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2023-07-12 21:38

#021 偉大な組織の最小抵抗経路とは何か

番組ホストで株式会社KabuK Style COO兼CTOの後藤秀宣が「偉大な組織の最小抵抗経路とは何か」についてお話しします。

<紹介書籍>

『偉大な組織の最小抵抗経路』ロバート・フリッツ

<トークテーマ>

・組織の動きの根本原則

・コンウェイの法則

・7つの組織構造の法則

・緊張構造と葛藤構造

・現場の問題と会社の問題

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#EM問題集

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サマリー

株式会社株区スタイルの後藤英乃さんは、ロバート・フリッツの「偉大な組織の最小抵抗経路」という本を紹介しています。この本では、組織の構造や動きの特性に関する法則が説明されています。これらの法則を理解することで、マネージャーの方々にとって役立つ知識を得ることができます。また、組織における問題や変革に対処する方法も紹介されています。組織の構造が葛藤構造のようになってしまうと、問題解決が難しくなり、抵抗が生じます。しかし、緊張構造に支配された状態では、問題解決がスムーズに進みます。

ロバート・フリッツの「偉大な組織の最小抵抗経路」とは
株式会社株区スタイルの後藤英乃です。
この番組では、エンジニアリングチームで起きている問題について、
技術、組織、ビジネスといった複数の観点で深掘りし、問題の正体へアプローチしていきます。
今回のテーマは、偉大な組織の最小抵抗経路とは何か、です。
実はこれ、書籍のタイトルなんですけれども、
本日は私がマネージメントに関して、結構ヒントを多くもらった本について紹介させていただきたいなと思っております。
エンジニアリングマネージャーの問題集。
では本日は本の紹介をさせていただくということで、
改めて今日紹介する本のタイトルは、偉大な組織の最小抵抗経路という本になります。
著者はロバート・フリッツさんですね。
この本、軽くどんな本なのかというところを数秒で説明すると、タイトルにもある通り組織の本です。
組織の構造と、それからその組織の構造によって導かれるというか、影響を受けるような組織の動きの特性というんですかね。
ここがいくつかシンプルな原則のような、法則のような形で書かれている本です。
はい、という感じで本について今日は語っていきたいと思っています。
最初に、何で私がこの本を紹介するのかというところからお話しします。
おそらくこの偉大な組織の最小抵抗経路という本について聞いたことがある方って、ほとんどいないんじゃないかなと思うんですよね。
私もツイッターとかで眺めてても、この本に言及されている方って全くと言っていいほど見かけないというか、
そういった感じなんですけれども、ただ私はこの本に出会って、すごく目が開くというか、そういうことだったんだというふうに思うところがあって、
私がマネージャーとしていろいろな仕事をする中で、特にその組織の動きというかチームの動きというか、
そういうことに関係するような仕事をするときに、たびたびこの本の内容を振り返って参照したりしているので、
そういう意味ですごく僕にとっては役に立っているというか、マネージャーの支えになっているような本だったりするので、
ぜひ他の皆さんにも知っていただきたいなと思って、今日はこの本を紹介することにしました。
もう少し前振り的なお話をさせていただくと、実はこの本に書かれていることって、もう明日から使えるTips集みたいな感じではないんですよ。
どちらかというと、組織、生命体のようなものというか、そういったものが自然と取ってしまうような行動原理というか、
そういった本質的なことについて書かれているんですね。
なので、それがわかったからなんだという気もするんですけれども、
そういった深い理解があることで、その理解というかその特性に合わせて自分の動きのタイミングだったり、
その動かし方というか、そういったところをチューニングすることができる、うまくいくやり方に調整できるという感覚があります。
