今回のインタビューで、実はリスナーの人がいくつか質問をもらっていて、関連してこんな質問をいただいているんですけど、
ネット時代の文学についてです。
誰でもネットに気軽に文章をアップできる時代。
ただ、私自身はまだ本当に面白いと思える作品には出会えたことがありません。
目利きなしで作品が乱立しているので、両立な作品を探すのも難しく。
ネットに小説をアップしている人の中には、世の編集者は本当の文学をわかる目がない。
これからの時代は直樹賞もネット小説から出るようになると言っている人もいますが、
今の段階では本当かなと個人的には思ってしまいます。
ひらさん、ネット小説の今後、またネット時代の文学についてどう見ていますか?
どんなジャンルでも天才っているんだよね。
だから、一人二人はそういう人が現れるかもしれない。
ただ、今の段階では基本的にネットに上がっている小説って、他人の目が入っていないよね、他社の。
やっぱりそこですよね。
そうなるとやっぱり弱いよね。
しかも、そういうのを書いている人は良い文体だったり、良い文章の感覚みたいなのを持っていないから、文章も本当に下手くそだし。
アニメの脚本を読まされているものが多くない?
ものすごく感情的にはベタベタしているんだけど、下手っぴで。
セリフがあるだけで背景は何もない。
この人たちは何?真っ白なスタジオで喋っているの?みたいな小説がいっぱいあるもんね。
どこかで見た感もやっぱりありますしね。
そういう点では、まだまだしんどいよねっていうのはあるけど、
遠い将来、ネットから天才が現れて、
ヤヌズ君だって、ボカロの曲を書いてそこがヒットして始まっているわけじゃない。
なので、ネットでヒットして、それから出版社に繋がって、それがいつか直しようみたいなこともあり得ると思うね、普通に。
そうすると結局、出だしはネットでもいいのかもしれないですけど、
あとは、ちゃんとそこの本なり作品なりで世に受け入れられるためには、
いわゆるネットじゃないところで、そこにちゃんと受け入れられるようなものじゃないと。
それは別にゲーゴーっていう意味じゃないんですけど、キャッチボールしてちゃんと跳ね返って耐えたものしかいけないんじゃないかな。
そうだよね、原的にね。作り物なので。
やっぱり別な他社の目だったり、読み手の目だったりがどこかにないとね。
その目線を自分でできる、イダさんはできると思うんですけど、できない人はそういうものをやっぱり入れていくしかない。
で、次第に逆にできるようになっていくのかなと思うんですよ。
どうだろうね、そうかもしれないし、いつまで経ってもできないかもしれないし、それはその人それぞれだからね。
だからネットはもう猛烈な数があるんで、中にはちょっといいのもあるけど、
でもまだまだ正直言って、小説ほどプロとアマの差が激しいものはないんだよね。
やっぱそうですか。
実はアマチュアの歌ってさ、歌う上手い子いっぱいいるじゃない。カラオケなんかあるし。
確かに。よっぽど上手いんじゃないかみたいな人いますよね。
たくさんいるんだけど、でもオリジナリティないじゃない。
でも小説の場合は下手なの本当に。
明らかに。
ネットにいるで好きかって書いてる人たちは、もう正直言ってレベル的には箸に棒にもかかんないぐらい下手なので、
それを考えると、誰でも書けるよ、言葉なんだからできるよって言ってる小説が、プロとアマの差が一番あるよね。
やっぱそうなんですね。
小説と相撲ぐらいじゃない、こんな差があるの。
相撲確かにそうですね。
相撲はもうプロとアマは全然違うじゃん。
歯が立たないですね。
でも小説も本当そうだよね。
その例え初めて聞きましたけど、そのくらい違うってことか。
普通で誰でもできそうなものが一番差があると思う。
こんな質問もいただいてます。ちょっと経路変わるんですけど、今のイラさんの人生テーマは何ですか。
過去のこの僕の番組のインタビューですね。
人生の中で10個くらい何かテーマを持って身につけることという話をイラさんがしていたので、
