1. LIFE UPDATE │ YOHEI HAYAKAWA
  2. Playback:会社をつくり「失っ..
2021-10-20 22:13

Playback:会社をつくり「失った」もの|東浩紀さん(批評家/作家)(#1:2021年8月)

1 Mention

エピソードをシェアする

Share on X Share on Facebook Share on Threads

▼本パートのインタビュー映像
https://youtu.be/BEB4EffVOLE

▼YouTube(映像)
https://www.youtube.com/c/kiqtas
▼Spotify(音声/毎週お気に入りの楽曲も流します)
https://bit.ly/Spotify_INTERVIEW_YH
▼Apple Podcast(音声)
https://bit.ly/Apple_INTERVIEW_YH

【東浩紀さんへのインタビュー一覧】
Talk.1|会社をつくり「失った」もの
(10/21公開)Talk.2|「個」から「組織」へ、生き方を見直した理由
(10/23公開)Talk.3|「シラス」の未来
(10/25公開)Talk.4|「尖らない勇気」

専門は哲学、表象文化論、情報社会論。21歳で評論家デビュー。哲学からサブカルまで広く深い知識と慧眼を持ち、長きにわたり一線で活躍してきた東浩紀さん。
2010年に創業したゲンロンの苦闘の歴史を赤裸々に綴った『ゲンロン戦記』は昨年末に発売されベストセラーになった。
なぜ哲学者は起業したのか。「中道」にこだわり続けるのか。創業11年を迎えた知のプラットフォーム「ゲンロン」の今とこれからは? 話をきいた。 キーワードは「尖らない」。

 『ゲンロン戦記』https://amzn.to/3kpWxuU

【プロフィール】あずま・ひろき/1971年東京生まれ。批評家・作家。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了(学術博士)。株式会社ゲンロン創業者。同社発行『ゲンロン』編集長。専門は哲学、表象文化論、情報社会論。著書に『存在論的、郵便的』(1998年、第21回サントリー学芸賞 思想・歴史部門)、『動物化するポストモダン』(2001年)、『クォンタム・ファミリーズ』(09年、第23回三島由紀夫賞)、『一般意志 2.0』(11年)、『弱いつながり』(14年、紀伊國屋じんぶん大賞2015「大賞」)、『ゲンロン0 観光客の哲学』(17年、第71回毎日出版文化賞 人文・社会部門)、『哲学の誤配』『ゲンロン戦記』(20年)ほか多数。対談集に『新対話篇』(20年)がある。

■目次
『ゲンロン戦記』で語られていること
「会社の本体はむしろ事務」
「ひとり経営者」を降りていま思うこと
クリエイターが創作以外を経験する意味
実績も知名度もまるで通用しない世界
人生のターニングポイント
創業11年目にようやく気づいたこと
会社をつくったことで「失った」もの

▼10/29(金)「月末LIVE」開催
[URLは後日確定、お楽しみに♪]
Q&A、フリートークスペシャルをお届けします

▼番組への感想・早川洋平への質問募集中です。
(いただいた質問は、毎月月末のYoutube Liveでお答えいたします!)
https://bit.ly/INTERVIEW_QandA

▼「QR CAFE」(毎月開催)
「人生を変える一冊」を見つけに行こう
http://life-upd.com/cafe/qr3.html

▼【聞き手・早川洋平プロフィール】 はやかわ・ようへい/新聞記者等を経て2008年キクタス株式会社設立。羽生結弦、髙田賢三ら各界のトップランナーから市井の人々まで広くインタビュー。近年は欧州を中心に海外取材を本格化するいっぽうで、戦争体験者の肉声を発信するプロジェクト『戦争の記憶』にも取り組む。公共機関・企業・作家などのメディアプロデュースも手がけ、キクタス配信全番組のダウンロード数は毎月約200万回。累計は3億回を数える。『石田衣良「大人の放課後ラジオ」』『横浜美術館「ラジオ美術館」』などプロデュース多数。 近年はユニクロやP&GなどのCMのインタビュアーとしても活動している。
https://linktr.ee/yoh.haya

