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  2. S1 ep23 足と靴と社会を考える..
2022-08-02 53:58

S1 ep23 足と靴と社会を考える ゲスト:製靴家・野島孝介(後編)

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京都・西陣で日本の風土に合った独自の革靴を作るオーダーメイドの革靴工房「吉靴房」を営む製靴家・野島孝介さんをゲストにお迎えしてお送りする3回シリーズの最終回は、ここまでのエピソードで聞きそびれた話(あり過ぎる!)をひたすら深掘りしていく回。靴業界が抱える問題とは?足の健康のためにどう靴を選ぶ?製靴家という肩書について、吉靴房という屋号の由来...など。

今回の話題:
革靴は日本における歴史が浅過ぎて工芸とは呼ばれない?/革靴は日本の歴史や風土との繋がりがない?/京都・西陣で店を開いたことで伝統をより意識するようになった/今の靴型(木型)は合成プラスチック製で再利用が難しい/シーズンごとに新作を作ると大量に作られ廃棄される靴型/使いまわせるはずの道具も流行を追うと使えなくなる/吉靴房は50以上のデザインに対して靴型は4種類/つま先にボリュームがあると直線で構成された和装に合う/靴の種類による用途があまり認識されていない/こどもの内から足の特徴を知ることが大事/足の形は多様/いろんな靴を履いた方が良い/職人という言葉の定義の曖昧さ/いろんな呼び名のある音楽家/自ら生み出した製靴家という肩書き/音の響きが先にあって生まれた吉靴房という屋号

野島孝介さんプロフィール
京都西陣で、日本の風土に合った独自の革靴を作るオーダーメイドの革靴工房「吉靴房」を営む製靴家。
1975年愛知県生まれ、静岡県藤枝市育ち。学生時代から剣道に打ち込み、24歳のころに剣道を離れて靴の町・浅草へ。浅草では女性のエレガンス靴を製作するメーカーに勤め、製造企画を担当しながら、手づくり靴の技法を半ば独学で身に付ける。ヨーロッパからの輸入文化としての「靴」ではなく、日本の風土気候や歴史に合わせて独自の靴づくりをしたいという想いから、2006年京都西陣にアトリエ兼ショップ「吉靴房」を開設。以来、伝統的な着物の帯地や、古くからある和のデザインを取り入れながら“吉靴房らしい靴”の製作に励んでいる。

吉靴房
https://kikkabo.info/

ConCraプロジェクトの詳しいコンセプトは公式サイトへ。
https://concra.jp

そしてここに掲げているコンセプトのもと、実際にモノを作っていこう人が集まるオンラインコミュニティであり実験場 ConCra Collective(コンクラコレクティブ)が2022年3月1日にオープンしました!
興味のある方はぜひお気軽に参加してください。
https://basic.motion-gallery.net/community/concra/

#concra(twitter)で感想、質問、リクエストなどお待ちしています!

パーソナリティ:岩田篤 蔡海 福原志保

00:01
クラ出しRADIOは、使わなくなった大切なものを、様々な工芸技術で生まれ変わらせるコレクティブ、コンクラのメンバーが、
分かりたいけど勉強しにくい工芸について、見たり、調べたり、作り手のお話を聞いて、時に脱線しながら、皆さんと一緒に考えていく番組です。
コンクラの岩田です。
コンクラの海です。
シウホです。
はい、そして、今回もこの方、お招きしております。
キッカボーの野島です。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
前のエピソードから面白すぎて、絶対に2エピソードで終わらないだろうというのを見事に的中しましたけれども、話はすごいそのまま盛り上がっているんですけど、聞きたいことが盛りだくさん、まだまだ。
まだまだ盛りだくさんなんですよね。
健康問題なんですね。
ここまでの感想じゃないんですけど、面白い話いっぱいあったんですけど、靴を作るというのを工芸という大きな枠に捉えていいのかはわからないんですけど、別のジャンルの工芸の話でいうと、
どちらかというと無視するにしても捉えるにしても、日本っぽさというものに絶対作り手が突き当たったりとかして、それをどう解釈するかというのがほとんど必須課題みたいな、言わない人もいると思うんですけど、ということがなんとなくある中で、むしろ日本っぽさが全くないのでという話がちょっとここまですごい印象的でしたね。
