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2023-10-24 44:53

#8【月】後編 葛藤”なし”と”あり”の戦い

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相模原殺傷事件をもとにした、辺見庸原作、宮沢りえ主演、石井裕也監督の2023年の映画「月」を深める回後編

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[[[今回のトピック]]]

まだ残ってる左ストレート / さとくんの恋人 / イヤホンの意味 / 言語以外の繋がり方 / 心ってそういうもんじゃない / 葛藤なしvs葛藤あり / 飛び交う致死性のパンチ / さとくんが葛藤をやめた瞬間 / 社会という親からの体罰 / さとくんの決定的に身勝手な行動 / そもそも社会もおかしい / 人との繋がり / それ言えますか? / メッセージの再生産 / わからん / あなたが生きててよかった / やれることやらなきゃ / 2つの「やれること」の差 / 幸せになんなきゃ / 校長殴り込みKO / 俺にはわかったよ監督

火曜日19時更新


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サマリー

深めるシネマの後半では、主人公たちの心のあり方や意思の疎通についての対話が進行しています。また、映画の中で登場する虫や動物も心の有無に関連して考察されています。ある対話のシーンでは、佐藤くんと対話しているつもりが、自分の心の葛藤にこう入れ替わっているのですが、それで評価されたらいいと思っています。それに対して佐藤くんは葛藤せず、葛藤のない人と葛藤のある人が戦っている状況です。自己責任や社会の価値観に悩みながらも、人間の本質はネットコミュニティや人間関係にあると気付きつつも、葛藤と歩み寄りの重要性を認識することを模索しています。結論は校長が教えてくれました。最後だから校長が佐藤くんにあのパンチをくれました。自分が幸せになるということが一番やっているべきことなのではないか、やれることなのではないかと思います。

主人公たちの心のあり方
深めるシネマ。
深めるシネマ。
まだあるある。 まだあるある。 まだあれが残されているっていう。
あの、やっぱ、この国のためにってことは、やっぱり、みんなの幸せのためにってことだよね。
そうなんだよ、その通りなんだよ。あいつの論理の中ではな。
深めるシネマ であれば、その中には、あなたの幸せも含まれてますよね、っていう。
佐藤くんが幸せにならないと、その目的は達成されないじゃん。って、俺思ったの。
お前が、まずお前が一番最初に幸せにならないと、その目的は達成できないはず。だって、お前から見てる主観しかないわけだから、この世界って。
なるほど。
深めるシネマ その、お前が考えたその、なんか見えない誰かが幸せになったとしても、お前が幸せじゃないんだったら、それは、そのミッションは達成されてないじゃん。
で、この映画の中にはその、そうなり得た未来があったわけだ。恋人がいたわけよ、佐藤くんには。
うん。そうね。
深めるシネマ そう。で、その恋人は、あの、労者のね、耳が聞こえない、彼女がいたわけで、あの子は、その耳が聞こえなくても、佐藤くんの言動を、こう、逐一観察して、何かがおかしいなって、ちょっと気づいてるわ。
だけど、あの、佐藤くんは、それに向き合ってない。
確かに。
深めるシネマ あの、言ってないわけ。自分がその、事件起こそうとしてるってことを、耳が聞こえないっていうことを知っていながら、口でしか言ってなくて。
うん。
深めるシネマ 今から僕はね、障害者施設でね、何人殺してくるからねって、最後別れの時に、口で言うわけ。
うん。
深めるシネマ で、その前も、あの、ほんとに耳聞こえないよねと、確認してるわけよ。
うんうんうん。
深めるシネマ で、あの、反応がないことを確認して、その後に、今から自分は、あの、そういう事件起こるからねとか言って、口で言ってるわけよ。
うん。
深めるシネマ 伝えようとしてない。で、それで、でも、何かおかしいなって思った彼女が、最後メールか何かで、その。
心配ってね。
深めるシネマ 心配って送った後に、二人でいい人生を送りたい。
ああ。
深めるシネマ で、最後送るんだよな。
ああ。
深めるシネマ で、それに関して佐藤くんは何もしないわけ。