▼関連キーワード
#会う力
#東浩紀
#ゲンロン戦記

Editor : 中江公大

00:01
今日、東さん、オンラインでお話を伺うんですが、現在の場所はオフィス?
はい、そうです。
なかなか初対面でオンラインって結構難しいんですけど、東さん、たくさん私の言論とかも見させていただいてますけど、初対面で相手とオンラインを生放送で公開するっていうのは結構ありますか?
どうなんだろう、あんまり初対面だと公開してないかもしれないですね。
ただ、別にインターネットの番組には出てることがあるので、その時に初対面なのかもしれないんですが、そういう意味ではあると思います。
私も取材をやってくる端っくれの者として、ずっとなかなか去年からオンラインのスタイルが増えてきて、なかなかつかみづらいんですけど、東さん、ずっとリアルとオンラインやってこられてるので、そのへんも含めていろいろお話伺えればと思うんですが、
今日はまずやっぱり一番はですね、これ言論選挙、配読させていただきます。
ありがとうございます。
実はそもそも私、小説家の石田イラさんと番組を毎週ちょっとやらせてもらってまして、
イラさんが早く読んだって言われて。
そうですか。それを知らなかった。
本当にこの言論選挙めちゃめちゃ面白いから。
石田イラさんにね、それは公平ですね。
イラさんとごめんしたことはありますか。
たぶん一度会いしたことあるんだと思うけど、向こうは覚えてないかも。それもたぶん10年以上前ですね。
本当ですか。
そうなんです。イラさんから、僕は傭兵って言うんですけど、傭兵くん絶対君には刺さるっていうふうに言われて。
ちょっと私ごとで恐縮なんですけども、
アルバさんと共通点というか比べるのも大変恐縮なんですけど、
私自身が会社を今ちょうど12年ぐらいやっていて、
勝手に言論の10年、11年と重ねてっていうところもありますし、
クリエイターというかプレイヤーと経営者を両方やることの苦しみとか、
その辺を配属するとともに、
この本どういうか、たくさんの人から感想をもちろんいただいてると思うんですけど、
個人的にはやっぱり僕の中でも、
アズマさんというと哲学者、批評家、小説家で当然遥か遠くの存在に感じたんですけど、
やっぱりいわゆる経営者のそういう葛藤とかそういうものを、
今まで個人的にあんまりその外から見るとアズマさんのその部分が見えなかったので、
すごい身近に感じたんですけど。
反響を持ったより良かったんですよね。
僕自身はとにかく、僕の会社の話なので、僕にとっては身近だけれども、
言ってみればすごい小さな会社の素人で作って悪戦苦闘したって話なんで、
03:02
僕のすごいコアな読者が喜ぶかもしれないけど、それだけかなと思ってたんですよ。
中央討論審査さんからこの企画をもらったときも、
しかも最初からタイトルは言論戦記ってタイトルだったんだけど、
これはやっぱり冗談みたいなタイトルで、いつか変わるのかなと思ってたら、
それで最後まで言っちゃって、
話もこんな話でいいの?って言ったら、これがいいんだとか言ってて、
本当の会社の話だけで本作っちゃったから、大丈夫なのかなと思ってたんだけど、
意外と多くの人が共感してくれて、
あと、僕にとっては、
実は裏方でずっと10年間そういう会社の悪戦苦闘をやっていたんで、
ツイッターで炎上してるとか、
どっかニコ生に出てるっていうのは、すごく表面の部分でしかないんですよね。
その背景が見えて、逆にその表面の部分も理解しやすくなったみたいで、
そういう意味では僕の仕事にとってもすごい良かったですね。
本当ですか。
いや、まさにいろいろ大変な時に泥臭く領収書1枚1枚とか、
そうそう。
私は起業してきたんで、まさにそれ分かるんですけど、
あずまさんもやったんだみたいな。
いや、まさにそうですよ。
そういうのを地味にペタペタペタペタってプラ貼ったり、
いろいろ領収書ちょいちょい切ったりとか、いろいろやってましたよ。
でも本当に個人的にこの言論選挙の中で一番本当に刺さったのが、
あずまさんはじめにというか前書きのところで、
