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はい、みなさんこんばんは、こんにちは。元公立高校理科教諭のちょぼ先生です。
ちょぼ先生の教室、2022年6月6日、月曜日のホームルームの時間になりました。
皆様いかがお過ごしでしょうかということで、毎日毎日ですね、天気が目まぐるしく変わって、この寒暖差が激しくてですね、
体調不良な方もいらっしゃるんじゃないでしょうかということでね、もうちょっとね、
夏着てほしい、でも暑いのはいや、という感じですけども、週始めですね、今日のホームルームを始めていきたいと思います。
今日のお話する内容はですね、毒薬界のスーパースター、毒薬といえばトリカブトというお話をね、
したいと思います。毒薬といえば、生物由来のね、植物由来の生物由来の毒で有名なものって言われたら、
トリカブトをね、連想する方が多いんじゃないでしょうか。このトリカブトなんですけどもですね、名前の由来は、
ホウオウ、想像上の鳥ですね、鳥であるホウオウの頭をかたどった、冠であるトリカブトに似ているお花がですね、
似ていることが和名の由来なんですね。この青色の綺麗な花を咲かすので、園芸植物として普通に売っておりますからね、
そのトリカブトなんですけども、このトリカブトの学名ですね、いろんな種類あるんですけども、日本原産のヤマトトリカブトの学名はですね、
アコニタムジャパニーズって言うんですね。花トリカブト、観賞用の花トリカブトなんですけども、学名がアコニタムチャイニーズということでですね、
アコニタムってついてるんですよ。このアコニタムって何なんて言われたら、そのトリカブトの毒であるアコニチンという名前の由来から来てるわけなんですね。
このアコニチンなんですけども、どんな毒なのかというとですね、このアコニチンが体の中に流入しちゃうとですね、
神経というものはですね、電気シグナルに変えられて、その電気シグナルがノーマルに伝わると刺激が来るわけなんですね。
この電気シグナルに変えるためにどうしてるかというと、細胞の外にたくさんあるナトリウムイオンが細胞の中に流入することにより、それが電気シグナルに変えられてですね、
神経が伝わっているわけなんですね。このアコニチンが作用するとですね、細胞の中にめっちゃナトリウムイオンがブワー入ってくるんですよ。
このナトリウムイオンの細胞の外と中とで濃度の差が違う、濃度勾配って言うんですけど、濃度の差が生じることにより、うまく電気シグナルを伝えることができるんですけど、
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細胞内にナトリウムがブワーって入っちゃうと神経がもう伝わらない。要はナトリウムイオンの流入の働きが妨げられちゃうんですね。
そうすると正常な電気シグナルが送ることができないから、簡単に言うとめっちゃオフになるんですよ。全然反応しない。
電気シグナルが伝わらないみたいな、めっちゃオフなんですよ。だから心臓の動きとかもゆっくりになっちゃうし、刺激が伝わらないからね。
めっちゃオフになるんですよ。心臓の動きもめっちゃ遅くなる。
そのナトリウムイオンを流入させたり出したりしながら電気シグナルに変えながら刺激が伝わっていくのに刺激が伝わらないみたいな。
めっちゃオフになるっていうのがアコニチンの作用なんですね。そうすると細胞がちゃんとした働きができなくなるとですね、
毒が効いてきて最悪はなくなっちゃうという働きがあるわけなんですね。このアコニチンの作用、めっちゃオフになる。
ナトリウムイオンが細胞内にめっちゃ入ってきてオフになるっていうのはアコニチンの働きなんですけど、このナトリウムイオンのバランスを崩してしまう毒がですね、
これがフグ毒であるテトロドトキシンなんですよ。このフグ毒のテトロドトキシンの働きはですね、ナトリウムイオンを細胞内に流入するための通り道があるんですね。
それがナトリウムチャネルって言われるタンパク質なんですけど、この働きを阻害しちゃうんですよ。
ということは細胞の中にナトリウムイオンを流入するのを妨げるわけなんですね。そうするとですね、細胞内にナトリウムが入らないから電気刺激が伝わらないよってなってですね、自立神経とか他の神経が異常を生き出すわけなんですよ。
流入できないよ、神経が伝わらないよっていうことで神経麻痺、痺れが起こるんですね。フグ毒を食べると痺れが起こるのはそういうことで、流入できないから他の神経がおかしいおかしい異常だよっていうことを知らせるために痙攣が起こるわけなんですよ。
