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2022-05-13 12:58

今日の10分de1テーマ「荘子はフリスク」

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本職は編集者のエイドリアン太郎が1日1テーマを決めて10分話すpodcastです。 ※ご意見、ご感想、質問や話のお題などありましたら eidoriantarou@gmail.com へお便りください。 [beats by P.J INLAND]

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はい、というわけで、昨日の続きなんですけど、そんな感じですね。
まあ、朱子薬科の本というのは、読んでみるとどれも結構面白いなとやっぱり思いましたね。
その、なんですけど、掃除もですね、すごい面白くてですね。
あと何だろう、面白いなと思ったエピソードで言うと、無用の用っていう話があってですね。
それはその、超でっかい大木があってですね。
寺かなんかの脇にすげえでっかい大木があって。
で、まあその、わりと賑わってると。すげえでかい木だみたいな感じで。
でですね、すごいでかい木ですねみたいなことを言ったらですね、その木を見てたその大工がですね。
あの木はマジで使えない木なんだと。
その、ボコボコいっぱいですね。このウネみたいなのもたくさんあるし、枝も細いしですね。
何の役にも立たないから、切らずにただでかいだけなんだよね。
でかいだけで何の役にも立ってないですみたいなことを言うんですけど。
何の役にも立ってないからこんなに大きくなれたんですねと。
伐採されたりとかせずにですね。
生き延びでこんなにでかくなれたんですねみたいな話があってですね。
これも結構響きますよね。
普通に会社とかで勤めてるとですね。
こいつ有能だって思われたら使われ倒すみたいなところがあってですね。
ヘトヘトになるみたいなこともあるわけですけど。
でですね、無用だとですね、のびのびと育つことができるんですよね。
生き延びることができると。
それ自体もですね、それでいいじゃんって言ってるような話でもありますし。
あとですね、無用なものがあるから有用なものっていうのが存在するんだと。
物事を区別して上下つけたりするのは良くないけど、お宅らはそれどうしてもやっちゃうんでしょと。
そうやってね、あれは有用じゃないと。
俺たちは有用だみたいな、こっちは有用だ、あれは有用じゃないみたいな区別から
どうせ逃れられないんでしょと。
だけどその無用なものっていうのを排除してしまって有用なものばっかりになったら
区別がつかないじゃんと。
そしたらあんたらは自分のことを有用だとかね、あっちが有用だみたいなことも言えなくなっちゃうよと。
ってことは無用なものも有用じゃんみたいな感じなんですよね。
こんな感じでですね、思い込みみたいなものを揺さぶってくるんですよね、ストーリーで。
それはすごく面白いわけですけど。
僕が今回読んですごく響いたのはですね、
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以前ウィルスミスがアカデミー賞でパチンって平手打ちした時の話をした時にですね、
あの事件に対してウィルスミスは奥さんに対してこうすべきだった、ああすべきだったみたいなことをたくさんこうすべきだった、
こういう考え方、今のジェンダー的な感覚で言ったらこうすべきでしょ、ああすべきでしょみたいなこととかをたくさん言ってる人がいて、
それ見ててちょっとうんざりするというか、その時はしてですね、
この区別がどんどん増えてると。
その一つ一つの区別のですね、正しい取り扱いっていうのがどんどん増えてってるんだと。
そうなるとですね、これはいわゆるもしかしたらポリコレ批判みたいなことなのかもしれないんですけど、
そうなるとですね、なんかこうイメージコンサルタントがついたですね、有名人みたいにみんなが震わなくちゃいけなくなってくると。
こういう時は奥さんの手を取って二人でカメラの方を見て、奥さんの方に15秒に一回目線をやりながら、
カメラに向かってとつとつとゆっくりとこのセリフを喋ってください、そしたら炎上しませんよみたいな、
そういうですね、世界に突入してくれたらほんと勘弁してほしいと、っていうような感じですね。
だからその時に確か区別に対して鈍感になった方がもっといいはずなんだよなっていうような話をしてたんですよね。
そんなことをその時は思ってたんで、この操縦の差別が良くないというよりは上下つけるのが良くない、区別つけるのが良くない、
物っていうものが存在するのも良くないと思い込んでるのも良くないみたいな、それぐらい解体していく考え方ですよね。
僕らの思い込みみたいなもの。
それが読んでて気持ちいいわけですよね。
なんでこういうのがすっと気持ちいい、フリスクみたいな清涼感っていうのにつながるのかっていうとですね、
パーソナリティでもなんでもいいんですけど、そういうものがバババババッと増えていって、
その正しい取り扱いみたいなものがそれぞれにガーッとたくさん用意されているっていう状態になるとですね、
それらを全てもう分かっているのが普通ですよね、今のみたいな。
それ分かってないと、今どきまだそんな感覚なんだみたいな感じになって批判されたりするというようなことだったりとか、
あとはですね、有用であるということが求められるというか、