全くないのでそういうものを何かやりたいという、前回までのコンセプトがすごい印象的でした。
ちなみにこの番組が一応工芸を主軸に置いた番組としてはやってるんですけど。
危なく忘れる。
大体いつも忘れてるんですけどね。
野島さん、この工芸という言葉に対する距離感というか、ご自身のやってることの中に工芸みたいなものを意識されたり感じたり、あと外から言われたりみたいなことって、どうですか。
そうですね。
やっていること自体は近いはずなんですけど、日本においての歴史が150年ぐらいだと短いんだと思うんですよ。
工芸の方は、日本の風土とか、季節での過ごし方とか、宗教観であったりとか、そういったものと密接につながっているという印象で、
03:18
革靴に関しては、外から唐突に変えられて使うようになったものなので、今はみんな使ってますけど、知らないまま使ってるんですよね。
全然違いますね。
なんでこれ履いてるんだろうみたいな、モノマネから入っちゃってるんですよね。
たくさん売ってるから、みんな使ってるから、そういう理由で使われているものだと思うんですよ。
工芸の方の技術であったりとか、デザインというか形っていうのは、長い歴史の中で各地域で培われたものだと思うんですよね。
その辺の違いが、やってること自体は近くても、その違いによってイメージというか印象が違うと言うですかね。
それで靴は入らないという印象がありますが、できれば入れたいというか、入ってほしいなという気持ちも少しあるので、日本の風土に合ったものを作りたいとは思ってます。
工芸という言葉のある側面として、その地域の素材であるとか風土であるとかっていうことの蓄積の中で生み出されるっていう観点で言うと、
革靴っていうところで言うと、そこがいきなり近代化によって全くそういうものを通らずに入ってきたものではあるけど、
そこに野島さんが日本の風土とかっていうことをコンセプトにしているのは一つそういうところと接続させたいという。
させたいというより、途中からそういうふうに思うようになったという意味ですかね。
西人で今活動しているので、伝統産業という言葉をよく聞くわけですけど、
伝統産業の定義としては100年以上だったと思うんですけど、靴は100年以上経っているのに全くそういう感じじゃないんですよね。
確かに。
100年くらいだと京都だと、新しいと言われるじゃないですか。
その辺が理由なのかなと思うので、伝統産業になるべきとは思いませんけど、
そういうカウントのされ方、伝統産業であったり工芸であったり、そういうカウントのされ方をしてもいいんじゃないかなと思う部分もあるので、
06:08
その中間的な立ち位置を僕がやる意義と言いますか、そういった見方をしてちゃんとコンセプトを持ってやるのがいいのかなとは思っています。
ちなみに今日も、これ3エピソード目にして完全に言い忘れてたことなんですけど、
今日も野島さん、ご自身の工房からお話いただいて。
音声メディアだと伝わらない。
僕ら画面で見てるから普通に言うの忘れてたと思って。
後ろにツールとか。野島さんがさっき作業されている、それも革なんですかね。
エプロンです。自分で作ったやつですね。
革のエプロンすごいいいなと思って見てたんですけど。
西陣にある工房からお話いただいてるんですけど、
僕もちょっと前に直接工房もお邪魔させていただいて、お仕事版も見させてもらったんですけど、
その中でちょっと前回のエピソードの最後の方でお話した、
ファッションとサスティナビリティみたいなお話に絡むような話ですごく僕が全く知らなかったこととして、
足形のサイクルの速さとか、大量に作られたりみたいな、
その辺のお話が改めてお聞きしたいなと思っていたのがそのトピックだったんですけど。
靴型ですね。プラ型です。
木型って言ったりラストって言ったりしますけど、
靴を作る時に現代では必須のものが靴を作る時の型で、
合成のプラスチックでできてるんですよ。
これは聞いた話なので、それをそのまま言うと、
いろんなものを混ぜた状態の合成プラスチックなので、再利用するのが非常に難しいと。
コストが高くなりすぎるという理由もあるようですけど、
最終的に処分する方法が埋め立て地に放り投げるということをするんですよね。
それはメーカーに勤めていた頃に、僕の中でかなり衝撃が大きくて、
いとも簡単にそれを放り投げて埋める。
産業廃棄物的な。
09:01
そういう扱いになるんですかね。
木型自体がそういう。
木型じゃないじゃん。木型ってウッドの木じゃなくて?
