AIZOME ULTRAの概要と特徴
こんにちは、リスナーの皆さん。知財図鑑ポッドキャストにようこそ。ホストの千鶴です。
今日は、知財ハンターの早鷹さんをゲストに迎え、新しい技術について語っていきましょう。
ありがとうございます、千鶴さん。
今日のテーマは、AIZOME ULTRAという技術です。この技術の概要を教えていただけますか。
AIZOME ULTRAとは、超音波を使って藍染の染料を布の繊維の隅々まで定着させる新しい染色技術です。
この方法では、染めるための液に微細な気泡を生成して、染料を繊維に押し込んで固定します。
これにより、藍染の持つ色落ちや、薬光の減少といった問題を解決しています。
それはすごいですね。この技術のすごいところをもっと聞きたいです。
この技術の特徴は、超音波を使った染色、手作業の機械化、そして水の使用量を大幅に削減できる点です。
それをどのようにして実現できるんですか。
まず、52.5kHzの超音波を用いて微細な気泡を生成し、それで染料を均一に分散させます。
また、熟練の藍染しから手ほどきを受け、化学物質を使わないオーガニックな藍染染色も実現しています。
さらに、製造にはすべて成分解析の原料を使用し、有害物質を排出しないプロセスを構築しました。
染色に使う水の量も、通常よりも最大200分の1まで削減しています。
素晴らしいです。ところで、なぜこの技術は生まれたんですか。
AIZOME ULTRAの実現事例と応用分野
この技術を開発したのは、藍染というスタートアップです。
ドイツ出身の共同創業者が、母親の肌荒れをきっかけに、肌に優しい布製品の必要性を感じたことです。
そんなことから始まりました。日本の藍染に興味を持ち、その消臭や保温、抗菌効果に着目し、新しい染色技術の開発に着手したんです。
そうだったんですね。日本の伝統技術が注目されるのは嬉しいですね。
ちなみに、実際の実現事例はあるのでしょうか。
はい。すでに、ペットシーツや服などを販売しています。
あと、面白い製品として、藍染ウエストケアというものがあります。
藍染工程から出る藍水を利用したスキンケア製品なんです。
この製品は、藍水に含まれる藍の有効成分を生かして、肌を整え、保湿する美容液を実現しました。
それは驚きです。どのようにしてそのアイデアが生まれたんですか。
染色後の藍水には、藍の成分がまだ豊富に含まれていることが、欧州の研究機関の調査で分かったんです。
これらの成分には保湿効果があるため、
販売された製品を開発したんですね。
さらに、化学物質を一切使わずに製造されるため、肌にも優しいんです。
なるほど。藍水の再利用は、環境にも優しいですね。他にも特徴はありますか。
はい。実際にこの美容液は、化粧品としての安全性にも配慮しており、医療用の小瓶に詰められています。
さらに梱包には、リサイクル剤を使用しており、環境への配慮が随所に見られます。
今年3年の9月には、フランスで開催されたカンヌライオンズのデザイン部門でゴールドを受賞しています。
それが、この技術の実用性とイノベーションの証明ですね。
それはすごいですね。カンヌライオンズでの受賞は、確かにその価値を物語っていますね。
ちなみに、この技術が相性がいい産業分野はどこですか。
まず、病院や介護施設などで、寝具やファブリックに活用することが考えられます。
また、化学物質を用いている人たちは、
アパレル製造工程に導入することも期待できます。
素晴らしいですね。早鷹さん、詳しい解説をありがとうございました。
こちらこそ、ありがとうございました。
それでは、今日はこれでお別れです。また次回の知財図鑑ポッドキャストでお会いしましょう。
