい2ヶ月に1回とか3ヶ月に1回とか、
定期的に彼らと彼らの出資先の紹介とか、実際先ほど見せたポートフォリオの中にも、
ファンドから紹介を受けて我々が直接投資したものもあるんですね。
そういった活動をやっています。ただそれも何本もあるので、結局月に何回かそういうファンドとのコミュニケーションをしたり、
どうしても30社近くあるので、ここちょっと今多すぎるなということで、
この4月から少し体制も刷新したので、プラス方針も少し変えてですね、
その方針に沿ってエキゼイトが必要であればそれもしていくということで、
ちょっと整理整頓はしなければいけないなということで、今整理頑張っているところです。
パナソニックの協業活動
髙部 祥史
そういう意味では仲間募集しているところでもあります。
西田 大介
協業を作っていこうというときには、チームの皆さんがオムロの事業部の皆さんとのやり取りもこの6名の方がおやりになられる。
髙部 祥史
基本的におっしゃる通りで、すべての事業をやるんじゃなくて、その中にもいくつかノーターンがあってですね、
その中で、近しい部門とかと積極的に関わりながら彼らの戦略を理解して、
日本だけじゃなくて海外のチームともコミュニケーションしながらやっているので、負荷はちょっと高いかなと思います。
西田 大介
そうですよね、LP収支なんかも上手に活用されながら、その工数で回していっているみたいな感じですね、今ね。
髙部 祥史
繰り返しになりますけど、工数的にはきついので、ぜひ仲間が欲しいかなというところでございます。
西田 大介
ありがとうございます。一方でパナソニックさんは8億円のCBCのファンドを立ち上げられて、今12人ですかね、乗っているのが12名だったので、
結構最初から気合い入れて体制を作られているなというイメージなんですけど。
郷原 邦男
私たちは2人組合を組んでいるので、SBIインベストメントさんのリソースも使わせてもらいながらということになるんですけども、
人数が多いのは、事業領域が広いというのもありまして、先ほど中国も入れると、社内に5つの分社があります。
今ですね、だいたい1つの分社に2名ずつくらい、協業のための体制を引いておりまして、2×5で10人ということになります。
その人たちは日々、事業部にほぼほぼ張り付きながらミーティングをして、
私たちは隣接領域と呼んでいるんですけど、どこを隣接領域にするのがいいのかというのをひたすらコミュニケーションしてもらっているという人数になります。
ですので、私たちは2人組合なので、スタートアップのソーシングの部分であったり、
あとは出資にまつわる財務的な評価とか、スタートアップのチーム、デューデリジェンスの支援ですよね、というところはSBIさんの能力も使わせてもらいながら、
私たちも少しそういうこともやってますので、そこをやっているのは3人、4人ぐらいがスタートアップのソーシングとかの向き合いをやってもらっているという人数構成になっています。
ですので、始めから2人組合というのは、結構、シナジーを生むための事業部の方に人を張っておかないと回らないなと思って、そういう向き合いの人をいっぱい集めております。
ありがとうございます。すごく大切な覚悟だなというふうに思うのと、あとチームの中に広報の担当の方とか、リーガルの担当の方もいらっしゃいますよね。
郷原 邦男
よく見られてますね、ということで。
スタートアップの方にパナソニッククラッシュビジョナリーファンドがあるぞということは、しっかり知ってもらわないといけないので、広報担当を立てようということで、
スタートアップの方、担当の方って普通のコーポレートの方とは違う動き方をしないといけないので、ちょっと内部に1名立ててもらっています。
リーガルはやはり2人組合といえど、契約の内容チェックとか、そういうことも内部的にはちゃんとやっておかないといけないので、1名リーガルからもスタートアップにすごく興味のある方に来てもらっています。
西田 大介
ありがとうございます。多分すごく参考になる情報なんじゃないかなと思いましたので、ちょっと深掘りをさせていただきました。
ここにある協業事例についてということで、お話を進めていきたいと思うんですけれども、
海外との連携
西田 大介
まずオムロンさんの方から今日2つ事例を先ほど出していただきましたけれども、それぞれ苦労されたこととか、オムロンさん的に工夫をされたこととかみたいなことがあれば、ちょっと皆さんにご紹介いただきたいんですけれども。
髙部 祥史
そうですね。苦労したこととしてはやはり、例えば先ほどのメトロンのケースとかですと、似たようなサービスが事業側にもあるので、どっちを使うんだみたいなところはあって、
でもうまくコラボレーションしたらいいものができるんじゃないかという意見もあったりして、そこら辺の調整とかは時間がかかったりとかいうことはありました。
そこを乗り越えるためにやっぱり関係者との議論とか、各経営のレイヤーとのコミュニケーションですね。
JISMだけじゃなくてトップのレベルの人たちともコミュニケーションしたりとかしながら、理解を深めて、一方で時間はかかるので、それをスタートアップ側に理解してもらう。