一番最初のモデルは木で作るんですけど、
量産するのにはプラスチックの方が作りやすいし変化もしないので、
量産のものはプラスチックなんですよ。
ただファッションのサイクルの話ちょっと出ましたけど、
シーズンごと、昔は春夏秋冬の1シーズンだったのが、
途中から4シーズンになり、
シーズンごとに新しいものを出さないといけないという風潮があって、
僕がいたフジングスのメーカーは年間に20億くらいの結構大きい靴のメーカーだったんですけど、
主な取引先が百貨店なんですよね。
ブランドは15ブランドくらい常にやってて、
その各ブランドに展示、コレクション見せて買ってもらうわけですけど、
シーズンごとに最初に木型を作りますと。
各ブランドごとに変えるデザインもあるし、
少なくともモデルの木で作る最初のファーストだけで6から10くらいは作るんですよね。
そこから各木型に対してデザインをいくつか載せてサンプルを作る。
その中から各ブランドに選ばれて、いろんなデザインが採用されるという流れなんですけど、
靴のサイズって、そこはフジングスだけでしたけど、
大体22.5から24.5くらいなんですよね。
そうです。私はその枠から外れるので、いつも靴がなかったんです。
そうなんですよ。うちではオーダーなのでよくそういう話は伺うんですけど、
2半、3半、4半、5サイズくらい。
5サイズ、一つのデザインにかける5で製造するときは、
22.5を何型でボリュームを合わせるので、かなりの数になるんですよ。
確かに。
重量もかなりあるんですけど、
樹脂、樹脂っていうか合成だから重いから。
合成状のクラシックなので、かなり重たいものなんですけど、
12:03
それを使い回すことがほとんどないんですよね。
使い回せないんですか?むしろ。
使い回せます。
回せるのに?
使い回せるんだけど、
例えば今年はラウンドトーっていう丸いのが流行ったとか、
今年はスクエアトーっていう四角いのが流行ったとか、
今年はポインテッドトーっていうとんがったのが流行ったとか、
去年と同じようにポインテッドトーが流行ってるけど、
もうちょっと花が長くないと今年っぽくないみたいな、
そういった理由で全く使い回せないんですよ。
ヒールの高さも一緒で、
今年は5センチが流行ってた。
同じつま先だけど、
次の年は7センチが流行ると。
そうすると5センチの着方って使えないんですよ。
そうですよね。
えー、もうレゴブロックみたいに
モジュラー的にすればいいだけの話じゃんって思っちゃうとダメなんだよ。
それはね、全然そういうことなくて。
えー、なんで?
例えば着方に対してのヒールの設定とかって、
かなりシビアなので、
それに対して着方もそうだし、ヒールもそうだし、
それぞれの型、金型があって、
採算を取るようにするようにかなりの数を作らないといけないんですよね。
かといってそこまで売れるかというと、
日本のファッションの傾向、世界もそうですけど、
どんどん多様化していって、
一つのデザインが爆発的に売れるということがなくなったんですね。
そうですね。
なので、たくさんのデザインを少しずつ売るという方向に変わっていったので、
ますます着方はたくさん作るけど、
使わない着方がどんどん増えていくというサイクルになっています。
ゴミの山がどんどん高くなっていくと。
そう、どんどん深く掘られて埋め立て地にポンポン放り投げるっていう。
そこの埋め立て地、
埋め立て地見に行きたいですよ、私。
本当です。
僕はかなりそれがショックで、
それで今のスタイルにしたというか、
今、うちはデザインが多い方で50種類以上あるってお伝えしたと思うんですけど、
使っている靴型は4種類しかないんですよ。
へー。
靴型の持っている潜在能力というか、
一つの靴型でどれぐらいのデザインが作れるのかっていうことの方に
自分の中で重きを置いて、
少ない種類の中からいろんなデザインを作るという方向で今やってます。
なんでみんなそっち行かないのかな。
不思議ですよね。
デザインはやっぱり難しいから、
なるだけ応用を効かせていくっていうのは難しいんですか、実際、
15:03
着方で。
そうですね。
結局ファッションの流行という言葉に振り回されてしまうので、
流行を追うというスタンスでいる限り、
そのちょっとの違いも許せないということなんじゃないですかね。
確かに私も一時、ハイヒールしか履いていない時期がありまして、
その時は自転車もハイヒールで乗るし、
むしろ引っかかりやすいんですね、かかと。
みんな危なくないですか?
逆に危なくないです。
ヒールがガチャッと入るから。
ソウルがダメージしちゃうからとか、
すごいヒールでも走れるみたいな感じだったんですけど、
何ですか、横から見たり後ろから見たり、
全方向からかかとを見て、
やっぱりヒールの形から、かかとからヒールの曲線がどうこうのこうのとか、
すっごい私うるさかったんですよ。
誰が見てんねんっていうところなんですけど、
それ考えて確かに着型をずっと一個同じのだけで、
そのバリエーション作るのは無理ですとか言われたら、
その当時の私だったらちょっとつまんなーって思っちゃってたとこあったと思うんですよね。
私みたいな輩がいるから。
めんどくさいな。
昔の自分にカツを入れたいですね。
流行を追うっていうことをやってしまうと、
どうしても同じ道具を使い続けられなくなってしまうんで、
流行を追わないというのはかなり早い段階から決めてましたね。
めちゃめちゃ勇気がいると思うんですよね。
ある種ファッションアイテムを作ってる中で流行を追わないっていう決断をするっていうのが、
そうしたくてもそれができない人はまだすごいいっぱいいるんじゃないかなっていう気はしますね。
僕の考え方としては、最初に思い立たた時の話をしましたけど、
生涯できる仕事というような位置づけでいたので、
長く続けられる仕事っていうのは流行に左右されてはそもそも良くないだろうと。
それと定番でありたいというものを考えると、
いろんな木型を使ってどんどん新しいものを生み出してみたいな、
そういったスタンスは僕の中では考えられなかったですよね。
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手元のメモでいうと、たくさん大量に破棄される靴型もリサイクルできないものなんですか?