記録つけたか。ほんとに、ちゃんと。
深めるシネマ 大事、ちゃんと、ちゃんと向き合ったのかと。
うーん。
深めるシネマ で、あの子のことはもう不幸にしてるわけよ。
そうだな。その通りだよな。
深めるシネマ 最後までちゃんと信じてたわけじゃん、その、あの子は。
うん。
深めるシネマ ね。
大丈夫?って言うか。
深めるシネマ そう、愛してるよだけ手話で伝えて、今から次元を起こしに行くからねとか言って口で言ったり。
うん。
深めるシネマ だから、二人でいい人生を送りたいって言われてるその、その願望は叶えてやれないわけだし。
うんうんうん。
深めるシネマ 佐藤くん自身が幸せになれないっていう道を選んでる時点で、お前の論理は破綻していると俺は思った。
うーん、なるほど。
深めるシネマ だからずっとあいつその恋人がいたとしても、やっぱり本質的に一人だったんだよ。
うーんうんうんうん。
深めるシネマ ちゃんと向き合ってない。で、その一方を主人公の二人。
そうだな。師匠と翔平。
深めるシネマ 翔平はちゃんとその臭いものかもしれないけどの蓋を開けて、ちゃんと向き合って、恋人と繋がるってことをしたから、最後あっちの道に進めた。
うんうんうん。
深めるシネマ けど、そこにその問題点というか、原因というか、分岐点があっただろうなって俺は見たわけ。
深めるシネマ うーん、向き合ったかどうか。
うん。
深めるシネマ 対話をしたかどうかっていうか。
そう。
深めるシネマ それこそ本音みたいなものを誰かに、てか大切な人に話したかみたいな。
うんうん。ちゃんと向き合ってない。
深めるシネマ うーん。
耳が聞こえない彼女の観察力
そうか。
深めるシネマ その佐徳の恋人、翔子は耳が聞こえないわけじゃんか。
うんうんうん。
深めるシネマ で、彼女は二階堂ふみんと一緒に飲んでるシーン、洋子と飲んでるシーンとかでも、
うんうん。
深めるシネマ 耳が聞こえなくても分かるって言ってたりする。
うん。
深めるシネマ 洋子が傷ついてるなっての分かって、言ったら、なんでそのこと分かるのか。
深めるシネマ やっぱり、耳が聞こえなくても目が見えなくても分かる人には分かるし、
深めるシネマ 耳が聞こえても目が見えても分からない人には分からないんだよなーとか言って二階堂ふみが言うんだけど。
うん。
深めるシネマ 一方、主人公の二人、師匠と翔平ね。
うんうんうん。
深めるシネマ が、家で耳にイヤホンして音楽聞いてるシーンがあって。
あー、なんかノイズキャンセリングっぽい感じのね。
深めるシネマ で、それによって会話が届かないみたいなシーンもあったじゃん。
うんうんうん。
深めるシネマ あれって、だから耳を塞ぐっていうことなわけよね。あっちはあっちで。
うんうんうん。そうなの?
深めるシネマ で、あの二人の間では、耳を塞いでいても繋がりあえてたっていうシーンだと俺は撮ってて。
あー、そうね。ここからは解散みたいなこと言ってたんだ。
深めるシネマ 解散。
あの、邪魔しないようにするからみたいな。
深めるシネマ するからって応援するからって言って。
深めるシネマ 集中するために、いつも自分が操作のために使ってた、翔平が使ってた。
イヤホン。
意思の疎通と心の有無
深めるシネマ イヤホンを横に渡して、それをして、物を書く。
深めるシネマ で、その時に、チラッと翔平が言ったことが伝わってなかったりするみたいなシーンがあったりするのを。
深めるシネマ でも大丈夫な二人。
うんうんうん。ってことだよな。
深めるシネマ 一回ちゃんともう繋がりあったんだから、
深めるシネマ あの、その操作の時、もう一人にならないといって言う時は、
深めるシネマ 耳が聞こえていなくても、相手とのコミュニケーションが取れてなくても、伝わるんだ。
深めるシネマ っていうのはさっき、その、翔子が言ってた、耳が聞こえなくてもわかる。
うんうんうん。
深めるシネマ っていうのはそういうことなんだと思うわけ。
深めるシネマ ちゃんと繋がり合えば、意思の疎通というか、その裸感とか。
深めるシネマ なんなら、その、感覚でわかるものがあるんだ。
深めるシネマ 人が傷ついたかどうかわかるんだ。っていうことじゃん。
深めるシネマ うん。
深めるシネマ なのであれば、これ、例えば障害者の人で、耳が聞こえない、目が見えない。
深めるシネマ うん。
深めるシネマ 意思の疎通が測れない。
深めるシネマ うん。
深めるシネマ 言葉が喋れないって人でも、
深めるシネマ うん。
深めるシネマ 心があるから通じ合うこともできるんだっていうことになるんじゃないかなと思って。