当然スタートアップの時間と大企業の時間ってどうしても違うので、そこをどうリンクさせるかというので、ごめんね、もうちょっと待ってみたいなウェットなところも含めてですね、理解してもらう。
たまたまフランスの会社だったので、そこはもう少しアメリカと違ってウェットなところも理解してくれるような人たちというのもあったと思うんですけれども、
そういう形でちょっと時間はかかりましたけれども、あれはPOCなんですけれども、それができたというのがありました。
そういうところが苦労と、ベタですけどそういった組織活動としてのところが大事な工夫のポイントかなと思います。
西田 大介
今お話しされている中で、事業部さん側からこれ似たようなことがあるんだけどなみたいなところを突き破っていったみたいな感じのお話をされてたじゃないですか。
どうやって突き破ったんですか。
髙部 祥史
そうですね、突き破ったって言葉は多分ちょっとストレートすぎるかなと思うので、というよりも理解してもらう、あるいはだからトライしてもらうってことだと思うんですよね。
結果、一旦POCで終わってしまっているので、評価はしてちょっと違うかなっていうのがあったんですけど、
だからそのトライをすることに、違うものを見てもらうってことに価値があるってことを理解してもらうっていうところ。
当然それは皆さん普段の仕事があって、アディショナルな仕事になってしまうので、現場の人によっては何でやらなきゃいけないんだみたいなこともあり得るので、
そこを理解をどう醸成するかっていうところが大事かなと思います。
西田 大介
あと両方とも先ほどの事例、海外の事例ですよね。
日本の大企業さん、事業会社さんって海外の会社さんと協業をするとか、海外の会社さんと上手にコミュニケーションしていくのが苦労されている印象があるんですけど、そこを成功できたポイントは何かありますか。
髙部 祥史
そうですね、オブロン自身は8000億ちょっとですけど、売上がかなり海外なんですよね。
だからそういう海外に対する理解っていうのは基本的にあるかなっていうのが一つと、
ディマーグもアメリカの会社なんですけど、創業者はインドから来た方なんですよ。
そういうところで、あとフランスの会社ってこともあって、ダイバーシティを理解できるスタートアップだったかなっていうのもあって、
実は両社とも別の日本企業ともコラボレーションしているので、日本企業のことをよく理解しているので、日本企業ってこうだよねというところもプラスに働いたところかなと思います。
西田 大介
それはあれですか、CVCから最初アプローチしてっていう時にも、そのあたりをかなりオブロンさんとしては重視されているみたいな感じですか。
髙部 祥史
いや、そこはちょっと結果論かもしれないですね。あまりそこが先手のポイントにはなっていないですけど、
でもやっぱり普段コミュニケーションをしていくと波長が合うというか、そういうのっていうのは当然あるので、スピード感とかも含めて。
そこは気づいてみると、そうやって日本企業と他の日本企業ともやっているというケースが出てくるんだと思います。
西田 大介
ありがとうございます。
じゃあ次はパナソニックさんなんですけど、まだファンドは立ち上がって2年なので、ファンドを通じて協業していくっていうことはまだこれからって感じですか。
それとももうすでに何か出来上がっているものとかありますか。
郷原 邦男
協業が実際に進んでいるのは発車中3件で、2社は記事として社外に公開しているんですね。
1社は私たちはRE100の太陽電池と蓄電池と水素燃料電池を組み合わせたRE100のエネマネのシステムを商材として持っているんですけども、
それを導入していくときに、どういうふうにこのB2Bのお客さんに対してこのシステムを入れるとお客様方の工場とかのエネルギー消費が良くなるのかっていうのを、
本当はデータ分析をしてちゃんと出していかないといけないんですけど、ものすごくそこに時間がかかる、分析に時間がかかるっていうことを課題としてありました。
それに対して、今シリコンバレーの会社なんですけども、日本人がCEOなんですけどね、モード社という会社がありまして、
そこは生成AIとセンサーネットワークを得意とする会社で、そのソリューションを適用すると、
企業さんのエネルギー消費データと、私たちのRE客のシステムを入れると、どういうふうに良くなるかっていうのが、
生成AIを通じてその打ち合わせの最中でも回答を一旦作ることができるということで、すごく説得性が上がると。
スタートアップとの協業の重要性
郷原 邦男
これ自体も実は、モードさんに出資したときは、実はまだ生成AIっていうのはなかったんですよね。
私は一社目の会社でして、生成AIなかったんです。
ですけども、やっぱりスタートアップなんで、どんどん新しいものを取り入れていって、ソリューションを作ってくれるんで、
私たちもやっぱり出資っていう関係性を持ったから、一番初めにパナソニックさんこのソリューションを使って、
新しい提案活動とかしませんかっていう持ち込みをしてくれてるんですよね。
ですので、そういう新しい生成AIを使ったソリューションっていうのを一緒に開発することができたと。
これなかなかやっぱりパナソニックの中だけだと、生成AIをいきなり取り込んで、