会社の本体はむしろ事務だっていうふうに書かれてるじゃないですか。
これ多分きっと起業してそれなりに10年とかやってきた人なら分かるし、
そうじゃない人はやっぱなかなか分かんないんじゃないかな、
つまりクリエイターとかプレイヤーだけど。
どう思いますか。
実際問題事務ばっかりやってたら当たり前だけど何でもクリエイティブなことはできないんで、
クリエイティブなことをやるためには事務をいろんな人に任せたり、
そういう信頼できる人を探すっていうのは大事なんですよね。
ただ信頼できる人を探すためには一回自分で事務やってないと、
単にどんな仕事を任してるのかも分かんなくなっちゃうんで、
すごい大失敗するんですよ。
だからそういう意味ではクリエイターも一回事務を通るっていうか、
そもそも自分の仕事でお金をもらうといっても、
例えば請求書を出す。
請求書を出したら請求書ってどういう書式なのかとか、
どんなふうに送って、
そこで例えば厳選聴取とかがあったりなんだりとか、
そういうすごい基礎的な仕組みだけど、
でも本当にクリエイターしかやったことない人は、
そういうことも分かってない人もいると思うんですよ。
本当ですか。
だから絵を描いてる、音楽を作ってる、文章を描いてる、それしかやってなくて、
そもそも請求書を自分で出したりとか、
税金の計算をしたりとか、
そういうことをあんまり考えてない人たちが少なからずいると思うんだけど、
06:00
それもやっぱり一回やったほうがいい。
あと、うちの場合は自分たちで出版社っていうことをやってるわけだけど、
あとウェブサービスも作ってるけど、
そうするとやっぱりものを、
今度はクリエイターって搾取されてるって思いがちなわけですよ。
自分の本が本だったら1,000円で売れてると。
でも印税だとその1冊売れても10%しか入らないと。
残り9割はどういうことなんだと。
残り9割なんて本当は別に俺に入ってもいいじゃないかって思いがちなんですよね。
ところが出版社の側に立つと、
今度はクリエイターっていうのは、
いや、一回文章を書いてるだけじゃんと。納品してるだけだろうと。
あと売ってんのこっちだと。
本印刷してんのもこっちだし、
郵送してんのもこっちだし、
あとトラブルがあった時に謝ってんのもこっちであって、
お前らクリエイターはもの作ってるだけだろみたいな気持ちになってくるんですよ。
両方の気持ちがわかるんで。
そういう意味でも、
自分でいろいろやってみると、
俺は立場が弱い、搾取されてるだけじゃなくて、
あ、向こうから見たらこう見えんだなと。
向こうから見たらクリエイターってこう見えるんだとか、
そういうことがわかってくるんで、
そういう意味でもいいですよね。
その気持ちがわかると、ある意味謙虚になるっていうか、
あんまり自分の権利とかを主張するのは大事なんだけど、
向こうも大変なんだなって気持ちになると、
要望に対して少し想像力が働きますよね、向こうがミスしたときも。
例えば契約書送ってこねえじゃないかとか、
リリースしたのに告知が遅いとかAmazonで品切れてるとか、
みんなすごいいっぱい文句があるわけだよね。
でも出版社やると、Amazonってのはすぐ品切れして、
Amazonからこっちに連絡こないんだと、俺たちコントロールできないんだよとかね。
そういう事情がだんだんわかってくるんで、
俺らに言われてもな、みたいなこともまたわかってくるわけです。
それ一例ですけど、いろんな立場がわかるってのはやっぱりいいことですよね。
安俣さんおっしゃったように、クレイターも一回ジムをやってみた方がいいっていうのが
すごく腑に落ちたんですけど、もうちょっとそれを抽象化というか、
でかい話にすると、安俣さんも今、直接は経営者は一回は外れてるんですよね。
そうです。でも実際には、うちの会社は小さいので、
3人の取締役が幹部になって共同経営をやってるようなものなので、
僕も参加はしてる。ただ、前みたいに僕が完全にトップって状態ではないんで、