深めるシネマ うん、なるほどね。
深めるシネマ 佐藤くんにとっては、その意思の疎通ができなければ、ね。
深めるシネマ うん。
深めるシネマ あの、最後、事件起こす前に、一人一人ちゃんと聞いていきますと。
深めるシネマ あなた心ありますか?って。
深めるシネマ うん。
深めるシネマ で、答えがなかったら殺します。
深めるシネマ って言ってね。
深めるシネマ うん。
深めるシネマ うん。
深めるシネマ そんな、ちゃんとその答えが返ってこなくても、本来であれば伝わるものがあるはずである。
深めるシネマ うん。
深めるシネマ 心ありますか?っていう問いに、言葉で答えられなくても、繋がることができるんじゃないかっていうことなのかなって。
深めるシネマ 思った。
深める佐藤 うーん、なるほどな。
深めるシネマ だいぶ遠いあれだけど、伝わったのかな。
深める佐藤 だいぶ遠いパンチ。
深める佐藤 パンチ。長いリーチのパンチだったから、どこまで届いたかわかんないけど。
深める佐藤 そうね。いやでも、なるほどな。
深める佐藤 極論だから、自分が心があるって思えばあるわけで。
深める佐藤 そうね。
深める佐藤 客観的に見て心ないだろうっていうような理論になってたけど、佐藤くん的には。
深める佐藤 心ってそんなもんじゃないじゃん。
深める佐藤 うん、そうね。
深める佐藤 すごく主観的なものだから。
深める佐藤 うーん。
深める佐藤 なんか、この映画もいっぱい虫とか昆虫とかヘビとか出てくるじゃない。
深める佐藤 はいはい。
深める佐藤 クモが出てきたりとか。
深める佐藤 ミミズ出てきたね。
深める佐藤 ミミズ出てきてそれを踏みつぶすとか。
深める佐藤 うん。
深める佐藤 で、佐藤くんもゴキブリが出たらみんなさん殺しますよね。
深める佐藤 うん。
深める佐藤 それは役に立たないから殺してるだけですよね。
深める佐藤 それに何も悪いと思わないじゃないですか、みたいな感じで言ってたけど。
深める佐藤 うん。
深める佐藤 極端な話、ゴキブリに心を持たせることができるわけじゃん。
深める佐藤 うん、そうだね。
深める佐藤 人間のその主観で見た世界で言えば、じゃあゴキブリを可愛くペットとして飼ってる人にとってはそのゴキブリには心があるわけで。
深める佐藤 うん。
深める佐藤 っていうのが心なはずじゃないって俺は思う。
深める佐藤 うん。
深める佐藤 だから、ある種その師匠の方の横は、その喋れない人の心を小説で描こうと思ったみたいなことを言ってる。
深める佐藤 うん。
深める佐藤 だからその、あと、面会に来た高畑敦子を演じるお母さんがさ、
深める佐藤 うん。
深める佐藤 私もできるの?みたいな感じで言ったら、だからまあなんていうかな、聞こうとしようとしたっていうか繋がろうとしたっていう、
深める佐藤 うん。
深める佐藤 その行為自体が、その心をその、現実させるっていうか、
深める佐藤 うん。
深める佐藤 心あるなしって、むずいっていうか、そんなんわかんないじゃん、実際確かに。
深める佐藤 そんな部位ないもんなんだって。
深める佐藤 そうそうそう。
深める佐藤 それが心ですって取り出せないから。
深める佐藤 心はもう全部比喩みたいなもんね、なんか。
深める佐藤 うん、そうだね。
深める佐藤 だって、実際にあの高畑くんのお母さんも、私もできるって言ってたっしょね。
深める佐藤 うん。
深める佐藤 それってじゃあ、いやそんなことないです、この人話せないんで、あの会話できるとかはないんでって、誰が言えんだって話だよね確かに。
深める佐藤 そうだね。
深める佐藤 でもとはいえ、そうだ、あの、また佐藤くんと師匠陽子のさ、師匠陽子じゃダメだった。
深める佐藤 陽子の。
ある対話の葛藤
深める佐藤 陽子師匠にしようかな。
深める佐藤 陽子師匠でいいか。
深める佐藤 まあまあ、あの対話のシーンで、だから、あのあれね、佐藤くんと対話してたつもりが自分の心の葛藤にこう入れ替わるわけなんだけど、あそこで、あの、
深める佐藤 心があるっていう風に思って書こうとしてるって、うーんみたいな感じ、すっごい性格の悪い、あの、自分の師匠の悪いというか、なんかこう、攻めてくる方の考えが、なんか別にそれ確認しようもないし、
深める佐藤 ずいぶん独善的で、なんかこう、自分にとって都合がいいようにやってるだけなんじゃないの?それ、しかもね、それで評価されたらいいね、みたいな。
深める佐藤 うん。
