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2021-01-08 20:16

#11 あなたならどうする?性暴力事件がもし身近で起きたら


無理やり性交などをされた経験がある女性は13人に1人(内閣府調べ)。もし自分にその被害を打ち明けられたとしたら?どうすればいいのでしょうか。レイプ未遂被害に遭い、長きに渡ってPSTDに苦しんできた女性と、彼女が一番最初に被害を打ち明けた友人に、お話を伺いました。被害当時の様子や回復のプロセスについて、専門家の解説を交え、お伝えします。

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PitPaのザ・フォーカスへようこそ。
この番組は、時事問題やカルチャーに焦点を当て、
インタビュー音声をもとに、リアリティが触れる情報を配信していきます。
11回目となる今回、お話を伺ったのは、
性暴力被害を経験、その後の人生が一変した女性、村沢彩子さん。
そして、友人として彼女を見てきた田村雄一さんです。
2人は、性暴力被害の実情を語ってくれました。
もし、身近な人が被害に遭ってしまったら、
自分に一体何ができるのか、そしてどんな状況で起こり得るのか。
これまでテレビのドキュメンタリー番組で、
引きこもりやいわゆるLGBTQなどさまざまな生きづらさを取材してきた
ノンフィクション・ディレクターの吉野和穂が、
性暴力被害を経験した村沢さんの家族の話や
専門家の視点も含め取材した模様をお伝えしていきます。
とりあえず今、レッグを始めておこうと思います。
途中、村沢さんが体験した性暴力被害が詳しく語られ、
生々しい描写が続きます。ご注意ください。
事件が起きたのは2007年のこと。村沢さんは大学2年生でした。
当時、多大学の学生やOBE経営者など、
いろいろな人と交流できるイベントを主催。
授業だけでなく、多様な場で学びを得ようという
意欲的な学生でした。一方、田村さんは学生起業家を目指し、
人脈を広げる中、村沢さんと出会いました。
本当にバイタリティがすごい。
片道2時間って大学を通った後、自分の主催する学会活動の後輩の人たちを指揮して
自分で電話かけたりの営業とか事務作業とかやって、
合間にミクシーのブログを書いて、その後交流会を2軒とか3軒はしごして
終電で家に帰るみたいな。それが苦しそうじゃなく楽しそうに
週3とか週4とかでやってて。
その後、名刺もらった人全員に連絡するとか。
普通にうまめにそういう活動をしてて、私は人の場を作りたくて
こういう活動をしてるんだっていう。そういうのをやっていきたいし
こういう場も作っていきたいっていうところに共感しているところから
スタートしているので。
2人は互いに夢を持ち、切磋琢磨する間柄。
浦佐さんにとっても田村さんは、男女の枠を超えた
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盟友のような存在だったといいます。
学生団体とか、いわゆる学会でいろいろ活動している学生の集まりで出会って
お互いこういうことがやりたいって話とか、すごい真剣にしあったりとか
自分のバックグラウンドとか語り合ったりしてて、すごく信頼してたんですね。
しかし、そんな充実した日々は長くは続きませんでした。
田村さんの元に浦佐さんから一本の電話がかかってきました。
まだ肌寒さが残る4月の夜。大学2年生になったばかりのことでした。
結構本当に深夜ですね。12時近いぐらい。
その時、私は友人の家にいて、そこで電話を取って
これちょっと異常というか、尋常じゃないなと思ってすぐ
友人の部屋を出て、歩きながら状況を聞いて
今どこにいるのかとか、そういう状況とかを聞いたんですけど
それも答えられない状況。地下鉄沿いの多分駅の
あたりの多分道路だったと思うんですけど、確か。
そんなようなことを聞いたんですけど、その当時は
本当に今どこにいるのかも多分説明ができなくて
僕も把握できなかったぐらいの状況だったという気がしてますね。
浦佐さんの様子は普段とはあまりに違うものでした。
一体彼女の身に何が起こっていたのでしょうか。
その日浦佐さんは、とある学生団体の交流会に出かけていました。
そこで一人の男性と知り合ったのです。
OBの人が来て、その人にすごい話しかけられてて
帰り道に、みんなと歩いてたんですけど話してたら
その人と二人ではぐれちゃったんですよ。
飲み直そうよって言われてたんですよ、歩いてる時に。
でも私、明日ミーティングとか朝からあるんで帰りますって言ってたんですけど
それで駅の方に帰ろうとしたら、コートを着ようとした時に
カバン持つよって言われて、それでカバンを渡したんですよね。
ありがとうございますってカバンを渡して
そしたらそのままタクシーに乗り込んじゃったんですよ。
一緒に飲みに行ってくれたら返してあげるよ、バー行こうよって言われて。
浦佐さんは、一杯だけ付き合ってそのまま帰るつもりでした。
しかし、男性が向かったのはバーではなく、自宅だったのです。
結構鮮明に覚えてるんですけど、
これ家だって気づいた時はすごい怖くて、帰ります、私帰りますって言って
本当に無理ですからやめてください、やめてくださいって結構本気で言ってたんですよ。
エレベーター乗って、今度はドアに押し込められて