こういったレイヤーの話って、世の中に数多くはないのかなというふうにも思ったりしているんですが、私自身はやっぱりすごく好きな部類の話なんですよね。
本質的なことをやっぱり知りたいというか、本質的なことって結構長い期間にわたってだったり、
時と場所を変えても役に立つみたいな原理だったりするので、そういうものを銀の弾丸的に知りたいというわけではないんですけれども、
やっぱり自分にとって心から納得でき、かついろんな場面で役に立つものであると思うので、そういったものにとても興味があるというところがあります。
似たような部類の話として、こちらはより多くの皆さんが知っているものだと思うんですが、
本というよりは法則としてなんですけれども、コンウェイの法則というものがあります。
私のこのポッドキャストでも何回かこのキーワードを出したことがあるかなと思うんですけれども、
コンウェイの法則っていうのは、組織をある構造に分割すると、
その分割された構造に沿ったソフトウェア設計を作りがちになってしまうというような法則ですね。
おそらくコンウェイの法則っていうのは、私の解釈でいうと、
人間の脳の構造というか、もうDNAにそういうふうに刻まれてるんじゃないのかなと思うんですよね。
ある集団に一定部分最適化されたような形を生み出しやすいというか、そういうふうに生み出す方が楽なので、
簡単に言うと、その楽な方に沿った形のものを生み出すということなんだと思うんですよ。
コンウェイの法則の話しだすと、私も止まらなくなってしまうので、今回はこれぐらいにしたいと思うんですが、
そういった本質的な動き、DNAレベルだったり、人間が集団として取ってしまう行動というか、
そういう部分の理解を深めておくことで、やっぱりマネージメントにも役に立つのかなと思っています。
組織の構造と動きの特性に関する法則
この本に書かれている内容なんですが、まず7つの組織構造の法則が提示されていて、
それぞれの法則がどういう観察から導かれているのかだったり、
その法則を使ってどういうふうに組織を動かしていくのか、どういう問題に対処するのかといったことが書かれています。
7つの法則を軽くここで紹介させていただきます。
全部組織構造の第何法則のような形で書かれていて、
1つ目の法則は、組織は揺り戻すか、あるいは前進するという法則なんですね。
この揺り戻すというのは、変革みたいな問題があって問題を解決するプロジェクトを進めたとしても、
それがどこかで立ち行かなくなって元の状態に戻すことを揺り戻しと言っていて、
そういった揺り戻しが起こるのか、あるいは完全にうまくいって前進するというどちらかです。
ただそれだけのことを言っているのが第1法則ですね。
第2法則は、揺り戻す組織では成功が相殺される、前進する組織では成功が持続する。
これ私がさっき説明したことをそのまま言っているのが第2法則ですね。
揺り戻しと前進がどんな時に起こるのかというのをブレイクダウンして言っているだけです。
第3法則は、ここでちょっと新しいことが出てきますが、
組織構造が変わらなければ組織行動は元に戻るという法則で、
これは組織の構造と組織の行動ですね、動きに関係があるよということを言っていて、
構造が同じであれば組織の動きというのは変わらないんだよと、元に戻っちゃうんだよということを言ってますね。
第4法則は、組織構造が変われば組織行動は変わる。
この第3と第4は通用なしでいて、当たり前のようなことを言っているふうにも聞こえますよね。
次に第5法則ですが、ちょっとここでまた新しい言葉が出てきて、
緊張構造が組織を支配しているとき、組織は前進するというもので、緊張構造というのは悪いものではなくて、
実はこの本では緊張構造はとても良いものだとして出てきているんですけれども、
組織を動かす理由みたいなものですね。
本来あるべき姿と現状との間にギャップがあると、そのギャップが緊張を生み出す。
その緊張自体が組織の行動を導くモチベーションになるよというところで、
その緊張構造というのが支配的であるときには、組織は変革し続ける、前進すると言っています。
逆に第6法則の方では、葛藤構造が組織を支配するとき、揺り戻しが起こると言っていて、
この葛藤構造というのが緊張構造と通用なしで説明されている組織の構造なんですけれども、
葛藤構造というのはギャップがあるにはあるんだけれども、
そのギャップが多くの組織でそうなんですが、一つではなくて、
あるべき姿だったりどうありたいみたいなものが複数の軸に存在していて、