それがやっぱり社内の人々をすごく働きやすくしてるというか、
09:03
よくしてるみたいですね。
そうなんですよね。ジムとクリエイターっていう意味でもそうですけど、
安俣さんでいけば、今もそういう意味では経営にも当然関わってらっしゃるということで、
やっぱりクリエイターというか、いわゆる作る人と経営の両面持ってると思うんですけど、
そういう意味では昔それこそ、去年亡くなっちゃいました。
高田健三さんとかに話を伺ったときに、
こしのじゅんこさんも言ってましたけど、
やっぱりアーティストとかも本当はもうそれこそ極端なし、
美大とかで一回経営学んどいた方がいいんじゃない?みたいに言って。
星野さんはご主人がたまたま経営できるんで経営やってらっしゃって、
健三さんはやっぱりいろいろルイビトンとかに乗っ取られてとかですごい悲しい思いをしたらしいんで、
いわゆる経営者もクリエイターもアーティストも経営を学ぶことみたいな、
それはすごい思ったんですが、ただ実際どうでしょうね。
もちろんステージが違うんで比べるのも恐縮ですけど、
僕もあずまさんも10年以上そういう形でやってきて、
学校で学べることなんだろうかと。
学ばないよりはやっぱり学んだほうがいいと思いますよ。
つまりそれこそちょっと数ヶ月、数週間みたいな感じでも
なんかやったほうが全然ないよりはマシだと思いますが、
ただやっぱり自分で会社作って、結局不動産例えば借りる。
例えば僕だったらオフィス借りたりカフェ借りたりとかっていうので、
自分の会社で借りても保証人って必要だから、
誰かが、たぶん僕が保証人になるわけですよね。
でも保証人二人必要とかだと、
最初の頃は僕の父親とかに頼んでハンコもらったりしてたわけですよ。
途中からそうじゃないけど。
会社やるってそういうことなんだと、
だから父親とかにも頭下げなきゃいけないし、
だからあんまかっこよくないんですよ、そういう意味で。
借金とか融資とか受けるのだってすごく頭下げなきゃいけないし、
僕個人の銀行口座とかも出さなきゃいけないし、
そこでは僕が書き手としてどんな人かとか、
例えばテレビ出てるとか何の関係もないから、
単に普通に口座とか見られて、普通の人間として審査されるわけじゃない。
そうすると、俺テレビ局とかに行ったら、
アズマさんみたいな感じで先生みたいな扱われてるけど、
ここの融資のここでは単なる1借金をする人であって。
これちょっとすいません、口挟んじゃいますけど、
僕も当然経営者なんでそういうのわかるんですよ。
すごいシビアじゃないですか。
僕はもう無名なんで、その通りなんですけど、
やっぱりちょっとステレオタイプですけどね、
アズマさん当然有名人です。それこそ三島賞も取ったりとか。
でもアズマさん的にはあんまり全然そういうの聞いたことない。
全く何の関係もないですよ。
そういう意味での信用、信頼はなかった。
ないね。たとえば履歴書みたいなものを見て、
お、三島賞ですか?みたいな感じで。
ちょっとじゃあこちらからも前向きになんて、
12:02
そんなの全くないですよ。全然ゼロ。
単なる一人の人間として審査されてるわけで。
だから当然なんですよ。
これ当然なんだけど、でも当然ってことを、
大学の先生とかテレビに出てる知識人とかだと忘れてるんだと思うんですよね。
感覚どっかで。
だからそういう意味では、当然のことを思い出すっていう意味では、
いろいろいい経験ですよね。
そういう意味で今回、人生のターニングポイントっていうことを
一つ大きなテーマで聞きたくて、
本当にそれこそ外から拝見してても、
こんな言い方していいのかわからないですけど、
ターニングポイントにつくターニングポイントだらけに
いろいろ見るんですが、
この言論選挙の中でも当然たくさんのターニングポイント出てきましたが、
今日、7月9日現在で、
あずまひろきが思う人生最大のターニングポイント、
何でしょうね。
っていうのも言論選挙は排読してるんですけど、
これ2020年6月である程度書かれてるって書いてあるじゃないですか。