深める佐藤 すげえ煽ってくんじゃん。自分が、自分が自分を煽ってくるって一番辛いと思うんだけど。
深める佐藤 いやだなあ。
深める佐藤 うん。でも、それでも想像することはダメなの?みたいな感じでこう言ったりとか、あ、あそこやっぱり、その。
深める佐藤 うん。もう一発パンチ打ってほしかった。
深める佐藤 でもあそこ、だからこう、葛藤してんだよね、あそこもやっぱり。対して佐藤くんはもう葛藤してないのね。
深める佐藤 あの、もう答えが出ちゃってる。
深める佐藤 出ちゃった。
深める佐藤 心がないやつはいらないってなってるし、しかもこう、あれ、あの、殺人シーンのさ、途中から、あの、こいつ話せるって、なんかこうすげえ雑になってんだよね、なんか。話せりゃいいのかって。
深める佐藤 あれなんかこいつマジで深く考えてんだよな、みたいな感じにもなるんだけど。
深める佐藤 うん。
深める佐藤 あとなんかこう、翔平と飲んで喋ってるときもなんか、あの、排除されちゃったんですよね、みたいな。
深める佐藤 僕が売ってんのは、あの、一卒ができない、喋れないやつは排除するっていうことなんですよ、とか言って。
深める佐藤 いや、うちの息子も喋れなかったよ、って言って。
深める佐藤 何も言い返せずに、まあまあそんなことよりいい、みたいな感じで会話切り替えするんだよね。
深める佐藤 うまいんだよ、スウェイがうまいんだよ。
葛藤なしの人と葛藤ありの人
深める佐藤 シュッシュじゃないんだよ。
深める佐藤 そこは、まあまあまあ、みたいなさ。いやそこなんだけどなーって。
深める佐藤 そう、だから、とにかくその、設定はあるんだけど、葛藤がなくなって個体が出ちゃってるっていう、その状態に、
深める佐藤 だからある種、何と何が戦ってるかって葛藤なしの人と葛藤ありの人が戦ってるっていうことで、で、何としてでも俺らは葛藤ありを勝たせたいわけですよ。
深める佐藤 そうです。
深める佐藤 だって、そこ、そこに、心あんのかないのかって想像することにこそ心が宿るし、わかんないなって俊潤することが人間性だったりするじゃん。
深める佐藤 うん。
深める佐藤 殺したいやついるよね。てか殺したいって思ったことあるよね、人を。別にそんななっちゃうから。
深める佐藤 あのー、重い話じゃなくてさ。
深める佐藤 怖いこと急に。
深める佐藤 普通にまあ、なんかこう、嫌なやつだなー、なんかビンタしたいなーとかね、ぐらいのレベルでもいいんだけど。
深める佐藤 まあまあ。
深める佐藤 でもしないじゃん、基本的に。
深める佐藤 しないしない。
深める佐藤 葛藤してんじゃん、そこは。
深める佐藤 うん。
深める佐藤 なんかその、こう、葛藤を大事にするっていうことを、なんとかこう、みんなで共有していけないかなっていうふうにもやっぱ思う。
深める佐藤 うん。苦しいよ、それはそれで。
深める佐藤 いやそうね。
深める佐藤 葛藤、だからその二階堂不眠の夜も、もうそれに耐えられなかったっていう、耐えられなくなりつつあったっていうことなんだろうけどね。
深める佐藤 だからもう葛藤せずに本音とバーみたいな感じで、あの、めちゃくちゃ傷つけるっていうね。
深める佐藤 うーん。
深める佐藤 あの、そういう人、SNS上とか結構見たりすんだよな。
深める佐藤 ああ、どう、どういう。
深める佐藤 で、なんかもう、自分はストレートなものを言いますか、みたいな。
深める佐藤 ああ、はいはいはい。
深める佐藤 みんなはなんかそういうのを。
深める佐藤 その、忖度して。
深める佐藤 気づかず、気づかずやってくるけど、かなりタッチが悪いみたいな。
深める佐藤 ああ。
深める佐藤 でも自分はもう、好きな人だけ寄ってくればいいし。だけど、だからストレートなものを言いますみたいなのは、結構よく見るなって思う。
深める佐藤 でもなんか、それもさ、すげえ多分さ、傷ついてるんだよね。なんでそんなファイティングポーズ、SNS上って多いよね。なんか、なんでそんなファイティングポーズずっと撮ってんだろうっていう。
深める佐藤 その、いやいやでもそれ、それって攻撃されてるからだよね。傷ついてきたからだよね。
深める佐藤 二階堂文人と一緒だよ。他人のなんでもない一言がやっぱ自分の対する攻撃になってる。それは多分、あの二階堂文人の横に、で言えば家庭環境かなってちょっと思ったし。
深める佐藤 まあそうだな。
深める佐藤 土台となるものを作ってもらえなかった。無条件なアイテムを得られなかったっていうことによって、虐待とかもそうだし。