イラさん自身が今どんなテーマに興味関心があるのか。
僕今興味関心あるか、一つは、次の20年ぐらいちゃんと本を書いていたいなってことだよね。
すごい。
それは自分のエイムペースで面白いものを書いて20年ぐらい暮らしたいなっていうのが一つと、
あとはやっぱりちょっと40,50代探しすぎて旅行ができてないので旅をしたいなっていうのが一つ。
いいですね。
それとあと自動車もずっとペーパードライバーだったんで、ちゃんとペーパードライバー検証とか行って運転もしたいなとは思うね。
そうなんですね。
あとは何だろうな。あとは特にないな。
その書くペース落とすみたいのもあるんですか。
いやあんまり変わらないと思う。今でもそんなにめちゃめちゃ詰め込んでるわけじゃないんで。
年2冊ぐらいのペースであと20年ぐらい書けばいいんじゃないかなっていう。
今その詰め込んでるっていうところちょうど聞きたかったです。これ毎回言ってますけど、
本当に締め切りもなんだかんだやっぱあるし、忙しくないってイダさんおっしゃいますけど、
僕からするとどこにその中で映画とか本親しんだりいろいろあるじゃないですか。
一番あえてイダさんが嫌いそうな言い方をすると時間術。どこでこんな時間作り出してんだろうな。
でも今さ、僕多い年、デビューした直後の多い年って年に5冊とか6冊出てたんだよね。
でも今は年2冊じゃん。そしたら単純に締め切りの数も半分だし、そんなにめちゃくちゃきついことはないよね。
なので小説は集中して書いて、あとの時間はなるべくぼんやりして、何か面白いことないかなと思って、
この世界を見ているみたいなのが楽しいんで。
で、本だったり音楽だったり映画だったりにはたくさん触れるっていう風にしてる感じかな。
あとの時間っていうところはやっぱりキモな気がするんですよね。
でも一つは、みんなみたいにさ、通勤で電車乗んないくていいし、会社に行って無駄な会議はないし、
仕事ないのに仕事してるフリもしなくていいっていう。小説家って本当に全部自分の時間になるんで。
そういう点ではそんなに厳しくないけど。
そこはでも逆に決定的だし、絶対的にそういう意味での時間はあるっていうことなんですよね。
昨日も僕、次の門川書店の小説の連載で、来週の月曜日に例の声優の学校に取材に行くんですよ。
なのでアニメの傑作をもう一回見直してみたんだけど、やっぱり素晴らしいもんね。
そういう時間を大事にしてる。
そうだね。今の子たち、声優になりたい子たちと食事をしながら取材もするんで。
面白いですね。
今の面白いアニメとかもちょっと見ておきたいじゃない。
そういうことか。
すごいよ。あんなに年々傑作できてるんだなって思った。
そうなんですね。でもそういうの触れないとわかんないよね。
去年はあれがあるからね。空よりも遠い場所っていう女の子が南極観測隊に入るっていう話と、
あとはロボットアニメでダーリン・イン・ザ・フランキスっていうのがあるんだけど、
その2つはもうアマゾンに入ってるんだけど、どっちも大傑作だからね。
アプラビデオ?
あと何年か前の白箱っていうアニメ制作会社のお仕事のアニメなんだけど、それもすごかったね。
アニメ制作会社が作った?
アニメ制作会社の舞台なんです。
それは面白い。
進行だったり、監督だったり、脚本演出、アニメってこういう風に作られるんだっていうのが全部わかるようになってるんだよね。
それは面白いですね。
すごいよ。こんなレベル高いんだと思って。
ちなみにその空よりも遠い場所っていうのは、去年、18年にオンエアされてるんだけど、
去年の年末、ニューヨーク・タイムズの今見るべきテレビ番組の中のトップ10に入ってる。
それはすごい。
ニューヨーク・タイムズだよ。
それはすごいですね。
字幕版のあのアニメを見て、タイムズの記者がこれ素晴らしいレベルだなって言って、
今年のベストテレビアニメーションということで入れてくるんだからさ。
それプライムビデオでは見れちゃうんですか?