そういう新しい提案活動に使いましょうというところまで行かなかったと思うんですよね。
ですので、そういうスタートアップ投資というものが、いい出口につながった例かなというふうには思っています。
西田 大介
モードさんに出資されるときは、結構協業のアイデアが具体化した状態で出資してたんですか、
それとも出資した後にいろいろ積み重ねていったみたいな感じで言うと、どんな感じだったんですかね。
郷原 邦男
一応ですね、先ほど各分社ごとに2名ずつ貼り付けてますっていう話をしたと思うんですけども、
その中でもデータをどう活用するかっていうところに困ってるっていう課題が社内にあるっていうのは分かってます。
分かってたんですよね。
ですので、それらを横断的に解決できるパートナー企業さんってどこなんだろうということで探してたどり着いてたんで、
ある程度こういう事業部課題に着地するなというのをイメージしながらやってます。
ただ、どんな着地の仕方を本当にするかはやってみないとわからないんで、
それはリスクを持って出資をしたという形になります。
西田 大介
ありがとうございます。
パナソニックのCVC戦略
西田 大介
これはじゃあ今度小室さんに伺ってみたいんですけど、
小室さん30社弱ポートフォリオある中で結構協業が将来的にはまだわからないけれども、
ポートフォリオとして張っておこうみたいな領域も攻めておられるじゃないですか。
そういった会社さんに対するしぶしチームの出資した後のアプローチっていうのはどんな具合にやられているんですか。
髙部 祥史
はい、そこが課題でして、
過去ここ数年はそういったちょっとだいぶ領域の違うところの出資っていうのはしてたんですね。
ただ結局自分たちの事業の経験がないので、
どうバリアップしていいかというのもわからないという、
どうしても言葉を選ばないとほったらかしになってしまう状況が出てくるので、
正直言うとそういう状態も散見されるのが実態です。
で、これは良くないよねということを最近私の上司やマネジメントとも話をしてまして、
もう少し我々の出資の領域っていうのはやっぱりCVCなので、
自分たちの事業領域とか自分たちが知見を持っているところにしていくべきであろうと考えています。
なので今ポートフォリオなので、すぐにじゃあやめたってわけにはいかないので、
当然出資先との関係性を考慮しながらここをどうしていくかっていう、
いわゆるエグジット戦略ですよね。
そこも考えていかなきゃいけないかなというふうには考えています。
西田 大介
ありがとうございます。
この辺りだとパナソニックさんはクラッシュビジョナリーファンドは
パナソニック株式会社さんの事業シナジーをどう作っていくか、
一方でシリコンバレーにあるコンダクティブベンチャーズさんは
先の話を見ておられるっていうそれぞれの機能に分けてオペレーションされているってことなんですよね。
郷原 邦男
そうですね。パナソニックグループでいうと大きく2つファンドがありまして、
シリコンバレーでやっているコンダクティブベンチャーズっていう
旧パナソニックベンチャーズっていう名前だったんですけども、
ちょっと名前が今変わっています。
今回事業会社側にパナソニッククラッシュビジョナリーファンドというファンドを立ち上げました。
こっちは事業シナジーをメインにしています。
やはりパナソニックも10年後を見据えた時に、
今の事業領域だけでやっていくわけではなくて、
やっぱりポートフォリオ戦略として何を取り込むかっていう。
先ほど私の図の中でM&Aとかこうあったと思うんですけど、
あっち側でどこを狙っていくかっていう話は、
やっぱり新しい領域を見とかないといけないということで、
シリコンバレーでそれは見ましょうと。
でもそっちは一切財務リターン、財務リターンじゃない、戦略リターンは狙わず、
業界だけ見ていくっていうファンド。
この2つを並行で運用しているという形になります。
西田 大介
たぶん、本業に近いとか本業の周辺だとか、
ちょっと中期的な部分までっていうのは、
なんとなくCBC活動をやっているとイメージ湧きやすいところで、
そこから先のポートフォリオをどう組んでいくかっていうのは、
たぶんご了承でお悩みになられているところは、
各社さんの悩みとも共通するのかなと思いましたので、
ぜひ参考にしていただければなというふうに思います。
ではちょっと次に進みまして、
やっぱり事業会社さん皆さん大きな会社さんなので、
その中でCBCの活動をやっていくっていう意味で言えば、
小さい新規事業で終わってしまうっていうのは、
多分経営の方の意思でもないとは思うんですよね。
なので、やっぱりどうやって大きい成果にしていくか、
事業会社さんでスタートアップさんと協業することによって、
どうやって大粒なものを作っていくかっていうところを、
ちょっと次にフォーカスしていきたいと思います。
ここはまずパナソニックさんにお伺いしたいんですけれども、
ちょっと前にいろいろ会話させていただいた中で、
つい最近までやっておられたゲームチェンジャーカタパルトを、
いわゆる改組というか変更して新しいラボを作られたじゃないですか、
あの辺りはやはりちょっと大粒を狙うみたいな狙いが終わりになるんですか?