リサイクルできないと聞きましたし、
リサイクルできるにしてもコストがかかりすぎるんだと思います。
モノマテリアルだったらリサイクルしやすいんですよ。
ただもう混ざっちゃってると、余計お金かかりますね。
結構やっぱり溶かしたりとか、しかも何が入ってるかわからないから。
それこそあれですよね。いろんなリサイクルを重ねて最後残ったのが靴型だったとしたら、
下手したらそこに鉛が入っているとか、それを埋め立てたら土壌に対してどうなるかわからないですよね。
金属も間に入っているので、
難しいですよね。
産業自体がそんなに大きくないから問題になってないだけかもしれなくて。
実際にその話を昔、チラッと他の方から聞いたことはあって、
同じような問題意識を持っている方っていうのは三原康博さんとか。
彼は元々イギリスでマイスターのところである人の歩きをよくする、
強制グッズからスタートしたという話をしている。
そういう意味では木型の重要性というのは違う視点だと思うんですけどね。
左右違いますからね。
左右違うから一個一個添えて、
だってそれで捨てていたらもったいないから、その人が戻ってくるかもしれないし、
残しておいてずらっと並んでいたみたいな話を聞いたなって今ふと思い出したりとか。
あとやっぱり靴のメーカーさんでも、
やっぱり木型が常に大量消費されちゃうのが問題だと思っているので、
なるだけそうしないようには努力はしているんですけどね、
てんてんてんみたいな話とか、聞いたことありますね。
でもそれだからって言って、
じゃあそういうのダメなんだみたいな、アンティファみたいな感じの運動までは行ってないなっていうのはありますよね。
実際のところはできないっていうのもありますよね。
木型屋さんが産業として仕事にならなかったら、そもそも靴が作れなくなってしまうので。
21:07
木型の重要性は靴屋はみんなわかっているので。
木型をちょっとモノマテリアルで作るとか、そっちのほうもしてほしいなって。
話を聞く限りで言うと、大量の靴型の中で、野島さん今も数個っていうところに絞り込んだっていう意味で言うと、
逆を言えばもう、おびただしい数の中から選び抜かれたいくつかなわけですよね。
最初は自分で作ったんですけど。
そういうことですね。
フォーマルのスーツ用の靴っていうハイブランドがやるような、そういったものよりカジュアルを中心にやるだろうということで。
アメリカ的なワークブーツっぽいボリュームのある靴型と、
あとドイツっぽい足の形をしたような、オブリックと言うんですけど、そういう靴型。
それとタビの形のものと、最初にちょっと話していた点先っていう先が上に向いているもの。
その4型に絞ったという感じですね。
その子もでも日本らしいのがパッと見て、何か和を感じるみたいなのは特徴的にタビとその点先ですけど。
先が丸いっていうのも、前、さっき最初のエピソード1で日本のいろんな形あるんですよっておっしゃってたんですけど、
それは何かあるんですか?ドイツっぽいとかいうのはあったとしても、日本にもそういう形ってあったんですか?もともと。
そうですね。おっしゃる通りで、朝靴っていう寛主さんが履くようなタイプの靴って、つま先がすごくボリュームがあるんですよ。
そのボリュームがあるというところが重要なポイントというか、和装って直線でできていて、タイトにならないんですよね。
体にぴったり密着したような形にならないので、履物にボリュームがないと何かおかしかったりするんですよ。
なるほど。
なので和装にも合わせたい。これも話題に出ましたけど、ボリュームのあるストレートのデニムにも合わせるということを両方考えたときに、それに合うボリュームの靴型にしたと。そういった感じですね。
24:11
なるほどね。袴みたいなのでも合いそうですね。
そうですね。だからストレートでゆったりめの使い古したデニムのシルエットと、それこそ袴とか和装着物の足元っていうか下半身のシルエットって意外と近いんじゃないかなと思ったのが最初のきっかけです。
今欲しいなと思ってしまった。5個目みたいな。
脳機やばいですよ。
ちょっとずつずらして。なんで今いいなと思ったかって言ったら超今ハマってる。どうしてもワイドパンツしか買ってないんですよ。何故か。
絶対ワイドじゃなきゃ嫌だとかそういうんじゃないんですけど、そういう風に買うズボンが全部ワイドでしかも柔道着みたいなんですよね、下が。
間違いなく合いますね。