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もちろん靴とか脱がずにそのまま体触られたりして。
この日、浦佐さんは整理中でした。
下着の中に手を入れて、そのことに気づいた男性は挿入まですることはありませんでした。
しかし、どんなに拒絶をしても、男性はやめようとはしなかったのです。
普通、女の子に迫って、相手暴れられたら
普通は怯むじゃないですか。
あ、ごめんってなるじゃないですか。
でもそういうのじゃなくて、そんなに嫌だ、仕方ないね。
じゃあ駅まで送ってくるよって本当に普通のトーンで
私今すごいひどいことされたよね、みたいになって。
男性は何事もなかったかのように浦佐さんを最寄り駅まで案内し、そこで別れました。
しかし、その時の浦佐さんには普段の判断能力はなく、
駅にいるのに駅名さえ分からない状態でした。
その時にどこにいるかも分からなかったから、田村君に電話して
今どこにいるか分からないみたいな感じで
電話しながら駅の看板見てって言われて、何せいの何なにって
確か田村君の道調べてくれたかなんかで、それで帰ったんですよね。
当時の混乱ぶりは、2人の記憶が食い違っていたことからも伝わってきます。
でも多分1時間ぐらいは話してたんで、気づき変わる前ぐらいですかね、多分きっと。
で、どこにいるか分からないけど、もう話していたらいつの間にか駅があったということで。
駅にはいた。駅の場内で、駅の構内にいたの。
だから私覚えてるのは、多分田村君から伝わってなかったんだけど、
地下鉄の階段の前でバイバイって言って、地下鉄の階段を降りていったんだけど、
降りていった後で意味が分からなくて、どこにいるのか自分も全然分からなくて混乱して
とりあえず田村君に電話した。
そうかもしれない。
駅の中でうろうろしながらずっと電話してた。
そうかもしれない。だから駅の中にいるのに、ここがどこの駅だか分からないっていうので、
どうしようっていう感じだったっていう。
何駅かが分かれば指示もできるしっていうのもあるし。
駅の出入り口の近くの辺りで電話が受けたような、ちょっと記憶にあったけど、中だったのね。
多分なんかずっとうろうろしてた。
うろうろはしてた。
友人の田村さんにとってもショックの大きい出来事でした。
浦佐さん以外にもよく知る友人とかがたくさん話してたんで、
そんな身近なところで、しかもそんな感じで起きるっていうような感じの衝撃も受けて、
あのセミナーでっていう。
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驚きながらも浦佐さんが落ち着くまで、田村さんは電話を切ることなく寄り添い続けました。
実は性暴力を受けた人にとって、田村さんのように一番最初に打ち明ける、
カミングアウトする相手は非常に大きな意味があるといいます。
精神保険福祉士で社会福祉士、性犯罪の再犯防止プログラムにも携わり、
性暴力に詳しい斉藤昭吉先生はこう語ります。
最初にカミングアウトする人の対応が実は一番大事なんですよね。
基本的には言いたくないんですよ、自分が被害を受けたということは。
これを言ってしまうと今までの関係が壊れてしまうじゃないかとか、
そういう恐怖心から言い出せないんですけど、
最初に聞いた人が否定してしまうと、もうそれ以上たぶん口を塞いでしまって言えなくなるんですよね。
だからあなたは悪くないんだ、抵抗できなかったことに関しても、
そういう場面では誰も抵抗できないし、被害を受けたことにあなたに責任はないということを
最初にカミングアウトした人が伝えることの重要性ってすごく大事なんですよね。
最初に話を聞いた人がその被害を否定してしまうことで、時に回復が大きく遅れることがあると言います。
その根底には性暴力特有のある根深い問題があります。
加害者における被害者意識と、被害者における加害者意識という言葉があるんですけど、
加害者って自分が加害行為をしたことへの責任は目を向かずに、
自分だってこんなに大変だったんだからとか、相手にも隙があったんだからとか、
こういう加害者なのに被害者の立場で話すんですよね。
今度は被害者は相手が悪いのは決まっているじゃないですか。
でも私にも落ち度があったとか、こんな価値のない私だから被害に遭ったんだとか、
逆に加害者意識にさいながれてしまって、
それは性が絡む犯罪の非常に大きな特徴、非常に見えやすい特徴かなと。
被害を受けて以降、浦沢さんの日常は一変しました。
PTSD、心的外傷後ストレス障害を発症してしまったのです。
欲打つ、フラッシュバックなど様々な症状がありますが、
中でも彼女を最も苦しめたのが、何の前触れもなく、
意識を失って倒れてしまうことでした。
そんな現場に、田村さんも居合わせたことがあるといいます。
こういった症状は、「乖離」と呼ばれる意識障害の一種と考えられます。
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浦沢さんの場合、意識障害とは、
意識障害による意識を失って、
意識障害による意識を失って、
意識障害による意識を失って、
意識障害による意識を失って、
意識障害による意識を失って、
意識障害による意識を失って、
意識障害による意識を失って、
意識障害による意識を失って、
意識障害による意識を失って、
意識障害による意識を失って、