郷原 邦男
そうですね。
まずですね、ちょっと話が、
ゲームチェンジャーカタパルトからずれるんですけれども、
私ですね、やっぱりパナソニックって事業規模が4兆円あるんで、
新規事業として、
例えばこれは10億円作りました、100億円作りましたといっても、
この4兆円の中は、
1個の事業部ってだいたい1000億円規模であるわけで、
この1000億円の事業部が500億円になりますっていうのは、
結構簡単に経営が悪くなったらガタガタっといきますと、
その中で横でやりました、10年かけて100億作りましたって言っても、
それは違うんじゃないの?って言われてしまうんで、
いかにこの4兆円の方をしっかりトランスフォーメーションできるかというところに
力を入れています。
ですので、4兆円というか1000億円の事業部の人たちが、
ちゃんと納得して新しい事業領域に踏み込んでもらえるか、
その準備をしておかないといけないなと思っています。
ですので、先ほど2名ずつ張り付けてますっていう、
この2名の方には、本当に事業部側が納得できる隣接領域ってどこなんですかというのを
徹底的に話をして、
そうしますとあらかじめそこを作っておいてあげれば、
事業部側もありがとうという形で乗っていってもらえるんじゃないかという仮説になります。
これを実現していくために、今まで私たちは新規事業をやっている
ビジネスコンテストを回してゲームチェンジャー型バルトというのを8年間やってたんですね。
残念ながらと言ったら失礼なんですけども、
やっぱりそこの成長からだけで力ができるのって、
10億円とかプランを見ても10年経って100億円になりますみたいなね。
それも仮説の下でそういう絵になってますから、
やっぱりここは一回立ち戻って、先ほどの事業部の先を見据えた活動にしようよと。
そのためには、事業部がその先にはなかなか自前でいけないから、
ちゃんと異業種のスタートアップの方々と組んで、
先にビークルというかね、その形を作りましょうということで、
せっかくゲームチェンジャー型バルトをやって、
彼らもすごく8年間やってきたから、新規事業の作り方ってものすごく知ってるんですね。
ですので、それをスタートアップ競争でこの先を作るために、
その能力を改めて発揮し直してくださいということで、
名称をゲームチェンジャー型バルトからパナソニッククラッシュビジョナリーコラボという形で
リネームして活動をリストアートさせていただいたという趣旨になります。
オムロンの活動と展望
西田 大介
新しいコラボはどういう体制でやっておられるんですか?
郷原 邦男
基本的には私たち2年間やってきて、
新規事業を自前で作れる事業部というのはあって、
そういうところとはスタートアップとの競争活動がスムーズに進んだんですね。
一方、結構な事業部がやっぱり現業に引きずられるし忙しいし、
新規事業なんかやったことがあんまりなくて、
何をKPIにして進んでいけばいいんですか?みたいな事業部もたくさんありました。
ですので、基本は事業部とスタートアップのコラボを基本としてるんですけども、
進みが悪いところにしっかり後ろから元々ゲームチェンジャーカタバルトをやってた舞台が
ガッと入り込んで加速させるというスタイルを取っています。
そこにCVCのチームが、いわゆるエクイティの組入れみたいな文脈で
サポートしていくというような関係性なんですか?
そうですね。やはり初期的にはスタートアップの方々と
大企業との間のコラボを進めていくためには
もちろん出資なくうまくいけばいいんですけど、先ほど高部さんからもおっしゃられてましたように
スピード感が違うんで、協業しましょうと言ってもそれだけでは振り向いてくれないというケースもありますので
やっぱりその一つのフックというか、手段として出資も組み合わせながら
一緒に話をしながら、共に同じゴールをスタートアップと大企業が
郷原 邦男
同じスケールしていきましょうという同じゴール感を目指して
活動していくというのは必要なことかなというふうに思っています。
ですので、それをしながら後ろからちゃんと事業場投資して
一生懸命ついていかせるという形になります。
西田 大介
ゲームチェンダーカタバルトは有名なんでね。
そのパナソニックさんがどういうふうに次化けていくかみたいなところは
これから始められる方も参考にしていただいて最初から成功させていただけたらいいかなと思います。
一方で高部さん、オムロンさんなんですけど
CVC、オムロンベンチャーズさんが立ち上がって10年ということで
これはさっき2つの例ありましたけれども
あの2つはやっぱり手応えあるなっていう
大きいところにつながっていくなっていうような認識でいらっしゃるんですか?
CVC戦略の概念
西田 大介
いらっしゃるんですか?
髙部 祥史
いえ。
あれはちょっと古いんですよ。
数年前の事例であれで終わっているんですね。
逆に大きな成果のために取り組んでいることっていうお題をもらったので
ずっと今考えていたんですけど
ちょっと考えたことをしゃべってもいいですか?