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今ね、この混沌とした社会で生きていくには、
金融の知識、なんたらの知識、なんたらなんたら、そして行動力、そしてなんたらコミュニケーション能力とかなんかわかんないですけど、
みたいなものがですね、たくさん求められるものもなんかすげー増えている感じがすると。
そうなるとですね、つまり普通である、それが普通みたいな感じになっていくと、
普通であることの難易度が高くなっているなというふうに思うんですよね。
これがですね、ちょっと気づいたのがですね、最近の作品を読んでいると、
普通になれない自分を悩んでいると、主人公たちが。
なんで僕は普通じゃないんだろうみたいなことをですね、悩んでるんですけど、
20年くらい前の作品、もっと前の作品とかはですね、
俺ってなんで普通なんだろう、なんで俺は特別じゃないんだろうみたいなふうに悩んでるんですよね、主人公が。
だからですね、そこの悩みの質、自分が普通ってものに対して、
すごい高いハードルのある、必死になろうとしてもなかなかなれないものなのか、
それが当然自分は普通であって、それ以上になれないなと思っているのかっていうのがですね、
ここ本当に10年、20年でも変わったなって思ったんですよね。
僕が大学生の時に読んだ小説なんですけど、
安倍和重さんという小説家のアメリカの夜というデビュー作があってですね、
すごく薄い小説なんですけど、それを読んだ時にすごく共感したんですよね。
芸大だか美大だか通っている映画好きの青年みたいな感じでですね、
僕は美大には通ってないですけど、自分みたいなキャラクターがいてですね、
ある種、頭の中でくすぐる理屈をこね回しながらですね、
あいつはああ言ってるけど、それは違ってて、俺はこう思うから俺の方が正しいんだみたいな感じのですね、
頭の中がこんがらがってるというか、
ただの多分学生だったりとか、アルバイトやってるとかそんな感じだったんですよね。
それがクライマックスでですね、すごく難しいペダンティックというか、
いろんな知識とか理屈をこねくり回してずっと語ってた主人公がですね、
クライマックスにボソッと特別になりたいって言うんですよね。
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それがですね、すごい響いたというか、
まあそうだよね、結局たくさんですね、
映画見てサブカラーも抑えて、それに対してこういう思いも巡らせててみたいな、
そういうところも目を光らせてみたいなことを、
なんでやってるの?なんでやってるの?というか、
なんでやってるのですかね、なんでやってるの?って言われたらですね、
全ての教職を玉ねぎの皮みたいに全部ひんめくったらですね、
特別になりたいからですっていう答えになるよねみたいな感じでですね、
見透かされたみたいな感じもするし、
その荒れもなさみたいなところがすごい良いなと思ってですね、
ドキッとしてかつ共感もしたんですよね。
そこから読み返してないんですけど、今どう思うのかわからないんですけど、
僕その時はすごい好きだなと思ったんですけど、
あれはですね、どうなんでしょうね、
たぶん今とかはもしかしたら共感されないのかもしれないなってちょっと思いましたね、
普通であるってことがすごく難しい、
特別になりたいというような気持ちも、
もしかしたらそんなにみんな持ってないのかもしれないというか、
ちょっとわからないですけどね、
話どんどん逸れてますけど、
僕は大学生くらいの時、20年くらい前とかって、
サブカルがまだすごい勢いがあってですね、
サブカルって結局俺は違うんだ、周囲とということを保証してくれるものみたいな感じとして機能してた気がしていて、
サブカルみたいなのがどんどん衰えていっているっていうのはですね、
特別になりたい、自分は他人とは違うんだっていう欲求自身がなくなっているのかもしれないなと思いましたね、
今ちょっと適当に話したのはあれですけど、
むしろなんとか普通に追いつくためにはみたいな感じで、
すごくたくさんの区別の取り扱いを抑えていって、
かつちゃんといろんな人が有用か無用かみたいな感じで区別してくる目線に対しても、
自分は有用であるということを証明し続けなきゃいけない、みたいな世界線になっているのかなと思いますね。
多分だからそんな中でですね、このソウジとかを読むとですね、
ソウジの多分めちゃくちゃ、それこそですね、すべての皮を取り外してですね、
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いろんな手岡や品岡へ面白い話で伝えようとしていることっていうのはですね、
めっちゃ一言で言うと、どうでもよくないって感じだと思うんですよね。
どうでもよくないっていう感じだと思っていて、
もうどうでもよくないっていうのが、なんかすげえ、
ほんと不リスクみたいな感じだと思うんですよね。
ああ、すっきりしたなと口の中もギットギットやったわ、みたいな。
有用さとか、正しい理解とか、それぞれの物事の区別みたいなんでですね、
もう口の中ギットギットですね、バクバクバクバク、口の中詰め込んでたんですね。
どうでもよくないそれってフリスクが放り込まれるような感じで、
今読むとすごい面白いんだなというふうに思いました。
というわけで本日は以上です。ありがとうございました。
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