もし絞った先っちょがめちゃくちゃ楽チンだし、さまになるんですよ、履くだけで。何か存在感が。
そうするとそこに細いピンヒールとか入ってもあんまり貢献とかないわけですね、存在として。
靴がだんだんボリュームのものになってきたり、そうすると結構ボリュームのあるスニーカーとかの方がやっぱりいいかなとか言ってなってきちゃって、最近はピンヒールのトレードマンクだったらハイヒールを履くことがほぼほぼなくなってきちゃった。
ボリュームが欲しくなります。
これもトレンドなのかどうかっていうのはもちろんあるんですけど、どうなんだろうな。靴って結局擦り減っちゃったりとか壊れたりとかするじゃないですか。
気に入ってるやつとかってやっぱり履きやすくて、何度も直してるんですよ。
直しすぎてももはやオリジナルのかかとのピンヒールだとどんどんかかとが減って、例えば旅行中とかで直しにすぐ行けなかったりするとピンヒールなんて2,3回履いたら削れちゃうんで直してとかやってたらやっぱりビスみたいなのが出てきちゃって。
それでもしょうがないから旅行中とか履いたら潰れてはい削ります。だんだんかかとが低くなってくると私のかかとフェッチとしての角度が違うみたいになっちゃう。
27:00
つま先上がっていっちゃうんですよね。
まあそうですよね。
それは健康に影響を及ぼすレベルなのかと思った方がいいですね。
長く履ける靴、かつ足の健康というか足の健康だけじゃなくて身体に合った靴を履いたら別に足だけの問題じゃないですね。
体に起こす影響って。
それこそピンヒールって旅行でずっとガツガツ履くもんじゃない?
トレードマークっていうか昔金髪でハイヒールっていう風にトレードマーク扱いされる感じだったんですよ。別に自分でそうしたかったわけじゃないのに。
でもその用途があるのでね。その用途をそんなに認識されてないっていうのは事実で。
スニーカーはみんなある程度わかってますけど革靴のちょっとした違いで用途が違うみたいなことってあんまり認識されてないことなんで。
女性がかかとをさあ上げてつま先で立ってるような状態ってすごい確かに腰とか姿勢にもきちゃったりとか歩き方がこうなんていうんですか。
日本に帰ってきて思ったのがみんな靴合ってないサイズ履いてて不思議って思ったんですよ。
ヒール履いてる女の子が渋谷とか原宿でカポカポこうしてかかとが抜けてるんですよね。
それで膝が曲がって歩いちゃってて。
姿勢が犠牲になるっていう。
すごい歩き方汚いの。
なんでそんなのにハイヒール履くのか全然わからなかったの。
だいたいハイヒールってちょっとちっちゃめのサイズで履くもの。
ちょっとちっちゃめっていうかフラットで買うサイズとかかとがあるものだとサイズ私違うんですよ少し。
だってかかとがパカパカしちゃうから。
ジャストサイズじゃないとダメなんですよね。
それ足にいいかどうか置いといて。
でもなんかなんで日本の女の子若い子みんなかかとがパカパカパカパカして。
器用だなと思って逆に。
ある意味違う意味で。
これはあのそれこそ造りの国だからとしか言いようがない。
かかとを固定するっていうことが概念としてあまりないみたいなことですか。
それもちょっとあります少しはありますけどそもそもぬぎ履きがあるという。
ぬぎ履きの対象が多い。
履きっぱなしじゃないってことか。
めっちゃ納得する。
30:01
それと僕はこれは本当に重要なことでいつか実現したいなと思いますけど
子供のうちから足のサイズをちゃんと把握するっていうことをしないといけないと思うんですよ。
身長体重と同じように自分の足の側長だけじゃなくて特徴を知る。
それをやらないのが
例えば高型ダンビロみたいな。
よく日本で言われる言葉あるじゃないですか。
自分の足が高が高が高くてとか幅広でとか合うものがないんだよなんていうセリフよく聞きますけど。
めっちゃ僕それですね。
だけどね実際寸法測ると全然そうじゃない人がたくさんいるんですよ。
測った方がいいぞこれは。
それはどういうことなんですか。
足が痛い。
靴を履いててこの部分が痛くなるみたいな。
その痛くなるがあると自分の足が幅広なんじゃないかっていう先入観を持っちゃうんですよね。
実際は反対で細くて薄いから足が中で動いていて痛いのに
広くて痛いと思ってたりとかするんですよね。
そうなんです。だから本当足は多様で
日本国民は幅広で高が高くてなんていうことを言いますけど全然そんなことなくて。
いろんな足があるので。
そうだよね。みんなが同じ足なわけないじゃんって思いますよ。