昨日プレイ数が出ているんですけど
それ見た方いらっしゃればなんですが
オムロンがアイケアという
スタートアップといってもレータステージなんですけど
そこに30%の出資という形で発表させていただきました。
このアイケアというのは
事業者向けの健康データのプラットフォームをやっている会社です。
この出資を取り組んでやっている事業というのが
データソリューション事業本部という本部がありまして
この本部は昨年の12月に作られました。
このデータソリューション事業本部の元になっているのが
私も所属しているイノベーション推進本部
ここの戦略チームとかを軸に
事業部からもデータをもらって
人をもらって組織を作っています。
このデータソリューション事業本部をなぜ作ったかというと
昨年の10月にJMDCという
健診レセプト
日本で1番持っている
1500万人以上持っているナンバーワンの
もともとスタートアップです。
今も上場していますが
グループインをしました。
ここに莫論的には非常に大きなお金を入れています。
当然CBCがお金を入れているわけではないですけれども
この全部の戦略は実はつながっていて
アイケアさんのケースも
もちろん僕も最初に絡んでいて
ただチケットサイズ的に
CBCでは難しいので
コーポレートからになっているのですが
やろうとしていることは
今これはヘルスケアの領域の戦略において
我々は血圧計や体温計を売っていますけれども
そこからソリューションビジネスをやっていこうという
戦略を持っていて
JMDCをグループにしました。
そこにセンターピンができたわけですね。
この時点で300個くらいの事業ですけれども
ここからこれをどう広げていくかというのを考えたときに
我々事業アーキテクチャというのですが
その事業の産業構造を捉えながら
ミッシングピースここだね
こういうスタートアップがいるよね
そういう情報は我々にも入ってきます。
それをイノベーション推進本部
そしてデータソリューション事業本部と連携しながら
我々コーポレートヘルス事業と言っているのですけれども
JMDCは憲法さん向けの事業なんですね。
今回アイケアさんが取ったのは
事業所、いわゆる人事総務の方を相手にしたビジネス
ここを連携することで
両方データを持っているので
ミッシングピースが回っていくという流れの中でやっています。
それがスタートアップであれば
CVCから入れることもあるし
チケットサイズが大きければ
コーポレートから入れることもあるしということで
CVCだけじゃなくて
全社で戦略を持ちながら
連携してやっていくということが
大きな成果に取り組むことだなと思って考えていました。
事業連携の実例
西田 大介
そうですね。やっぱり
大粒なものを作っていこうとしたら
やっぱり全社戦略との
アライメントは
どこかしっかりないと
太ってはいかないということなんですか。
髙部 祥史
そうですね。そう思います。
西田 大介
小室さんの場合には
今のは機関となる戦略を作ったのは
本社議論の経営戦略の部門なんですか。
髙部 祥史
そうですね。グローバル戦略本部が
当然規定になっているんですけども
我々イノベーション推進本部の
私が見ている
ストラテジーアーキテクトビジネスユニットというのがあるんですけど
そこにはバックグラウンド的には
戦略コンサルとかから来てもらった
私の上司も戦略コンサルのパートナーですけどもと
そういう戦略を考える人材を集めて
一緒に本社の戦略部門と連携しながら
PMIというか
出資後どうするかということも含めて
その先のミッシングピースは何か
じゃあスタートアップかみたいな
そういうところまでを
昨日もゴールじゃなくて
それを今やり続けているという感じですね。
西田 大介
イノベーション推進本部さんが
やっぱり社内の戦略と
ものすごく近いところというか
常にコミュニケーションがあって
というような感じなんですかね。
髙部 祥史
そうですね。そこはかなり密にやられていると思います。
私の上司の推進本部長と経営のトップと
常に頻度高く
コミュニケーションしていますので
その中で我々の部下たちも
一緒にやっているということで
コミュニケーションは非常に深いかなと思います。
郷原 邦男
後原さん
西田 大介
パナソニックさんその辺は
どうですか。
全社戦略とか大きい
みたいなところとの活動の
郷原 邦男
連関性というか
髙部 祥史
はい。
郷原 邦男
今ね
オムロメンチャーさんの話を聞いて
なんか羨ましいなという感じはね
ちょっとあったんですよね。
全社戦略のところと
やっぱり大粒のM&Aのところと
スタートアップの連携というところがね
筋が通ってやられているということで
我々今
大きくですね
パナソニックグループ全体でいうと
環境と暮らしという二本柱なんですね。
環境の方は
ご存知の通り
バッテリーの向上とかも含めて
結構大粒の形で
球を作っているところなんですね。
一方暮らしはってなってくると
やっぱりどうしても
皆さんもねパナソニックの暮らしって言ったら
破綻っていうところからね
脱却できないと思うんですよね。
ここは
今ちゃんと
先ほど言ってたように戦略と