意識障害による意識を失って、
しかし性暴力被害による生きづらさは、
必ずしも時間が解決するものではありません。
一度症状が良くなっても、
被害に遭った季節が来ると
症状が悪化する人もいます。
本人さえ思っても見ないことが
引き金になるのです。
そんな中、ある出来事がおこりました。
大学3年生になったその日、
授業中に倒れてしまった浦沢さん
その時駆けつけた大学の保健センターの職員は
こんな言葉を投げかけたのです
立てるでしょ立ちなさいよって言うんですよ
あなたのせいでみんなが迷惑してるのよって
倒れてる私を目の前にして車椅子を持ちながら
それを言うんですよ
それって本当にそれをすごく問題だと思ったし
ただそれはあまり大学に問題視もしてもらえなかった
被害のあって症状があって体調が悪いとか
そういうことをひたすら責められる
私の振る舞いのせいにされるというのをずっと繰り返していて
それの理不尽さはすごく引きずっていて
これが引き金となったのでしょうか
体調はみるみる悪化
学校にも通えなくなり
引きこもり状態になってしまいました
被害経験を説明しても
まるで言い訳としか受け取ってもらえないことも
体調管理がなってないとかで
すごく責められたりもするんですね
ただコントロールできないので
これはいけると大丈夫だぞって
完全に思うことができなくて
それがやっぱり一番つらかった
やりたいことがすごいあるのにできない
それをまた無責任ってすごく言われてしまうんですよ
それか病人だから
家から出ないで寝てればいいのにって
倒れたりするぐらいだったらって
それも正論だと思うんですよ
だから引きこもりをやってたわけで
突発的に死にたいと
借り立てられることも多くありました
病院で処方された薬を一気に飲んで
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救急車で運ばれることも少なくなかったといいます
精神的にすごく不安定で
自殺未遂を繰り返してたんですよ
大学4年生は○○1年休学
体調の浮き沈みは激しく
5年目、6年目も
卒業に必要な単位をなかなか取れずにいました
その頃、4年間付き合っていた恋人と
結婚を前提に同棲をスタート
すでに働き始めていた彼に
経済的に頼るしかない状態でした
その頃の浦沢さんの様子について
夫からも話を聞くことができました
依存してしまっていいのだろうかとか
結構悩んだりしてた
自分が例えばあまりお金的に
稼げる状態じゃないのにとか
そういうプレッシャーみたいなものを
結構悩んでいることもあったので
そこは全然気にしてないよっていうことは言ってて
浦沢さんにとって
夫は穏やかな時間を与えてくれる大切な存在
一方で事件前のように
活動的な日々を取り戻そうと焦っていました
そんな思いを感じ取って
いつも励ましてくれていたのが
友人の田村さんでした
その時にやっぱり
そんな素敵なパートナーがね
恋人とか夫がいるんだから
幸せじゃないって結構言われてきたんですよね
だから主婦になって子供を産んで
そうやって生きればいいじゃない
そうやって寝込みながらでも
大切にしてくれている人がいるんだから
って言われたけども
私はその状態に全然幸せだと感じられなかった
周りに恵まれてるし
優しい人たちがいてくれるのは幸せだけども
自分の人生を生きられていない感覚がすごくあって
そういう時に
それで諦めずにちゃんと自分の可能性を
信じてくれてたっていうのが
すごく自分の中で一番大きかったんですよ
死にたい衝動が起きた時など
田村さんと長電話して
支える力を分けてもらうこともありました
次第に浦沢さんは
被害者や支援者とコンタクトを取ったり
家の中で踏み台昇降運動をして
体力維持を図ったり
周りに支えられながら
自分の生きる道を模索するようになりました
そして2013年
25歳の時
浦沢さんは7年かけて大学を卒業
現在PTSDの症状は落ち着き
本来やりたかったことを
スタートできるようになったといいます
それは人と人をつなぐ居場所づくり
浦沢さんは
自分のように被害に遭った人でも
安心して
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辛さを語り合える場を目指していると
前を向いています
今回は13年前に性暴力の被害に遭った
浦沢さんのケースをお伝えしてきましたが
果たして性暴力被害は稀なものなのでしょうか
内閣府による2017年度の
男女間における暴力に関する調査によると
無理やり性交渉などをされた経験を持つ女性は
13人に1人
そしてそのうちの半数以上の人が
被害を誰にも相談していないことが分かりました
密かに傷を抱えている人は
少なくないのかもしれません
もし身近な人が被害に遭ったら
どうすればいいのか
最後にお話を聞いた専門家
斉藤先生の言葉を聞いて
お別れしたいと思います
無関心は間接的に加害者に加担している
今回は性暴力被害に遭った女性と
その家族・友人の声を
ノンフィクションディレクター
吉野和穂が取材しお送りしました
ナビゲーターはフリーアナウンサーの
池田恵美でした
ザ・フォーカス
この番組は
番組の感想・リクエストは
詳細欄のURLよりお待ちしています
それではまた
次回お会いしましょう
20:16

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