深める佐藤 あるいはものがパンチに見えてしまう。なぜなら、それ触ったら死んじゃうっていう防衛反応が働いてるからっていう。
二階堂文人の葛藤
深める佐藤 当たったら死ぬっていう風に見えちゃうんだよね。
深める佐藤 当たったら死ぬような致死性のパンチをずっとこう、ずっとそれが来てるように感じるし、来てない時も来るんじゃねえかって怯えてるっていうことだね。
深める佐藤 でもギリ、ギリ大丈夫だったんだよ。葛藤し続けたっていう。
深める佐藤 葛藤しろよって。
深める佐藤 でもさ、これさ、話ちょっと前後するんだけど葛藤しろよなって思うわけなんだけど、やっぱ俺の中でも葛藤してて。
深める佐藤 じゃあ佐藤くん、お前葛藤しろよって言えんのかって言ったら、やっぱりね、あのシーン、すごい重要というか一番ショッキングな、
閉じ込められてる施設の利用者の人、たかしろさんって、ずっとあの部屋は閉まったまんまなんですっていう大きな音がしたから見に行かなきゃってなった、あのシーンで、
深める佐藤 まあ、開けてみたら、たかしろさん。
佐藤 糞尿まみれの部屋で。
深める佐藤 壁になすりつけて、あれもまあよくあるんですから、なんか変な話が、聞いたことあるなっていう痛ましい話だったんですけど、それでこう、自分のこの股間を触っていたっていう。
の時に。 自分に置き換わる。
そう、自分に置き換わってるんだけど、あの時実は、あの師匠と、踏みの方の横は、これは見ちゃダメですっていう。
踏みの方の横が、出して、2人は出てったんだよ。
そこは直視しなかった。
でも、佐藤くんはそれを直視したし、その前段階からじわじわとさっきの悪職員たちにさ、
佐藤 あいつらなんじゃないの?
そうそうそう。紙芝居捨てられるときにね。お前もあいつらと同じなんじゃないか、ヘラヘラし合ってみたいな感じのこと言われるというか、どんどんじわじわさ、追い詰められ、
そして、そしてあれを見たときに自分が、もうそうなのかってなったときに違うってなって、あそこで葛藤をやめたんだよ、たぶん。
それまでは、いろいろ、まだいろいろカットできてたっていうか、その優しい部分とかもあったりしたのが、
あそこで入っちゃったっていうかさ、ところがあって。だからその、なんつーのかな。
だからやっぱ被害者でもあるっていう風に言わざるをえんのよね。
それこそさ、さっき言ったさ、二階堂文の陽子の方は家庭環境によってっていう、DVみたいなことだよね。
逆体みたいな、家庭内の。で、これ比喩的に言えば、
社会が親、親っていうかこう、上側にいて、そっからずーっと絶えず絶えず、経済的に有用じゃないやつはいらない。
とか、もっともっと価値を上げろ、自分の。
それはつまり尊敬されたり、お金稼いだみたいな感じのことを、いわば擦り込まれてるわけ。
親のように。
しばやん 本来であれば社会から受け入れ、無条件で受け入れられないといけないだけ人権があるんだから、
無条件で、あの別にお金はせごうか、稼いまいが認められるべきって憲法に書いてるはずなのに。
そう、憲法に書いてるはずなのに。
しばやん 憲法って建前ですよねってなっちゃうっていう、傷つきすぎると。
だからでも、敵はすごい外側にいるような気がするっていうのはあるんだよな。
ちょっとごめん、さっきからでもっていうのを俺は何度も再言ってる。
しばやん でもね、佐藤くんはそういう意味ではまだ幸せだったと俺は思うんだよ。
だって恋人いるじゃん。
あんだけ理解しようとしてくれるし、一緒に幸せな人生を送りたいって言ってくれる、ストレートに伝えてくれる病院に就管されて、
そういう事件を起こすかもしれないとか言ったおかげで、本人も精神病院に1回就管され、出てくる時に迎えに来てくれる恋人。
特に理由も聞かずに、一緒に、それで環境立つとかもなく、多分いいとこいっぱい見てるから、一緒にいてくれたんでしょう。
そうね、多分ね。
と、一緒に答えを導き出さなかったっていうのはやっぱり佐藤くんが悪いよ。
これどういうこと?チンチンになってんの?今不思議なタイミングでチンチンに2人がなってますから。
いや、そうなんだよ。
そうなんだよ。だって、その卑怯じゃん、やっぱ。
そのとおりだな。
それこそ、あんだけ手を差し伸べてくれるし、理解もしてくれる恋人に、一切そのことも相談せず、
一応自分の自尊心というか、自分の気持ちを保つためだけに一応伝えたっていうことにしたいがために口でだけ言って。
そうか、そういうふうに確かになってるな。
それは愛の行動では全くない。自分のためだけ、それは。
相手が耳聞こえないの分かってて、一応言いましたっていう、実績解除するためだけに伝えましたっていうさ。