それぞれが一つの目標が達成されると、他の目標の方が悪い状態になってしまうとか、
そういった構造がある場合ですね。
というときに葛藤構造が組織に存在すると言われていて、
このときは当然のように、一つの問題を解決しても別の問題がより顕在化してしまうために、
揺り戻しが起こってしまうということを言っています。
最後、第7法則ですが、組織構造が不適切な場合、直すことはできない。
その代わり、不適切な構造から適切な構造に移行できると言っていて、
この第7法則だけちょっと違う種類のことを言っていて、
どのように組織構造というところに手を入れていくのかというような話になっています。
こんな感じで法則が述べられていて、ここにこれを説明している本ではあるんですよね。
もしかすると、この法則だけ皆さん聞いても、
すごい当たり前のことを言ってるだけやん、みたいに思われる方もいるんじゃないかと思うんですけれども、
僕はこの当たり前に聞こえることにものすごく価値があるなと思っているんですよね。
それって何でかっていうと、当たり前に感じるっていうことは、
この言われている法則っていうのが、私たちが普段すごく目にしているというか、
そういうことが起こるということが、法則と言われなくても、
体の中に、頭の中にというか、本能的にそうなるものだと分かっているぐらいのレベルの当たり前さってことだと思うんですよ。
それが改めて言語化されて書いてあるので、
なるほどこういうことが組織というものに対して起こるんだなっていうことに対して、
自覚的になることができるかなと思うんですね。
かつ自覚的になった法則っていうのがものすごく強いというか、
当たり前レベルなので、ここに書かれていることに逆らうことはできないんだなっていうぐらいの当たり前さなんですよね。
そういう意味で私はこういった法則を目にすると、
改めて自分の周りで起こっていることが、
こういう法則のもとにあの時のあれは起こってたんだなとか、
そういうふうに思い返すことができたりするんですよね。
なのですごく、僕にとってはとても新鮮に映るという意味でもあったりします。
一旦書かれていることはこんな内容というところですね。
法則の活用方法とまとめ
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実際じゃあこの法則、当たり前すぎるように感じるこういった法則なんですけれども、
どうやって使うんですかっていうところです。
僕自身もこの法則を極めましたみたいなレベルでは当然ありませんので、
日々いろんな問題に向き合うときにこの法則を見返して
どういった対応の仕方がいいのかなっていうのを
試行錯誤しながら取り組んでるっていうような感じですね。
この本じっくりまた読んでいただきたいところではあるんですが、
組織の葛藤構造と緊張構造
僕がすごく面白いなと思っているものを毎回参照する内容が一つあって、
この法則に直接書かれているわけではないんですけれども、
すごく大事なのがいくつだったかな。
第5法則と第6法則で言われている緊張構造と葛藤構造の部分ですね。
組織の構造が葛藤構造のようになっていると、
せっかく問題解決みたいなことをして解決したと思っても、
自然に元に戻ってしまったり、別の力によって元に戻されたりといったことが起こってしまうので、
やっても意味がなかったり、押し進めるときにものすごく抵抗にあったりするという傾向があるパターンだと考えています。
一方で第5法則のような緊張構造に支配されたような状態で物事を進めると、
ものすごくスムーズに進むとか、何なら成果が大きく出るだったり、
結果は同じでも周りから評価されやすいとか、そういうこともあったりするかなと経験的にも思っています。
ここに照らし合わせて考えるということをやるんですけれども、
緊張構造なのか葛藤構造なのかは非常に一別してわかるものではなかったりするので、
ここは組織の状態をよく見極めないといけないところかなと思っています。
組織の課題解決のアプローチ
やっぱりよくあるのが、問題を見つけてその問題に飛びついて解決しようとしても、
現場ではすごくその問題に悩まされていて、
一部のチームだったり人はすごく困っていると。
でも会社としてその問題を見たときに、今その時点ではもっと大きな課題みたいなのに取り組んでいて、
その現場で起こっている問題っていうのは、いずれより大きな問題になるんだけれども、