あとがきでね、その後いろいろあったよみたいなこともある。
それも含めて。
でもやっぱりターニングポイントって言ったら、
言論作ったってことなんだと思うんですよね。
今から思えば、言論作るっていうのは、
僕の人生、つまりあの時点で会社作らなくてもよかったわけで、
でも今振り返ったら作らなかったら結局、
大学の中にも何か居場所がないし、
かといってテレビ知識人をやってても自分のやりたいことと違うしっていうので、
俺どこにも居場所がないしやりたいことできてないって
ずっとストレス抱えたまま行っちゃったんだと思うんですよ。
今はそういう点では、そういう部分の迷いってのはあんまりなくて、
別に大学とかメディアとかと関係を切ってるわけではないんだけど、
大学やメディアとはまたちょっと違う第三の場所っていうのは自分で作れたと。
さらにシラスってプラットフォームを作って、
そこにいろんな人を呼び込めるっていう状態を作れてっていうことが、
自分で単に人間的に自信になってるわけじゃなくて、
僕の哲学的な主張だとか、物の考え方にもすごく深い影響を与えてるので、
そういう足場が持てたっていうのは良かったし、
持つ方向に行くスタートポイントが企業だったんですよね。
だから企業はやっぱりすごいターニングポイントだったなと思いますね。
小島さんの中でそれ以前、この10年がね、
ちょうどもう50歳ですよね。
ちょうど50歳。
その10年間が40代からあったと思うんですけど、
それ以前と今のこの言論を作っていろいろ大変なこともあったと思うんですけど、
そういう意味では何でしょう。
それ以前の小島博之のご自身の中で、
社会で求められるものとかニーズがあるものと、
自分の実際のアイデンティティとかやりたいこと。
15:01
やりたいことだけじゃないでしょ、アイデンティティっていいかな。
それのギャップに多分いろいろ苦しまれたとかもあったのかなと思うんですけど、
そういう意味ではやっぱりこの言論を作ってから、
その辺はいわゆる融合しつつあるみたいなのあるんですか。
まだまだかもしれないですけど。
いや、だからそれがでも融合して、
ちゃんとこれで良かったんだって思えるようになったのは、
ほんとここ2,3年ですよね。
本当ですか。
だからそこの言論宣言にも書いてある通り、
2018年の末ぐらいにも非常にもうこれで会社もう無理だ、やめるっていう風なのが1回あって、
それをなんとか乗り切った。
いろんな人が助けてくれて、乗り切ったときに、
やっぱりそれまで言論っていうのは、
自分がすごい頑張って無理しないと潰れるんだって思ってたのが、
ああ、そうじゃないと。
言葉で言うと非常に恥ずかしいような口をはぼった言い方になりますけど、
いろんな人が助けてくれて、
いろんな人のつながりの中で言論っていうのがあるんだなっていうことが、
すごく実感できたっていうことが、
僕自身にもつながったっていうかね。
これはちょっと哲学的な話になりますけど、
基本的に哲学って、
自分一人で生きて一人で死ぬみたいなところからスタートしがちなんですよね。
特にそういうのが若い頃はかっこよく見えるし、
さっき人生の短縮といって起業ってのがあったけど、
もう一個は娘が生まれたことであって、
だんだん人間って一人で生きてないなみたいなことっていうのは、
これは当たり前の話でそんなことを学ぶのに、
30代で学んでどうするのって思うんだけど、
でも若い男性って、俺は一人で生きてんだって思いがちなんですよ。
それがだんだんそうじゃないなっていうことを思っていくのが30代で、
それで会社をつくって、
会社をつくっても、言論選挙にも書いてあるけど、いつでも辞められるとか、
結局これ俺が全部やってるんだみたいな気持ちがずっとあって、
でもそれが、俺は辞めることもできないし、
逆に俺が全部やるものでもないし、
あるコミュニティの中に僕は所属してて、
そこから足抜けできないけど、逆に僕がすごい頑張る必要もないんだみたいな。
そういうところにようやく認識が来たっていうか、
そしてそれが人間の本当の在り方で、