それはやっぱ、いくら社会がそのさ、やっぱりそういうふうに詰めてきたとしても、まだギリギリの段階で支え合える相手がいたのに、
その人に相談せず、自分で検診をして、あの事件を起こすっていう、いわばもう完全に隠してるわけじゃん。
それは卑怯だよ。卑怯だぞ。
そうだなー。
それは言い訳のしようがないと思う、俺は。さっきのに繋がるけどね、そのやっぱ、お前も幸せにならないとその理論破綻してるからっていうのもあるし。
だから、社会の声が聞こえてるっていう現状がありながら、国のためであるって言いながら実は、実はあいつはやっぱり一人だってことだね。
自分のことしか考えてなかったし。
一人の国。
一人の国。
一人の国になってる。
まあそうだなー。
そこはもう否定したい、俺は明確に。やっぱり認めない。私は認めない。
そう。
自己責任と社会の価値観
いやでももう一個やっぱ別の角度パンチとして。
はいはいはい。
いややっぱり、パンチ当てる相手がおかしいっていうのも一つ俺の言うときたいっていうことだよね。
そもそもおかしいっていうこと。こんなに有用性で悩まされなければならないというか。
内面化してるから自分が悩んでるんだけど。
しかもこう、社会は上手いわけ。もう自己責任のやつって。
いうふうに言ってくるでしょ。それはあなたが選んだんでしょっていう。
チャンスはいくらでもあったでしょ。選択肢もいくらでもあったでしょ。
じゃあやっぱり自己責任だよねっていう。あなたがそれを選んだんだよね。
選ばされたとか言わせませんからねってカッコでついてくるのだが。
これもはや妄想みたいなもんなのかもしれないけど。
なんで人間の価値を社会に決められなきゃいけないんだよっていうところでもあると思う。
もっと直接的なこと言えば、私には価値があるってどうすればこんな社会で思えるのかどうかっていうことだと思う。
思えないようになってんだけど、そういう親だからみたいな。
でもなんかそこは、社会を変えるのは想像できないことだし難しいんだけど、
一歩引いてみるっていうかさ、今これ何やってんだっけ、何やらされてんだっけ、そして自発的にやってんだっけっていう、
その有用性レースみたいなやつ。そんなところに人間の本質はないっていうふうに、
自分で認識して、自分には生きてる価値が、たとえ収入が低くてもとか、特別な才能とかないけどとか。
でもあるって思う。思えるようになるのが、一番のパンチなんじゃねえかって思っちゃうの。
人間の本質とは何か
それはもう、だから俺はこのポッドキャスターでずっと言ってるような気もするけど、やっぱ人との繋がりじゃんって。
友達がいるとか、仲間がいるとか、恋人がいる、家族がいる、妻がいる、夫がいる、なんでもいいけど、それしかなくないって、俺はもう結構諦めてるから。
社会を変えるみたいなのって、そういう親だから、もうしょうがないよねっていう。
毒親なのだから、さらにやっぱその、貧しくなっていくわけでしょ、日本って。
まあまあまあ、そうなっていくだろうな、おそらくな。
それはもう、もっとこれ進むぜって予感はなんかあるし。
俺個人の話で言えば、やっぱもう、なんかそこに価値はあんまり、価値というか、そこの評価軸で戦う気はないから、
友達がいるとか、周りに仲間がいるっていう、で楽しくやっていく。
それはもう、お互い様で会ったら挨拶を交わすような人がどれだけ多いか、どんな人と繋がれるかしかない。
なーって思ってる。
いやでも葛藤が大事だ。あえてね。
いやでも、それはその通りだし、俺もそう思うし、なんだけど。
この物語での、例えばクミの方の陽子とかさ、もしくは過去の自分でもいいやと思った時にさ、
でパンチが飛んでって、姿勢のパンチがさ、飛びまくってるさ、人に対して。
友達になってきたって言いますかっていうことなのよ。
それこそ君他人事で言ってないのはわかってるよ。
俺もそのメッセージは乗るし、俺も他人事って言うつもりはないんだが、
ただ残酷なのではないですかっていう。
しかもその、いろんな俺らには、俺らが味わってない現実みたいなのが。
例えば佐藤くんでいうところのあのさ、お前もあいつらと一緒なんじゃねえかとか言われたり、
それでその後にどうしても自分は認めたくない。
というかもう社会、悪い意味での社会から見たら、
優良性の一番下だというふうに表せるかもしれないような姿を見てしまうとか、
そういう現実というか、に傷ついてる人たちがいるっていうことでもあると思うよ、この映画のメッセージは。
白球であるっていうのも一つのね、一個乗っかってるのもあるしな。