会社全体としてはまだ取り上げるフェーズではないということがあるかな、よくあるかなと思っています。
こういったことが起こったときに、これは全ての会社において成功するパターンとは言いませんけれども、
やっぱりよくそういった状況を見極めて、まずは会社のビジネス的な成功だとか、
会社が考えている優先度の高い事項に一旦フォーカスをした後に、
現場の問題、こちらが会社観点からすると一旦は優先順位が低いとされていたものに対して、
いずれ会社観点での優先順位で高いというふうに評価されるような準備っていうのを進めますね。
例えば組織のフェーズが変わってきたから、ソフトウェアをただ機能を作り上げるだけではなくて、
メンテナンス性だとか、そういうことを高めていかないと、この先のフェーズでビジネスに悪い影響があるよ、みたいな話とかがよく出てくるので、
そういったストーリーと現場の状況、会社のある状況っていうのを結びつけて、
現場で起こっている問題がより会社の問題として重要な問題となるようなストーリーの準備だったり、
エビデンスの準備だったりっていうことをしたりしますかね。
その後、会社の一旦の優先順位の高い問題が解決された後で、
現場で見えていた問題に対して会社のフェーズだとか、そういったところの理由付けから会社全体でそういった問題にアプローチせねばならぬという、
モーメンタムっていうんですかね、最近よく使われる言葉で言うと。
現場だけで解決するっていうよりは、会社全体としてそちらの方向を向いて、そういった問題に対処していきましょうっていったような、
何らかのムーブメントみたいなものを、今であれば私はCTOだったりするので、私の決断で作ったりだとか、
もしポジションが違うのであれば、しかるべき人たちとコミュニケーションして解決したい問題が一定、会社として重要な問題である、
全員がそちらの方を向かねばならないっていうような状態を作るように、何らかの行動をします。
そういった方向性ができることで、現場の問題、現場の組織構造とは別にその下流というか、冗談というか、上か下かは何とも言えないんですけれども、
現場の構造よりもより強い構造として、あるべき姿と現状との間のギャップっていう、より強い緊張構造っていうのがベースとして作れるんですよね。
そのベースにある緊張構造に乗せることで、現場レベルのことは多少揺り戻しとかが起きるかもしれないけれども、
でも全体としてはもっと大きな緊張構造に乗っかるっていうことができるので、変化が持続するっていうような力を生み出すことができるっていうような感じかなと思って。
毎回うまくいくわけではないし、状況も違うんですけれども、ある程度この考え方に沿って物事を進めることで、
やる必要があるのにいつも反対されてばっかりだなっていう経験は少なくなってきているかなと思っています。
このポッドキャストの中ですと、なかなかこの本に書かれているいろいろ有益なエピソードとかっていったところは紹介できないので、
ぜひ皆さんこの本を少しでも手に取ってみて読んでみていただけるといいなと思いますし、
そこから何かを読み取ってご自分のマネージメントに生かしていただけるといいんじゃないのかなと思っております。
はい、というわけで今日は偉大な組織の最小抵抗経路という本について紹介させていただきました。
マネージャーの皆さんすごくたくさん本を読まれている方も多いんじゃないかなと思います。
私もあの例に漏れず、いろんな本を買って積んだままになっている本もいっぱいありながら、何度も手に取って読んでいる本とかもあったりします。
皆さんに知ってほしい本だとかはまだ何冊かストックを持っているので、こういった場で皆さんに少しずつ紹介できるといいなと思っております。
さて、この番組では感想や質問、リクエストなどお待ちしております。
番組詳細欄にあるリンクよりお気軽にご投稿ください。
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EMはアルファベット、問題集は漢字でお願いします。
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お相手は株式会社株式スタイルCOO兼CTOの後藤秀之でした。
21:38

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