特に剣道とかやると踏み込んだりとかするからちょっと足の形変わってきません。
足の形も多少は変わりますけど
足の形状と足さわきで音とかも違うんですよね。踏み込んだ時と。
みんな違うんですよね。
だからそういうところまで気にしてる人はあんまりいないんですけど。
余裕があるからわかるんですよね。
試合中にそれ考えてこいつの足さわきがこうだからあいつの足はこうかもとか考えてると打たれますからね。
体育館っていうか道場に行く時に人が練習してる踏み込み音とか聞いてて
あいつもう来てんなーみたいなそういうのありそうですね。
でもわかる人はいますよ。特徴のある人。
少なくとも自分の足の特徴を知るっていうことが
33:02
靴を使うってのは外に出ると必ず使うものなんで
どういったものを履くべきかっていうことの理解をより進められるので
本当は知っといた方がいいこと。運動能力もそれで変化するというか
良いもの履けば良くなるのは間違いないので。
そうですよね。一時こうスニーカーになっちゃうんですけど
走るのが速くなるからって子供の間で流行ったりとかして
やっぱりその足の靴の形でパフォーマンス変わるっていうのは
だんだんその時期ぐらいからみんななんとなくわかってきて
運動会のあっちから近くなるその靴がすごい売れてしまうみたいな検証が起きてました。
人間ってふわふわしたものは好きなんですよね。
わかります。
そもそも。
そもそも。
なので柔らかいものとか、ゴムのソールとかスポンジのソールとか
スポンジのインソールとかそういったものは気持ちよく感じるので
それが主流になってきたっていうのは間違いないことだとは思うんですけど
結論から言うといろんなもの履いた方がいいんですよ。
例えばうちのお客様にもよく言いますけど
すごく気に入ってくださって
うちの商品ばかり履いてるっていう風におっしゃってくれるお客さんもいるんですけど
他のも履きましょうって僕言うんですよ。
足のためにはですか?
そうですね。将来のために。
足首とか膝とか腰とかね。
それにどういう影響が出るのかってちょっと測りきれないので
柔らかいものから固いものから
いいなと思うものを順番に使ってもらう方がいいですよって言って
確かに足の形とかの影響ももちろんあるんですけど
足首の動かし方がすごく重要だよって
最近ジムとか行って
ヨガの先生とかピラティッシュの先生とか
結構足首皆さん結構固くなってますよとか言ってて
なんでですかって聞きたかったんだけど
説明されてそしたら転ぶ原因になるらしいですね
足首がちゃんと回らない人と年齢高くなると
つまづきになって転んで
そうするとフレールになるじゃないですか
フレールになったら10年
85%の方フレールで10年以内で亡くなるので
もうデータ出てるからがんより怖い病気
36:01
そういう意味で確かに健康のためには
青靴をっていうのはなんか理にかなってるなって
ガチャってパズルがはまった気がします
私の中で
ちょっと違うんですけど
例えば野島さんのとこで作ってもらった靴を履き続けて
しばらくしてこういう風にリメイクしたりとか
修復じゃないですけど
そういう話とかもあったりするんですかね
たまにありますね
ここに穴開いちゃったからとか
ただコスト的にOKが出るかどうかはまた別ですけど
そんなこと言ったらずっと直すし
真改造したがって前に買ったより高くなっちゃう現象とか
全然僕はそういうの大丈夫な
もとねより高くなるのは僕も結構平気なタイプなんで
靴って育てるって感覚あるじゃん
履いて
デニムと一緒で
なのでちょっとずつ自分に馴染んできたなって愛着と
あと履いてきた色がいい感じになってたりとかして
そういう意味での長い楽しみっていうのはあるけど
自分のサイズにぴったり合ってるっていうのも
すごい最大の愛着するポイントでもあるかなって
合わせていくっていう
履き心地もそうだ最初固くてとかあるじゃん
でもやっぱり育てるって感覚ってすごい大事だし
なかなか自分に合う靴って本当出会いだなって思うから
あとちょっと今日お話し聞いて野島さんのサイズの話がすごい私気になってて
やっぱりなんで洋服もそうなんですけど
smlとかいって洋服屋さんがステープルっていうか定番とかやろうとすると
どうしてもサイズ展開もそうやってやるんですけど
あれなんかちょっとそれでおかしくねって気づいているブランドさんも
マスでもあるしハイブランドでもあるんですよね
でもやっぱり靴なんか特にその人の足に合わせていくっていうところで