哲学っていうのもそういう在り方について考えなきゃいけないんだなっていうようなことを、
思うようになったっていうのが、本当にこの2,3年なんですよね。
今のお話に向かっていると、基本的に当然そのターニングポイントっていっても、
18:01
いろんなポジティブなターニングポイント、ネガティブなターニングポイント、
もちろん両方持っているものがほとんどだと思うんですけど、
やっぱりそういう意味では言論っていうのはポジティブな、
いろいろ大変なことがあったにしても、大枠としてはポジティブだと思うんですけど、
今どちらかというとその言論を作ったことによって、
得たものをお伝えいただいたと思うんですけど、
逆に失ったものってあります?ネガティブな意味で。
失ったものはやっぱりね、とにかく会社を作るのは大変だったんで、
単に、漠然に時間を失われてると思いますよ。
ただ、それをね、子供を作った時にも思ったんですよね。
やっぱり子供を作って、うちの娘が生まれたのが2005年だと思うけど、
子供ができて、僕よりもうちの妻のほうがはるかに負担が大きかったんだけど、
やっぱり時間がすごいなくなるわけですよ、単純に。
若いころだからそれまで、僕はサブカルチャーも好きだったから、
いっぱい映画を見たり、アニメを見たり、
ライブに行ったりとかいろいろやってたんだけど、
そういうの本当にいけなくなるんで、
そこで一回生活パターンが変わったっていうか、
もう最先端の文化シーンについていくっていうのは、
諦めなきゃいけないんだなと。
何もかも抑えてるみたいなことはもうできないんだなって思ったんですよね。
それでさらに会社とか作ったら、本当にもうますますそうで、
それこそ事務仕事みたいなものもいっぱい発生したり、
会社やると人を動かさなきゃいけないから、人を動かすためには、
人と会って喋んなきゃいけないんですよね。
やっぱりいろいろ悩みも聞かなきゃいけないし、
メールとかで発注すればどんどんどんどん仕事が戻ってくるんだったらいいんだけど、
人間そんなもんじゃないから、
いきなり連絡が取れなくなるやつとか、
そういうのがあっても、そういうのに対処しなきゃいけないし、
本当に時間が取られて、
そういう意味ではインプットもアウトプットも、
すごい時間はなくなったんですよね、会社を作ったことで。
ただ、これも逆に言えば、人間みんなそうなのであって、
フルにインプットとアウトプットに時間を使えるなんていう生活をしてる人がすごい少ないし、
逆にそういう生活をしていると、自分が何のためにクリエイションしてるかとか、
誰のためにものを作ってるかってことも分かんなくなっちゃうわけだから、
そういう意味ではぐるっと回って、これでいいんだろうなと思ってるんですけどね。
なんかあれですよね、僕以前結構、それこそ5年くらい前ですかね、
ご家族で対談というか、定談、インタビュー受けてるのを拝見した時があって、
お嬢様の奥様。
すごい生まれないやつですね。1回しかないやつですよ。
21:01
本当ですか。その時に今の話されてましたよね。
そのお仕事はあれですけど、やっぱりお嬢様が生まれた時に、まさにそれができなくなって、
ようやくもう、あれですかね、5年くらい前だから、多分もう10歳とか11歳くらいですかね。
ようやく最近少し時間取れるようになってくるということですよね。
やっぱり子ども作るとか、会社作るとか、何にしてもコミュニティを作るっていうのは、
えらい労力が必要なことで、いっぱい本読むとか、いっぱい音楽聴く、いっぱい映画見るみたいな話とはやっぱりぶつかりますよね。
それはもうどうしようもなく時間取られるんだけど、
でも、それをやらないと何のために物を作ってるか分からなくなるっていうことかなと思ってますね。
これなんか、今こうやってあずまさんがちょっと今の話も伺って、もちろん言論選挙とかも読んで、
頭では作れる言論を作ったり、いわゆるこういうコミュニティを成し立つ。
22:13

このエピソードに言及しているエピソード

コメント

スクロール