要は本当にその佐藤くんみたいに、自分は頭が悪いからとか、
もう体を動かす仕事しかできないみたいな。
って思って、いろんなこと諦めて、とりあえず、
障害者施設のところで働くしかないと思ってる人たちもいる。
もちろんそれに誇りとか生き甲斐を持って、
もちろん持ってる。
携わってる人もたくさんいると思うけど、
現状それを結構内面化してというか、もう自分はこれしかできないって思ってしまう。
それこそそういうふうにもう、しつけられてるというか、社会にそういうふうに、
お前はもうだってダメなんだから、もう体を動かす、このぐらいの仕事しか無理だろって、
言われちゃってる人もたくさんいるし。
しかもそういう人たちが言ってみれば、またこう、
葛藤と歩み寄りの重要性
そういうメッセージを再生産してしまうのがあると思うのよ。
あれ、なんか昇平旦那のさ、バイト先のさ、
あの、ビルの管理員の先輩みたいなさ。
お前、だからダメなんだよと言ってくる。
バカだなーみたいな。
そんなの誰も見ねーよーみたいなさ。
あれもさ、あの人も身代によっちゃ、
俺はお前よりは上であるっていうことを言わなきゃ収まらないわけでしょ。
ってことは、やっぱり下だって見られてるっていうような、
上下の判断が常にジャッジメントされてるような気分だってことでしょ。
パンチ食らってんのよ、あれは。身代によっては。
かつては自分も、あの、昇平のように、後から入ってきた後輩の昇平のように、
何か、自分の好きなもので飯食いたいって思ってた。
けど、そう、それは無理だっていう、
しつけをされちゃったっていうことになっちゃった。
かもしんないよね。
だからこそ、それをやろうとしてる人に、
いや、お前まだそんなこと言ってんのかよ。現実見ろよ、みたいな。
うん。
と言ってしまう。
こう、虐待された子が虐待を、っていうような、
あんま軽々しく言うべきじゃないと思うんだけど、
っていう構造になったりね。
あの、いやなんかね、だから、ほんと、
他人事にせずに語ろうと思うと、もう、
わからん。
どうしよう、ほんと。
どうしよう、ほんとに。
どこかにヒントがあるはずなんだけどな、この映画の中に。
あってて欲しいって思ってるのは、俺だけなのかもしんないけど。
いやでも本当に言うと、実は一個あって、
いやまあ、二つあるんだけどね。
めっちゃあるじゃん、お前。
一個はもう鳥谷さんが、
いや、なんていうの、でもやっぱカットしてるから。
カットしてんの?
言いづらい、というかなんか、
鳥谷さんが、一個は鳥谷さんが言ってる通りというか、
一つシーンでさ、
将兵がさ、小田切城が受賞したっていうのを言ったときに、
師匠、奥さんが、陽子が、
私生きててよかった。
あなたが生きててよかった。
っていうこう、
10日で言ってるっていうか、
同じ価値で言ってるっていうか、
気持ちで言ってるっていう。
あれがやっぱ一番効くよね、とは思うよね。
愛ね。
なんだけどそれが得られない人もいると思うし、
あとこうすっごいひねくれた見方をすると、
あれなんか、将兵が受賞したからですか?っていう。
なんかなったりとかね。
いやでもそんな、
それもね、一つ矛盾なのかもしんないし、
俺がひねくれすぎてるだけなのかもしんないけど。
でももう一個あるのは、
本当最後の最後の方で、
寿司屋でさ、飯食ってて、
師匠の方は気づいてなかったんだけど、
テレビ振り返って見るよね。
あの時に、
行かなきゃって言って、
やれることやらなきゃって言ったの。
あの台詞が俺は実はこの映画で一番好きなの。
分かんないじゃん。
特にあのシーンに即して言えば、
あれでその師匠がバーって現場行ってさ、
何ができるか分かんないじゃん。
卵の寿司だけ持ってね。
差し入れするしかないよね。
差し入れするしかないかもしれない。
なんで卵なんだよっていう。
卵なんか普通食わねえだろうとか言って。
食いますって。
また嫌になるかもしれない。
分かんないんだけど、
でもやれることがないって思うのもまた、
これはすごい葛藤を捨てることになるし、
疑問だなと思う。
やれることがないことはないだろう。
どうしたらいいんだろうとか俺すげえ言ってんだけど。
絶えずやれることはなんだろう。
そしてやれることをやらなきゃって思って、
それをちょっとでもいいからやり続けるっていう、
すごい抽象的でキレイごとっぽいんだけど。
でもさ、そこも葛藤なんだけどさ。
葛藤というかいじわるな質問だけど。
お願いします。
やれることをやったのが佐藤くんじゃない?