大粒の動き方と
新しい球を仕込んでいくスタートアップというところを
連携させていかないといけないねということで
内部では話をしてますけども
まだまだ形になってないっていう
これからっていうところになります。
これね本当に
オムロンさんの事例は
結構私たちも参考になるなと思ってます。
JMDCさんの時も
グローバル戦略の重要性
郷原 邦男
去年私たちも注目してて
ここを取り込んだというのは
本当に素晴らしいなと
その時本当に思いましたよね。
髙部 祥史
ありがとうございます。
西田 大介
ありがとうございます。
ではちょっと次のテーマに移りますが
IBSもすごいグローバルなイベントですけれども
今日ご両者さん
グローバルでしっかり取り組んでおられるな
っていう印象がありまして
今日集まりの皆さんも
同じように
海外展開
海外の会社さんと連携していく
先ほど来の話もありましたけれども
すごく関心があるんじゃないかなという風に思っています。
そういった中で
オムロンさんあれですよね
やっぱり
グローバルっていうのは
今の取り組みの柱の一つだという風に
先日伺いましたけど
その辺りの思いをぜひお聞かせいただけますか。
髙部 祥史
ありがとうございます。
ポートフォーリオがあるように
グローバルにこれまでやってきている
アセットがありますので
そこはしっかり活かしていきたいなと思っています。
一方で今まで話したように
我々の事業
既存事業との戦略のシナジーという意味で
海外のスタートアップという掛け算が必要なので
その観点に至った時に
どういったことができるかと
具体的には
一つは例えばヘルスケアとかで
これもですね
今年の4月かな
ヨーロッパでスタートアップを
買収しているんですけれども
それを先ほどのJMDCの例と同じで
今センターピンとして捉えて
そこにヨーロッパの
オムロンヘルスケアヨーロッパ
それから買収したスタートアップ
そこを軸に
ミッシングピースを探して
今実は
我々の既存のポートフォリオの
海外の会社
スタートアップと
連携させて
また次のスタートアップここかな
みたいな議論をしたりとか
そういう形で戦略連携を取りながら
我々の事業がグローバルなので
ヘルスケアあるいは
ファクトリーオートメーションですね
それから電子デバイスですけれども
そういうグローバルな事業を軸に
スタートアップを
必要な部分は
出資をしてやっていくということは
引き続き活動をしていきたいなと思っています
西田 大介
グローバルの案件が出てきたときっていうのは
オムロンさんの現地の事業体の方が
何かサポートしておられるのか
それとも
東京のオムロンベンチャーズさんで
全部直接やり取りをするのか
その辺りのオペレーションって
髙部 祥史
どんな感じなんですかね
もちろん現地の人たちが
しっかりやっていただかないと
できないので
ヨーロッパのケースも
オムロンヘルスケアのヨーロッパのチームが
むしろは向こう側から
案件を持ってきてくれたりするんですね
彼らが我々オムロンベンチャーズの
出資先も知っているので
そことの連携をしたりとか
アメリカ側も同じように
シカゴ側に本社があるんですけれども
シカゴの人たちと連携して
たまにはここはもう俺たちやるから
大丈夫任せてみたいな声もあるので
そうする時は僕は手を引いてとか
そこは阿吽の呼吸で連携を取りながら
それぞれこれまでの培った
人間関係でしっかり
信頼性を持ってやれていると思うので
そういうグローバルなチームで
やっている感じです
西田 大介
いわゆる先ほど一つ前の
セッションのところであったような
前者戦略というか
大きな戦略みたいなものは
東京とアメリカヨーロッパと
みんな絶えず共有されている
というような感じですか
髙部 祥史
そういう意味ではそこまでではなくて
今のヘルスケアの例だと
それはオムロンヘルスケアが
戦略を考えているんですね
その戦略にどちらかというと
僕らは寄り添って
じゃあこういうスタートアップ
どうですかみたいな
あるいはそっち側からこういう
スタートアップ来たんだけど
どう思うオムロンベンチャーズ
みたいな話です
オムロン自身はビジネスカンパニーが
CVC戦略の重要性
髙部 祥史
非常に強いので
その人たちがしっかり戦略を
考えているので
先ほどのGMDCは
既存のカンパニーとはちょっと違う
次の領域なんですね
そこはコーポレートの
戦略部門が考えてリードしているので
そこは全社戦略になっている
という感じで
カンパニー戦略と全社戦略と
うまくそれぞれの状況に合わせて
活動している感じです
西田 大介
なんかすごいスマートだな
という風に聞こえますよ
髙部 祥史
そのつもりで頑張っています
さすがです
西田 大介
パナソニックさんは
僕すごいなというか
さっきあえて
シリコンバーネにはもう行かず
インドの方だって
おっしゃっていた話の関連で言うと
インドで親父になっている
郷原 邦男
アクセラのプログラムと
西田 大介
渋ヒの活動を連動させていますよね
すごいなと思って
まずは
郷原 邦男
ちょっとこれはね
私の考え方というか
パナソニッククラッシュビジョナリーファンド
の考え方になるんですけども