正直言ってミリ単位調節なレベルでやろうと思ったらやれるし
でも普通にお店にあるのは0.5センチ日本だったらインチとか
これもまた着型的な問題だったりとかなんかそういう事情
39:03
事情としてはもうぶっちゃけてというか平たく言ってしまえば商売だからですよね
smlにしてもそうだし
経済的にうまく回らなければやれないので
そういう意味で言うとオーダーメイドを主体にした
例えばまだちょっとお伺いできてないんですけど
キッカボーっていう名前をつけて創業されたって言っていいのかわからないんですけど
経済効率みたいなところっていうのはその時はどのように考えられていた
お金に興味がないとまでは言いませんけど
ものすごい稼いでやろうとかそういう意識が低いのは確かですよね
そうなんですか
大学生の時にある程度お金儲けしたっていうのは影響があるかもしれないですけど
逆に学生の時は稼いだけど
そうですね自由にガンガンお金使うということで言えば
学生の頃の方がよっぽどお金持ってましたね
そのぐらい稼いでたので
そこでそんなに喜びを得られなかったので
身の丈にあった分のお金があってそれなりに好きなことにそれなりに使えていれば
別に何の不満も何もないので
めっちゃ教訓ですねこれは人生の教訓ぐらいの感じですけど
あんま使い道ないのにお金稼いでも意味ないぞっていう
そうですね
すごいお金稼いでる人とかに観察してると
ある程度いくと何に使っていいかもはや思いつかないみたいな状態になって
でもらおうと思ってよく比べてる
使えるお金の額って上限ある程度あると思うので
国を動かすとかそういうレベルだとまた違う
個人で過ごす
宇宙旅行行くぞとかね
地下にトンネル掘ってニューヨークとサンフランシスコ繋げるぞとかね
そうですねそういうのになると天文学的な金額が必要でしょうけど
用途が使い道が思いつく人はいるんですけどね
使い道がないくてお金持ってる人も世の中にはいっぱいいる
42:00
僕はご注文いただいた靴をコツコツと作っていれば
あとは動画見たりちょっとゲームしたり
ちょっと美味しいもの食べたりっていうことが少しずつできれば
特に不満は何もないので
あとは靴を作ることに集中できてればそれでいいという感じがあるから
それが商売を拾えるという意味ではあんまり良くないかもしれないですけど
だけどお金を稼ごうとかいう欲求にはあんまりなってないですね
良いものを作ろうというだけですかね
お時間的にもう最後になっちゃうんですけど
一番冒頭に戻るんですけど
僕最初のプロフィールのご紹介で野島さんのことを
生屈家っていうふうにご紹介したんですけど
野島さんからその肩書きをお聞きしたんですけど
生屈家っていう肩書きに込められてる思いというか意思というか
考えと言いますか
靴職人という言葉が一般的に広く認知されてるのは分かってるんですけど
ものすごく曖昧な言葉だと思うんですよ
職人という言葉自体も作ってる側からの視点と
購入する側の視点で意味が違う言葉だと思うので
非常に曖昧でその曖昧さ故にあまり使いたくないというところがあります
靴職人という言葉で言うと
ヨーロッパのアルティザンというようなニュアンスの職人と
日本で職人
企業の内部とかいろんな工場の中で働いている
スペシャリストのことを言う職人と
下請け的な感じでやってる個人レベルでやっている職人さんという職人と
全部ニュアンスが違うんですよね
そのあたり
僕がいた業界の職人という言葉のニュアンスを考えた時に
お客さん側はあんまり意識しないかもしれないですけど
すごい技術を持った人ぐらいなイメージかもしれないですけど
45:03
業界の中にいると
ちょっと下に見るぐらいの視線の角度を感じる時があるんですよ職人という言葉に
ブランドを作っているメーカー側の社員が職人ちゃんとやれよみたいな
そういう使い方をすることがあるんですよね
考える力がなさそうなニュアンスですねその場合に使われる職人って
ある一つの作業を受け負っている人間みたいな
そういうニュアンスの時があって
なので僕一つのことを靴を作るという意味では一つですけど
靴を作る作業って何十工程何百工程もあるんで
一つのことをやってるわけじゃないから
そのスペシャリスト一つの作業を極めてるスペシャリストの人に対しても
僕は尊敬の念を持っていたいので自分のことは職人と呼べないと
業界での使われ方を見ても職人という言葉を
自ら使うべきではないんじゃないかと思って
歌手?歌い手さん?ミュージシャン?