見れます。
すごいな。
でも今プライムビデオの話出ましたけど、
転んでもさっきの丸々放題というか、聞き放題、読み放題、見放題。
そこの中で、いい作品もそこで生きていくってことなんだろうな。
映画なんかはね。
だからそう考えると、そのうち本もそっちの方に流れていくんだろうな、長い目で見るとは思うね。
ただ、僕が生きている間、まだ書いている間、20年くらい書くとしても、
その中で完全に紙の本がなくなるとは思ってないんだよね。
みなさんもご事情いろいろご存じかもしれないですけど、
最近雑誌の読み放題とか結構あるじゃないですか。
それこそ文春とか新調も入っているけど。
例えば朝日新聞でも読売新聞でもいいですけど、
ネットで来た時に、ネットでほとんど記事見せちゃってるじゃないですか。
だから今度の読み放題もそうですけど、いろんな思いがあるんですけど、
そこに入っちゃうことって、出版社とか。
いやもうね、背に腹はかえられないの。
ってことなんですかね。
あまりにも本体の落ち込みがひどいんで、
ああいうのに出すのはマイナスしかないんだけど、
それはやっぱりトレーニングも必要だし、
逆に自分が今まで持っているあらゆるイメージを相動にして、
あるこの現場の中でそのイメージをうまく使いながら、
描いていくっていうのがいいんじゃないかな。
そこの本当に繰り返しですよね。
描くっていうところで、
僕自身も自分の話にしてますけど、いろいろ描く機会が最近多くて、
描けない、描けないって岩井さんにずっと言ってたけど、
やっぱりとにかく描くこと。
それを続けること。
一冊描き終わったらすぐ次始めろって言ってくれたと思うんですけど、
やっぱり描く筋肉じゃないからそういう風にやっていくしかない。
なりますなります。
もう休まずに描いて3年とか5年経ってもプルと一緒。
自然に本も出始めるし、
あるレベルになっていればもう大丈夫だと思いますね。
そういう意味ではもちろん質とか今日のメインでもある物の見方とかいろいろ大事だけど、
やっぱり一番強いのは描き続けられる人。
本は人間と同じでこの世界と同じで、
ものすごく素晴らしいものからものすごくくだらないものまで幅が広いじゃないですか。
だからどんな人でもそのくだらない本ぐらいは描けるんだよね。
だからそうやってやっているうちに腕も上がっていくし、
自分なりの世界を作っていけるんで、
まあとにかく描くことじゃないかな。
そういう意味ではもちろん全員ってことは無理でしょうけど、
そこを今日稲さんがシェアしてくれたことを本当に真摯に、
そしてその継続的にやれば、
全ての人とまでいかないまでも何とかならないこともない。
と思うけどね。
ただまあ実際そういうね経済的にはなかなか難しい部分もあるから、
夢ないかもしれないけど現実的にはやっぱりちゃんと本業も何か別に持っておくっていうのは大事かもしれないですね。
そうですね。だから本業をやりながら余った時間で描いて、
ひとつ作品を作ってはそれを誰かに編集者に読んでもらって、
でちょっとずつ進んでいくのもそれで十分だと思いますね。
やっぱ焦らずだよな。
そう。
どんどんのんびり待てるかというか。
ちょっとミニマムな話ですけど、
稲さんその環境、描く環境っていうのは何かご自身大事にしていること?
まあないですね。
どこでも描ける?