立ち上げの時に
結構私たち
2年前ですから
いろんな他社さんのCVCの事例がありましたと
調べていくと
シリコンバレーと
日本の間で
事業シナジーが生まれました
という事例が見つからなかったんですよね
ほとんど見つからなかった
となるとやっぱり
シリコンバレーのイケてるスタートアップって
日本企業なんかと付き合うより
アメリカ同士で付き合ったり
ヨーロッパと付き合った方が
スケールしますから
日本企業ってあまり見てくれないんだろうな
ということと
インド市場の展開
郷原 邦男
あと言語の壁があるんで
どうしてもここは難しいだろうなと思いましたので
基本スタンスとしては
スタートアップと
事業上が
物理的な距離感が近いところでやりましょう
ということをまず原則にしました
そうなってくると
我々ですね
ちゃんと開発製造販売を
持っているところって
限られていて
日本とか中国、台湾
あとインドあたりになるんですね
エネルギーだけ
欧州で事業部がありますんで
エネルギーは欧州でやりましょうと
それ以外のところは
日本とインドを
注力してやっていきましょう
という方針にしました
ですので
インドに
自動的に張ってるということになったんですけども
インドも
日本から見てたら
よく分からないんで
なんとかちょっと
新しいことをやっていこうということで
インドで
エネルギーマネージメント
特にビルのエネルギーマネージメントを対象に
アクセラレーションプログラムをやりまして
スタートアップの方々とも
コミュニケーションを取りながら
日本からの出資
私たちのファンドからの出資につなげていくという
ところを
今ちょうど1年前からチャレンジしている
西田 大介
ちなみに
インドまで来て
そこから西はどうされるんですか?
西ってこれアフリカですか?
郷原 邦男
アフリカ
そこまでは遠いんで
ちょっとちらちら
触手は伸ばしてるんですけども
でもね
インドやっとけば
あと20年ぐらいは持つんじゃないかなって
心の中では思っています
西田 大介
大室さんは
アフリカとかそっちの方はいかがですか?
髙部 祥史
そうですね
ちょっと今まで考えたことはなかったですかね
インド自体は
我々も大事なマーケットだと思っていて
スタートアップも出資もしたことはあるんですけど
ちょっと難しいかな
ただヘルスケア事業とか
ファクトリーオープメーション事業とか
インドで展開はしているので
事業としては当然大事なマーケットとしては
西田 大介
捉えています
グローバルでうまくやっていく上で
CVCの人たちが
ちゃんと考えなきゃいけないな
ということって
何か終わりになりますかね
髙部 祥史
そうですね
グローバルで見ると
当然シリコンバレーという歴史も
全ての拠点なので
そこのプロトコルというか
仕事の進め方というのは
しっかり学んどくことはあるかなと思います
それがヨーロッパやアジアも
同じようにやっているということなので
ヨーロッパもヨーロッパで結構
今アメリカよりも成績がいいという風に
言われているので
出身先も環境問題であったりとか
そういうスタートアップが出てくるのは
ヨーロッパなんですよね
我々エネルギーソリューションもやっているので
そういうのはどっちかというと
ヨーロッパの方が
アメリカはエネルギーはなんじゃいみたいな
ところがあるので
そういうグローバルの違いみたいなところとかを
認識しながら
コミュニケーションしていくというのが
西田 大介
大事かなと思います
郷原 邦男
小原さんどうですか
そうですね
私たちは現地でやることを
大切にしているんですけども
そうですね難しいところ
でもね
正直なところ言うと
英語力ですよね
やっぱりどうしても
英語がしゃべれないと
相手もうまく
いいことを話してくれない
これがあるので
結構ね
パナソニック社内で言うと
英語が苦手な方が多いので
CVCはなるべく英語力の
堪能な方に
入ってきてもらうようにしているんですけど
やっぱりね
グローバルで見たら
全て私はね
今のところ内部的には
英語力っていう
そういうところになっているかなと思っています
今後のM&A戦略
西田 大介
なるほど
高部さんオムロンさんは
そこはあんまり問題になっていない
郷原 邦男
問題というか
髙部 祥史
そうですね
必要なスキルだとは思います
うちにいるメンバーも
海外留学しているとか
今おっしゃったように
それなりに英語ができる人は
集まっているので
一応回っていますけど
これから拡大する場合は
西田 大介
そういった人材も
もっと増やしていく必要があるかなと思います
日本の企業さんにとって
郷原 邦男
みんなが抱えている課題ですよね
グーグルとかが
完璧な翻訳機とか
出してくれればいいのにな
西田 大介
そうなんですよ
僕らも趣旨先から
そういうことをやってくれるとこ
郷原 邦男
出てこないかなというふうに
期待しているんですけどね
まだTeamsのライブキャプションの翻訳では
心持たないところがありまして
西田 大介
ありがとうございます
時間がそろそろ短くなってきたので
最後
今後オムロンさんは
10年経って
次の10年
20年に向けてということだと思いますし