音楽家っていろんな呼び方ありますよね
あれいいなぁと思って
音楽に関わる人たちがいろんな呼び方を
本人たちも周りの人たちもいろんな呼び方をするから
いろんな呼び方を作っちゃっていいんじゃないかなと思って
面白いなぁ
それで僕は着型を作る人間でもないし
ヒールを作る人間でもなくて靴を作る人間なので
自ら名乗ったという意味ですかね
いろいろ考えてこれにしました
めちゃくちゃしっくりきますね
今までの3話分の話が
その生屈かということに凝縮していくような感覚があります
その中あれも面白いですね
確かにシンガーとかボーカルとか歌い手とか
ディーバとかいろんな言い方
アーティストっていう時もあるし
いろいろ言い方があっていいんじゃないか
余談ですけど
僕大学生の時に椎名林檎さんがデビューしてるんですよね
僕が大学生の時に
僕ちょっと音楽やりたいなと思ってる時期があって
日本語だけで歌詞を作ってやろうと思ってたんです
48:02
その時に彼女が出てきて
絶対にこの人に敵わないって思ったんですよね
彼女が自分自らのことを歌い手みおりっていうアルバムがあって
すごくいい表現だなと思ったんですよ
いろんな呼び方しちゃっていいんだなっていうのがあるので
これは椎名林檎さんがきっかけというか
面白い裏話ですね
そのついでといったら
キッカボーっていうヤグオについてまだ伺えてなかったかもしれないです
これは実は音から作ったデビューですかね
キッカという音を思いついたっていうのかな
そういう名前にしようってふと思ったんですよ
降ってきたんですかね
どうなんでしょうね
ただ喫茶店とか喫煙所とか
憩いの場というようなニュアンスの言葉にしたいなとは思ってて
キッカにしようってなった時に
漢字を何を当てようかなと思って
カを花にしてしまうと花屋さんみたいになっちゃうし
喫茶店のキッズにすると
字面がよくわからない感じになったんですよ書いててね
蝶の基地があるじゃないかと思って
靴という漢字はあくまで靴屋として認識してもらいたいから
名前に入れようと
靴という漢字はカと読むので
大吉の吉に靴に
キッカ堂かキッカ坊かすごい悩んだんですけど
最初は小さい少人数で今もそうですけど
そういうスタートにしたいし
その気持ちを忘れずにということで
一房の房ですね坊という字にしたという感じです
ここで初めて靴をカって読むのが漢字読めない
職業の何をされてる方ですかって言われたら
生家業って答えるんですよ
業種で言うと
音だけ聞くとお菓子屋さんみたい
お菓子屋さんとかね
生家で生きる花のほうのお花屋さんみたいになるので
それで漢字では生家業と書いてそう読むんですけど
51:04
自分のは生靴家という風に読むようにしています
音だけだとわからないから
生靴か
すごい勉強になったわ
靴好きだ私って思い出してしまって危険な感じです
ちょっとあれですね
この3エピソードをきっかけに
しほさんの野島さんにオーダーした靴が出来上がるぐらいの時に
そうですねそのプロセスを追っていくという
番組的にアップデートをしていてどういう感じで
そうやっているうちにまた新しいアイデアが出来てしまって
一つのものを長く履く話もあったと思って
まずは一つ
アイデアにしよう
絞んなきゃいけないですよねアイデアを
そうですね絞るところが重要ですよね
そこからですよね
どれにしよう最初
もういくつかあるぜ
しほさんに悩んでいただいているところでそろそろお時間ということで
めちゃくちゃ面白かったですありがとうございます
ありがとうございます
野島さんにはコンクラコレクティブのメンバーとしても
入っていただいてやっておりますので
コンクラとしてもいろいろその中から
最新の情報とかを
今後お伝えしていければなと思っております
はい
というわけで引き続き野島さんよろしくお願いします
よろしくお願いします
こちらこそよろしくお願いします
ありがとうございました
ありがとうございました
番組はこの後も続いていきますので
またいろんな作り手の方をお呼びしたりとかしてやっていきたいと思っております
番組の感想は
ハッシュタグCONCRAコンクラでお願いします
野島さんへのオーダーは野島さんにしていただきたいんですけど
こういう靴欲しかったんだよねとかハッシュタグコンクラとかで
あった野島さんにリアクションが届きます
コレクティブもよろしくです
よろしくお願いします
というわけで長いお時間ありがとうございました
ありがとうございました
それではまたお会いしましょう
ありがとうございました
ありがとうございました
53:58

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