あんまり関係ないと思います。
稲さんやっぱり書斎で描いているイメージがあるんですけど。
基本的にはそうなんだけど、でも別にどこでも描けるよ。
その人の頭があれば描けるんで、別にノートパソコン1個持っていけば外でも描けるし。
オースのテレビ局のところで欠かされてましたよね。パソコンも使いづらい。
そうそう、もう全然大丈夫。
逆にやっぱりそれできないと厳しいっすね。
そんなことない。
そんなことない。
ものすごくそういうのに神経質な人もいるし、書く前の儀式とかある人いるけど、
基本的にはあんまりそういうの作らない方がいいんだよね。
そう、枕が変わると寝れないみたいなこと言ったら旅できないじゃないですか。
なんとか頑張ればそれで一生やれるかもしれないけど、継続しづらくなるのは確かですよね。
なるべくそういう縛りはなくして、どこでもフラットな気持ちで描けるようになるといいよね。
メモでも何でもいいんですけど、手で何かちょっと書くとか、スマホで書くとか、
それも稲さんも全然関係ない?
関係ないです。
手で何でも書くこともあるんですか?
あります。
アイディアとかを。
アイディアだったり、それとさっき言ったキャラクターシートだったり、
プロットをひねるみたいなときは手書きのほうがいいので。
やっぱり手書きのほうがいいですか。
パソコンってやっぱり広さがないじゃない、自然に使えないし、業ごとにこういうふうになっていっちゃう。
でも今後、今もちょっとありますね、音声入力で。
それはダメだね。
でもいやそうですよね。
多分音声入力だと緩いんですよ。
書き言葉と話し言葉は全然文章の密度が違うんで、
書き言葉で音声入力でやって言語を起こしてる作家もいるけど、文章が緩いよね。
それはなんかこう、キーボードがベストかなんか、自分で体と繋がってないとなんか。
体とっていうよりは、その頭の中で考える速度で文字を打つのが多分いいんですよね。
それは手書きでもパソコンでもいいんですけど。
その手や手の動きに頭を合わせられるようになるとプロの書き手になるんで。
みんな頭の動きが速すぎて手が追いつかないって言うけど、
頭の動きをゆっくりゆっくりにするっていうのが大事なんだよね。
逆か。
言葉の形にゆっくりゆっくりに落としながら、
でもその描いている世界の中のことに関しては自分の感覚を全部使って、
全て周囲を見ながらでもゆっくりゆっくり書いていくっていうのがいいんですよね。
ゆっくりね。
だってそんなに速くないでしょ?手で書いてもパソコンで打っても。
そうですね。どっちにしてもそんなに速くないな。
前に森博さんのエッセイを読んでいたら、
やっぱり思った通りにすぐ書けないから、キーボードが遅いから、
逆にキーボードを自分はもうできないけど、
本来であれば金打ちのキーボードにしておけばよかったと。ローマ字じゃなくて。
でもそれはまた逆か。本当に人によるのかな。
でもそんなに速く書いても十分だからね。今の速さで。
いらさんの昔、書斎で見せてもらったエルゴノミックキーボード。
それって今も使っているんですか?
使っています。あれはいいですよ。本当に。
何かおすすめはあるんですか?
マイクロソフトのエルゴノミックキーボード。
あれがマイクロソフト全社の中で一番いい製品だっていう人もいるくらいだからね。
Windowsより。
要は今みんなが使っているキーボードってフラットにこうやって並んでるじゃないですか。
ちょっと手首がどうしてもかって内側に折れるよね。
この形ってここ辛くない?
辛い。
でもエルゴノミックキーボードはこうやってやった時にこう置いてこう打てるんですよね。
すごい楽なの。手首が。
肩も使わない。内側に貼らないし。
一見にしかずで試してみた方がいいかもしれない。
だってみんなゴジラとかピグモンみたいな格好で打ってるからね。パソコン。
だからエルゴノミックキーボードは慣れたらもうあれしか無理。
本当に楽になる。
それはじゃあ皆さんぜひやってみたいと思いますけど。