そうするとですね、これ簡単に言うとめっちゃONになるんですよ。流入できない、流入できない、やばいやばいやばいってなると心臓の動きがめっちゃバーって速くなっちゃう。ドクドクドクドクドクってなってやばいやばいやばいってなるんですよ。
なので、はっはっはってなって呼吸困難というか呼吸がちゃんとできなくなるんですよね。そうすると神経麻痺になって最悪は死に至るわけなんですけど、この鳥かぶとのアコニチンとテトロドキシン、このフグ毒のテトロドキシンって全く逆の働きをするんですね。
基本的にナトリウムイオンの流入の働きを妨げるっていうか異常を起こすってことでナトリウムイオンっていう共通のものはあるんだけど、めっちゃOFFになるのとめっちゃONになるのっていうことで逆の働きをするわけじゃないですか。
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めっちゃONになるテトロドキシンフグ毒とめっちゃOFFになるアコニチン鳥かぶとね。
これね、両方とも飲んだらどうなんのっていう疑問起こりません?めっちゃONになるやつとめっちゃOFFになるやつを両方とも流入したらどっちの毒勝つのみたいな。
全く逆の働きをするから両方とも飲めば打ち消しあって毒大丈夫なんちゃうって思いません?そういう疑問が思い浮かぶと思うんですけど。
このどっちの毒が勝つんやろっていうことで、同じ要領で入れるのは難しいけど、このどっちの毒が勝つので、殺人事件につかまれた事例があるんですよ。
1986年に発生した鳥かぶと保険金殺人事件というのがあって、ご存知の方もいらっしゃると思うんですけど、鳥かぶとの毒で妻を保険金かけて殺したっていう夫が逮捕されたんですけど、そういう事件があったんですよ。
鳥かぶとの毒が効き始めたのが、接種してから1時間40分後だったんですよ。その1時間40分のタイムラグがあるから、その毒を持った時に夫は別のところにいたから、ありばいがあるわけなんですね。
基本的に鳥かぶと単独で、例えばカプセルとかで包んで食べたとしても、だいたい30分から40分ぐらいしか遅らせることができないんだけど、1時間40分、毒が効き始めるのに1時間40分かかってるから、これは夫が持ってないよねみたいなありばいがあるから、そんなに時間かかんないから。
よくよく妻の体内を調べてみると、アコニチンとフグ毒であるテトロドトキシンも体内から発見されたんですよ。
お互い打ち消しあって、その寄稿した状態を作り、ありばいを作るために、遅らせるためにテトロドトキシンを両方入れたんです。
でも最終的には妻は亡くなっているので、これが種明かしというか、テトロドトキシン、基本的に毒を食べたら、それを下毒するために、我々免疫機能で毒を打ち消しあって、正常なものに作り変えていくんだけど、
テトロドトキシンの方が分解されるのが早いので、テトロドトキシンの方が下毒されて、量がどんどん少なくなってきたんだけど、残ってきたのはアコニチンのトリカブトだから、
トリカブトの毒が効き始めてめっちゃオフになって、細胞が正常に働かなくなって亡くなったということでね。
基本的にテトロドトキシンの方が分解が早いので、どっちも両方とも同じ量を食べたら打ち消し合うんだけど最初はね。
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でもテトロドトキシンの分解が早いからアコニチンは最終的に残って、その毒によって亡くなってしまうということなんですね。
だから同じ毒なし、逆の働きはするんだけど、両方飲めば全部喫香してプラマイオン出るんだって大丈夫ってわけではありませんので、皆さん真似しないようにしてくださいね。
そういった事件があってですね、結局夫は捕まったんですけども無罪を主張し続けて、刑務所内というか獄中止したので審査は分からないんですけどね。
こんな事を言うのは頭の良い犯人ですよね。
すごい理系で毒に関する研究をしてるかってそうでもなかったらしいですけどね。
分岐だったみたいですけども、そういった毒の両方の逆の喫香する働きのやつを上手く利用した殺人事件ということで非常に頭の良い犯人だったかもしれませんけども。
毒は毒ですから、テトロドキシンの方が早く分解されるので。
どっちが勝つとか言うのはおかしいですけども、テトロドキシンの分解が早いのでアコニチンの方が最終的に残ってそっちの毒が体の中に現れるということなんですね。
毒を持って毒を制するじゃないですけどもね。
ということで今日は鳥かぶとの毒、アコニチンについてお話をしました。
皆さんね、こういうことはしないようにしてくださいね。
ということで今日はこの辺で終わりにしたいと思います。
それでは皆さんさよなら。バイバイ。