パナソニックさんは
2年経って
ここからどう展開していくかというところで
まず高畑さんからお願いできますか
髙部 祥史
ありがとうございます
今後の展開は
基本的に事業
既存の事業をどう拡張していくかという軸で
やっていこうと思っていまして
先ほど話した
IKEAとかそこら辺の事例が
非常にロールモデルといいますか
そういう形で
お話できたらよかったんですけれども
ちょっとまだ公開できない話があるんですが
そこら辺のことが見えてくると
我々がどういうふうに
スタートアップに出資して
どう戦略を描いているか
そういう話がもっとできると
今後の展開が話せるかなと思っています
具体的には話せないんですけれども
基本的には
既存の事業あるいは
既存の中の新規でやろうとしている戦略
そこに基づいて
どういうミッシングピースがあるのか
グローバルに見て
やりたいなと思っております
西田 大介
今 もうじき発表になるというのを
楽しみにしています
髙部 祥史
すみません 注目してください
西田 大介
小原さん どうですか 今後の展開
郷原 邦男
私たちは先ほどありましたように
2年ということで
まだまだ若いCVCなんですけれども
今後は
協業をどう進めていくかということと
あとは
先ほどEXITの中でも
やっぱりM&Aというフェーズが
出てくる時に
結構大きなお金を動かしていかないと
いけないと思います
その時に
スタートアップ出資は
言っても
数億円の出資の話になりますから
機動的にいけたとしても
M&Aになってくると
今度はスケールも違うし
先ほどのオムロンさんみたいな形になると
本当にじゃあ
1000億円級とか続けてやりますか
みたいな話になったら
たちまち話がとんざりしてしまう危険性もありますので
そういう大きな張り方というところを
視野に入れて
入れていくというのを
一歩一歩進めていきたいなと思っています
西田 大介
パナソニックさんのファンドは
80億円
ワンショット
一つのファンドでお持ちなので
ちゃんとフォローもしていこうという考え方
郷原 邦男
っていうことでいいんですかね
そうですね
一応フォローをやっていく前提で
西田 大介
ちゃんと資金の計画もしています
ありがとうございます
それでは
これ最後のアジェンダになりまして
今日は
来場されている方
事業会社の方もいれば
スタートアップさんもいらっしゃると思うんですけれども
それぞれ
郷原 邦男
来場されている方に
西田 大介
メッセージであったり
こういうことを一緒に頑張っていきましょう
ということがあれば
髙部 祥史
ぜひお願いします
高羽さんからお願いします
本日ありがとうございました
我々ちょうど10年でして
この10年もいろいろあったんですね
今日はあまり話していないですけど
もう出だしの頃とか
苦労しながらもやれてきています
皆さんの中には
もっとやっている方もいれば
これからという方もいらっしゃるのかな
というふうに聞いていますので
いろんなノウハウとか経験というのは
このコミュニティみんなの中で
共有し合いながら
日本全体がうまい進めるような
活動になっていくといいのかなと思っていますので
今後もぜひ一緒に
いろんなところで頑張ってきていければと思いますので
どうぞよろしくお願いいたします
西田 大介
ありがとうございます
CVC戦略の重要性
郷原 邦男
じゃあ高羽さん
もう18時になって
そろそろサイドイベント行きたいぜ
という方々もいらっしゃると思う中で
ここに残っていただきまして
大変ありがとうございました
私たちもですね
オムロンさんもそうですけども
このIVSのゴールドスポンサーということで
サポートをさせていただいているんですけども
やっぱりこのスタートアップの方々と
出資という意味では
CVCがあって
その先でやっぱり
よりスケールを大きくしていくために
CVCという位置づけで
事業シナジーを生んで
スタートアップも成長するし
大企業側も新しい領域にチャレンジできるという
関係性になっていると思いますので
しっかりですね
スタートアップの方々と
皆さんとコミュニケーションを取らせてもらいながら
サポートしていきたいと思いますので
今後ともよろしくお願いいたします
またCVC、VCともですね
横々の連携とかで
一緒に協調出資とかで
スタートアップをサポートしていくということも
できると思いますので
連携も取らせてもらえたらなと思います
本日はありがとうございました
西田 大介
ありがとうございます
そろそろお時間になりますので
今日はできるだけ経験豊富な
ご両者の話を伺えたらなと思いました
1時間でしたので
どれだけ皆さんに参考になる情報を
お話しいただけたかというところが
ありますけれども
ぜひ引き続き連携していただいて
聞き足りないということは
直接お二人にお聞きいただければと思いますので
よろしくお願いいたします
それではこのセッション
こちらで終了とさせていただきたいと思います
皆さんどうもありがとうございました
58:17

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