そこに明確な違いがあるっていう、
佐藤くんがやったやれることと、
陽子師匠がね、
今からやろうとしていることの差は何なんだっていうところを、
明確にしない限りは、
やれることをやるって、
それこそ有用性の話になっていきませんかっていう気はする。
やれることをやらないんだったら、
役立たないってことになっちゃうじゃん。
確かに。
いいパンチ、いいパンチ繰り出すな。
もうボロボロです。
私もうボロボロなんですって。
深める市面は葛藤でできておりますので。
その通りです。
この映画をしっかり見るんであれば、
俺らの中、この番組の中でしっかり葛藤していかないと、
読み取ったことにならない。
って思ったよね、やっぱね。
思ったね。
でもそこに何か差はあるはずなんだよね、
佐藤くんがやったやれることっていうのと、
あの時に、
走り出した師匠がやらないとって思ったこと、
そこには何の差があるのか。
どうぞ。
先生どうぞ。
わしか?
わしの番か?
俺はでもこれがさっきの話でまた戻るというか、
そうなるのか。
自分が幸せになるかどうか。
なるほど。
自己破壊的でもあるわけだ。
そうだよ、だって捕まるのかって自分が犠牲になるつってやったことなわけでしょ。
恋人の期待も裏切り、
自分のためだけを持ってやること。
うん。
ちょっと前に自分たちで幸せになっていこうって、
翔平と話し合って、
決めた、もう2人大丈夫だねって、2人で一緒になっていこうって決めた上でのやることは、
絶対この後師匠がやることは、
翔平のことを裏切るようなことではないはずじゃん。
その通りだな。
あの2人の関係が幸せになるっていう前提でやること。
うん。
っていうところに違いがあるんじゃない。
なるほど。
なるほどつって積化してったけど今。
うん。
いやー、幸せにならなきゃダメだよな。
校長の結論と幸せ
そうなんだよ。
何のために生きてるんですかっていう。
うん。
で、これはまた別の映画の話になるけどさ、
その俺らがこのポトキャスで喋ったの怪物。
あー。
でも。
あれね、怪物の。
怪物の中で音楽室の中で言ってたその幸せっていうのは。
校長先生。
校長先生、先生、師匠とか先生とかばっかだけど。
ほんとだ。
うん。
みんなが言ってたそのみんなが手に入れるものじゃなきゃ幸せじゃないっていうのと同じかなっていう。
結論は校長が教えてくれてた。
何個か前のあの番外編で。
番外編でね。
あー確かに。
あれはつまり自分もだよってことだもんね。
うん。
あー。
でももっと言えばその排除するっていうことが、はそんなもん、本物の幸福じゃないんだ。
ない。
排除するという行為をもってもたらされると思い込んでるお前の幸福と像は。
うん。
最後だから校長が佐藤くんにあのパンチを。
パンチを最後決めて。
あのなんか床をこすってたヘラみたいなのでバーンって。
武器使うなー。
武器使っちゃダメだよな。
なるほど。
いや違うあの時は楽器持ってたから多分。
ホルネぶん殴るっていう。
ホルネ吹いたんじゃないかな。
吹いた音にしようよ。そっちのほうが綺麗じゃない?
KO。
どれでもいいんだけど。
なるほどなー。
自分が幸せにならないものはやっぱ違うよ。
それがやれることだよやっぱってことは。自分が幸せになることがやれることだよ。
なるほど。
終了。
これで勘弁してくださいみたいな。
いやでも今思いついたけどそういうことなんじゃない?
そうだな。そういうことなんだろうな。
葛藤の結論
だからもう現時点で俺らの葛藤のとりあえずのね、これが結論じゃない。
とりあえずの到達点としては。
そうです。
自分が幸せになるっていうことが一番やってた方がいいことなんじゃないか。やれることなんじゃないか。みんなが幸せになるために。
バトル映画風な見立てを俺はしたけど。
しょっちゅうあの師匠と将平があのタッチってやるの。
あーやるって言ってるね。
あれプロレスの交代でしょ。絶対。
そうだ。そうだ。
俺が行くぞっていう。
はいって言ってね。
はいって。はいって言って。
あのあれでしょ。マウントポジションとられてもなんとかロープのとこまで行ってタッチってやれば。
タッチっていう。
そしたら交代だ。
2人で戦ってるっていうことでしょ。監督。
そういうことなんでしょ。
分かったよ俺。
見えてるよ。俺には見えてるよ。
俺には見えてる。
検討違いかもしれない。
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